我が家の食卓

2022年2月21日

食育

初めての家庭菜園

<きっかけ>

我が家が家庭菜園を始めたのは、長男が1歳半になった頃でした。離乳食を卒業し、ほとんど大人と同じような食事メニューになってきたのですが、息子は野菜を食べることを嫌がります。ハンバーグや餃子のように、細かく刻んで混ぜ込んでしまっている野菜は食べてくれるのですが、スープに入っている野菜やサラダのような生野菜など、見た目で野菜とわかるものは自分から避けているようでした。このままだと息子がどんどん野菜嫌いになってしまうのではないかと不安になった私は、子どもの食育に興味を持ちはじめ、いろいろと調べるようになりました。
子どもと楽しく食事をしながらマナーを伝えることはもちろん、自分が食べる食べ物について知ることによって「食」ということに興味をもってくれたら、息子の野菜嫌いもなくなっていくのではないかと考えました。

<ベランダ菜園スタート>

そして、ベランダで家庭菜園を始めました。なぜ家庭菜園から食育をスタートさせたのかというと、当時の息子が植物を育てることに夢中になっていたからでした。旦那の仕事で転勤族だった我が家は当時、集合住宅に住んでいました。そこで、住民みんなで育てていた花壇の花に興味もった息子は、毎日花に水をあげ、花が咲くことを楽しみにしていたのです。
なので、幼い息子でも野菜を育てることにすぐ興味を持ってもらえるのではないかと思い、ベランダで野菜を育ててみようと思いました。
次男がお腹にいたこともあり、初めはお手入れが簡単、そしてプランターでも大きく育ってくれるミニトマトに挑戦しました。もちろんミニトマトは息子が苦手な野菜の1つです。
トマトの苗も息子と一緒に買いに行きました。ミニトマトは他のどの野菜よりもたくさんの種類があり、どれにしようか息子と一緒に悩み、お店のかたのアドバイスなどを参考にして決めました。当時息子が好きな色でもあったオレンジのミニトマトの実がなる苗を選び、一緒にベランダでプランターに苗を植えました。このような作業を息子に経験させることで、「自分が選んだ苗を責任もって育てていく」といった気持ちを持って欲しいと思いました。
息子の初めての家庭菜園、そしてわたしの初めての食育スタートです。

<ミニトマトと我が家>

それから息子は毎日、朝起きるとミニトマトを見に行きました。ヨシヨシと葉っぱを撫でてみたり、匂いを嗅いでみたり、「おはよう」と話しかけてみたり、とても大切に育ててくれました。息子なりの愛情表現や大切に育てようとする気持ちが伝わり、とても嬉しくなりました。そして、息子に喜んでもらいたい私達も、どのように育てると大きくなるのか、甘いトマトになるのかといったことを調べるようになりました。少しでもおいしいトマトを育てて、息子がトマトを好きになってくれたらいいと思い、ミニトマトの育て方を勉強するようになりました。

<トラブル①>

息子の愛情と陽の光をたっぷり受けて、すくすくと成長していったミニトマト。しかし1か月ほどすると、元気がなくなってきてしまいました。「水のやりすぎ」でした。よく見るとプランターでは水はけもあまりよくないようで、トマトの土は毎日湿ったままでした。一生懸命トマトの成長を願っていた息子が毎日たっぷり水をあげていたのです。息子に水をやらなくてもいいことを伝えましたが上手く伝わらず、また水をあげることが楽しかったのか、毎朝の水やりを止めると大泣き。水のやりすぎであることを伝えましたが、2歳にもなっていない息子が理解するには難しかったようでした。
いろいろ考え、私はトマトのプランターに立札を作りました。「これはね、トマトの気持ちがわかる不思議な看板だよ」と息子に伝え、笑っているトマトと泣いているトマトの顔を書いた立札を見せて「笑っているトマトの時、トマトさんはご機嫌だからそのまま。お話をしてあげてね。泣いているトマトの時はトマトさんがお水を欲しがっているよ。お水をあげようね。」ということを息子に伝えると、すんなり解決しました。

<トラブル②>

ミニトマトはどんどん大きくなり、たくさんの花をつけました。黄色い花を見て優しい笑顔を見せてくれた息子。小さいトマトの実を見つけた時は大騒ぎしていました。
実がなり始めるとまた問題発生。実が赤くなるまで待ちきれないのか、息子が緑のトマトを採ってきてしまうのです。赤くなってから採るということを毎回伝えるのですが、緑の実を毎日収穫してしまう息子。
ある日、私の思いつきで息子が採ってきてしまった緑色のトマトにペンで泣き顔を書いてみました。泣いている顔の緑トマトを見せて「あれ?このトマト泣いているよ。赤くなってから食べて欲しかったのに、緑色の時に採られてしまって捨てられちゃうから悲しいのかも。」と伝えると固まってしまった息子。しばらくすると「トマト、ごめんね。」と泣きべそをかきながら謝っていました。緑トマトの気持ちが通じたのか、それから息子は緑色のトマトも採らなくなりました。
年齢によっては、もっとトマトの成長について伝えていったり、考えたりした方がいいのかもしれませんが、2歳前の息子にはこのように絵で「トマトの気持ち」として伝えていく方法は、難しい言葉を並べて話すより、シンプルで、わかりやすかったのかもしれません。

<収穫>

数日後、無事にオレンジに熟れたミニトマトを収穫することができました。まだかまだかとトマトの収穫を待ちに待っていた息子は大喜びでした。採ってすぐに口に入れます。顔の表情からはすっぱいのが伝わってきました。でも息子は「おいしい」と言って全部食べました。トマトが苦手だった息子が自分からトマトを食べることができた瞬間です。
それから毎日、朝起きて収穫できるミニトマトを見つけ、食べるという日が続きました。もうすっかり息子のトマト嫌いは克服です。
数ヶ月、いろいろなハプニングがありながらも、ベランダでたくさんの日差しをあび、息子の愛情をいっぱい受けながら、我が家のミニトマトはすくすく成長し、たくさんの実をつけてくれました。いつのまにか、毎朝どのくらいトマトが収穫できるかが息子だけでなく、私達家族みんなの楽しみになっていました。

<片付け>

秋が近づき、ミニトマトの苗もカラカラになってきた頃、息子と一緒に苗を処分しました。はじめはどうしてトマトが枯れてしまったのかわからないのか、寂しそうな様子の息子でしたが、トマトは実をつけた後は枯れてしまうということを、幼いなりに理解をしてくれたようで「またトマト、育てようね。」と言ってくれました。
以上が我が家の初めての家庭菜園日記です。

<まとめ>

息子の野菜嫌いを克服させたいという思いから始まった家庭菜園ですが、息子も私達も作物を育てることの難しさや大変さも学びました。そして収穫の時の喜びや達成感も知ることができました。
小さな苗が毎日少しずつ大きくなって実をつけ美味しく食べられるようになるという過程はスーパーの野菜では知ることのできないことです。すべての作物にはこのような過程があって私たちの食卓に並んでいるということを家族で自然に知ることができたのだと思います。
それから我が家では、春になると毎年ミニトマトを買って育てています。小学3年生になった息子は、今でもトマトが大好きで、毎日ミニトマトを食べています。トマトに含まれている栄養について知り、自分から毎日食べたいと言い出しました。
最近では料理にも興味を持ち始め、夏にはベランダで育てた作物を家族みんなで料理し、楽しむことができました。
毎年取り組んでいたミニトマトを育てることから、毎年少しずついろいろなことを学び、私たち家族は作物のように少しずつ成長していっているように感じています。

農業体験から学ぶもの

息子達の食育の為に始めた家庭菜園をきっかけに、いろいろな作物の成長や収穫に興味を持ち始めた我が家。ミニトマトの他にもキュウリやナス、ピーマンなど様々な野菜をベランダで育てました。でも、ベランダ菜園には限界があります。特に根菜のような土の中で大きくなるような作物はプランターで育てることは難しい為、我が家では諦めていました。
しかし、地域の情報誌や児童館や市役所、野菜直売所にある情報掲示板などに春には稲や作物を植える体験、そして秋には収穫体験を募集している貼り紙がたくさん貼りだされていることに気が付きました。お金がかかることもありますが、地域の方や農家さんがボランティアでおこなってくれている所もあるので、調べてみるといいと思います。
今回は我が家がおこなってきた収穫体験についてお話していきます。

<収穫体験・大根>

初めての収穫体験は大根でした。長男が2歳になる頃です。当時住んでいた家の近くに大きな自然公園があり、そこで収穫祭のイベントがありました。畑の中に生えている好きな大根を1本¥100で抜くことができました。
その頃「おおきなかぶ」の絵本が好きで読んでいた息子は、大根をかぶと勘違いしていたのか「うんとこしょ、どっこいしょ」といって楽しそうに引っ張っていました。
抜いた大根の実はもちろん、葉っぱもとても立派で、2歳の息子が持つと同じくらいの背丈でした。そして、おおきな大根を大切に抱えて持っていたのを今でも覚えています。「ぼくのだいこん」といって重たい大根を車まで一人で一生懸命運んでくれました。自分が抜いた大根がとても嬉しかったのだと思います。
家に帰ってきてからも、私が大根で夕飯を作るのをずっと見ていました。そして大根を使っておでんを作ってあげると、とてもよく食べてくれました。それからは大根を見るたびに大根を収穫した時の話を嬉しそうにしていたのをよく覚えています。そして、数年経った今でも大根は息子の大好物です。楽しい思い出とともに、美味しい野菜になったのだと思います。

<番外編・梨狩り>

我が家では長男が幼稚園の頃から、毎年必ず梨狩りに行っています。梨農園の方においしい梨の探し方や採り方、梨の保存方法、梨を使った料理などを教えてもらっています。もちろん採れたての梨はすごく瑞々しく、美味しいです。
食育とは少し違った話になりますが、梨園の周辺にはカブトムシやクワガタ、カナブンなどの昆虫がたくさん生息しているようです。梨農園の方が毎年、子ども達の為に採取した昆虫を見せてくれたりするので、息子達は今でも毎年楽しみに通っています。梨狩りが楽しいのはもちろんですが、梨園にいる普段見ることのない昆虫に息子達は大興奮なのです。
今年の夏はここで頂いたカブトムシとクワガタを大切に育てていました。本やインターネッとでどのように飼うのか調べ、虫たちが生活しやすい環境を整え、毎日お世話をしていました。そして、育てていたカブトムシの卵を孵化させ、今は幼虫を育てています。生き物を飼うことの大変さ、そして命を繋いでいくことの尊さを知ってくれたらいいと思っています。

<家庭菜園体験>

また息子達二人が幼稚園に通う頃には、作物を植える所から収穫までの農業体験に家族で参加したこともありました。近くの公民館の空いている土地を耕して、参加したみんなで畑を作っていくというものです。作物を育てる専門家のかたも一緒に行ってくれていたので、大人もとても勉強になりました。
春にさつまいもとヤーコン、花豆の苗を植えます。耕して盛り上げた土の上に黒いビニールシートを張ったり、苗の周りに雨除けのビニールシートをかぶせたりと、本格的な作業もたくさんあって、息子達は張り切って参加していました。苗を植えるときには、土の中からたくさんのミミズが出てきて、子ども達はミミズの長さを競い合ったり、見つけた数を競い合ったりと、とても楽しそうでした。
もちろん大人も子ども達と一緒に活動に参加します。大人になってから、私も主人も土やミミズを触るようなことがあまりなかったので、とても新鮮でした。耕された土は少し湿っていて暖かく「この湿った土は栄養がいっぱいだからミミズが好きな土だよ」「ミミズがいる土は少し暖かいよね」など、普段はなかなかしないような会話を子どもとしました。専門家の先生も作物の育て方について、子ども達にわかりやすく説明してくれるので、家に帰ってからも農業体験での出来事を家族で話すことが多くなりました。
月に1回開催され、そのつど作物の成長が見られるというのも良かったです。私はヤーコンと花豆は知らなかった作物だったので「どんな花が咲くのか」「どのように実がなるのか」毎回作物の成長を見るのが楽しみでした。きっと息子達も同じような気持ちだったのだと思います。
収穫の時は、収穫したものをボランティアの方達が調理してくれて、私たちに食べさせてくれました。お友達と楽しく育てた作物をお友達と一緒に食べることで、より一層美味しく感じます。私もここで初めて知ったヤーコンと花豆の調理方法を教えていただき、家でも作るようになりました。ヤーコンはスーパーで見かけることが少ない野菜ですが、我が家はみんな大好きです。

<農家のお仕事>

最近は息子2人が小学生になったので、知り合いの農家さんにお願いして年に数回、農業体験をさせていただいています。今まで体験してきたベランダ菜園や家庭菜園とは違って、スケールの大きい農家さんの畑に初めはびっくりしていた息子達でしたが、家庭菜園ではなかなか育てられないようなキャベツやズッキーニといった野菜などの収穫を見ることができ、とても刺激を受けているようでした。
キャベツの収穫はナイフを使って行います。農家の方が一緒だと私も安心して見守ることができました。ナイフの使い方や収穫の仕方を教えてもらって自分たちでやってみます。小学3年生の長男は、一人でナイフを使って収穫できたことが嬉しかったようで、誇らしげな笑顔を見せてくれました。1年生の次男はナイフが怖かったようで、農家の方と一緒に収穫。ドキドキしたのか、終始真剣な表情でした。同じことをやっていても年齢によって思う事や感じることは違うのかも知れません。
生で食べることのできるキャベツを収穫すると、息子達はその場でかぶりついています。「採りたては美味しい」ということを息子達は知っているのです。
ズッキーニの苗は私も初めて見たのですが、見ただけでは何の苗なのか全くわかりませんでした。収穫できるサイズを教えてもらい、付け根をはさみで切っていきます。この作業は息子達の得意作業なので…どんどん収穫していました。
家に帰ると、さっそく長男がズッキーニのバターポン酢焼きを作ってくれました。収穫したてのズッキーニは水分をたくさん含んでいて、包丁を入れると水分が溢れ出てきます。スーパーで購入してくる物との違いに長男は大興奮していました。

<まとめ>

その他にもさつまいも掘りや栗拾い、イチゴやさくらんぼなどいろいろな果物狩りを体験してきました。自宅に庭がなくても諦めることはありません。いろいろな所で「農業体験」を楽しむことができるのです。
いろいろな体験を通して、まずは旬の物を旬の時期に食べて「おいしい」と感じて欲しい。収穫したばかりの作物はとても新鮮なので、料理をする私もどのような料理を作ろうか毎回わくわくしています。子ども達も自分で収穫した野菜がどのような料理になるのか、興味があるようで料理をする私を見て待っています。自分が毎日食べている食べ物がどのようにして食卓に並んでいるのかを知るきっかけになっているようです。
そして実際に作物を育てていくことによって、作物の成長はもちろん、作物を育てることの大変さや収穫することの喜びなどを通していろいろなことを感じ、たくさんの視野を広げながら成長していって欲しいと思っています。

家族でご飯作り

家族みんなで家庭菜園や農業体験をするようになって、収穫してきた作物を使った料理や、料理に入っている野菜などに興味を持ち始めた息子達。夕飯を食べながら「これは、この前に収穫した野菜?」「この料理には、この前採った○○が入っている?」など、自然と食事についての会話が増えるようになってきました。
我が家の息子達は、特に調理方法に興味があるようで、私が料理している様子をジーッと見ている時間も増えていきました。「やってみたい」という気持ちが育ってきたと感じられた頃から少しずつ息子達に声をかけ、料理に挑戦させていきました。

<簡単なお手伝い>

長男は3歳の頃から少しずつ、料理のお手伝いに参加するようになってきました。毎回ではなく、息子がやりたそうにキッチンに来た時だけ「お手伝いしてみる?」と声を掛けました。
初めは野菜を洗ったり、葉物野菜を洗ってちぎったり、レンジのボタンを押してもらったりなど、簡単な作業からお手伝いしてもらいました。大人から見ると、とても簡単な作業なのですが「自分も料理つくりに参加した」という満足感からか、息子は毎回とても嬉しそうにお手伝いをしてくれるようになりました。
この頃の息子には、サラダを作ってもらうことが多かったのですが、息子なりにサラダの盛り付け方などにこだわって毎回作ってくれていたようでした。「今日のサラダはボクが作ったから、愛情いっぱいでおいしいですよ。たくさん食べてね~。」と自分で盛りつけたサラダを誇らしげに食卓に運んでくる息子の姿を今でも思い出します。
もちろん自分で作ったサラダは、息子本人もたくさん食べます。弟にも「お兄ちゃんが作ったサラダだから食べてね~。」と進め、弟も嬉しそうにたくさん食べてくれました。生野菜が少し苦手な次男でしたが、次男なりに頑張って食べている姿がかわいらしかったです。

<フライパンを使った料理>

サラダ作りに飽きてきたかなぁ~と感じたころに、フライパンやお鍋を使った料理に挑戦させました。私がカットした野菜や材料を炒めたり、お鍋の具が焦げないように具材を混ぜてもらったりといった作業です。
息子達には、火を使う作業なので今までより真剣に気を付けなければいけないことを事前にしっかり伝えて、作業中はできるだけ見守り、いいところをたくさん見つけて褒めていくように心がけました。
自分たちが作った料理は、やはり格別のようで様々な野菜料理を「おいしい」とたくさん食べるようになりました。
少しずつですが一緒に作る料理のレパートリーも増え始め、キッチンで家族が一緒に過ごす時間が増えてきました。

<包丁に挑戦>

キッチンへお手伝いに来ることが日課になってくると、最終的には包丁に興味を持ち始めました。危ないので私もなかなか挑戦させてあげられなかったのですが、長男が4歳になる頃には挑戦させてみました。
使い方や注意を何度も伝えて、初めは「子供用の包丁」を使っての作業からスタートさせました。子供用の包丁は安全の為なのか先がギザギザしていて、硬い野菜を切るのには向いていません。その為、初めはお豆腐やバナナなど柔らかい食べ物で練習させました。
使い方を間違えてしまうと、とても危ない物だということを伝えていたので、初めは真剣にとてもゆっくりと切っていたのを覚えています。
そして慣れてきた頃、果物ナイフで挑戦させました。子どもの手には果物ナイフの方が小さくて持ちやすそうだったので、就学前くらいまでは果物ナイフを息子達は愛用していました。(今は子供用の包丁でもギザギザしたタイプと、しっかり切れるタイプがあるので用途に合わせて購入できます。)
包丁はたくさん使って自分で切りやすい方法や使い方を学んで欲しかったので、大切なことだけしっかりと伝え、できるだけ見守りました。そしてたくさん野菜を切るという作業を経験させました。初めは見ていると危なく感じることもありましたが、回数を重ねることに上手になっていきました。この頃、我が家のみそ汁の具は、毎回息子達が切ってくれていました。

<お休みの日は料理の日>

息子達が小学生になると、勉強や習い事が忙しくなり、料理のお手伝いをしてもらうことが少なくなりました。しかし、息子達から「また一緒に料理がしたい」とお願いされ、息子達との料理を再開しました。
そして、我が家の休日は息子達との料理の日になりました。
久しぶりの料理は家族みんなで夕飯のお好み焼きを作りました。息子達がキャベツを切ってくれました。我が家のお好み焼きにはキャベツの他にもネギと人参をみじん切りにして入れます。たくさん野菜を切らなくてはならないのですが、息子達は大喜びで切ってくれました。もちろん、材料を混ぜるのもホットプレートで焼くのも息子達です。とても楽しそうに二人で仲良く、私と旦那をおもてなししてくれました。
幼かった息子達の成長が見られて私も旦那もとても嬉しかったです。
それから数年たった今でも、予定のある日以外は、週末のみんなで料理の日は続いています。特にコロナが流行ってお家時間が増えてきたことをきっかけに、時間をかけて家族で料理を楽しむことが増えてきました。ポトフやカレーなど、簡単な料理であれば息子達だけで作れるものも増えてきました。
最近では長男が「自分でメニューを決めて朝食を作りたい」と言うようになり、朝食作りに挑戦しています。お休みに日に朝早く起きることは慣れるまで大変でしたが、朝をダラダラと過ごすことがなくなり、はじめて良かったと思っています。
目玉焼きや、オムレツといった簡単な卵料理がメインですが、長男なりに平日いろいろメニューを考えて挑戦しています。外食をしていても「こうやって切ると食べやすいね」「これ、どうやって作るのだろう」と料理に対する熱い思いが伝わってきます。

<野菜を収穫した後も料理の日>

収穫体験をした後は、収穫した野菜をどのように調理するかで我が家は盛り上がります。先日、さつまいもを収穫してきた時も帰りの車の中で、ずっと「さつまいもで何を作るか」について家族で話し合っていました。特にさつまいもが大好きな次男は大興奮。チップスに、大学芋、スイートポテトとさつまいも料理のリクエストが止まりませんでした。
結局その日は、特に準備もなく、簡単にさつまいもが食べられるということで、さつまいもチップスにしました。次男がキレイに皮を洗って、長男スライス。そして旦那が揚げてくれます。揚げたてはすごく美味しく、大きなさつまいもを家族4人でペロリと食べてしまいました。
普段あまり料理に興味のなさそうな次男ですが、さつまいも料理になるとお手伝いしてくれました。好きなことは積極的に参加したくなるのだと感じました。

<まとめ>

家庭菜園や農業体験から、新鮮な野菜を食べる機会が増え、
野菜のおいしさを知った息子達は、野菜に対する抵抗は全くないようで、我が家の食卓には野菜をたくさん使った料理が並びます。
もちろん苦手な野菜もありますが、調理方法や味付けを変えると食べられたりするので、苦手な野菜も「食べてみよう」とする姿が見られるようになっていました。
また家族で料理を作ることで同じ時間を過ごすようになり、「料理」という家族共通の会話も増えるようになりました。共通の時間を過ごすことによって、自然と料理以外の会話も生まれます。もともと仲の良かった家族でしたが、共通の趣味を持つことで、ますます仲が良くなったように感じられます。
我が家の「料理の日」を大切にし、これからも家族みんなで楽しい時間を築けていけたらと思っています。

息子達とおかし作り

食育を進めていくうちに、長男は「食事を作ること」に興味を持ち始めました。次男はもともと食事というより、甘いものが大好きで、「お菓子を作ること」に興味を持っていました。そんな息子達が、二人で一緒に楽しめる事は「おかし作り」です。
もともと私もおかし作りが大好きで、息子達が幼い頃は、野菜が苦手な長男の為にほうれん草を入れたクッキーや、人参ケーキを作ったりしていました。今でもバレンタインやクリスマス、記念日などにケーキやクッキーを焼いたりしているので、手作りのおかしは息子達にとって普段から馴染のあるものだったと思います。
息子達とおやつ作りを始めたきっかけは、雨の日の時間つぶしでした。我が家はマンションに住んでいるのですが、休日で外に出られない雨の日などは、部屋の中でも身体を動かしたい息子達が暴れまわってしまって、とても大変でした。そこで思いついたのが「おやつ作り」でした。子ども達と室内で静かに、そして楽しく充実した時間を過ごすために始めたのです。
今では「雨の日はお菓子つくり」が定着し、週末の天気予報が雨の予報だと「今週末は何のおかしを作ろうか?」と息子達は相談し始めます。そして、私自身も家族でのんびり過ごす雨の週末が楽しみになるようになりました。

<クッキー作り>

初めて息子達と挑戦したのはクッキー作りでした。材料を計って混ぜて、オーブンで焼くという簡単なおやつ。
そして何といっても子ども達が喜ぶ「型抜き」そして「デコレーション」という作業があります。この2つの作業は、いわばリアル粘土遊びなので、子ども達は毎回時間をかけて、真剣にとりかかっています。最近では変わった色のアラザンやチョコペンなど、トッピングになる材料もいろいろな種類のものが販売されています。見た目もかわいいし、トッピングで、毎回違った食感のクッキーを楽しむことができるのでオススメです。季節やイベントを意識した型抜きもたくさん販売されているので、季節感も感じられて、いつでも新鮮な気持ちで作業を楽しむことができます。
我が家の息子達は、長男が3歳の時に初めてクッキー作りデビューをしました。次男はまだ2歳前でしたが、混ぜるという作業をジップロックで行うことによって、手やボールを汚すことなく、より楽しく簡単に楽しむことができました。次男はジップロック越しに感じる感触がおもしろかったのか、なかなかジップロックを離してくれなかった記憶があります。
クッキー作りはもう数えきれないくらい行っていて、我が家では定番の手作りお菓子です。小学生になった今では、材料があれば息子達だけで作れるようになりました。チョコチップを混ぜてみたり、飴を砕いてクッキーの穴のあいた部分に入れてみたり。最近ではYouTubeやインターネットでいろいろ検索して、変わったクッキーに挑戦していく姿が見られます。
ちなみに我が家の長男は、市販のクッキーは苦手で、食べません。でも、自分や弟の作ったクッキーは喜んで食べています。愛情のこもったクッキーは一味違うのかもしれません。

<パウンドケーキ>

クッキー作りの次に我が家で登場回数が多いおやつは、パウンドケーキです。クッキー同様、混ぜて焼くだけの簡単作業が魅力的です。
普段のお手伝いで、計りの使い方や計量の仕方などは教えていたので、初めて息子達と挑戦した時も、ほぼ私は見守っているだけでした。
ボールの中で混ぜて、型に入れて焼くという作業を長男が中心になり、次男と協力して材料を図ったり、薄力粉を振いにかけたりする姿はとても頼もしく、見ているだけで毎回自然と笑顔がこぼれてしまいます。
中に混ぜるフルーツなどの具材を変えると様々な味を楽しむことが出来るのも魅力的でした。旬の果物を使って季節を感じることもできます。
リンゴ狩りに行った時は、リンゴをジャムのように甘く煮たり、栗を採った時は栗で甘露煮を作って生地に混ぜたりして、美味しくいただいてきました。果物狩りにいった後に、息子達のリクエストで作ることが多いです。果物は傷みやすかったりするので、たくさん採ってきた時は、このように加工していただくのもいいと思っています。

<スイートポテト>

最近では次男のリクエストでスイートポテト作りに挑戦しました。さつまいも狩りに行った帰りの車の中で、次男が長男に「僕の大好きなおやつだから一緒に作って欲しい」とお願いしていました。息子達は作ったことがなかったので、始めはお願いされた長男も初めは戸惑っていましたが、「みんなで一緒に作ってみよう」と提案すると喜んでやる気をだしてくれました。
帰宅して、さっそく次男が「スイートポテトの作り方」と検索していました。最近は作りたいものを検索すると、動画で丁寧に作り方を知ることが出来るのでとても便利です。必要な材料のメモを息子達から渡されました。
週末に家族で作りましたが、こちらもほとんど息子達だけで作れていました。最後の形を作る作業では、二人で楽しそうに家族の顔を作っていました。子どもならではの発想にびっくりしました。食べるときも「パパ、食べちゃうぞ~」などと大盛り上がりで、楽しい時間が過ごせました。

<息子達の成長>

幼い頃には私と一緒に行っていたおかし作りですが、小学生になる頃にはクッキーやパウンドケーキなどは材料がそろっていれば、兄弟で協力して出来るようになってきました。
もちろん初めは、自分がやりたいという気持ちが前面に出てしまい、お互いの気持ちがぶつかり合い、作りながら喧嘩をしたり、泣いたりすることもありました。しかし最近では「俺が〇〇やるから、こっちをやって欲しいなぁ」「じゃあ、一緒にやろう」などと長男が率先して上手に次男に気持ちを伝え、お互いの事を思いやりながら作業する姿が見られます。
おかし作りが上手になっていくのはもちろんですが、このように息子達の精神的な成長を感じることが出来ることにも、おかし作りの魅力を感じます。

<家族揃ってのおやつタイム>

息子達がおかしを作ってくれた日は、普段と違ったおやつ時間を演出するように心かけています。しっかりと紅茶を入れて、簡単にテーブルセッティングを行います。もちろん作ってくれたおかしもきれいに盛り付けるようにしています。 準備をしているときから、とてもワクワクした気分になります。
家族みんなで息子達が作ったおかしを食べながら、おしゃべりをする時間を過ごしています。学校の事や今感じている事など、普段は忙しく過ごしていて、なかなかこのように家族でゆっくり話をする時間がないので、私も主人もこの時間をとても楽しみにしています。
息子達は自分たちの作ったおかしがキレイに盛り付けられるのが嬉しいようで、毎回とても喜んでくれます。

<まとめ>

息子達が幼い時から興味を持ち、簡単な作業から少しずつ挑戦していったおやつ作り。文章読んでいると、とても充実したおやつ作り時間を過ごしているように感じられると思います。でも実際は、粉をまき散らしてしまった事、卵を落としてしまった事、本当に子どもとのおやつ作りが大変に感じられる事もありました。なので、私は必ず「自分の心と時間に余裕がある時」に行っています。キッチンがグシャグシャになってしまっても、片づければキレイになります。でも心と時間に余裕がないとイライラしてしまうからです。
楽しくおやつ作りをすることで、おやつ作りが終わった後、息子達に「やってよかった」「楽しかった」と思って欲しいのです。楽しいとまた挑戦してみたくなると思います。その気持ちを育てていきたいと思っています。
失敗をしても、笑い飛ばしてあげられるくらいの余裕をもって、これからも子ども達と一緒におかし作りを楽しんでいきたいです。
家族みんなで過ごす楽しい時間になった「おかし作り」をこれからも続けていきたいと思っています。

私の考える食育

私が食育を意識して生活するようになったのは、「野菜が苦手だった長男に、野菜を好きになってもらおう」という気持ちからでした。野菜の事を知って、それが食べるきっかけになったらいいな…という単純な考えからです。
そんな考えからスタートした、ベランダでの家庭菜園やイベントでの収穫体験から、我が家の息子達は野菜や作物に興味を持ちはじめ、様々な体験を通して、いつのまに野菜に対する苦手な意識がなくなり、何でも食べてみようと思うように、そして食べられるようになりました。
「好き嫌いをなくしていこう」という事に重点を置いた我が家の食育ですが、私が家庭でこのような食育を進めていくうえで、意識して行ってきたことが4つあります。

<食育を楽しむ>

私が食育を進めていく中で1番大切にしてきたことは「楽しむ」ということです。
食育は数日学んだからと言って、身につくものではないと思っています。数年続けることによって、考え方や意識を変化させ、少しずつ身についていくものだと思います。なので、長く続けるためにはみんなが楽しくなくては続かないと思ったからです。子ども達を楽しませるのはもちろんですが、私自身も楽しくなければ継続していくことは難しかったと思います。
栽培にしても、料理にしても、準備や片付けは大人の仕事です。実際、大変に感じることもありました。なので、私は食育を実行する時は必ず、時間と自分の気待ちに余裕のある時に行いました。失敗もハプニングも、何でも笑い飛ばせるくらい心に余裕のある時。旦那にも協力してもらえる、週末に家族で行うことが多かったです。
私にとっても、子ども達にとっても「食育=楽しい時間」になるように意識して進めていきました。

<苦手な物は無理しなくていい>

私は子どもが苦手な物や苦手な事を無理に進めたことはありません。なぜならば、私は大人になった今でも苦手な物、苦手な事があるからです。どんな大人でも得意不得意、好き嫌いなどはあると思うからです。
野菜が苦手だった長男には、無理に苦手な野菜を食べさせるのではなく、調理方法や盛り付け方などを工夫し、長男がおいしく、楽しく、苦手な野菜を食べられる方法はないかと考えて、挑戦してきました。
息子が苦手だったホウレンソウは、息子の大好きなコーンとベーコンを一緒に炒め、バター醤油で味付けをしたら食べられるようになりました。苦手なキノコも炊き込みご飯なら食べられます。このように、味付けを変えるだけで苦手野菜を克服することが出来たのです。
毎日の食卓でも、色使いや盛り付け方で子ども達が「食べてみたい」と思うように工夫しました。幼い頃は、息子達の好きなキャラクターのキャラ弁を作ったり、好きなキャラクターのピックを使ったりしました。大きくなってからは、自宅でもビュッフェスタイルにしてみたり、プレートご飯にしてみたり、お天気のいい日はベランダで食事をしてみたりなど、食事の時間が楽しくなるように、私の負担にならない程度でおこなってきました。私の場合は、毎食だと疲れてしまうので、週末や時間がある時など限定で行っています。
無理に食べさせて嫌な気持にさせるより、自分から挑戦して食べられる事で自信につなげていくことが出来るように心掛けました。我が家の長男は今ではホウレンソウもキノコもどんな味付けで出しても食べられるようになっています。

<褒めて伸ばす>

褒めてもらうことって大人になっても嬉しいことだと思います。だったら子どもでも嬉しいはずです。なので、頑張ったときや成功した時はたくさん褒めて、自信をつけ、様々なことに挑戦できるようにしました。
特に新しいことにチャレンジした時は、たくさん褒めました。初めて何かに挑戦する時は子どもでも、たくさんの勇気がいると思います。初めて苦手な物が食べられた時、初めて包丁で野菜を切った時など、特に初めて何かをした時はたくさん褒めていきました。
自信を持つことで、次も様々なことにチャレンジしていけると考えているからです。食育に関係なく、子ども達にはこの先も、興味を持ったことや好きなことに沢山チャレンジし、自分の世界を広げていって欲しいと思っています。

<感謝することを忘れない>

これは私が息子達と食育を進めていくにつれて感じたことでもあります。
毎日当たり前に行っている食事ですが、食卓に並ぶまでにたくさんの経緯をたどっています。魚を採ったり、野菜を育てたりする生産者の方々がいて、それ加工している工場の人、私たちの街に運んでくれる運搬の方、お店の定員さん。たくさんの人達がいるから、私達は毎日当たり前に食事が出来ているという事を、息子達にも知って欲しいと思いました。たくさんの人達に感謝をしていただくこと。そして魚やお肉などは命をいただいているということ。
このことに息子達がどこまで気が付いたかどうかはわかりませんが、我が家の息子達は食べ物を大切にしよう、感謝をして食べよういう気持ちが最近育ってきているように思います。息子達の行動や会話などから、感じ取ることができるようになってきました。食卓に並んだものを、残さずに食べることも、感謝に気待ちのあらわれではないかと思っています。

このようなことに気を付けて、私は息子達の好き嫌いや、野菜に対する苦手意識をなくしていく食育を心がけてきました。
食育について調べてみると、農林水産省では「生きる上での基本であって、知育・徳育・体育に基礎となるもの」また文部科学省では「子どもたちが食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身に付けること」という定義が示されています。
最近では幼稚園や保育園、小学校でも食育を意識した教育カリキュラムがたくさん組まれているようです。私の息子達が通っていた幼稚園でも、お米や作物を育てて調理し、みんなで食べてみたり、季節に応じて焼き芋やサンマ、パンなどを焼いて食べてみたりなど、家庭では出来ないような、貴重な食育体験をたくさんさせてもらいました。
食育にとって大切な事は、食について興味をもつこと・知ることだと思います。「自分たちが毎日食べている物はどのようにして食卓に並ぶのか?」「どうして食べなければいけないのか?」「好きな食べ物はどのように育つのか?」何でもいいと思います。子ども達が「食事」ということに興味をもつ。そのきっかけを私達、大人が与えてあげること、そしてそれについて知っていくことが自然と食育につながると思いました。
我が家の息子達は家庭菜園をきっかけに「作物の収穫体験」「収穫した作物で料理を作ること」に興味を持ちました。そして、家族時間やお家時間を充実させることもできたのだと感じています。
子どもが興味をもって知りたい・学びたいと思った時が、子どもが物事を1番吸収できる時だと思います。私達大人は、そのきっかけを与えてあげるお手伝いをし、子どもを全力で応援していき、様々なことに繋げていけたらいいと考えています。
これまで我が家の食育について、いろいろお話をさせてもらってきましたが、私の考える家庭での食育は特別なものではありません。家庭で行う食育は「家族で楽しく食事をする」これが基本だと思っています。楽しい時間の中から家族との会話がうまれ、「食事」が家族にとって大切な時間になってくる。大切な時間になってくると、自然と「食」についてそれぞれが考えるようになってくるのではないでしょうか。
食事は、私達が生きていくうえで欠かすことのできない大切な時間です。この時間を家族で楽しく過ごし、それぞれの家庭にあった食育を進めていくことを、私はオススメします。

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