うちの子は大丈夫!?言葉の発達・トイトレ体験記

2022年5月9日

子育て

言葉の出がスロー?

2018年3月、私は最初の子である息子を出産しました。
これは、その息子が2歳~3歳の時に経験した、“言葉の発達とトイレトレーニング”のお話しです。

3月生まれの我が子は、学年の中では一番末っ子。
その為、「同級生の子よりも出来ない事が多くても仕方がない。」私はいつもそのように思っていました。
身長や体重、運動能力、お友達とのコミュニケーション能力、そして言葉の出。
子供が小さいうちの、1月の差は大きく、同級生の子を、同級生として認識した事はあまりなかったかもしれません。「我が子もこれからこんな風に成長して行くのだな。」と、同級生の子達を見て、お手本の様に捉えていました。
ですので、トイレトレーニングや言葉についても同様。全く焦った事はありませんでした。

トイレトレーニングを始めて意識したのは2歳前。
意識したと言っても、補助便座を買った程度です。
この頃息子は、なぜかトイレにとても執着していて、よくトイレを覗きたがりました。
「まだ早いかな…」と思いつつ、「トイレに恐怖感を覚えず、トイトレを開始出来たら良いな。」
そんな願いも込めて、おもちゃ感覚で補助便座を購入しました。

当時、息子は初めて見る補助便座に興味は示すものの、遊び以外で実際使う事は無く…この補助便座が活躍するのは、随分後の事になるのでした。

息子が2歳2ヶ月の頃、娘が誕生しました。
まだ単語しか出なかった息子ですが、妹の誕生は嬉しかったようで、
「あかちゃ!あかちゃ!(赤ちゃん!赤ちゃん!)」と妹の枕元を陣取っては、嬉しそうに眺めていました。

2歳3ヶ月の頃、幼稚園の満2歳児クラスに入園しました。
息子の通う幼稚園では、珍しく、週5日通える、母子分離の満2歳児クラスがあります。
当時、娘が誕生したばかりで、日中息子とロクに遊ぶ事が出来なかった為、幼稚園の存在はとても助かりました。

当時息子は、単語を話すのが精いっぱい。例えば、公園で虫を見た時の反応は、
「な、な?(何?)」
そこで私が「いもむしさんだよ、おはようって言ってみたら?」と言うと、
「はよ!はよ!(おはよう)」
と言ったような感じでした。

会話の内容からも、こちらの言っている事はちゃんと理解はしているものの、言葉が上手く出てこない様子。
「上に兄妹がいるわけでもないし、ましてや男の子だし…」と、この状況に何も感じてはいませんでした。

このように、息子の成長をのんびりと捉えていた私ですが、息子が満2歳児クラスに通い始めて数日経った頃、少し焦るような経験をしました。
それは、息子と同じクラスの女の子が、お母さんに対し、「今日○○だった」と話したのです。

満2歳から通えるクラスの為、息子のクラスには、1つ下の学年の子も含まれています。
その子は、息子よりも1ヶ月程遅い生まれの子でした。
「女の子はすごいんだなあ。」と正直感心。「息子と近い月齢の子って、こんなに話せるのが普通なのかな…」息子との言葉の出の差を目の当たりにし、とても驚いたのでした。

こんな調子のスタートでしたが、息子も幼稚園に通うようになり、話す単語も日に日に増えて来ました。話すのは単語が中心。時々2語文かな…?と思う程度。
ですが、口数も徐々に増え、表情も豊かになってきた気がしました。
これまで、私と一緒に遊びたい時は、無言で私の手を引っ張っていた息子。
「こっちー!」と口で表現出来るようになった時は驚きました。

通い始めて約1ヶ月後、息子が2歳4か月を迎えた頃、家で挨拶のマネをし始めました。
「しぇんしぇ、はーよーまーす!(先生おはようございます)」と言いながらお辞儀をしています。
何を言っているのか、他の人が聞いたら分からない程度の言葉だと思いますが、息子にとっては大進歩。息子の世界がぐんぐん広がっていく感じがし、とても嬉しく感じました。

言葉の方は、このように少しずつ進歩が見られましたが、トイレに関しては、入園後も何の変化もありませんでした。

おむつはXL。サイズが大きくなると枚数が少なくなる為、地味に家計にダメージを与えます。
また、息子は汗っかきで、年中水分をよく摂る子だったので、おむつはいつもパンパンの状態。
寝ている間のおしっこの量も多く、オムツをしていても、布団を濡らす日もありました。産まれたての妹のおむつ替えと、息子のおむつ替えは2重苦となり、とても大変に感じていた頃です。

幼稚園での満2歳児クラスでは、トイトレを1つの目標として掲げています。
またこの頃、入会していた「こどもちゃれんじ」でも、トイトレが始まっていました。
DVDにトイトレの内容が含まれ始め、“といれっしゃ”(トイトレの為のおもちゃ)も届き、息子の周りには、トイトレの波が押し寄せて来ていました。

正直、学年の末っ子の息子にとって、こどもちゃれんじの内容は、少し高度なもの。
これまで届いたおもちゃ類も、しばらく経ってから使い方が分かっている様子。それは4歳になった今でも感じています。
トイトレに関しても、先取りし過ぎかな…とも思いました。
ですが、私は周りに押し寄せるトイトレの波に負け、「便座に座らせる程度は始めようかな…」と思い始めたのです。

幼稚園から帰ったある日、“といれっしゃ”を持ち、息子をトイレに誘導してみました。
息子は、2歳前から始まったトイレ好きもあり、便座に座る事は怖くない様子。
おむつはしたまま、補助便座に座らせ、といれっしゃのスイッチをオン!
トイレの真似事をさせてみたのです。
息子は上機嫌で、といれっしゃの歌を歌い、その日は終了。

「この調子で、オムツを脱がせて、何度か続けていれば、いつかチョロっとおしっこが出るだろう。」私はそんな風に考えていました。
ですが、この考えが甘かった事を、私は後々思い知らされます。

幼稚園に通い始めて、1月半。もうすぐ夏休みという時期でした。
息子が2歳4か月を迎えた頃、担任の先生との個人面談がありました。
この面談を機に、私は“息子の言葉の発達”について、初めて不安を感じる事になるのです。

先生と1対1で話すのは初めての事。
いつもお迎えの際、息子の様子を抜粋して教えて貰ってはいたものの、じっくりと聞く機会はありませんでした。
なので、今日の面談を私は楽しみにしていました。

園での様子や、利き手の事(息子は左利きです)、お友達との様子、
そしてトイトレに関しては、3月生まれなのでおいおい…等。
お若いのに、保育経験が豊富で、子供の事をしっかりと見てくれている先生。
先生の話す息子の姿は、私にとってすべて新鮮で、いくらでも聞いていられる程でした。
予定時間の30分はあっという間。
そうこうするうちに、最後の話題となりました。

最後の話題は、“息子の言葉の出”についてでした。
トイトレ同様、「3月生まれなので、焦らなくて良い」程度の話で終わると思っていた私でしたが、何とここで“療育”の話題が出てきたのです。

まだ、言葉が十分に出ていない事について言及があり、「もし気になるようでしたら、その時は療育機関をこちらからご紹介出来ます。」と言われたのです。

この時の私は、療育についての知識が無く、恥ずかしながら、「療育=発達障害がある」という認識でした。
なので、先生からのこの言葉に焦ってしまったのです。
若干取り乱しながら、先生に「先生から見て、息子は言葉の出や、何か発達に問題がありますでしょうか?」と聞いてしまいました。
今考えると、不安のあまり、先生も困ってしまうような質問を投げかけたかと思います。

先生は、「問題はないと思いますし、まだ2歳半前ですので、様子は見て良いと思いますが…心配があればご紹介出来ます」との事。
そんなこんなで、2歳半を迎える、夏休み明け頃まで、様子を見る事になりました。

後で分かった事ですが、息子の通う園では、「発達について何かあった際、対応が早い方が、良い」との考えから、少しでも心配のある場合は、療育を積極的に進めているようでした。

園としては、子供の為を思って、“少しでも気になる点を見過ごさない為の対応”だったのですが、幼稚園1年生の私にとっては、衝撃の内容。

何となく分かってはいたものの、面談の内容を受け、息子の言葉の出が、“第3者から見てもスロー”だという事を認識したのです。こうして気持ちの整理がつかないまま、1学期が終了しました。

夏休みの急成長

言葉の不安を残したまま、夏休みに入りました。
当時、息子2歳5ヶ月、娘生後3ヶ月。約40日間の夏休みは、幼稚園の有難みを痛感する日々でした。

これまで幼稚園で体力を発散していた息子。夏休みの毎日をどう過ごそうか、私は頭を抱えてしまいました。家の近くに公園はありましたが、梅雨明けから気温が一気に上昇し、外は灼熱地獄。生後3ヶ月の娘を連れて行くには、少し危険だなと感じる日々。
時には、コロナ禍で在宅勤務だった主人に娘を預け、午前中に息子を公園に連れて行ったり、どうしようもない時は、狭いベランダで、シャボン玉をさせたりし、やり過ごしました。

この頃の息子は、私達大人と、言葉のやり取りが少しずつ出来るようになってきていました。
これまで、私が一方的に話しかけるだけだったのですが、簡単な会話のやり取りが見られる様に。
例えば、私が「今日も暑いね…」と話しかけると、息子が「あっちゅいね~」と返事をしてくれるようになったのです。
他にも、観たいDVDがあると、「こっち、いい(こっちが良い)」と意思表示をするように。
私が「1回だよ、お約束だよ」と伝えると「うん。」と返事もしてくれるようになったのです。
こんな風に、夏休み期間は、「あれ、ちょっと成長した?」の積み重ねの日々でした。

夏休みの最終日、私と息子はちょっとした喧嘩をしました。
その原因は、最後の1回と決めたDVDの視聴を息子が守れず、愚図ったためです。
ですが、そのやり取りもこれまでとは随分違うものでした。
私が「最後の1回だから、これで終わりね」とチャンネルを変えた際、これまでの息子なら「ギャー」と泣き叫ぶだけ。
ですがこの時息子は、手で1のポーズを作り、泣きながら「もいっかい、もいっかい!!」とゴネたのです。
これまで、息子のギャー!がストレスだった私ですが、こうして少しでも意思表示を言葉でしてくれると、精神的にも少し楽なんだなと初めて感じた出来事でした。

ちなみに、現在1歳11ヶ月の娘ですが、最近私との簡単な会話のやり取りが出来る様になりました。
例えば、寝起きに私が「ゆっくり眠れた?」と聞くと、娘は「うん、た(うん、寝た)」と答えます。
また、「明日じじがうちに来るって」と言うと、「ん?じじ?」と私に聞き返します。
同じ兄妹でも、随分違うのだなと痛感した出来事でした。

以前、息子の様子について不安のあまり、言葉の出について、インターネットで調べた事があります。
言葉がなかなか出ない子は、“今、一生懸命、言葉を蓄積している期間”なんだと。
そして、時期が来ると、“ダムの放水のように、一気に言葉が出てくる”と。
化学的根拠の有無は分かりませんが、私はこれを聞いて「なるほど!」と思いました。
息子の言葉の出は、この時点で、まだまだ不十分ではありましたが、今思えば、1学期が蓄積期間。夏休みが放水のタイミングだったのかもしれません。

長い夏休みが終わり、2学期が始まりました。
2学期に入りやっと、同じクラスのお友達とお母さんの顔と名前が一致するようになりました。

息子のクラスは満2歳から、希望すれば年少に入園するまで在籍出来ます。
その為、2学期にもなると、3歳のお誕生日を迎える子が、徐々に増えてきました。
そこで増えてきたのは“パンツ”と言う単語。
1学期は緊張もあって、周りがあまり見えていなかった私ですが、よくよく聞いてみると、パンツで登園する子や、お兄さんパンツ(トレーニングパンツ)を履いている子が多数いる事を知りました。
お迎えの際、順番に先生とお母さんが少しだけ会話する時間があるのですが、
「今日は○○君、パンツで頑張りました」「今日トイレに座ってみたら出ました」等、高度な会話が交わされている事に気付いたのです。

当の息子は2歳半を迎えていました。パンツも買っていなければ、トレーニングパンツすら持っていない状態。
毎日、大量の使用済おむつが入ったごみ袋を持って(園ではおむつは持ち帰りです)、帰宅していました。私は周りの勢いに飲まれ、この時初めて、焦りを感じ始めたのです。

夏休みの間も、時間のある時に、息子をトイレに座らせてはいたものの、おしっこが出る事は1度もありませんでした。以前「いつかチョロっと出るだろう」と思っていた、自分の認識が甘かった事を痛感。また、生後4ヶ月の娘のお世話が忙しく、毎日は愚か、息子を定期的にトイレに座らせる事も、そう長くは続きませんでした。

そうこうしているうちに、追加で届く、こどもちゃれんじのトイトレ関連の付録。
私はまたもや、トイトレの波に飲まれます。
「何かやらなくちゃ…トレーニングパンツを履かせるべき?パンツを買ってやる気を出させる?ごほうびシールを貼らせてみる…?」
ですが、どれも今の息子にとって、レベルの高い事ばかり。
私は、トイトレをどう進めるべきか、一切分からなくなってしまいました。
混乱した結果、八方塞がりになった私は、トイトレに関して考える事を一切辞めてしまったのです。

トイトレを放棄し数週間。2学期が始まって1ヶ月ほど経った頃でした。
私はお迎えの際、担任の先生から衝撃の報告を受けます。
「今日○○君(息子の名前)トイレに座ってみたら、ちょっと出ました。」と。
私は先生のその言葉を聞き、一瞬フリーズしてしまいました。
まさか、あの息子が!トイレでおしっこを出せたなんて!!
息子が2歳7か月を迎える直前の事でした。

先生の話をよくよく聞いてみると、月齢が上のお友達と一緒に並んでトイレに入った所、おしっこが出たとの事。どうやらお友達に釣られて、出たようです。

2学期に入り、先生が少しずつトイトレを始めてくれている事を知ってはいました。ですが、「家でも出ないのだから、園で出るのは随分先だろう…」と半ば決めつけていた私。
なので、この報告はまさに衝撃的でした。
今でも思う事ですが、“お友達効果に勝るものはない”当時、そう強く感じました。

こうして、人生初めての“トイレおしっこ”を幼稚園で成功させた息子。
この勢いを止めてはいけないと思った私は、帰宅後、息子にトイレをすすめてみました。
すると、なんと家でも数滴おしっこが出たのです。大袈裟かもしれませんが、待ちに待った感動の瞬間でした。

その日を境に、家のトイレでおしっこが出る度に、ご褒美シールを貼らせる事にしました。
シールと台紙は、こどもちゃれんじの付録。「この付録が活躍する日が来るなんて…」と、感慨深く思ったのを覚えています。
付録のシール台紙には、色々な動物のイラストが描かれており、順番にパンツのシールを貼ってあげる仕組みになっています。
ゴールのシールだけは、他のパンツシールとは違うビックサイズ。ぞうさんに履かせるパンツシールです。そこに到達するまでは44回。途中でシールを無くしそうだな…と思いながら、細々と続ける事にしました。

息子はこのシールを大変気に入り、最後の“ぞうさんパンツ”を貼る日を、本当に楽しみに頑張っていました。時には日に2回。反対に2日空いてしまう日もありましたが、何とか44回シールを貼る事に成功。開始してから最後のシールに到達するまで、約2ヶ月弱かかりました。

最後のぞうさんパンツも紛失する事無く、無事に貼る日を迎えられました。
あの時の息子の嬉しそうな顔は、今でも覚えています。
こうして、2歳9ヶ月を迎える直前に、ポスターを完全制覇する事が出来たのです。

この間、息子がシールを違う場所に貼りたがったり、シールを余分に貼りたがったりと、正直大変でした。娘が泣いている時に、愚図られた時は、シール1つに大人げなく怒鳴ってしまった事もあります。
でもこうして、子供と2人、1つの事を達成出来た事が初めてだった私は、「やって良かったな」と心から思いました。

こうして、トイレのご褒美シールが定着した我が家でしたが、また新たな壁にぶち当たります。
「で、この先、トイトレってどうって進めるの…」と(笑)

トイトレのゴールは、子供が自身で尿意を感じ、トイレで用を足す事です。
現在の息子は、促されてトイレに行った際、偶然出るといった感じ。
幼稚園でも、先生が定期的に声をかけてくれ、行った際、トイレで用を足せるようになっていたようですが、これから何をすべきか、皆目見当もつきません。

こうして私は再び、八方塞がりに陥るのでした。

ラストスパート

2学期中、トイトレに関し、大きな進歩を遂げた息子でしたが、同じ時期にもう1つ成長を遂げた事がありました。それは言葉です。
夏休みに、“言葉の放水”が起こった息子でしたが、2学期に入り、徐々に大人との会話が成り立つようになってきました。
「成り立つ」と言っても、こちらの質問に対し、単語で答える程度。
ですが、これまで息子の意思を、“息子の言葉”で知る事のなかった私にとって、この事はとても大きく、同時に子育てを少しずつ楽にしてくれました。

例えば、自分のやりたい事がある場合、「○○(息子の名前)も!」と表現してくれるように。
当時、何でもやりたい時期だった息子は、自分のやりたい!を、これまで、叫んだり、泣いたり、無理矢理奪い取る事で表現していました。
それが、「○○も!」という一言だけで片付くのです。

また、遊びの幅も広がりました。
例えば、やり取りが出来るようになった事で、“お買い物ごっこ”が出来る様になったのです。
息子が車のおもちゃにまたがり、買い物に出かけます。
私が「どこに行くのー?」と聞くと、息子は「コープ」と答えます。
私が「パンを買ってきてね」と言うと、息子が「カレーパン?」と聞き返します。
どんどん出てくる息子の単語や言葉が嬉しく、子供の遊びに付き合うのが苦手な私も、この遊びなら一緒に楽しめるようになりました。

2学期に入ると、お友達との交流も、1学期よりも盛んになってきました。
同時に、お友達から貰う刺激も多く、息子はどんどん話すのが上手くなっていきました。
2月程すると、文章を少しずつ使いこなせるように。
例えば、道に落ちているどんぐりを見つけ、こちらに見せに来てくれる際、「見て見てー!小さいよ!」と言えるまでになりました。

そんなある日、担任の先生からも「○○君、沢山話すようになりましたね!」と、声をかけて貰いました。先生は、私が個人面談の際、息子の言葉の出について心配していたのを、ずっと気にしてくれていた様です。
まだまだ、同じ学年や月齢の子に比べ、たどたどしい言葉使いではありましたが、息子の言葉の成長が軌道に乗ってくれ、あんなに大きかった心配は、いつの間にか消え去っていました。

沢山の成長が見られた2学期が過ぎ、そして冬休みも終わり、ついに1年の締めくくりである3学期に入りました。
息子は、夏休み同様、冬休みにも言葉の放水が起こり、いつの間にかおしゃべりがとても上手に。その反面、トイトレに関しては、何の進歩もないまま、日々が過ぎていました。

2学期の前半に始めた、トイレでおしっこが出たらシールを貼らせる作戦。
この事が定着したのは良かったものの、言い換えれば、それしかせずに、3ヶ月以上が経過。この時息子は2歳10か月になっていました。

幼稚園ではこれまで同様、先生が時間を決め、トイレに連れて行ってくれている様子。
水をよく飲む息子なので、毎回おしっこは出ているようですが、尿意を自分で伝える事は一切無く、おむつスタイルが基本でした。

そんなある日、息子と同じ学年の子が殆ど、パンツを履いてきている事に気が付きました。
3か月後には年少に入園です。園では、入園の段階でおむつが取れているのが理想とされていたので、私はそろそろ次の段階に進まなければと思いました。

決意は固まったものの、次にどう動いていいのか分からなかった私。
そこで、担任の先生に相談する事にしました。
すると先生は、「○○君(息子の名前)のおしっこの出る間隔を知る事が一番だと思います。」とアドバイスしてくれました。
これを知る事で、“尿意を感じた時に、トイレへ行く”という練習が出来るからです。
私は先生のこの言葉を聞き、まさに目から鱗状態でした。

翌日から幼稚園でも、先生が息子のおしっこの出る間隔を、探って下さる事になりました。
初日、「1時間で確認したところ、もうおむつにおしっこが出ていました」と先生が報告してくれました。
そして翌日は45分、3日目は「30分でも出て居ました」との報告が。
日によっては、なんと15分で出ている日もあったそう。私は息子の頻尿具合に頭を抱えました。

降園後、家でもトイレの声かけを試みていましたが、1時間に1回声をかけるので精一杯。正直出来ない日もありました。15分間隔なんて、絶対に対応出来ません。
「息子のトイトレに、満足に向き合えていない。」
息子のトイトレと生後9ヶ月の娘のお世話。どちらも不完全燃焼だと感じていた私は、一時期とても落ち込みました。

ですが、そんな状況下でも、ほぼ毎日、出来た事が1つだけありました。
それは“お風呂でのバケツおしっこ”です。
息子はなぜかお風呂に入った時だけ、毎回「おしっこ!」と尿意を伝えてくるのです。その為、浴室に備えてあるバケツに、毎度おしっこをさせていました。
最初は面倒くさがっていた私でしたが、よくよく考えると、この時だけ息子は、“自分の意思”でおしっこを出せている。
「これを続ける事は、意外と意味のある事なのかもしれない。」
そう思い、しばらく様子を見る事にしました。

2歳11ヶ月を迎えた頃、初めて息子のパンツを購入しました。
もっと前にすべきだったのかもしれませんが、私はパンツを購入する事をすっかり忘れていたのです。
息子の大好きな、ショベルカー柄のパンツ。きっと見た瞬間興奮し、履きたがるに違いない、そう思っていましたが、予想は大ハズレ。
これまで365日24時間おむつオンリーだった息子は、パンツを履く事を嫌がりました。

「まずパンツの布の感覚に慣れさせないと。」
そう感じた私は、お風呂上りに着替えをする際、パンツを履かせ、その上におむつを履かせ、寝るまでの数時間、過ごさせる事にしたのです。その名も、パンツonおむつ作戦。
最初は嫌がった息子でしたが、徐々に慣れ、時にはおしっこが出てパンツが濡れてしまった際、報告してくれるようになりました。パンツが濡れてしまったら、もうおしまい。
パンツでいる時間は僅か30分の時もありましたが、この事が功を奏し、息子は徐々にパンツの布の感覚に慣れてくれました。

同時期に、幼稚園にもパンツを持って行き始めました。
登園時はおむつ。幼稚園で先生が頃合いを見計らって、パンツで短時間過ごさせてくれていました。
初めは自分のパンツに一切興味の無かった息子でしたが、お友達のパンツ姿に刺激を受けたのか、自分のパンツを先生に自慢する日も出てきたそうです。

この頃、先生に、お風呂でのバケツおしっこを報告したところ、「すごいですね!」と褒めて貰えました。やはり自分の意思でおしっこを出せる事は、大きな進歩だったようです。
と同時に、心配していたトイレの間隔についても「成長に伴い、おしっこを“溜める”事が身に着くので、徐々に間隔も空いてくる」との助言が。
それを聞いて、少し肩の荷が下りました。

そんな毎日を過ごしていたある日、私は、息子におしっこの声かけをするのが面倒になりました。そこで、考えたのが、スマートフォンのタイマー機能です。
1時間にセットし、タイマーが鳴ったらトイレに行くルールに変更したのです。
息子はタイマーが鳴った際、スマホのボタンを押せるのが楽しかったようで、意外とこのルールは定着しました。

お風呂のバケツおしっこ、入浴後のパンツonおむつ、寝るまでのスマホのタイマー。
これらが定着した頃、思い切って、おむつを外しました。
最初はおもらしをしてしまい、嫌がった息子も、徐々に自信が付いたのか、お風呂から寝るまでの約3時間、パンツだけで過ごせるようになったのです。

そして3歳を迎える10日程前の休日。半日パンツのみで過ごす事に成功。
翌週、ついに1日パンツで過ごす事に成功。こうして息子は、3歳を迎える2日前に、ほぼトイトレを完了する事が出来ました。
大に関しても、コツを掴んだのか、この1か月後にはトイレで出来る様になりました。
今考えると、年少入園までにトイトレを完了させる事は無理があったのかもしれません。
ですが、息子は怒涛のラストスパートをかけ成功。親である自分が1番驚きました。

振り返ってみると、息子の言葉の成長と、トイトレの進み具合は、並走していた気がします。
どちらも、長く停滞していたと思ったら、いきなり進んだりと、私の予想を覆す事ばかりでした。

現在4歳になった息子。今度は、同学年の子に対し、文字の読み書きで遅れを取っている状況です。きっとこれからも、息子の成長に不安を感じる事は沢山あると思います。
ですが、2歳から3歳までに経験した、子供はいきなり成長するという事を忘れず、「いつか出来る様になる」とドンと構えていられる母親を目指していけたらなと思います。

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