2022年3月1日
子育て
毎日新しい言葉やしぐさを覚え、よちよちと2本の足で歩くようになる1歳頃。授乳や離乳食づくり、寝かしつけなど、赤ちゃんのお世話に追われていた0歳の育児に比べ、1歳児の育児はとても楽しいですよね。私の場合は我が子が1歳になり、卒乳したことをきっかけに夜泣きをしなくなったことから睡眠不足が解消され、育児がグッと楽になりました。また、子どもが歩けるようになったことで外を散歩したり公園へ行くようになり、「育児って楽しいな」「子どもって可愛いな」と毎日が楽しくなってきたのがこの頃でした。
公園で葉っぱを拾って「どうぞ」と私にくれたり、車を指さして「ブーブ―」と教えてくれる我が子は、新しい世界を目を輝かせて楽しんでいるように見えました。
「だんだん育児ってラクになるんだなぁ」と感じていましたが、1歳半を過ぎたころから、少し子どもの様子が変わってきました。
今までは、公園遊びを終わらせたいときは子どもをサッと抱っこして、「おしまいだよ」と言えばスムーズに帰れたのに、泣いたり怒ったりして、私の言うことに反発するようになったのです。散歩をしていてもスムーズに歩かず、自分の思い通りにいかないとかんしゃくを起こすようになりました。
子どもを我が儘にさせてはいけないと、最初は「ダメなものはダメ」と言い聞かせていました。しかし、子どものかんしゃくは収まるどころかエスカレートしていきます。洋服を着せようとしても、靴を履かせようとしても「イヤ!」と言い、一つひとつの行動がスムーズにいきません。予定の時間に間に合わなかったり、スーパーなどで泣き出すと周りの目が気になり精神的にもヘトヘト。今まで楽しかった育児生活がだんだん辛く苦しくなり、イライラして子どもを怒鳴ってしまったり、「私って、ダメな母親だ」と自分を責めることも多くなってきました。
かんしゃくだけでなく、「イヤ!」「ジブンで!」と自己主張するようになった2歳の我が子。相変わらず私はイライラする自分をコントロールできず、声を荒げてしまうこともありました。でも、今思えばこの時期こそ「魔の2歳児」と呼ばれるイヤイヤ期だったのです。
イヤイヤ期は、発達の過程でとても大切な時期だと言われています。成長の過程で2歳頃の子どもがイヤイヤをすることは健全なことであり、とても大切なことです。
でも、「魔の2歳児」という言葉があるくらい、2歳児の育児は一筋縄ではいきません。私も、育児書などでイヤイヤ期について勉強しましたが、育児が上手くいかないと自信をなくし、イライラしたり落ち込むことがよくありました。子どもがイヤイヤするのは私の育児方法が悪いからだと、自己嫌悪になったこともあります。でも、今育児を振り返って思うことは、2歳児の子どもには、2歳児の発達の特徴から、イヤイヤする理由があるということです。
まず、2歳頃になると、しっかりと歩くことができるようになります。
ジャンプしたり、階段の昇り降りをしたり、小走りをするお子さんもいるでしょう。体力もついてきて、行動範囲も広がってきます。また、手先も少しずつ、器用に使えるようになります。
我が子も2歳頃になると、スプーンやフォークで食事をしたり、クレヨンで力強い線を描くことができるようになってきました。シールを貼ったり、小さなものをつまみ上げるなど、明らかに手先が器用になったと感じました。できることが増え、見える世界も広がることから、自分でやりたいという「自立」と「自発性」の気持ちが強くなるのがこの時期です。
今まで素直にママが着せていた洋服も、「自分で着たい」と思うようになります。お散歩の途中で見つけた石ころを拾ってみたい、道路を走る「ブーブ―」をずっと見ていたいという自我が生まれてくるのです。
それを「イヤ」「ジブンで」などの言葉で主張しますが、やりたい気持ちに対して自分の能力が伴わないのがこのころでの特徴でもあります。まだ、「やりたいけれど、できないことがある」ということを自分の頭で理解することが難しいので、自分で洋服を着たり靴を履きたがっても、上手くいかないことも多いでしょう。
しかし、感情をコントロールすることは発達の過程で難しく、悔しい気持ちをおさえることができません。それが時にかんしゃくや泣きわめく行動につながります。突然泣き叫んだり、暴れて物を投げるお子さんもいるでしょう。
私も我が子がかんしゃくを起こしたときは、「うちの子、大丈夫かな」「発達に問題があるのでは」と不安になりました。一見我が儘で問題のある行動に見えますが、これらの行動は子どもが健やかに発達しているあかしだったのです。
また、言葉の発達にはかなりの個人差があります。「ワンワン きた」などの二語文を多くのお子さんが話すことができるようになるでしょう。「ママ こうえん いく」など、三語文を話すことのできるお子さんも出てきます。しかしながら、2歳頃の子どもは、やりたくない理由を的確に言葉で説明することはできません。そんなもどかしい気持ちが「イヤ」という言葉になると言われています。
このように2歳児のイヤイヤ期は、子どもに発達上の問題があるわけでも、母親の育児方法が間違っているわけでもなく、一つの成長の過程です。とはいえ、イヤイヤ期っていつまで続くの?と不安になることもあるのではないでしょうか。多くの場合、イヤイヤ期は3~4歳で落ち着きますが、個人差はあるので焦りは禁物です。4歳を過ぎて、そういえば最近聞き分けがよくなってきたな、と感じる場合も多いようです。3歳を過ぎると、自分の気持ちを少しずつ言葉で伝えられるようになります。また、どうしてそうなったのか、因果関係の理解が進みます。
我が子の場合も、3歳頃になると「お皿の上にお菓子がなくなったからオヤツはおしまい」と理解できるようになり、お菓子がなくなると手を合わせて「ごちそうさまでした」と言えるようになりました。1年前はお菓子がなくなっても、「もっと、もっと」と泣いていたのが嘘のようだとびっくりしました。また、「お昼になったからおうちに帰るよ」を理解できるようになったのもこの頃です。私の言葉を理解することができるようになり、自ら進んで砂場のオモチャを片付けるようになったときは、本当に嬉しかったです。
イヤイヤ期の期間は個人差がありますが、必ずいつかは終わります。また、イヤイヤ期が激しいお子さんもいれば、穏やかで、イヤイヤ期がほとんどないようなお子さんもいるでしょう。周りの子どもと自分の子どもを比べて、発達が心配になる場合もあるかもしれませんが、少しずつ体重が増加し、健診などで問題がなければ、それらの個人差は個性だと受け止めて大丈夫です。
私も子どもが2歳の頃は、泣き叫ぶ我が子を前に、「こっちが泣きたいよ」といつも思っていました。周りの子どもが笑顔で仲良く遊んでいるのに、我が子だけが泣いているときなどは、本当に辛かったです。でも、今スーパーなどで泣いているお子さんを見ると、「こんなときもあったなぁ」と懐かしく、泣いているお子さんを可愛いなとすら思います。でも一方で、ママが対応に苦労し、辛い想いをしていることが痛いほどに分かります。一体いつまでこんな生活が続くのかと途方に暮れることもあるかもしれませんが、イヤイヤする時期は、長い育児生活の中のほんの一時です。どうかおおらかな気持ちで、お子さんの成長を見守ってくださいね。
突然スイッチがはいったようにイヤイヤして泣き叫ぶ2歳児へ、イライラしてつい怒鳴ってしまうこともあるかもしれませんね。でも、実はそれは逆効果です。こだわりの強い2歳児は、自分の欲求が否定されると混乱し、ますます泣き叫ぶことになるでしょう。私の場合も、お菓子を買ってほしいと泣き叫ぶ子どもに対して、何度も「ダメ!」と言い、結局必要なものも買えずにお店を後にしたことがあります。そのときは、子どもを我が儘にさせないために、周りに迷惑をかけないために、母親の私が強く怒らなければいけないと思ったのです。また、言うことを聞かない子どもにイライラし、感情的になってしまった部分もあります。手が出そうになったこともあるし、怒ってしまったあとは激しく後悔しました。本当はどんなママだって、穏やかに育児をしたいですよね。
実は2歳児のイヤイヤには、いくつか対応方法のポイントがあります。また、イヤイヤする子どもが落ち着く声かけもあるので、意識してみるといいと思います。すべてのイヤイヤに通用しないかもしれませんが、いくつかの対応方法を覚えておくと、いざというときにきっと役に立ちますよ。一つずつ紹介していきますね。
まず、子どもがイヤイヤしたときに大切なことは、子どもの気持ちに寄り添い、子どもの気持ちに共感することです。
「おうちに帰るのがイヤなんだね」
「くつを履くの、難しいよね」
と短く分かりやすい言葉で話します。泣き止まないときは、抱きしめたり、背中をさすってスキンシップをとりましょう。共感だけでは子どもの気持ちは収まらないかもしれませんが、子どもは少しずつ身体も心も発達し、少しずつ感情をコントロールできるようになります。
ママに共感してもらった経験を通して、「自分はどうしてイヤなのか」を子ども自身が理解し、「ママが分かってくれるなら、イヤイヤしなくても大丈夫」と思えることが大切です。子どもの気持ちを否定せずに、優しく受け止めてあげられるといいですね。
次に、大切な対応方法のポイントは、分かりやすく伝えることです。
2歳児はまだ、やってはいけない理由を正確に理解することはできません。なるべく短く簡単に、どんなことも分かりやすく伝えることを心がけましょう。
例えば、いつまでもおやつを食べたいお子さんには、「おしまい、ないないだよ」と伝えます。石を投げるお子さんには、「危ないよ」で十分です。お子さんの目を見て、はっきりと短い言葉で伝えます。ママは子どものためにと、たくさんの言葉を並べて話をしたり、怒りに任せて怒鳴ってしまうこともあるかもしれません。前者の場合は、子どもにとってはママが何を言っているのか理解できませんし、後者の場合はママが怒っていて怖いことしか子どもには伝わりません。注意しても注意しても、何度も同じことを繰り返す子どもに、イライラすることもあるかもしれませんが、一貫して同じように分かりやすく話すことで、少しずつやってもいいこと、悪いことの区別がついてくるでしょう。子どもの成長を信じて、分かりやすく言葉で伝えることを意識してみてくださいね。
次に、イヤイヤへの対応方法としておすすめなのが、思う存分にやらせてあげることです。公園での遊びに夢中になって帰らないとか、道路の車をずっと見ていてその場を動こうとしないことなどは、こだわりの強い2歳児にはよくあることです。ママとしては、何とかママの思った通りに子どもをコントロールしたいところですが、たまにはお子さんがやりたいことを思う存分にやらせてあげましょう。
汚れてもいい洋服を着て、ママも一緒に思いっきり砂場で遊ぶ経験などは、子どもの心をたっぷり満たしてくれるでしょう。ママに自分の気持ちを理解してもらえ、親子で楽しんだ経験は、子どもの自己肯定感も育んでくれます。ただし、危険が伴うことについては、一貫して注意をしましょう。まだまだ自己中心的で安全に対する理解をすることが難しい2歳児です。できる範囲で思う存分に好きなことをさせてあげられるといいですね。
どうしてもお子さんがこだわるときは、気分を変えるのも一つの対応方法です。例えば、欲しいオモチャが買ってもらえずに泣き叫ぶときは、その場を離れて外の風を浴びるようにしましょう。
好奇心旺盛の2歳児。「お外、気持ちいいね」「車がたくさん走っているね」なんて話しているうちに意外と気がまぎれて、別のことに興味がうつってしまうことも多いですよ。
どうしても気分が変わらずこだわり続けるときは、子どもの気分が変わるまで待ってみると、うまくいくことも多いです。ズボンをどうしても履きたがらない子どもに対して、「ちょっと待ってるね」と言って様子を見て、遊びがひと段落したときに「そろそろズボン履こうか」と声をかけるとスムーズに履いてくれることもありますよ。
最後に、私が一番効果的だと思っていたのは、子どもに選択肢を与えて選ばせることです。何でも自分でやりたい2歳児の特徴を逆手にとって、「どちらにする?」と選ばせてあげましょう。
ママの選んだ洋服は絶対に着ないけれど、自分で選んだ洋服はすんなり着てくれることも多いですよ。ママは、お子さんがどちらを選んでもいい選択肢を用意してあげるといいですね。お子さん自身も、自分で選べた満足感で満たされます。
我が子が2歳の時のこと、アンパンマンのパジャマが大好きだった我が子は、おでかけをするのにパジャマを脱ぐのを嫌がっていました。ふとこの対応方法を思い出し、自宅にあったアンパンマンの缶バッジを2枚の洋服にそれぞれつけて、「どっちの洋服がいい?」と聞いたのです。すると、頑なにパジャマにこだわっていた子どもが2枚の洋服と缶バッジをじっくりと眺め、「こっち」と言うなり自らパジャマを脱ぎ始めたのです。怒らないで上手に対応できたことが、私自身も嬉しかったですね。
このように、2歳児の特徴を理解し、ママ自身が2歳児にあった対応方法をとり続けることで、子どものイヤイヤは少しずつ良くなっていく場合が多いです。もちろん子どもによって個人差はありますし、こだわりや集中力が強いお子さんだと特に、対応は難しいかもしれません。
大切なことは、どんな場合も頭ごなしに否定したり、感情的になって怒らないことです。また、対応に迷うこともあるかもしれませんが、危険なことや、生活習慣に良くないこと(例えば、お菓子ばかりを食べたがるなど)に対しては、態度を一貫させることも大切です。
ママのほうが、あまりに泣くから仕方がないと根負けしてしまうと、子どもは「泣いたら自分の主張が通る」ということを学び、何かあるたびに泣いて駄々をこねるようになる可能性があります。成長の過程であることをある程度は割り切って、泣かれることを気にしすぎないことも大切です。基本的には子どもの気持ちが落ち着くのを待つしかないので、「こうすればイヤイヤが収まる」という絶対的な対応方法はありません。あの手この手を使って試行錯誤することも、時には有効かもしれません。甘やかしのように感じられるかもしれませんが、感情のコントロールが未発達の2歳児が、少しずつ自分の気持ちと向き合い、感情のコントロールを学ぶことをサポートすることがママの役目です。先ほどお伝えしたとおり、危険を伴うことでなければ、なるべくおおらかに、温かく見守るくらいの気持ちでいられるといいですね。子どもの成長を信じて上手に対応できるよう、ママも子どもと一緒に成長できることを願っています。
イヤイヤ期を迎えたお子さんに対して、周りの大人やママは、「あんなに素直だった子がどうして?!」と戸惑うこともあるかもしれませんね。お子さんの成長を改めて思い返してみましょう。必死の想いで出産した生まれたばかりの赤ちゃんは、息をしているかすら不安になることもあったかと思います。授乳とオムツ替え、寝かしつけであっという間に一日が終わる日々。少しずつ表情が出てきて、体重もずっしりと重くなってきましたね。抱っこやベビーカーでお外を散歩できるようになり、離乳食に悩み、赤ちゃんの人見知りに悩んだ時期もあったかもしれません。1歳になり、少しずつ歩くことや、おもちゃで遊ぶこと、言葉を理解したり、おしゃべりをするようになり、「もうこの子は赤ちゃんじゃないんだなぁ」と感慨深く感じることもあったかもしれませんね。
さぁここで、順調に育ってきた子どもが、2歳近くなりイヤイヤ期を迎えます。今まで素直にベビーカーへ乗っていた子どもが、「イヤー!」と叫ぶようになります。食べたくないものは食べたくないし、ママが選んだ洋服を絶対に着ようとしない。あんなに素直な可愛い子だったのに、どうして?と戸惑ってしまいますね。でも、それは、子どもが「自分で決めたことを、自分でやってみたい」という、生きていくうえで当然の気持ちに芽生え、主張することができるようになった成長の証なのです。
今までママは、小さな命を守るために授乳をし、食事を与えてきました。清潔で健康に育てるために、オムツを替え、お風呂に入れてお着替えをさせましたね。健やかに成長することを願って、おもちゃを与え、お外で色々な体験をさせてあげたことと思います。そんなふうにママが一生懸命子どもを育ててきたからこそ、子どもは健やかに成長し、「自分でやってみたい」そして、「ママの言う通りにするのはイヤだよ」と主張できるようになったのです。もちろん、もともと大人しい性格で、あまり自己主張しないタイプのお子さんもいますが、イヤイヤするようになったのは、成長を感じられる喜ばしいことと思えるといいですね。
そしてこれからの育児は、子どものお世話をするのではなく、子どもが自立できるようにサポートしたり、見守ることがママの役目になりますよ。ママ自身も子どもの成長に合わせて、対応方法や考え方を、見つめ直せるといいですね。子どもの自立をサポートするとはどのようなことなのか、一つずつお伝えしていきたいと思います。
自立心を育てるために、まずは子どもが自分でできるように、環境を整えてあげることが大切です。イヤイヤ期のお子さんはよく、「ジブンで!」と言ってママからのお世話を嫌がることがあります。忙しいときなどは困ってしまうし、子どもが自分でするのは難しいことも自分でやりたいと言ってきかないこともあるでしょう。そんなとときは、お子さんの自分でしたい欲求をかなえてあげられる環境を整えてあげることがポイントです。子どもは自分で挑戦してみたい気持ちが満たされ、ママも対応がラクになりますよ。
例えば、靴を自分で履きやすいように靴の後ろに紐をつけてあげましょう。靴の後ろの紐をひっぱるだけで靴がはけるので、小さな子どもでも自分で靴を履くことができますよ。パジャマなどのボタンを自分でつけたいと主張する場合は、大きなボタンのパジャマに替えてあげることをおすすめします。市販のものでも、2歳児でもできるようなボタンの大きいパジャマが販売されているので、ぜひ探してみてください。最初はできないかもしれませんが、根気よく教え、見守ることでボタンをかけられるようになると思います。手先を使うことは脳の刺激にもなるのでおすすめですよ。
今までママが食べさせていたご飯を、自分で食べたい言う場合もあるでしょう。いざ自分で食べさせてみるとこぼしてしまうので困りますが、食べやすい食器に変える、こぼしてもいいようにシートを敷くなどの工夫をすれば、好きなように食べさせてあげることができますね。そのほかにも、踏み台を洗面所に用意して、自分で手を洗えるようにするとか、工夫次第でお子さんのやりたい気持ちを尊重してあげることができます。
お子さんのできることが増えればママの仕事も減るので、ママも笑顔になれますね。最初は誰だって、一人で上手くできないものです。根気よくサポートし、自分でできるように環境を整えることで、できることも増え、子どもの自信につながっていきます。本当は、ママがやってしまったほうがラクかもしれませんが、子どもの自立を願って、子どものことを見守ってあげてくださいね。
次に大切なことは、生活習慣を見直すことです。2歳頃までは、保育園などへ行っている場合などでなければ、睡眠や食事などのリズムが整っていなくても、抱っこで昼寝をしたり、お腹がすいたら軽食を食べるなどすれば、何とかなることが多いです。しかし、2歳を過ぎると行動範囲も広がり、これからの集団生活に向けて、生活リズムを整えることが大切になります。夜寝るのが遅かったり、きちんと朝食を食べずに外出をして、みんなで遊ぶときにお腹がすいてしまったり、眠くなってしまっては困りますね。子どもが不機嫌になるタイミングは、眠い、疲れている、お腹がすいているときなどが多いです。夕方のお腹がすいて疲れているときなどは特に、いつもよりも激しくイヤイヤして、ママを困らせることもあるかもしれません。眠いのにお子さんに無理強いをしていないか、お腹がすいていないかなどを振り返ってみましょう。生活リズムが乱れている場合は、整えてあげるだけで不機嫌やイヤイヤが解消される場合がありますよ。
また、イヤイヤ期を迎えたら、時間に余裕を持つことを意識することが大切です。時間がない時に子どもがイヤイヤしたり、こだわって難しいことを自分でしようとするとママもイライラしてしまいますよね。
普段は少し冷静になれていても、時間に余裕がないときはママもイライラがピークになりそうです。子どもがイヤイヤするかもしれないということを前提に、余裕をもったスケジュールを立ててみると良いかもしれません。育児中はなるべく予定をつめこみすぎず、おおらかな気持ちで過ごせるように心がけることがポイントです。予定通りにいかない場合も、「こんな日もあるさ」と割り切る気持ちを持つことも大切ですね。おおらかに子どもに接することができると、子どもの心も満たされて、すんなりと行動に移せることも多いですよ。
また、どこかに出掛けるときは、前もって「〇〇にいくよ」「〇〇を食べようね」などと先にしっかり説明しておくこともおすすめです。最初は理解が難しくても、少しずつママの言っていることが理解できるようになります。
「まだ小さな子どもだから分からないでしょ」「子どものために、正しいこと、必要なことをやってあげなきゃ」と、何でもかんでもママが子どものお世話をしてしまうことも、子どもの自立心を妨げてしまう場合があるかもしれません。ママがよかれと思ってやってしまったことも、「自分でやりたかったのに!」と泣き叫ばれてしまうことになりかねません。私は子どもが2歳のとき、子どもがやっていたパズルを正しい位置においてあげただけで、子どもに号泣されたことがあります。
慌ててもとに戻したのですが、「さっきのがよかった」とずっと言われしまい、途方に暮れてしまいました。
子どもにとっては「今」がとても重要なので、先回りしていろいろとやってあげることは子どもの好奇心はやってみたい気持ちを奪ってしまったんですね。
改めて2歳児の育児についてまとめてみると、2歳児の育児ってなかなか大変ですね。でも、生まれたばかりの赤ちゃんを、ここまで育ててきたママならきっと2歳児の育児も乗り越えられるはずです。今までお世話に向けていたエネルギーを、少しずつ子どもの自立のサポートに向けてみてください。2歳児の育児は大変な反面、子どもの新たな一面や成長を感じられる、とても貴重な体験となることでしょう。ママにとってもきっと、ママとして成長できる大切な時期になると思いますよ。
ここまで、イヤイヤへの対処法について色々な角度からお伝えしてきました。でも、上手に子どものイヤイヤに対応しようと頑張っても、上手くいかないこともあるし、ママが疲れていることだってありますよね。子どもの育児は毎日毎日続くもの。どんなママだって、イヤイヤする子どもにイライラが止まらなくなることもあると思います。
そんなときのイライラの対処法や、イライラしないための方法をお伝えしていきますね。
まずは、イライラする気持ちと向き合って、自分自身の感情と向き合うことに努めてみてください。
お子さんを怒鳴ってしまったあと、ママ自身も自己嫌悪になることがありませんか。
「私って、ダメなママだな」と自分を責めてばかりいると育児が楽しめなくなってしまい、うつ病や育児ノイローゼになってしまいますよ。怒鳴ってしまうときは、ママも感情が爆発してしまい、怒りの気持ちに歯止めが利かなくなっているのだと思います。なるべくイライラする気持ちに振り回されずに、気持ちをコントロールできるようになれるといいですね。
イライラや怒りを自分自身でコントロールする方法を、アンガーマネジメントと言います。自己啓発や人間関係の講座などでもよく使われる言葉ですが、アンガーマネジメントは育児中のママにもとても有効なので、ぜひ意識してみてくださいね。
まず、アンガーマネジメントで覚えておきたいことは、人が怒りの頂点に達してから、落ち着くまでに約6秒間必要だと言うことです。つまり、6秒間経つと怒りのピークが落ち着いてくるので、イライラや怒りを感じた場合、6秒間待つと気持ちを落ち着かせることができますよ。
カッとなるとつい、冷静さを欠いてしまうんですよね。そこを深呼吸してゆっくりと6秒間数えることで、冷静な判断ができるようになります。心のなかで6秒数えるほかに、別のことに意識をそらすのも有効的です。私は子どもに対してイライラしたときは、「今日の献立は何にしようかな」と、別のことを考えるように心がけていました。怒ってしまいそうになったときに歌を歌ったり、ベランダに出て空を見上げるなど気分や環境を替えることも有効でしたよ。感情に任せて怒っても、子どもには効果がないどころか恐怖心や不安が募るだけでママの気持ちは伝わりません。イライラしたときこそ冷静になれるように、意識できるといいですね。
子どもを怒るときは、「あなたは間違っている」「だからあなたはダメなのよ」と人格を否定するような言葉は使わないようにしましょう。自分はダメな子なんだと子ども自身が感じるようになり、子どもの自己肯定感が低くなってしまう恐れがあります。また、ママが自分自身を責めるのもよくありません。育児ノイローゼという言葉があるくらい、育児中のママは自信をなくし、心が疲れてしまいやすい環境にあります。ママの笑顔を子どもに見せてあげられないのは悲しいことですよね。なので、子どもと同じ分だけママ自身のことも、大切にしてくださいね。
イヤイヤ期の子どもとの関わりに自信がないなぁと心配になる場合は、イヤイヤする子どもを動画で撮影したり、怒っているママをパパに撮影してもらうこともおすすめですよ。記録のためにというのももちろんですが、カメラを通して見ることによって客観的に子どもをみることが出来、クスっと笑えたり、「私、こんな怖い顔してたんだ」など、と良い意味で諦めたり、客観的に自分と子どもを見ることができるんです。
また、子どもが寝た後に動画を見返すことで「今日も大変だったけど、頑張ったなぁ」と思えたり、今日の様子をパパに見せ、大変な一日の様子を的確に伝えることができますね。
2歳児のイヤイヤに付き合っているとき、ママは無意識のうちにグッと自分自身の気持ちを抑えて我慢していると思います。自分のこだわりを貫きたい2歳児を見守ったり、ほめたり、泣き叫ぶ子どもの気持ちに寄り添ったりすることは、ママにとっても時にストレスになるかもしれません。ママだから当たり前ではありませんよ。ママ達はとてもエライし、頑張っているのです。どうか自分をたくさんほめて、ときに自分にご褒美をあげてくださいね。甘いものやマッサージ、テイクアウトの夕食など、笑顔になれるものを自分にプレゼントして、自分を思いっきりほめてあげましょう。
もしもパパやおじいちゃんおばあちゃんなどが子どもを見ていてくれる環境があれば、1時間でも良いのでママは自分の時間を作ってみて下さい。
子どもと離れることで冷静になれたり、もしかすると、離れていても結局子どものことばかり考えている自分に気付くかもしれません。
「せっかくの1人時間をもらったけど、子どもに会いたくて家に帰っちゃった」と話していたママ友がいたくらいママはどんなに大変でも子どものことが大切であり、子どももママのことが大好きなんだと気づける良いきっかけにもなるかもしれませんね。
普段行けないカフェでゆっくり本を読むなど、1人時間を楽しめるようになると、育児を頑張るモチベーションになると思います。「子育て中なのに自分の時間がほしいなんて贅沢でわがまま」なんて遠慮することはありません。ママがいきいきと笑顔でいることが、子どもと家族にとって何よりの栄養になります。どうか自分が笑顔になれるように、リフレッシュすることを意識してくださいね。
2歳児との生活は、難しい対応の連続で、イライラしたり、対応に困ったエピソードには事欠かないかもしれませんね。そんな毎日の出来事を信頼できるママ友などへ話してみることも、気分転換にはとてもおすすめです。
「わかるわかる!」「ウチの場合はこうしたよ」と、共感し合えたり、アイディアをもらえることもあるでしょう。
どこのおうちもみんな苦労していることがわかれば、あなたの肩の力もグッと軽くなるのではないでしょうか。
友だちだけではなく、児童館のスタッフなど、子育ての専門家に話をするのもいいですよ。的確なアドバイスをいただけることもあるので、困ったエピソードを誰かに話すなんて恥ずかしいなどとは思わずに、積極的に話をしてみてくださいね。
イヤイヤ期の育児は、本当に大変だと思います。どんな対策や方法を理解していても、毎日続くイヤイヤ2歳児との生活に、辟易とすることもあるでしょう。育児が楽しいと思えないママが、2歳児のママに多いのも納得です。
でも、ここまで述べてきたように、2歳児のイヤイヤは、健全に発達しているからこそ見られるものです。
自分で考えて、自分の力でやりたいことをやってみたい
でも、あと少し、自分の力が足りない・上手くいかなくて悔しい
そんなもどかしい気持ちを持ちながら、どんどん成長する愛しく逞しい時期が2歳です。ママから見れば頑固なこだわり屋さんに見えることも多いかと思いますが、ママから愛され、見守られた経験がこれからの健やかな発達に大きく影響します。きっとお子さんがもう少し大きくなったとき、「あんな頃もあったなぁ、大変だったけれど可愛かったなぁ」と懐かしく思い出すときがくるでしょう。ママも時々気分転換や息抜きをしながら、自分の道を歩き始めた2歳児のお子さんとの生活を、楽しんでほしいと思います。ママの毎日の育児が、少しでも充実したものになりますように。