2022年3月19日
子育て
敷地内同居と聞くと、皆さんどのようなイメージをお持ちでしょうか。
・何をするにも義両親の目が気になる
・こき使われそう
・自分たちのペースを乱されそう
・嫁が我慢することが多そう
・自分には絶対無理
など、マイナスのイメージの方が多いのではないでしょうか。実際、私が敷地内同居をはじめたときの友人たちの反応は、マイナスのものばかり!私のことを「尊敬する」とまで言われました。
では、なぜ私は敷地内同居を決めたのか、今回は私の体験談をお話したいと思います。一歩踏み切れない方の参考になれば幸いです。
私は、大学入学まで、一つ屋根の下で両親、祖父母、妹と暮らしていました。両親は、共働きだったため不在のことが多く、祖父母が幼いころから私たち姉妹の面倒を見てくれていました。祖父母が育児に参加している姿を目の当たりにしているので、育児は親だけでなく、家族全員でするのが当たり前、という考えが頭の中にありました。自分が親になったときにも、子どもにおじいちゃん、おばあちゃんとの交流を多く持たせたい。その方が子どもにとってもプラスであると信じていました。ただ、やはり、私の母と祖母も、ときには意見が食い違い、言い争いになっていることもありました。そりゃあ、血のつながらない女性二人が完全同居…最初から最後まですべてうまくいくことの方が珍しいかと思います。私は、長男と結婚したので、将来的には義両親の面倒を見る覚悟はありますが、義両親がどんなに良い人でも、良い人だからこそ、完全同居は避けたいことでした。
最初に敷地内同居を持ち掛けてきたのは、義両親でした。
当時、義実家からは車で1時間程のところに住んでおり、長男が3歳、次男を妊娠しているタイミング。
私も夫も働いており、初めての育児は楽しいけれど、長男一人だけでも育てていくことに必死な毎日。ひとりの時間など皆無。ここにもう一人加わったら、どうなるのだろう、という漠然とした不安はありました。近くに義両親がいたら、多少はラクになるだろうな、と。
夫は転勤族なので、家を建てるのは子どもが小学校に入るときくらいかな、と考えていたようです。思っていたタイミングより早い段階で提案され、夫とも数か月に渡り、話し合いました。
一つ屋根の下での同居は、もはや昔のように当たり前ではなく、かなりレアなケースになっている現代で、敷地内同居はかなりメリットが多いのではないかと個人的に思っていました。なぜ、そんなに皆嫌がるのだろうと。私が敷地内同居をはじめる前に考えたメリットは、大きく3つありました。
①子どもの面倒を見てもらいやすい
②親の介護が必要になったとき、距離が近い方が良い
③土地代がかからない
逆に懸念していたことは、次の2つです。
①距離感が気になる
②干渉されそう
最終的に、子どもの面倒をみてもらいやすい、という点が夫婦ともに一番のメリットだということになり、敷地内同居を決めました。また、義両親との話し合いの中で、お互い干渉し過ぎないことについては、夫からしっかりと強めに、話してもらいました。じっくり義両親と話していると、介護も私たち夫婦にお願いするつもりは全くないこと、健康なうちに子育てに協力させてほしい、という思いが伝わってきました。単純にすごくありがたいことだな、この義両親とならやっていけそう、という感覚もあり、踏み切ることができました。
メリット
① 子どもを預けやすい
ちょっとした買い物や用事があるときなど、次男だけ預かってもらうことがよくあります。また、義両親が長男を遊びに連れ出してくれたりするので、すごく助かっています。
② おすそ分けがもらえる
頂き物や作り過ぎたおかず、スーパーの特売品など、おすそ分けをいただくことが頻繁にあります。また、義父が家庭菜園をしているので、美味しい採れたての野菜が貰えたりします。田舎あるある。
③ 土地代が不要
土地から購入するとなると、数千万単位で変わってくる地域もあるかと思いますが、敷地内なので土地代がかかりません。建物代だけだと随分と安く済むので、その分貯蓄に回せます。
④ 買い忘れたものがあっても何とかなる
先日麦茶パックの在庫がゼロになっていたことを夜まですっかり忘れており、翌日の子どもの保育園用のお茶が作れないという事態が発生しました。すぐ隣の母屋で麦茶パックを一ついただき、事なきを得ました。
⑤ 緊急事態に助け合える
私の不注意から次男が頭をぶつけて出血してしまったとき、夫が不在だったため、義両親に助けを求めました。義母の車で病院まで乗せていってもらい、長男は義父と家で待機。幸いけがは大したことはなかったのですが、大人が多くいるとやはり何かと助かると感じずにはいられませんでした。逆に義両親に何かあったときにもすぐ対応できるのはメリットかと思います。
デメリット
① 実の両親が気軽に来づらい
やはり賃貸のときと比べると、実の両親は義両親に遠慮してあまり来たがりません。これが一番デメリットだと感じています。
② おすそ分けが多すぎる
我が家の場合、供給多寡になりがちです。ありがたいことなのですが、そのときは正直に言って、食べられる分だけいただくことを心掛けています。
③ どこへ行くのか報告しないといけない気になる
義両親から強制されている訳ではないのですが、予め言っておいた方が良いような気がしてなりません。夫不在のときは、義両親もサポートをするつもりでいてくれているので、予定があるときは、事前に出掛けると連絡を入れるようにしています。
私の義母は、夫曰く、かなり過干渉。例えば、家の前に夫の車がないと、まだ帰ってきてないだの、どこ行っただの、聞いてくるタイプ。敷地内同居をはじめた当初は、「〇〇に行きました。もうすぐ帰ってくると思いますよ~。」などと答えていたのですが、正直、毎回答えるのが面倒になってきたので、一言、「どこ行ったんですかね~」と適当に流すように。すると義母は、あまり聞いてこなくなりました。要は自分が無理に相手に合わせる必要はない、良い反応をしてくれる完璧な嫁でなくても良い、ということです。
過干渉気味な義母ですが、ありがたいと思ったことも何度もあります。敷地内同居にも慣れてきた頃、夫が転勤で、場所的にも単身赴任決定。ワンオペ育児など到底無理だった私は、どんどん介入してくる義母にとても助けられました。一番助かったのは、ご飯のあとのお風呂。母屋のお風呂で義父が一歳の次男を入れてくれて、義母が着替えなどを担当。送迎付きです。お風呂に入った後もしばらく私がゆっくりできるよう、次男を預かってくれていました。義母も働いているので、仕事から帰ってきてあまり休む暇もなく手伝ってくれることにとても感謝していました。
義父は、定年退職しているので、基本的には家にいることが多いです。私が育児休暇中だったときは、顔は合わせないにしても、車があると家にいるのが分かります。特別なにかあるわけではないのですが、やはり気にはなりました。干渉する義母に対して、やめておけと注意してくれるような義父です。何か用がない限り、義父がこちらに来ることもありません。あったとしても、チャイムを鳴らすというルールになっています。私が理想としていた距離感なので、とてもありがたいです。
結論から言うと、敷地内同居を選んで良かった、と思っています。
デメリットもありますが、メリットの方が今のところかなり上回っているからです。
うまくいっている秘訣としては、
・完璧な嫁は目指さない
・適度に義両親を頼る
・夫は何があっても嫁の味方になる
・気になることは夫からそれとなく言ってもらう
ことにつきます。
私の場合は、義両親にも恵まれていると思います。今は子育てのサポートをしてもらっている側ですが、支えてもらっているからこそ、次は自分たちが支えたいと思うようになりました。
敷地内同居をはじめる前のポイントとしては、義両親と出来る限り多く交流を持ち、どういった人たちなのか、どういう考えを持った人たちなのかをしっかり見極めておくことが重要です。この人たちとは合わない、無理だと思ったらおそらく厳しいので、敷地内同居は避けた方が良いかもしれません。