ワンオペ二人育児

2021年9月17日

子育て

最初に気をつけていたこと

私には、現在3歳2ヶ月の長男と、5ヶ月の長女がいます。

二人目を出産するにあたって、一番不安だったことが「ワンオペで二人育てられるのか」ということでした。

妊娠した当時、夫は転職したばかり。

今までより通勤に時間がかかるようになり、忙しい職場のようで、夜帰ってくるのが遅くなることも増えていました。

ずっと二人目がほしいと思ってはいたので嬉しくはあったのですが、平日はほとんど朝起きてから夜子どもが寝るまで、一人でお世話をすることになります。

上の子は満三歳で幼稚園に入園することにしていたので、生まれてからしばらくは二人を同時に見なければなりません。

私はそれに不安を感じていました。

ママ友にきいてもSNSを見ても、「上の子が赤ちゃん返りして大変」「全然余裕がなくなる」といった情報だらけで、望んでいた二人目ではありながらも日々心配を募らせていました。

特に長男は少しナイーブなところがあり、私のつわりが酷くてあまり遊んであげられなかった時期には爪を噛んだり、心配そうに私にくっついたりしていたので、大丈夫かなぁと思うばかり。

そこで生まれる前にたくさん情報収集をして、これだけは絶対に気をつけようといくつか決意していました。

まず、『上の子を優先する』ということ。

私自身も4人兄弟の長女だったので、上の子が自然と我慢を強いられることになったり、親に迷惑をかけてはならないと思ってしまう気持ちはよく分かっていました。

だからできる限り寂しい気持ちにはさせないようにしようと思いました。

上の子に赤ちゃんを見せるとき、抱っこするのは赤ちゃんじゃなくて上の子の方。

赤ちゃんが急に泣き出しても、上の子と遊んでいるタイミングで中断しない。

そんなアドバイスをたくさん仕入れておきました。

それから、『お兄ちゃんだから、と言わない』こと。

急に妹ができて、お兄ちゃんだから我慢だよ、と言われてもそれは大人の都合でしかないのです。

だからそれだけは絶対に言わないようにしようと心に決めていました。

そんなことを決意しながら、実際に下の子が生まれ、始まったワンオペ二人育児。

正直なところを言うと、「そこまで気にしている余裕がない!頭がまわらない!」というのが本音です。

特に『上の子を優先する』というのが、なかなか難しかったです。

だって一人目のときは、泣いたらすぐに飛んでいってあやしたり、授乳したりしていたのに。

上の子の相手をしながらも、「本当にほっといて大丈夫かな?」というのが頭をちらちら過ぎります。

気になって仕方がないのです。

どうしてもどこかのタイミングでは下の子のところに行かなくちゃならないし、それで息子に強めに「ちょっとまってて!」と言ってしまうことも。

そして我に返って自己嫌悪に陥る、の繰り返し。

息子が幼稚園に行き始めるまで、ゆっくりとこのことについて考える気持ちの余裕がありませんでした。

日中幼稚園に通うようになって、私の産後のつらさも少しずつ落ち着いてきたところで、ようやく少し意識する余裕が生まれはじめたかな、というところです。

ワンオペ二人育児の大変なところ

ワンオペ、と言っても私が実際にワンオペ育児をしているのは基本的に平日だけなのですが、やってみて大変だと感じることがいくつかあります。

一人だけに合わせて生活が出来ていた頃と、生活リズムが異なる二人をいっぺんにお世話するのとでは、大変さが全く違っていました。

まず、一番はじめに戸惑ったのが寝かしつけでした。

ひとりで二人を寝かしつけるってどうすればいいの……?と、途方に暮れました。

そもそも、上の子は私が隣に一緒に寝そべっていないと眠れません。

しかもお世辞にも寝付きがいいとは言えず、部屋を暗くしてから寝るまで1時間程度かかります。

下の子はまだ小さいので一緒の布団に並べるわけにもいかず、ベビーベッドです。

月齢の低いうちは授乳しているうちに眠ってしまうことが多かったので、下の子はとりあえずそのまま寝かせておけばよかったのですが、日が経つにつれて一日のリズムができてくると、だんだんとそうはいかなくなりました。

どうするのが正解なのか未だによくわからないのですが、先に上の子をなんとか寝かしつけ、その間赤ちゃんの方は多少泣いていてもベビーベッドで待たせておいたり、授乳したりしながらどうにかこうにか乗り切っているような感じです。

息子が眠りについたら、それからようやく下の子を寝かせます。

運がよければ、放っておいた間に寝ていることもあります。

寝かしつけの時間までに夫が帰って来ることはほとんどありません。

こんなとき、もう一人大人がいてくれればいいのに!と切実に思います。

ベビーベッドを卒業して、同じリズムで生活できるようになり、二人一緒に布団に入れるまでの辛抱です。

それから、もうひとつ大変なのがお風呂です。

ベビーバスで沐浴させているうちは、時間をずらして下の子だけ朝や昼間のうちに入れていました。

しかし、体重が増えてくるとベビーバスに入れるのが大変になってきます。

そこで私と上の子と一緒に入れることにしたのですが、これがまたドタバタです。

まず下の子は先に服を脱がせておき、オムツ一枚の状態でタオルにくるんでハイチェアで待たせておきます。

そして上の子の身体を洗い、すべて終わってお湯に浸からせたところで下の子をお風呂に入れます。

終わったら下の子を先にあげ、またとりあえずタオルに包んで待たせておき、上の子の着替えを終わらせる、というやり方なのですが、もちろん自分が洗う時間はありません。

私が布団に入る時間までには夫が帰ってくるので、夫が帰ってきたあと、夜中にひとりで入りなおしています。

そしてこの方法、下の子が春に生まれ、寒くない季節しか経験していないからこそ通用しているのですが、寒い時期だと風邪を引きそうでちょっと難しいのでは、という気もします。

もう少しすれば上の子も自分で洗えるようになり下の子も自力で立てるようになるので、きっと多少楽になるのだとは思うのですが、3歳になったばかりの子とまだ動けない赤ちゃんとの3人では、毎日とてもバタバタです。

それから、もうひとつ大変なのが上の子のトイレトレーニングです。

私のお腹が大きかった時期、つわりが辛くてなかなかトイレトレーニングを始める気力がわかなかったので、現在絶賛練習中です。

今ひとつトイレに行くタイミングが分かっていない上の子は、おしっこが出てからトイレに行くと言い出します。

まだまだ道のりは長そうです。

この「行く」と言い出すタイミングが、また難しいのです。

こちらから「今トイレ行く?」と尋ねても「行かない」ということが多いのに、本人から言い出すのは授乳をしているときだったり、オムツを換えている最中だったり。

かといって「トイレに行きたい」という息子の気持ちを無碍にすることもできないので、毎回ひええと思いながらも慌てて中断してトイレに連れて行きます。

さらに、ちっとも出る気配がないのに「もう少し座ってる」などと言いながらちっとも終わりにしてくれません。

やっぱりもう少し早めにトレーニングを始めていればよかったのかもしれない……と少し後悔しつつ、早く一人でトイレに行けるようになるのを待つばかりです。

寝かしつけもお風呂もトイレも、本当に一過性のものだというのは頭では分かっていても、これが毎日のこととなるとそんな悠長に考えていられない、というのが実際のところでした。

日中は本当に、全く冷静になる余裕がありません。

子どもが寝たあと、帰ってきた夫に今日はこんなことがあったと話しながら、ようやく冷静になってきて、「いつかは終わるものだ」と自分に言い聞かせています。

下の子の成長段階に応じて大変なことが日々変化するので、自分の中で確固たるやり方を決めている、というよりも、とりあえずその場その場をなんとか凌いでいる、というのが現状です。

乗り切るためにやっていること

ワンオペでの二人育児が始まって、そろそろ半年近くが経ちました。

生まれたばかりの頃は、下の子は基本的に寝てばかりだし、お腹がすいたらすぐに授乳していればよかったし、泣いていても抱っこひもの中にいれていればよかったので、今思えば手がかかりませんでした。

しかし、そろそろ生後半年。体力もつき、生活リズムが整ってきたので日中起きている時間も増え、少しずつ動き回るようにもなってくるし、離乳食もこれから回数が増えていきます。

そうなると、寝ているばかりの時期に比べてきっとまた一段と大変なのは想像に難くありません。

寝ているばかりの時期は、それはそれで上の子とのリズムが合わずに大変だし、動き始めたらまた違う大変さが生まれてきます。

日々変化を遂げるこの「大変さ」のなか、一日一日を乗り切るためにとにかく心がけているのは、「絶対に無理をしない」ということです。

できない!無理そう!つらい!と思ったらしない、潔く諦める。

そして、できなかった自分を責めない。

「本当はできるんだけど、今は子ども二人抱えてるんだからしょうがないか」と、常に自分に言い聞かせています。

例えば、上の子だけだったころは、基本的に毎日同じスケジュールで日々を過ごすようにしていました。

朝は7時ごろに起こして、お昼ごはんの時間は11時半ごろ、13時前からお昼寝、晩ごはんは18時でそのあとお風呂、遅くても20時半には寝室に行く……といった感じ。

テレビを見せるのも、だいたい16時から夕食ができるまで、と何となく決まっていました。

下の子が生まれ、退院してみてすぐに気がつきました。

これからはそうはいかない、と。

朝、起きないなら寝かせておいてもいいか。

お昼寝、無理そうだったらしなくていいか。

夕食の時間、多少遅くなってもいいか。

ちょっとぐらいDVDを長めに見せてもいいか。

お風呂、もう眠そうだし一日ぐらい入れなくてもなんとかなるか!

全てにおいてこのぐらいの気持ちで挑むようにしています。

夫は忙しいのですが、幸い、私が出来なかったことに対してなにか文句を言うような人でもないし、「夕食用意できなかった」と連絡すれば「外食できる!」と喜んでテイクアウトのお弁当を買ってくるような人です。

それでも、今私は外でのお仕事をしていないので、一日家にいるのに申し訳ない、という気持ちがわいてしまうこともあります。

それを、「仕方ない!」とうまく割り切って考えられるようになるには、まだまだ時間がかかりそうです。

それから、SNSでいちいち他人のことを検索しないようになりました。

一人目の子が赤ちゃんだったころは、発達のこと、育て方のこと、夜泣きのことなど、なにか気になることがあるたびにSNSを見ていました。

「仲間がいる、みんな頑張ってるんだ」と思えているうちはいいのですが、「あの人はこんなにしっかり離乳食を作ってる」「部屋がいつも片付いている」と、自分の出来ていないことが見え始めるとどんどん落ち込んでしまいます。

旦那さんが毎日定時に帰ってくるような人を見てしまうと、それを羨ましくも思ってしまいます。

一人目のときはみな同じ境遇で、夜中でもSNSを開けば誰かが夜泣きの対応で起きていたりして仲間意識を感じられていました。

しかしだんだんと発達の差が現れ、二人目のタイミングが違ったり、保育園に預け始めるタイミングが違ったりして、違いがはっきりと見えてきました。

比べるようなことではないと思いながらも、どんどんマイナスの方向に引っ張られてしまいます。

本当は、輝いて見える人たちにも、SNSでは見せない苦しさや悩みがあるのでしょうが、それは切り取られた世界からは伝わってきません。

だから、二人育児が始まってからは、そういう類のものをほとんどシャットアウトしました。

ネガティブになってしまうような情報からは、離れてしまうのが私には合っていました。

そして、三つ目は、夫に頼るということです。

長男が赤ちゃんだった頃、わたしはなかなか夫を頼れずにいました。

今になって思えば、きっと頼めばなんでも嫌な顔をしないでやってくれたのだと思います。

でも、「毎日仕事に行っているのに休みの日に起こしちゃうのはよくないかな」「わたしが家にいるのに家事をあんまりお願いするのは嫌だろうな」と勝手に考えてしまい、言えずにいました。

人にものを頼むことは、私にとっては結構なストレスだったのです。

かといって言わないと伝わらないのは当然のこと。

うまく意思の疎通が図れず、ひとりで抱え込んでしまいながらやりすごしたことが何度もありました。

二人目が生まれてからは、そもそも頼らなければ成り立たないことが増えました。

上の子と下の子が同時に泣いていて、そこに夫がいたら、もうどちらかを託すしかありません。

私の実家は飛行機の距離にあり、このご時世ですからなかなか簡単に頼ることはできません。

義理の母は隣市にいますが、仕事もしているし、どうしても義理の実家というのはお互いに気を遣ってしまうものです。

身近には、夫しか遠慮なく頼れる人はいないのです。

確かに仕事で疲れているかもしれませんが、正直なところ私だって平日のワンオペ育児で疲れ切っています。

それはお互いさまで、子どもがふたりとも寝てしまったあとにお茶でも淹れて「一週間お疲れさま」と労いあうしかありません。

ですから、助けてほしいときには、あれこれ考えこむ前にすかさずヘルプを出すようになりました。

実際にこうするようになってみて、私がうまく伝えられずに手一杯になって一人でバタバタしているより、はっきり何をしてほしいか言ってくれた方が、夫も動きやすそうなことに気がつきました。

休日の、ワンオペではない日は、思う存分夫に頼るようにしています。

さて、ここまでいくつか乗り切るために気をつけていることをあげてみました。

「できないものはできない」、そう割り切るのが、今の私には一番合っている方法なのかな、と思っています。

上の子との関わり方

ワンオペでの二人育児が始まり、事前に予想していた通り悩むことになったのは、上の子である長男との関わり方です。

妊娠中から、「下が生まれると上の子が赤ちゃん返りして大変だよ」「上の子のことが可愛く見えなくなるよ」などという噂をたくさん聞き、私は戦々恐々としていました。

下の子が生まれたとき、長男はもうじき3歳になるというところ。

イヤイヤ期はピークのときよりは少し落ち着いてきてはいましたが、それでもまだイヤだと言いたいお年頃。

もともと、室内でひとり黙々と遊ぶのが好きだった長男ですが、私のお腹が大きくなるにつれ、「ママと遊びたい」「ママがいい」ということが増えていました。

それまではパパが大好きで、いつもパパにくっついて追いかけ回していたのに、急に私のほうがいいと言い出すようになったのです。

いざ下の子が生まれてみると、思った通りさらに私にべったりでした。

こんな世の中なので、出産後の入院中は息子との面会はできていません。

一週間ほどしてようやく家に帰ったときは嬉しそうに迎えてくれた息子ですが、やっぱり突然の赤ちゃんの出現に戸惑った様子でした。

それからも、下の子を抱っこしているときや授乳をしているときに限って私を呼んだり、しがみついてきたりするようになったのです。

着替えもおもちゃの片付けも、それまでは自分で進んでやっていたのに、「ママがやって」というようになってしまました。

そして、それをなんとかやり過ごしながら下の子が生まれてしばらく経ち、幼稚園の満3歳クラスに入園した息子は、日中は楽しく幼稚園で過ごしてくるようになりました。

その間は、私も下の子だけを相手にしていればよいのでとても楽ちんです。

しかし、息子にとってははじめて親から離れたところでの集団生活。

あまり社交的な性格ではない息子は、毎日お友達に囲まれ、緊張して過ごして疲れ果てて帰ってきて、その分家にいるときは輪をかけて「ママ」「ママ」と言うようになりました。

今は無理!お願いだから夕食を作らせて!というタイミングでも、「ママと一緒にテレビ見たい」「ママのお膝に座りたい」という要求が次から次へと飛んできます。

特に夕方ごろというと、「黄昏泣き」と言われるように、なぜか赤ちゃんの機嫌がすこぶる悪い時間帯。

あっちもこっちも大変で、そんな中でわがままを言われてしまうと私もいっぱいいっぱいになってしまいます。

「ちょっと待って!」と強く言ってしまったことが何度もあるのですが、そうすると最近おしゃべりが上手になってきた息子は「ママ、怒んないで……」と悲しそうな顔をします。

しばらく経ってから、「ママ、ごめんなさい……」なんて小さな声で言いに来たこともありました。

息子が悪いわけではなく、私が一人で勝手にイライラしてしまっただけなのに、「ああ、またやってしまった」という後悔の連続。

ただでさえ妹が生まれて新しい環境の中でいろいろなことを我慢している時期なのに、それを受け止めてあげることができない自分をものすごく責めてしまいます。

今、絶対にこれだけはやる、と心に誓っているのは、「ママ、ギューしたい」にだけは絶対に応えるということです。

揚げ物の最中でも、下の子が泣いていても、内心イラっとしてしまっても、「ギューしたい」と言われたときは絶対に抱きしめてあげるようにしています。

これができなくなってしまったら本当にまずいな、という、私の中での最後の砦です。

それから、寝る前に絵本を読んでから電気を消すのですが、電気を消した後にも毎晩必ず一度抱きしめて、「今日も幼稚園頑張ってきたね」「◯◯ちゃんに優しくしてくれてありがとうね」と声をかけるようにしています。

そうすると本当に嬉しそうな顔をしてくれる息子に、毎日救われているような気がします。

息子のことは本当に可愛いと思っているし、はじめての育児で手探りな中、ずっと一緒に頑張ってきてくれたのは第一子である息子です。

今、まだ3歳なのに一生懸命環境に慣れて頑張ろうとしている上の子のために、もう少し心の余裕を持ちたいなと思います。

それから、誰かわたし以外の人の手があってお手伝いしてもらえるときには、なるべく下の子を託すようにもしています。

夫でも義理の家族でも、「上の子と遊んでるからその間にゆっくり下の子を見てていいよ」と言ってくれることが多いのです。

それ自体はとてもありがたいことです。

確かに、息子と遊ぶのは体力がいるし、息子を公園にでも連れて行ってもらって家でゆっくり赤ちゃんのお世話をしている方が楽ではあります。

でも、こういうときって上の子と二人きりで過ごせる貴重な機会でもあるのです。

もう少し下の子が大きくなり自我が出てきて、「わたしもママがいい」と言い出すようになったら、上の子と二人だけで過ごすことはもっと難しくなるかもしれません。

だから、こういうことがあったときには、なるべく下の子をお願いして、息子と二人で遊んだり出かけたりする時間を作るようにしました。

下の子は基本的に母乳で育てているので、あまり長い時間おいてどこかに出かけることはできません。

しかし、短距離のドライブでも少し公園で遊ぶのでも、いつの間にかこんな言葉を覚えていたのか、幼稚園ではこういう遊びをしているのか、という新しい発見があって、その成長や新たな一面を見られるがとても嬉しく思えます。

下の子が生まれる前、まだ幼稚園に通っていなかったころは毎日ずっと一緒に過ごしていたので、こういう新しい発見をするタイミングがなかったし、毎日同じことの繰り返しで新鮮さもなかった気がします。

毎日とても大変だし、つらいな、苦しいな、と思うことも多いのですが、今までに考えることのなかった上の子との関わり方を模索しながら、成長を今までよりも喜べるようになったのは、ひとついいことかもしれないと思うようになりました。

もちろん、息子に我慢をさせていることには違いないので、できる限り穏やかな気持ちで接してあげられるように努力しなければならないことには間違いありません。

これから下の子が動き回りはじめ、自己主張をし始めるようになると、また上の子は自然と我慢を強いられ、場合によっては喧嘩になってしまうこともあるだろうと想像できます。

そういう状況になったときに、なるべく上の子の気持ちに寄り添ってあげられるようにしようと、今のうちから心に決めておこうと思っています。

二人育児の楽しいところ

これまでたくさん大変なところやつらいところばかりを書いてきましたが、一人だけを子育てしているときには感じられなかった、二人育児ならではの楽しいところや、楽だなと感じるところもあります。

まず一番に思い浮かぶのが、「孤独を感じない」ということです。

上の子がまだ0歳の赤ちゃんだったころ、育児を楽しいと感じられる瞬間はほとんどありませんでした。

それよりも、右も左も分からない中で突然始まる昼夜のない生活や家からほとんど出ることができず誰とも喋らない日々に孤独を感じてばかりだったような気がします。

そんな中でずっと泣きやんでくれなかったり、ずっと抱っこしていなければならなかったりするので、赤ちゃんは可愛いけれど、この暮らしが楽しいとはなかなか思えませんでした。

今回は赤ちゃんのほかに上の子もいます。

子どもが二人いると、たとえワンオペで対応しなくてはならなくても、孤独を感じて寂しくなる瞬間がほとんどありません。

常に子どもの声がして、家の中は賑やかです。

下の子が泣いていれば上の子が教えに来てくれるし、ずっと泣き止まなくても、上の子の対応があるので深く考えて途方に暮れている間がありません。

手が離せなくて放っておくと、上の子がベビーベッドまで様子を見に行ってくれることもあります。

息子はまだ3歳になったばかりなので、ワンオペ育児の戦力になってくれるというところまではいかないのですが、それでも息子がいてくれることで、あんなに孤独で寂しかった赤ちゃんの育児を楽しくできているように思います。

もう少し下の子が大きくなってコミュニケーションがとれるようになれば、私が間に入らなくても二人で仲良く遊んでいる姿が見られるようになるのだろうかと、今から楽しみです。

それから、前の章でも少しお話ししましたが、上の子の成長を今まで以上に感じることができる、という点もあります。

息子は赤ちゃんの頃から内向的な性格で人見知りも激しく、児童館などに行っても他の子がいると固まってしまうようなタイプでした。

特に自分より小さい赤ちゃんがはいはいして寄ってくると、なぜかとても怖がっていました。

他人とのコミュニケーションも苦手で、親以外の誰かと一緒に遊ぶという光景を見たことはそれまでほとんどなく、どこに行ってもだいたい一人で遊んでいます。

よく会うお友達の名前もちっとも覚えず、ちょうどコロナ禍で他人と関わる機会が激減したことも相まって、「この先集団の中でやっていけるのだろうか」と心配になるほどでした。

赤ちゃんが生まれて家にやって来た当初、気になる様子ではありましたが、案の定息子はほとんど関わろうとしませんでした。

しかし毎日一緒に過ごすにつれ、少しずつ興味が出てきた様子。

パパやママが話しかけているものだから、自分も話しかけてみようかなと思ったようで、ときどきひとりでベッドのところまで見に行くようになりました。

今では、私と同じように話しかけてみたり、泣いていると控えめにではありますが私の真似をしてとんとんと優しくあやしに行ったりしています。

家の中に新しいメンバーが増えたことで、自分から他人と関わろうという気持ちが芽生えたのだなあと、それが感じられるのがとてもうれしく思います。

最近幼稚園に通い始めましたが、心配していたよりも楽しそうに毎日通っています。

息子にとってきょうだいがいるのはいいことだったかもしれないな、と思いながらそういう瞬間をみられるとき、複数子どもがいてよかったなと感じます。

これはおそらく、下の子にとってもそうなのだと思います。

上の子が赤ちゃんのとき、基本的に家の中には私と息子しかいなかったので、私がなにか話しかけない限り息子は誰かが話しているのを聞くことはありませんでした。

しかし、下の子には常に刺激があります。

息子がいつも何か喋っているし、元気に動き回っているし、そういう姿をずっと見ているので、下の子にとってもいい影響があるように思います。

二人を相手にしているので、母親である私が一人に対して全力投球することはできないのですが、その分きょうだい同士で刺激しあえるのは素敵なことだと思っています。

そして、よその家庭と比べる余裕がなくなったというのも、楽しく毎日を過ごせる一つの要因です。

発達の早い遅いはもう全然気にならなくなりました。

一人目のときは、気にしなくていいと言われても、どうしても他の子はもう首が据わっているけど大丈夫かな、まだ寝返りする気配はないけど何か問題があったらどうしよう、と考えることがたくさんありました。

しかし、既に一人目の経験があることもあって、それは本当に気にしても仕方がない、人それぞれだというのがもう十分すぎるほどに分かっています。

全貌の見えていない誰かと比べてしまうのって、本当に自分にとっていい影響がありません。

子どもの頃にやっていた勉強やスポーツは、頑張って努力すればするほど目に見える結果が出るものでしたが、子育てに限っては全然そうではないのです。

どんなに親が頑張って働きかけたところで、すべては子どものタイミング次第。

それが身をもって分かっているので、よっぽどのことが無い限り調べることもなくなったし、それをしている時間の余裕がないというのもあります。

調べたり比べたりしなくなったことで、目の前の子どもの成長を純粋に楽しめていると思います。

また、一人しかいないときというのは身近な比較対象がないので、子どもの行動に対して、それが普通のことなのかその子の個性なのかを判断しづらく、悩んでばかりでした。

でも複数子どもがいると、「ああ、上の子の夜泣きが一年続いたのは個性だったんだな」「上の子はそうじゃなかったけど、赤ちゃんって本当になんでも口に入れて見るものなんだな」という気づきがあります。

同じ親から生まれた子どもであっても、ここまで個性があってそれぞれ違うのだというのを日々感じます。

二人育児に限らず、複数育てていればそうなのだとは思いますが、これが面白いところです。

さて、いくつか楽しいと思えるところを挙げてきました。

つらいところ、大変なところもたくさんあるし、なかなか余裕のある日々を送れないのがもどかしくもあるのですが、合間合間に一人だけのときには感じられなかった楽しさもあるのです。

大変なことがどんどん変わっていくように、楽しいこともまた増えていくのでしょう。

これがあるから、ワンオペは確かに大変だけど、頑張ろう、と思えるような気がします。

田中さんより

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