心が和み、元気になる絵本・『10冊』

2021年10月27日

絵本読み聞かせ

絵本は、子どもの想像力や豊かな心を育むために大切なものです。

絵本にはそれぞれに素敵な「世界観」と「色」があり、たくさんの絵本と関わることで、さまざまな「世界観」と「色」を感じ、楽しむことができます。

絵本との関わりが楽しければ楽しいほど、心に深く響き、いつまでも心に残ります。
きっとそれは、心を育む大切な要素になることでしょう。

絵本は子ども向けのイメージがあるかもしれませんが、子どもだけのものではありません。

大人にとっても魅力がたくさんつまったものであり、素敵な出会いからパワーをもらうこともあります。

そして、子どもと一緒に楽しい時間を過ごすことができるのが「絵本の読み聞かせ」。

どのような「世界」と「色」を感じたのか、お互いに感じた「想い」を共有するのもまた大切であり、楽しい時間です。

今回は、私自身がお子様と一緒に楽しんだたくさんの絵本の中から、【心が元気になる絵本】をご紹介したいと思います。

◎心に栄養補給! 心が和み、元気になる絵本

『くまさん くまさん なにみてるの?』 (ビル・マーチン:文/エリック・カール:絵)

「くまさん くまさん、ちゃいろのくまさん、なに みてるの?」

くまさんへの問いかけからお話がはじまります。

くまさんが見ているもの。その視線の先には…。この繰り返しでお話が進んでいくのです。

ページをめくるたびに、エリック・カールの美しく鮮やかな色で表現された動物が、見開き1ページいっぱいに広がります。

「なに みてるの?」という優しい繰り返しは、とても心地良いです。お子様も一緒に「なに みてるの?」と問いかけている姿は微笑ましいです。

色鮮やかな動物たちが見ているもの、それがどんどんつながっていく楽しさがあります。

最後に登場する「おかあさん」が見ているものは、子どもたち。

シンプルな言葉の中から、いつも子どもたちを見守り、あたたかく包み込んでいるおかあさんの優しさを感じます。

心がふわっとあたたかくなる瞬間です。

お子様に、「なに みてるの?」と聞くと、「ママ」「〇〇ちゃん(ごきょうだいの名前)」等、さまざまな答えをかえしてくれます。

中には、「えほんー!」と元気よくこたえてくれるお子様も。

その笑顔にとても癒されます。

ベビーシッター派遣のハニークローバーは、各自治体の育児制度にもご利用いただくことができます。東京都ベビーシッター支援事業(待機児童)もご利用いただけます。

『でんしゃでいこう でんしゃでかえろう』 (間瀬なおかた:作・絵)

電車が、やまの駅を出発し、うみの駅へ到着するまでを素敵な景色とともに表現しています。

電車の絵はもちろんのこと、絵本全体の絵がとても細かく、美しいです。
ひとつひとつ細かく見ていくと、さまざまな発見があり、ストーリーとはまた別の楽しさがあります。

電車が大好きなお子様は、表紙を見ただけで大喜びするほど、細やかな描写が楽しい絵本です。

「電車の音」の表現というと、「ガタンゴトン ガタンゴトン」が多いように感じますが、このお話の中では、さまざまな音の表現があります。

「デデンドドン」
「デデドド」
「デデンドドン」

不思議な表現のように見えますが、言葉として発すると、なんだか「確かにそのような音がする」、と妙に納得します。

絵本の中の電車の動き、周りの景色や色ととてもマッチしている「音」の表現だと感じます。

ページをめくるたびに変わっていく電車の音。
それは、自分も電車に乗って旅をしているような気持ちになる魔法の音です。

トンネルの穴のしかけはお子様にとって、とても魅力的なものです。そこから少し見える、「トンネルの先の景色」。

「あ!〇〇がみえる!!」と嬉しそうに教えてくれます。

どんどん読み進めていくと、電車はついにうみの駅に到着します。

でも、まだまだこの絵本は終わりではありません。

実は、表が『でんしゃでいこう』、裏が『でんしゃでかえろう』になっているのです。
前からも後ろからも読むことができ、繰り返し、電車の旅を楽しむことができます。

長い電車の旅を終える頃にはきっと、すっかり気持ちがリフレッシュしていることでしょう。

お子様と一緒に、電車の旅はいかがですか?

『できるかな?あたまからつまさきまで』 (エリック・カール:作/くどうなおこ:訳)

エリック・カールの豊かな色彩をたっぷり味わいながら、体をたくさん動かして楽しむことができる絵本です。

ペンギン・きりん・バッファロー・ゴリラ・ぞう…

たくさんの動物たちから「できるかな?」と問われます。

「できるかな?」と考えながら、動物たちと一緒にまねっこ遊び。同じポーズになるように、絵本をじっと見ながら一生懸命体を動かすお子様の姿はとても可愛らしいです。

体をたくさん動かしながら楽しむ「絵本の読み聞かせ」は、いつもの読み聞かせとはまた違う空間をつくってくれます。

もちろん、お膝の上に座ってじっくり動物たちの動きを観察するのも楽しい時間です。

実は、この絵本の内容そのままにメロディーがついた可愛らしい歌のCDがあります。
CDを流しながらページをめくると、また違う雰囲気を楽しむことができます。

そして、CDに合わせて体を動かすと…ちょっとしたストレッチです。

お子様と一緒に、全身を使ってまねっこ遊び。

体をたくさん動かすと、すっきり気持ちが良いですよね。

『うまれたてのいろ』 (ほんままゆみ:作・みちいずみ:絵)

生まれたばかりの「うまれたてのいろ」。

優しくてあたたかい文章と、きれいで可愛らしい絵で、一つずつ「うまれたてのいろ」を紹介しながらお話は進みます。

見開き1ページに1色ずつ。

読むのも、ページをめくるのも、自然とゆっくりになるくらい、穏やかでゆったりとした時間が絵本の中に流れています。
  

「うまれたてのいろはまぶしい」
「うまれたてのいろはやさしい」

美しく穏やかな言葉が、とても深く心に残ります。

お子様に読み聞かせをする際、すこし表現が難しいかな、と最初は感じますが、じっと見つめながら、このあたたかな絵本の世界を楽しむお子様の様子をみると、その心配は全く不要であることがよくわかります。

「ほかほかいろ ありがとう かあさん」

最後の最後まで、ずっと絵本から届く温度があたたかく、心が和みます。

ラストシーンでは、たまごがピキピキとひび割れていることに気付くお子様。

そして、

「いろがうまれるよ」と素敵なお知らせをしてくれます。

『にんじんさんがあかいわけ』 (松谷みよ子:作/ひらやまえいぞう:絵)

ごぼうさんとにんじんさんとだいこんさんが一緒にお風呂にいきました。

ごぼうさんはお湯が熱くてすぐにお風呂から飛び出してしまいました。

にんじんさんは熱くてもじっと我慢して、まっかっかになるまでじっくりつかっていました。

だいこんさんは、熱いお風呂を水で調節して、ちょうど良いお湯にしてから、ゆっくりとつかり、体中しっかり洗いました。

ごぼうさん・にんじんさん・だいこんさんが、どうして今のような色になったのか?というお話です。

「むかし むかし」と、まるでおばあちゃんがお話してくれているような、ゆったりとした心地良いリズムがつづきます。

語尾に「~ねぇ」とつくのが、お子様にとっては新鮮なようで、味のある文章をとても楽しそうに聞いてくれます。

ごぼうさん・にんじんさん・だいこんさん、それぞれのキャラクターがとても愛らしく、シンプルで可愛らしい絵に癒されることでしょう。

田舎のおばあちゃんとお話しているような、とても心が落ち着く絵本です。

『どうぞのいす』 (香山美子:作/柿本幸造:絵)

うさぎさんは、可愛らしいしっぽのついた小さないすをつくります。そして、「どうぞのいす」という看板をいすのそばに置きます。

その後、とてもかわいい動物さんたちが順番に登場し、どんどん食べ物がとりかえっこされていく様子が描かれているお話です。

ページをめくるごとに動物さんが登場しますが、それぞれお互いに会うことも、お話をすることもありません。

「どうぞのいす」を中心に、「どうぞ」という優しい気持ちが、次々とつながっていくのです。

「どうぞ」という優しさから「えんりょなく」といただく。

でも、「あとの ひとに おきのどく」と、次に来るひとのことを思いやり、自分の持っている食べ物を置いていく。

常に「相手」のことを考えて行動する動物さんたち。優しさや思いやりが絵本の中にあふれています。

優しくてあたたかい心の連鎖を、ことりさんが見守っている姿も可愛らしく、心が和みます。

お昼寝から起きたろばさん。状況が理解できずに不思議がっていると、一生懸命教えてくれようとするお子様。
すっかり絵本の世界に入り込んでいる姿がとても可愛らしいです。

最後のひとことまで、優しさにあふれていて、心にしみます。

『おやおや、おやさい』 (石津ちひろ:文/山村浩二:絵)

元気いっぱいの野菜さんたちのマラソン大会のスタート地点からお話がはじまります。

リズミカルでテンポの良い言葉でそれぞれの野菜さんたちをユーモアたっぷりに表現しています。

ダジャレのような言葉が次々と出てきて、とにかく楽しくて面白いです。読んでいるこちらも、面白くて笑ってしまいそうになるくらいですから、お子様は笑顔いっぱいで、とにかく楽しそうです。

野菜さんたちの個々それぞれのキャラクターも、雰囲気がピッタリで、面白さが倍増しています。最後まで、楽しい言葉あそびがつづき、あっという間にお話が終わってしまう感覚があります。

お子様に人気があるのが、

「かぼちゃの ぼっちゃん かわに ぼちゃん」。

川にボチャンと落ちているかぼちゃさんがとにかく可愛くて、一緒に読んでくれます。

最後は、マラソン大会の表彰式。誰が一位になったのかはお楽しみに。

「どんな いろでも めでたい メダル」

最後の一文に、とても大切なメッセージがこめられているように感じます。

『なにをたべてきたの?』 (岸田衿子:文/長野博一:絵)

体が真っ白なしろぶたくんが、このお話の主人公です。しろぶたくんは、お腹がすいているので、食べ物をさがしています。

美味しそうなくだものを見つけると、パクリ。
すると、お腹の中に食べたもののきれいな色があらわれます。

どんどん食べていくしろぶたくんのお腹の中には、美しいきれいな色が次々に並んでいきます。

最後にしろぶたくんがみつけたものは、せっけん。

せっけんを食べたしろぶたくんは、どうなってしまうのかしら?…テンポよく、かわいいしろぶたくんのお話が進みます。

愛嬌のあるかわいらしい表情のしろぶたくんを見ているだけでも癒されますが、とても美味しそうにくだものを食べる姿はさらにかわいらしく、思わず、どんどんくだものをあげてしまいたくなるくらいです。

せっけんを食べようとすると、お子様は、「だめだよね」と教えてくれます。

でも、食べてしまうしろぶたくん。大変なことになってしまったしろぶたくんに不安げな表情です。

でも、ラストシーンは、お子様の顔を柔らかくし、笑顔にしてくれます。

最初から最後までずっと、まったりとあたたかい空気が流れていて、読んでいると穏やかな気持ちになります。

是非、お子様と一緒に、艶やかで愛らしいしろぶたくんに癒されてください。

『おばけなんてないさ』 (せなけいこ:作・絵)

「おばけなんて ないさ おばけなんて うそさ」

童謡『おばけなんてないさ』をそのまま絵本の中に閉じ込めたお話です。

おばけというと、怖いイメージがあるかもしれませんが、せなけいこさんが表現するおばけは、なんだかとても楽しそう。とにかく陽気なおばけたちが、絵本の中で生き生きと動き回っています。

あまりにも、にこにこ楽しそうな笑顔のおばけなので、「あれ?おばけってこわくないかも」という気持ちになるくらい、楽しい世界が広がっています。

お子様に人気があるのが、冷蔵庫に入れられたおばけ。

カチカチになってしまっているおばけの表情が面白く、「カチカチだー!」と大笑いしています。

最後に、「もう こわくないよね!」と笑顔のおばけの言葉に「全然こわくない!」と思わずこたえてしまうほど、ユーモアいっぱいの楽しいおばけのお話です。

最初は、じっくりと文章を読み、そして次は歌いながらページをめくり…さまざまな楽しみ方ができる絵本です。

『これはのみのぴこ』 (谷川俊太郎:作/和田誠:作)

「ぴこ」ってなんだろう?…と思っている間に、あっという間にこの絵本の世界に引き込まれてしまうくらいテンポが良いです。

「これは のみの ぴこ」

「これは のみの ぴこの すんでいる ねこの ごえもん」

「これは のみの ぴこの すんでいる ねこの ごえもんの しっぽ ふんずけた あきらくん」

「これは のみの ぴこの すんでいる ねこの ごえもんの しっぽ ふんずけた あきらくんの まんが よんでる おかあさん」

「これは のみの ぴこ」から、ページをめくるたびにどんどんどんどん言葉がかさなっていき、長い文章に変化していきます。

ずっと続いていく言葉あそびを、たっぷりと楽しむことができる絵本です。

どこまで続くのかな?なんて関係なく、とにかく続く言葉を一生懸命唱えます。読むというより、「唱える」という言葉がピッタリのお話です。

繰り返しになっている部分を何度も聞いている内に、頭の中に残り、いつの間にか一緒に唱えてくれるお子様。お子様と一緒に、繰り返し言葉をつなげていきながらページをめくるのもまた楽しい時間です。

早口言葉のようにすこしスピードをあげて唱えてみたり、息継ぎなしでどこまでいけるか?…というようなゲームのような楽しみ方もできます。

最後は、「なるほど」と納得しつつ、妙にすっきりとした達成感を味わうことができます。

言葉あそびの楽しさをユーモアのある絵とともに表現している、とても楽しい絵本です。

ベビーシッター派遣のハニークローバーは、シッティング中にお子様に絵本を読ませていただいております。是非絵本をご用意いただければ幸いです。北海道から沖縄まで様々な地域でサービスをお届けしております。ぜひご利用ください。

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