実家に頼れない共働き夫婦の子育て法

2021年12月8日

ワーキングママ

第1章 共働き夫婦の現状・タイムスケジュール

「今日はじいじが迎えにきますので、よろしくお願いします」

保育園送迎時に隣の教室前から聞こえてくる何気ないこんな言葉。

羨ましいと感じながら通り過ぎるのは自分だけなのだろうか。
いいなあ。自分以外に見てくれる人がいて。

そんなことをぼんやり考えながら車に乗り込み、1時間ほどかかる仕事場に続くいつもの道をただひたすらに走ります。

3年前、関東内転勤族の夫に出た辞令により、2週間以内に新居を決めなければなりませんでした。
双方の実家から数百キロ離れた、お互いにまったく縁もゆかりもない土地に引越しです。

当時も共働きで、子供はまだ1人。
私は夫の転勤の可能性を考え、全国店舗展開のあるその会社で誘われていた社員試験を蹴り、パートでの勤務を続けていました。
転勤になったときに、なるべく身軽に異動させてもらうためです。
本当は正社員として働きたい気持ちが強かったのですが、ここでも 実家に頼れない という大きな壁が私の前に立ちふさがりました。

お互いの通勤圏内で新居を探す際に重視した点はただ一つ。
【待機児童がいない】
ただそれだけの理由で今も住むこの街に決めたのです。いったん仕事を辞めるという選択肢は選べませんでした。

あと数年で上の子は小学校。
できる限り転校はさせたくないという思いから、引越しから1年後に定住地としてそのまま同じ街に家を建てました。

のちに2人目が生まれ、育休を取得させてもらって1年後職場復帰。
幸い2人とも同じ保育園に入ることができ、私自身も産前の職場にそのまま復帰しました。

実家を頼れない共働き家庭で2人の子供を育てるという生活の負担は、やはり母である私に重くのしかかります。

朝起きてからから夜寝るまでの間、本当に怒涛の勢いで押し流されるように時間が過ぎていきます。

起きたらまず子供の朝ごはん、夫と自分のお弁当作り、掃除機掛け、自分の仕事の用意…

やらなければいけないことがたくさんある中で、まだ1歳の下の子はすんなり寝続けてくれません。母の気配が消えそうになるやいなや、泣きながら起きてしまうのです。
自分のタイミングで起きられなかった下の子は朝からぐずぐず…
結局こうなるならギリギリまで横にいて寝かせておきたかった、と何度後悔したか分かりません。

一緒に寝室を出て、抱っこ紐でくくりつけて朝ごはんの用意です。なにもかも1人の時より時間がかかります。
げんなりしながら、でも出発の時間までにこなさなければならないタスクが山積みのため動くしかないのです。

何とか朝ごはんを食べさせ、着替えを手伝い、保育園に持っていくものをリュックに詰めます。
年中の上の子は、自分のことはほぼ自分でできるためとても助かっています。

夫はシフト制で、自分の出勤時間に間に合うタイミングでしか起きてこないことがほとんどです。
なんで自分だけ…と毎日のように思います。
しかしそう考えていること自体がストレスになるので、考えるのをやめました。
見返りを求めていると、そうならなかった時の裏切られたような気持ちが大きくなるからです。

でも最近は以前よりも、服を出しておけば着替えさせてくれたり、食器を下げて食洗機を回してくれたり、と自発的に動いてくれるようになったと感じています。

自発的 というのが本当に重要ポイントです。

子供は1人しかいなかった時は、遊ぶだけ・出かけるだけの父親でした。
【実行】の部分だけをかいつまんで遂行し、【準備】【片付け】は母親である私がやって当たり前。
それで子育てに参加していると思っていたようです。

2人目が生まれてからは、私1人ではどうにも手が回らないことが数多く起こりました。
更にコロナ禍での出産・子育てということもあり、知り合いもいない土地に住む私たちは2人で何とかするしかありませんでした。
そんな環境の変化から、やってもらわなければ回らない と強く主張したおかげでようやく最近の行動につながってきたように思います。

夫が遅番の時は頼めることはお願いし、2人とも保育園に送り出しようやく自分の仕事へ。
通勤時間が長いことが悩みの種ですが、車通勤のため貴重な1人時間です。

現在は夕方16時までの時短勤務で働いています。
職場がもう少し近ければあと1時間は長く働けるのにと常々思っていますが、職場環境が恵まれているので文句は言えません。

退勤し保育園へ。ここからが第3ラウンドです。
朝保育園に送るまでが第1ラウンド、仕事が第2ラウンド… 
それぞれのタイミングでボクシングの試合の鐘のような音がいつも頭に鳴り響きます。

帰宅時間は18時前。
ここから21時の「おやすみ」までが究極の忙しさです。

コロナ禍ということもあって、帰ってきたら手洗い・足をアルコール除菌・着ていた服を全脱ぎしてお着替え。これを必ず行っています。
最強に面倒くさいです。このまま過ごせたらどんなに楽かと。

しかしながらこの一連の行動によってなのかは分かりませんが、体調を崩すことが減ったように感じます。特に足の裏は見落としがちです。下の子は保育園でもまだ裸足で歩き回っていますから、一定の効果はあるのではないかと勝手に思っています。

続いて夕食の準備に取り掛かります。できるだけ バランスよく を、と心がけています。
下準備ができればいいのですが、1歳の下の子に振り回されて朝のうちに夕食の準備ということがなかなかできません。
そのため、シンプルな料理・味付けでも栄養がたくさん摂れるように低農薬野菜の宅配を利用しています。
野菜そのものの味が濃いので、焼くだけ・煮るだけ等の調理でもとてもおいしいです。

食べさせている間にお風呂の準備、保育園から持ち帰った汚れ物の仕分け・洗濯準備、お便りの整理を同時進行します。
ここまで座る暇は一度もありません。

夕食を作る前に、下の子がぐずって抱っこ抱っことなるときも多いです。
そんな時はみんなおなかをすかせているのに30分ほど抱っこに付き合い、その間夕食を作れないときもあります。どちらかというとそのような日のほうが多いです。

ただ、延々と泣き声を聞き続けながら夕食準備をするよりは、寂しさからくるであろうその欲求をその時に満たしてあげたほうが後々自分を楽にしてくれるということが分かったのです。

しばらく抱っこをしてテレビを観ていると、勝手にもぞもぞ動き出して遊び始めます。
そうなったらようやく夕食準備に取り掛かることができます。

夫の食事もこの段階で作ります。
子供の分と一緒に大皿で作って取り分けが多いです。
現状では、できたて・焼きたてで出すことは無理!と割り切り、ラップ節約のために蓋つき陶器皿を買いました。
幸い夫も食べるものがあればいい という人なのでこの辺りは助かっています。

食事が終わったらお風呂の自動ボタンをポチ。子供たちはテレビをポチ。
そこから、『お風呂が沸きました』 の自動音声が響くまでの10分ほどが私のささやかな自由時間です。

携帯をいじったり、カフェオレを飲んだり‥
仕事でのお昼休憩が遅いため、子供と同じタイミングではおなかがすかないのです。
そのまま食べずに就寝することも多いです。勝手にダイエットになっているかもしれません。

お風呂が沸いたら3人でお風呂です。
夫はまだ帰ってきません。
上の子が生まれた時から、『お風呂はパパと』のような習慣が皆無でした。
いつだって私1人で入れていたし、2人目が生まれてからも1歳くらいになるまで夫は、下の子とお風呂に入ったことがありませんでした。

たまに母1人ではお風呂に入れられないという相談を目にしたりしますが、1人のほうが気楽だし慣れれば楽ですよと伝えてあげたいくらいです。

2人の子供とのお風呂ですが、首が座るまではかなり大変、下の子がしっかりと立てるようになるまではまだちょっと大変でした。上がった時のタオル等、事前準備が重要になります。

1歳を過ぎてお湯やら水やらで遊び出すようになればかなり楽になります。
その間にさささっと自分を洗えます。

1回入るとなかなか出てこない下の子を何とか上がらせ、2人に保湿クリームを塗りたくります。
もう5年以上、子供の肌にクリームを塗り続けています。
これはいつまで続くのかなと思う日もあります。しかし自分で塗るようになる日はあっという間に来るはずだから、今だけ…と思ってせっせと塗っています。

服を着せる頃にはもう20時近くになっており、子供たちは寝る前の遊びに夢中。
私は最後の仕事として洗濯干しです。
洗ったものを干す場所がないというのは本当にストレスになるので、職場復帰する際には洗濯用品を見直すことをお勧めします。
保育園・幼稚園に行きだすと、洗濯物の量が格段に増えます。
ハンガーの量やピンチハンガーなど、こまごましたものも要確認です。

また、未満児さんの場合は保育園から濡れた汚れ物が返ってくることが多いため、翌朝に回すということができません。少なくとも下の子が年少になるくらいまではこのサイクルが続きそうです。

ようやく洗濯干しが終わり、最後の遊びで使っていたものを片付け、やっと寝室に上がります。
ちょうどそのタイミングで夫が帰ってくることが多いです。

少し会話をして、子供も少し抱っこをしてもらってから寝る という流れです。

こんな生活を毎日続けていると、1人だけの時間は本当に通勤中の車内しかありません。
自分が休みの日に保育園に預けるのは気が引けるし、そもそもコロナ禍で家庭保育協力のお願いが継続中です。

親に見ていてもらってリフレッシュなんて夢のまた夢です。
したいこと、やろうと思うことは全てメモに書き出し、ちょっとでも時間が取れる時に実行します。
頭で考えているだけでは、忙しい毎日に押し流されて忘れてしまうからです。

自分がやるしかないという気持ちを奮い立たせて日々孤軍奮闘しています。

第2章 共働き夫婦の子育て 大変なこと

基本的に、子供のことをするのは母親である私です。
自発的な行動は増えたものの、メインは妻で夫はサブ というような構図はなかなか変わりません。
パートとはいえ、社会的に少なからず責任はあるのは同じです。無条件で好き勝手に休める というわけではありません。

実家に頼れない夫婦の子育てで、私が感じる大変なことは主に3つあります。

1.夫との、仕事と子供に関する都合の感覚の違いのすり合わせ

日常生活はそれとなくうまく回せていても、イレギュラーな事態が発生した多くの場合は母親である私の生活を柔軟に変化させる必要が生じます。

体調不良、保育園行事や面談、予防接種、健康診断…
これらの事柄と仕事の調節をするのは常に母親で、夫はお願いされるまで「俺が休みの日に行こうか」とは間違っても言い出しません。

特に体調不良での保育園呼び出しに関しては、実家が近くにあって頼ることができたなら…と1番感じる出来事です。

パートのほうが確かに社会的責任は小さく、融通の利きやすい部分は多いと思います。
ですがそれは結果であって、何もかも丸投げでOKというスタンスでいてもいい理由にならないはず。

私は子供に合わせて土日休みです。
1番忙しいのは土日祝日という、お客様相手の販売職であるにも関わらず、です。
結婚前から同じ職場にいるため、休日の忙しさはよく分かっています。
それをまだ小さい子供がいる・日曜日は保育園が休み・夫も接客業のために土日は基本的に休めないという理由で平日出勤のみに変えてもらっているのです。

ただでさえ気が引けるシフトなのに、平日に休みを取らなければならない肩身の狭さと言ったら…
受け入れてくれる職場に感謝しかありませんが、自分のふがいなさやら悔しさやら、様々な感情が湧き出してきます。

そこでたまにある夫の土曜日休みには、平日に休んだ穴埋めとして休日出勤をするために、子供を見ていてもらえるかお伺いを立てる謎な依頼をしなければなりません。
私は「悪いけど土日、子供見ていてもらえる?」なんて聞かれたことは一度もありません。

もちろん夫が積極的に仕事を休むことは難しいかもしれません。
そんな無責任なことは出来ないと思います。

しかし『相談しあった結果』妻が子供のことを請け負うことと、相談する余地なく『そういうものだ』と決定していくことには雲泥の差があります。

実家を頼れるなら、このような夫との衝突はかなり減る気がします。
私も仕事に打ち込むことができ、実家の両親に子供を見てもらえるという安心感が大きいからです。

それができず、自分ばかりが無理して仕事を調節しなければならないという負の感情が渦巻いてしまうこと。それが日々の生活においてしんどい部分です。

解決方法としてはまだ模索中ですが、『常に報告すること』を心がけています。

母親が子供のことに関して把握している情報量は、夫が思っている以上に膨大です。
保育園に持っていくものだったり、アンケート提出はいつまで だったり、予防接種の予約だったり…
すごく小さくて細々した内容のことが多く、1つ1つ覚えていることも大変です。

小さいからこそ自分の中で完結させてしまうことが多いですが、私はあえてほぼすべてを報告しています。

「○○までにこれをやらなきゃいけないんだよね」だったり、「これに参加するからまたシフト考えなきゃ」などなど。独り言のように…でもしっかり聞こえるように。

夫がどこまで自分事として捉えているかは分かりません。おそらく聞き流していることが大部分だと思います。しかし、少しでも耳に入っていることと、まったく知らないこととは多少意識が変わる気がしています。
私としても、もしお願いすることが出てきたときに「この前ちょっと伝えたと思うけれど…」と切り出しやすくなります。

もし、自己完結していてもやもやしている部分がある方には試していただきたいです。
そしてご主人には、妻の話に耳を傾ける習慣を作ってほしいです。

2.生活に関しての金銭面の援助

親の土地に家を建てたので土地代がかからないといったことや、外食も実家持ち、夕食も週2で実家に食べに行っているから食費がかからない等…

そんなありがたい話があるのか?と思うくらいの援助を受けている人が意外と多いことを知りました。
もちろん近くにいても頼らずに生活している方々も多いと思いますが、そんな頼り方もあるのだなとかなり衝撃を受けました。

マイホームに関しては、双方実家から数百キロ離れている我が家はもちろん土地からの購入でした。
返済期間・夫の年齢・毎月の返済額を考えるにあたって、土地代はネックになりました。
土地代がなければ月々数万円の出費がなくなります。

しかし、親の持つ土地・あるいは敷地内に家を建てた人たちの話を聞くと、いいことも多いけれど大変なところもあるようでした。
建物の間取りに口を出されることがあったり、無断で家の中に入ってきたりと様々です。

このことを聞いた時には離れていてよかったなと思うこともありますが、やはりお金が浮くという面では魅力的で羨ましい部分です。

食費に関しても、毎日というわけではないようですが、仕事帰りに寄って食事をして帰ったり出来るという点が率直に良いなと感じます。

作るのも今日は面倒だから外食!という日が増えてしまうと、家計を預かる自分の首を自ら占めてしまうことになるのでなかなか踏み出せません。
自分が作らない=出来合いを買うor外食 という選択肢しかないため、食費が増えてしまうのです。

夫も、私の大変さを考えて言ってくれているのかただ純粋な気持ちなのか分かりませんが、「今日は外食にしよう」と頻繁に言ってきます。
外食増=食費増なわけで、すべてにイエスは出せません。
お金に余裕があればいつだってイエスですが、何のために共働きしているのか分からなくなってしまいます。

そこまで深刻な大変さではないものの、食事作りは毎日のことなので、頼れる人がいないというのは大変な時も多いです。

3.子供を叱ったりヒートアップしてしまった時に、子供の逃げ場所がなくなりやすい

基本的に私+子供2人で過ごすことが圧倒的に多い我が家。 
1歳の下の子もできること・やりたいことが増えてきて、思わず叱ってしまうことも増えました。
大人は私1人なので、大変さが積もり積もっていくと時には爆発してしまうこともあります。
そうなった時の、諭してくれる、「大丈夫だよ」といって抱きしめる といったことをしてくれる第三者の存在がないのです。

私自身ヒートアップしていくと、その後のフォローがなかなかできません。
大人気ないと感じながらも、すぐに切り替えて抱きしめるといったことができないのです。

子供たちも怒られっぱなしでフォローなしというのはとてもつらいはずです。

第三者の目があれば、客観的に自分を見ることができて、そこまでヒートアップすること自体が減るはずです。自分しかいないという状況が良くない方向に進んでしまう原因となってしまいます。

そのため夫がいるときは、『どんなことがあっても2人一緒に怒らない』とルールを作って実行しています。

完全核家族の我が家にとってこれは今後も続く状況ですが、夫と協力して乗り越えていかなければなりません。

共働き夫婦の子育てで大変なことはいくつもありますが、主にこの3つが解決策を探している最中です。

これは完全に我が家の場合の話ですが、様々な境遇の人たちがそれぞれの場所で子育てに奮闘しているなかで、少しでも抱える問題の解決につながればいいなという思いを込めました。

第3章 それでも共働きを選ぶ理由

実家に頼れない中での子育ては、想像を超えた苦労が数多くあります。
いっそのこと、私が仕事をやめてしまったほうが時間と心の余裕が出るのではないかと何度も考えました。

しかしそれでも仕事を続けている理由は2つあります。

1.収入面での安定のため

実際のところ、共働きでも保育料や保険料等の出費がかさんでしまうため、思うように貯金ができないのが現状です。
夫の会社では残業自体が減らされ、収入自体は以前に比べて数万円減りました。
定時に近い時間に帰って来るのはとてもありがたいことです。
しかしながら残業代に少なからず依存していたことも事実です。 基本給のみとなると、やはり私が働きに出なければ生活が厳しいです。

収入面でギリギリの生活をしているのに妻が働くことを好ましく思わない男性もいるようです。
実際夫は、私が正社員になりたいというとなぜかいい顔をしません。

子供が生まれたのにも関わらず、今までとほぼ何も変わらずに仕事ができる環境があるのはどうしてだろうと考えたときに、多くの場合は妻が子供を見ているからという理由だと思います。
もちろん夫の収入あっての家庭運営だということも痛感しています。お金がなければ何もできません。

しかし、いろいろなことを犠牲にしながら子育てをする妻がいるから、自身の環境が変わらない状態で子供を持つことができるのだということも忘れないでほしいです。

老後の年金に関しても、少しでも自分のお金で払っていたいという気持ちから、時短勤務ですが夫の扶養には入っていません。本来であれば私の給料は、少し時間を抑えれば扶養内で働いたほうが手取りは増えそうな額です。

なのにもかかわらずそうしないのは、時間で区切ることによって働く給料の上限をつけたくなかったからです。
出られるときは多く出て、もらえるものをもらう。時短勤務なりの意地のようなものでしょうか。
保育園のお迎えのために残業は出来ないし、イレギュラーの欠勤も余儀なくされることが多い日常ですが、なるべくお金を稼ぎたいという思いで日々働いています。

幸いなことにパートでもボーナス等の臨時収入が支給される会社に勤めているため、きっちり計算して扶養内に収めようとしてもボーナスによって足が出るという現象を回避するためでもあります。

働けば働いた分だけ、将来の年金の足しにできる。これも仕事を続ける上でのモチベーションの一つとなっています。

2.自分自身のメンタル安定のため

2人目の育休中は、コロナ禍まっただ中での1年だったということもありほぼ引きこもり状態でした。
1人目の時には通っていた子育て支援センターなどももちろん閉鎖しており、更には育休中での家庭保育可能ということで上の子も3か月以上保育園登園自粛を経験しました。

下の子が新生児の段階での長女登園自粛決定は、仕方がないとはいえ精神的肉体的に追い詰められたことも事実です。

出産の傷も癒え切らない状態で、謎のウイルス蔓延に怯えながら日中たった一人での慣れない2人の子育て。実家の母がいてくれたのは産後3週間までだったため、当時は記憶がほとんどないくらい緊張と不安でいっぱいだったことだけ覚えています。

上の子は上の子で、保育園に行きたいのに行けないもどかしさやストレスを抱えて不安定な上に、妹が生まれたことによる赤ちゃん返りも重なって悲惨な状態でした。
生後間もない下の子を抱えながら、抱っこしてほしいとせがむ長女の対応に悩み、毎日のように泣いていました。

誰も悪くない… でもこの状況をどう打破したらいいのか… と、毎日朝起きるたびに気が滅入っていました。夫もできる限りの協力はしてくれましたが、日中いない状態なのはどうすることもできないため本当に孤独な日々でした。

コロナ禍の状況もめまぐるしく変わり、第○波と報道されるたびに一体どうなってしまうのだろうともやもやする毎日でしたが、そんな中で下の子もあっという間に1歳となり無事保育園に入園。
今までの引きこもり生活から、一気に社会生活に引っ張り込まれる形で新たな日常が始まったのです。

はじめは2人分の保育園準備や1時間かかる通勤に四苦八苦していました。通園初年度に味わう呼び出しラッシュに戦々恐々としながらも必死にタスクをこなす日々。

いつの間にか数か月経ち、あんなに不安だった2人の子育てと仕事の両立というものが自分なりの形で出来上がってきたことに気づきました。
子供も日々成長を重ね、悩みが悩みではなくなり、できることが増えていくにつれて私の不安も減っていったのです。

もちろん大変なことはまだまだ多く続いていくはずで、終わりは見えません。
しかしながら家で子供を見ていただけの時期よりも、めまぐるしく忙しいなかでも充実した毎日といえるような日々が送れている気がしています。

子育てや家事をしながら、仕事をしてお金をもらう。

この生活自体が、『自分はなんとかやっていけている』という自信になっていました。
仕事をしていなかったら気づけなかった感情でした。

今でも『3歳までは家で見る主義』の方の意見を見聞きすると、1歳から保育園に出してかわいそうなのだろうか?とか、自分の仕事のせいで子供に我慢をさせているのではないか?と思うこともあります。

でも自分の判断は1つの選択肢であり、誰もがすべてそれに当てはまるわけではないと思っています。

実際に我が家の子供たちは保育園が大好きですし、遊んだことや学んだことを楽しそうに話してくれます。
家庭保育ではなかなかやらせてあげられないようなこともたくさんさせてもらい、心と体の成長につながっていると実感しています。

仕事をすることによって、子供たちにとっての負担がゼロというわけではないのは理解しています。

自分だけが1番ではないという寂しい思いもしているだろうし、「お迎えきたよ」と先生が声掛けすると、残っている子が一斉にこちらを見てきます。 
自分以外のお母さんが迎えに来た時も、期待に胸を膨らませた顔で振り返り、違うと分かると多少なりとも落ち込んでいるのだろうな と涙がこみあげてくる瞬間も多くあります。

それでも私は、じいじ・ばあばがお迎えにくる子たちを横目で見ながら毎日自分自身で送迎し、今しか見られない保育園での子供たちの姿を目に焼き付けています。

『仕事はいずれ嫌というほどできるようになる。子供の成長はあっという間。』

実母からもらったこの言葉を信じて、子供たちの成長を見守りつつ、夫と2人で頑張っています。

共働きが必須になりつつある現代において、実家に頼れない部分での大変さというのは同じ境遇の人にしかわからないことが多くあると思います。
単純に大変そうだということは分かっても、深くまで知ることは難しいことです。

大変さアピールでマウントをとるような行動は好ましくありませんが、『大変なことの共感』は、自分だけじゃないんだ・みんなそれぞれ悩みはあるけれど頑張っているんだという前を向く気持ちにさせてくれます。

インターネットやSNS全盛期のこの時代は、同じ境遇の人とコンタクトをとることはとても容易になりました。
こんなやり方もあるんだという発見や、様々な人の体験談から見つける自分なりのやり方というのも、夫婦2人で頑張る家庭においては強い味方になります。

コロナも含めて、世界が今後どのような状況になっていくかは全く分かりません。
新たな問題が出てきて、頭を悩ませる日々も多いでしょう。

それでも私は働くことはやめません。
家族のため、自分自身のため、身体を壊さない程度にこれからも続けていくつもりです。
保育園の先生の力を借りながら、職場の理解に助けられながら、頑張っている親の姿を子供に見せていきたいと思っています。

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