品川区における学童の状況について

2022年4月4日

自治体サービス

共働き夫婦だと小学校に入学して学童を利用するお子さんも少なくない。品川区の小学校では学校内に学童の教室が併設されており、こちらの利用が便利で安心なのでご紹介したい。
まず学童に申し込む際に、いくつか子どもに関する資料の提出を求められる。具体的な内容は、住所、氏名は勿論、子どもの発達状況、性格、どんな遊びが好きか。学童を利用する理由(親の就業の為や介護の為など)、アレルギー情報や緊急時に受け渡しする保護者の氏名など。イメージとしては保育園に入園する際に書いたような資料と思って頂けると分かりやすいかと思う。この資料の提出は小学校の入学に向けて学校に提出する資料と重複する内容でもあるし、4月から学童を利用したいと考えると提出期日も同じ頃に設定されている。新学期の準備に追われながら提出資料の準備となると大変だと思うが、子どもの情報を開示することで安心して預けることができる点を考えれば、仕方のないことだと思う。
これらの資料を提出する際に、実際学童の教室に入り先生とお話する機会があった。学校内に併設されているが先生方は学童専属の方で、提出する子どもの情報を皆で共有し、安全に子どもを預かってくれるそう。学童の教室に入室する際には、利用カードの提出を求め、そこには当日の体温、一人で帰るのかお迎えに来るか、お迎えに来るのであれば誰が何時に来るのかを簡単に記載し提出する。その提出が無ければ利用は出来ないそうだ。また、教室に入退室する際に、カードをかざして記録を残している。その記録は保護者も確認することができ、自分の子どもが学童の教室に入室したこと、退室したことを確認することができる。これは離れた場所で仕事をしていても安心なシステムだと思う。子どもの退室が確認できれば、家に到着する時間の予測が出来るし、わざわざ学童の教室まで迎えに行かなくても家路の途中で合流する、なんてことも可能だろう。
また教室を退室する際も、先生方が30分ごとに退室予定の子ども達に声がけをし、ひとまとめにしてから家路に向かわせていた。集団登校という括りではないが、帰路が同じであれば途中まで同じ学年の子、もしくはお兄さんお姉さんと一緒に帰れるので子ども自身も安心なのではないだろうか。
では、学童ではどういったことをして過ごすのか。親にとっては遊んでいるだけ、よりはプラスαがあると助かることも多いだろう。一番のプラスαとして、宿題をやる時間があることだ。学童を利用し帰宅する子どもの多くは、授業が終わりまっすぐ家路につく子より自宅での滞在時間が短い。それにより夕方から夜にかけてはバタバタと過ごす子どもも多いだろう。そこに宿題があれば親も気が気でないのは想像に容易い。そこで学童で設定されている「学習時間」がとても有難いのではないのだろうかと思う。低学年の内は国語で音読の宿題が出るので、これに関しては親が聞いてあげチェックをするのは仕方ない。それ以外の例えばプリント等を学童で終わらせてきてくれるだけでも、宿題の成果ゼロスタートで夜にバタバタするより親であるこちらの気の持ちようも違うと思う。また、他のお友達がいることで切磋琢磨し自然とやる気に繋がるのは自宅学習では出来ないことなので有難い。先生方も見てくださるようなので、分からないことは質問できる環境もあるそうだ。小学校生活がスタートして親としては生活リズムや通学の心配もあるが、宿題というのもいくつになっても心配な要素だと思う。それを軽減できそうな「学習時間」は、有意義な時間になることだろう。
また学童において他学年の子どもとの関わりも大きな成長を感じることができるのではないかと思う。学童の先生の話の中で印象的だったのが、子ども達に主体性を持たせたイベント作りの話だった。現在コロナ渦で、今までのようにボランティアのおじいちゃんおばあちゃんを招いて昔の遊びを教えてもらう、といったイベントが出来ないでいる。それでも学童で過ごす時間をいかに豊かにできるかを、学童の先生方と生徒で試行錯誤しているのが掲示されていた。その内容として、4月の新入生歓迎会では、上の学年の子が新一年生に荷物の置き場所、トイレの場所など積極的に誘導しお世話をしてくれる。その姿を見ていると、たった数年違うだけなのにこんなにしっかりするのかと驚くほどだ。また出し物として一輪車やフラフープを使った小さなショーを見せてくれる。一輪車を見るのがここで初めての子もいるだろう。やっと補助輪が外れた自転車に乗っている新一年生としては、お兄さんお姉さんがタイヤ一つの一輪車をいとも簡単に乗りこなしている姿は驚愕することだろう。
その他にも上級生が考えたイベントは目白押しである。例えば体育館で行われる映画上映会、上級生が作成したお化け屋敷、水鉄砲を使って校庭を目一杯走り回るウォーターバトル。どれもこれもとても楽しそうな企画の数々だ。学童の先生によると、すべて子ども達が考え企画し制作に進むそうだ。一年間を通した様々なイベントの写真を見て、我が子も目を輝かせていた。親である私も、こんなに充実している学童での生活は予想外で、どれもこれも楽しそう、これからの学童生活が楽しみだと感じた。
コロナ渦なので、例えば学級閉鎖になったクラスのお子さんは利用できない、お弁当を食べる時間は黙食するなどコロナにおけるルールはあるそうだ。また平時の時より利用者が減った、というのも先生がおっしゃっていた。それでも除菌や手洗い、マスクは必ず着用する等、先生方も対策をしてくださっているので多くの利用している子どもがいた。
また、学校内に併設されているというのは品川区ならではで、親としては最大の安心要素であると思う。自治体によっては、学校から徒歩5分のところに学童がある等、授業が終わったら自分で学童へ向かわなくてはいけない状況のところもある。新一年生、保育園の時よりしっかりしたとは言え、一人で行けるのか、交通ルールは守れるか、危険なことはないか、など親の心配は尽きない。そりゃそうだ、見えないところで子どもが動くという経験が新一年生を持つ親としても初めてのことだと思う。交通事故の心配や不審者に遭遇しないか等、たとえ5分だったとしてもハラハラする。品川区ではそういった心配が無いので、授業が終われば教室から学童の教室への移動のみ。学校内の移動なので車や不審者の心配も無い。授業が終わっただろう頃に仕事をしながらハラハラしなくてもいいのだ。
また自治体によっては、学校に併設されている学童はあっても、そこに入るには争奪戦で枠が足りないということも聞く。今の時代、様々な民間学童もあるが、利用するには金額が高い。民間学童には民間学童の良さももちろんあるが、一番身近で手軽に利用できる学校併設の学童にまず通わさせてみたいと考える親も多いだろう。それが争奪戦となると、申し込みと並行して民間学童をリサーチし説明会に足を運び、民間学童も入れないと困るので、そこでの枠も押さえるといった動きも必要になってくる。元々民間学童を利用したい方にとっては大変な動きと思わないだろうが、学校併設の学童に入れなかったら・・という代替案としての動きはなかなかな労力だと思う。品川区ではそういったことが無く、申し込めば4月からでも5月からでも利用することができる。例えば学区域に住んでいれば、その学校に通っていない私立小学校の生徒も利用することは可能だ。その為、申し込む際に就労証明書を会社に取り寄せて提出することも無い。保育園に入園する為に保活をすることはあっても、民間学童を利用したい方は別として、学童の為にあちこち候補を作って比較して、等は必要ないのである。
このように学童では安心して預けることができ、学習時間やコロナ渦でも考えられたイベントを経験できる環境は、働く親御さんにとって有難い環境であることだろう。

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