制服を着ない息子&うっかりママの幼稚園生活

2022年6月9日

幼稚園・保育園

第一章 「入園までの苦悩」

息子の幼稚園探しをしてた頃、まさか制服を着てくれない事で悩むとは思っていませんでした。

今思えば、制服のない幼稚園を選んだ方が、良かったのかもしれません。
私も苦しむ事なく、息子に対してこんなに怒らなくて済んだのに、、という思いが湧き上がります。

思えば昨年の9月、幼稚園申し込みの時期。
息子に3年保育を考えていた私は、ほとんどの公立幼稚園が2年保育だという事を、恥ずかしながら知りませんでした。
ある公立幼稚園を見学後、先生からその事を伺い、自分の無知に唖然としてしまいました。。

3歳の息子を、どの様に過ごさせようかと考える中、定期の一時保育も利用しながらやってみるのはどうかと考えました。
そして、一時保育のある保育園に問い合わせ、そちらの保育士さんのお話を聞いて、また驚いてしまいます。

私の住む街では、公立の2年保育の幼稚園に入れる人はほとんどいなく、3歳から私立の幼稚園に入れるご家庭がほとんどである、という事でした。3歳(年少となる歳)で一時預かりの定期で来る子はまずいないと。。

私がその時思った事は、つまり、この歳から入園していなければ、日中に子育て広場のような所へ行っても、公園に行っても、どこに行っても、同じ歳の子たちと会えない、ということでした。

また、その保育園で定期の一時預保育をお願いしても、歳下の子たちと過ごすか、利用者も多くはない為、先生と息子1人で過ごす事もあるかもしれないと感じました。

正直、思ってもいなかった現実に驚きました。
それというのも、私の住む街の私立幼稚園は大変費用がかかる為、それほど多くのご家庭が選ぶとは思っていなかったからです。
もちろん、私立は全国的に高いとは思うのですが。。

後々で知ったのですが、最近では全国的にも3年保育を選ぶご家庭が多いようです。
私が子供の時とは、随分変わっているなと思いました。

そして、結局、、我が子にも私立幼稚園を考えてみることにしました。
しかし、今まで公立の幼稚園しか考えていなかった自分です。
慌てて私立の情報を集め、とにかく近辺で比較的費用がかからない園を探しました。

最終的に、2つの幼稚園に見学に行き、応募をしました。この時の第一希望の幼稚園は、駅前で少人数、内容も畑で作物を育てたりと特色があり、大変競争率が高いところでした。
残念ながら、そちらは見事に抽選で落ちてしまいました。

そしてもう一つ応募していた幼稚園は、沢山の園児を受け入れるところであり、無事に入園が決まりました。
勿論、大規模であるのもあり、園庭も遊具が沢山あって広く、川のせせらぎもあるような充実した園でした。
ここで毎日遊べたら、息子は幸せだなと感じました。

そんな素晴らしい園ですが、当時の私の不安要素として2点ありました。
1つは大人数が息子にとって良いかどうか、という事。主人には、大人数の園に入れられることで、その子の本来の良さも無くなってしまうかもしれない、と言われました。
少人数の方が良いに決まってると。。その言葉もあり、大変悩みました。

そして、もう1つは通園バスの停留所まで、自転車で14分かかる。子供を後ろに乗せて走る自転車においては初心者。。毎日続けられるだろうか、という事でした。

この不安は、他の幼稚園の方からの指摘が影響していました。願書がすぐに無くなってしまい、諦めたその幼稚園。問い合わせ時に言われた事は、毎日通園に自転車で15分かかるため、よく考慮した方が良いと言う事でした。

しかし実際、この4月から幼稚園生活が始まり、そんな2点の事はまるで気にならない、取るに足らない事だと実感しました。
実際に大変であったのは、〈制服を着せる〉という事。。

入園が決まった当時は、比較的何でも衣服を着ていた我が子。その1ヶ月後位から、衣服へのこだわり、イヤイヤが強くなりました。

新しいもの、気に入らないものを着ない、、サイズアウトした着慣れたものしか着ない、、。
そんな状況でしたが、何故か私も入園前までは制服についてそれほど大きい不安を持っていませんでした。着るかもしれない、、という漠然とした甘い考えがあったのかもしれません。

実際に2月中旬にならないと、制服はもらえないので、戦いはその頃から始まりました。
戦い、、と言ってもそんな大袈裟なものではなく、如何にすれば息子が嫌にならず、制服を着てくれるかという感じで、少しずつゆったりと進めていました。

ネットなどでも調べて、やれる事は全てやったと思います。例えば、ジャケットなどの内側に好きなキャラクターのワッペンを貼る事。

息子はウルトラマンが大好きで、ネットや西松屋などで見つけたものを買っては、ジャケット、ズボン、スモッグに貼り付けました。
それにより、初めてジャケットの片方の袖に腕を通してくれました。

今はそのワッペンを見せても着てくれませんが、断固として着なかった息子の心を動かしたのだから、やはり好きなキャラクターの存在は大きいのだなと思いました。
こういう時に助けられるのだと。。

また、制服一式に親しめるように、見えるところにかけておく事もしていました。
実際、それで制服を着てくれることはなかったのですが、通園時にかぶる帽子は突然被ったことがありました。

あまり勧めてもダメだろうなと思い、何も言わずに置いていた帽子ですが、ある日、自分からさっと被っていました。何やら、似たような帽子を被っている歌手を見て真似をしたようでした。

こう思い出してみると、意外にメディアに助けられるものだな、と感じます。
ただ、その帽子も数回だけで被ってくれなくなるのですが。。

そして息子が好きな、オリンピックのピクトグラムカード。それを一枚ずつ作る事を、ご褒美にしたこともありました。
ネットでピクトグラムの絵を探してプリントし、色画用紙に貼り付けていました。1番時間をかけてやっていたと思います。

実際、これによってジャケットやズボンを着用してくれた事が、数回ありました。
それもやはり長くは続かないのですが。

このような感じでしたが、まだ漠然と、入園式当日はジャケット位は着てくれるかも、という甘い考えがありました。

そして同じ悩みを抱える方の記事を沢山読み、入園式の少し前に、幼稚園に相談しておくと良いとあり、電話をかけました。
園の方は、丁寧に対応して下さり、着られるものだけで良く、無理に着せなくても良い、という事でした。制服を持ってきてもらって、皆が着ているのを見たら着るかもしれない、とも話されていました。

あぁ、皆、着てくるのだな。。と、当たり前の事であるのに、その時少しプレッシャーがかかりました。ネットでは、毎年着ない子が数人いると書かれていた為、それを想像していたせいもありました。

入園式を間近に控え、実際に着るか着ないかは別として、名前付けをしなければいけません。制服、保育用品から様々なものに名前付け、ワッペン付けの作業があり、入園式直前はその事で必死でした。間に合うだろうかと。。

正直、幼稚園に入れたら自分の自由な時間も増えて、楽になるだろうと思っていました。その為、入園前のその忙しさに疲れた時は、〈今が、1番大変な時期なんだ〉と自分に言い聞かせて何とか乗り越えていた気がします。

そしてこの後、入園してからはまた新たな苦悩が始まります。、
本当に大変であった入園式、〈制服を着ない〉息子との毎朝の格闘、そして周りの目を気にしてしまう自分との戦いです。

第二章 「入園式で息子だけが私服」

主人と私、息子で参列した入園式。
制服を着なくて私服の子も何人かはいると、ネットの情報で見ていた私ですが、やはり大丈夫だろうかと緊張していました。
そんな私をよそに何の不安もなく、こちらは客の立場なのだから気楽に行ったら良いという主人。
しかし、そんな主人でさえも、幼稚園に着いて入園式が始まると動揺し始めます。

コロナの感染予防のため、入園式が4部に分けられており、一つの部で30人ほどの園児でした。
私たちの参加した部では、あいにく制服を着ていないのは我が子だけだったのです。

3歳の子供たちがこんなにもきちんと制服を着て、参列できるものなのかと、正直驚きました。そしてまた、皆お父さん、お母さんと一緒に並び、お行儀が良い。。子供だけで一人走っていくような場面は見受けられませんでした。

しかし息子といえば、私が荷物置き場に荷物を置きに行ってる間に、園庭の遊具に登ってしまっていました。しかもそこから出られなくなって泣き出す始末。。下から見守っていた主人も、流石に焦ってきた様子でしたが、子供サイズの幅の狭い遊具のためどうしたら良いかわからずにいました。

私服であることだけでも注目を受けるであろうに、遊具に登り泣いて降りてこられない事で更に注目されてしまったのでした。

すると、若い先生が一生懸命降ろそうと試みて下さり、申し訳ない限りでした。結局は主人が何とか抱えて降ろすことができたのですが、その後、徐々に彼もイライラし始めます。

落ち着いて園庭を見回すと、分散して並べられた椅子に、どのご家庭の子もお行儀良く座っていました。 私達も座ろうとしますが、式の雰囲気に戸惑い気味の息子は、また泣き出して座ろうとしません。
ますます注目を受け、主人が膝に乗せても落ち着かず、園長先生のお話が始まってもぐずってしまいました。主人も、息子に制服を着ない事をずっと咎めていた為、落ち着かないのは当たり前だったかもしれません。
限界を感じた主人に変わり、私の膝に息子を座らせて何とか落ち着きました。落ち着きましたが、そんな風に親御さんの膝の上に座っている子は、他にはいませんでした。

しかも席が後ろの方と言っても、園長先生が話されているステージがまっすぐに見える場所。。恐らく園長先生の記憶にも残り、<ちょっと大変な子>と映っただろうと思います。そのことでも、精神的にかなり疲れました。

このように既に疲れ果ててしまいましたが、組ごとのお部屋に移動する事で、また試練がやってきます。

上靴も当然のように拒否する息子。他の子を見ると、お行儀よく自分で靴の出し入れまでしています。上靴を履かない息子とお部屋へ向かい、さて、そちらに入る段階になると、また大泣きして入室を嫌がるのでした。

とうとう耐えられなくなった主人は、「帰れへんのかっ」と小声ながらも私に言ってきます。皆制服を着ていて、とてもハイソな感じのご家庭ばかりで居心地が悪い、という事でした。

その気持ちは私も全く同じでした。
しかし、わずかなりとも予測はしていた自分。そんなに取り乱して、その場の雰囲気を潰しかねない主人に対しても、大変疲れました。

そんな中でもお部屋での先生のお話は続きます。私だけ中に入って、主人は廊下に留まる息子の相手をしていました。

先生のお話の最後に、園長先生からのプレゼントで紅白饅頭があるとのこと。
息子にお菓子をもらえるよ、と伝えるとゲンキンにもお部屋に入ってくるのでした。。

後からそのお饅頭などの入った袋を頂いて、スモックなどは自分自身でロッカーに吊るす事が出来ていました。

先生と色々お話をして、謝罪をして、入園式は無事に終了。その後は、園庭で思う存分遊べる時間が設けられていました。

息子といえば、先程までのグズリはどこへやら。コーヒーカップのようにクルクル回る乗り物や、船のような遊具に乗って、お父さん共々満面の笑みで過ごしていたのでした。あれほどイライラしてネガティブになっていた主人も、気分を持ち直した様子でホッとしました。

私といえば、我が子1人私服で色んな場面で大泣きして、果たしてどれだけ目立ち、注目されてしまっただろう、と思いました。その反面、私服でもそうやって無邪気に園庭で遊ぶ姿を見て、これが1番大切な事ではないか、という気持ちも湧いてはくるのでした。

そろそろ幼稚園から出なければいけない時間になって、ふと、設置されていた記念撮影の舞台に目をやりました。

そこには入園式の次の部のため、新たに来られた園児さんが撮影をしていました。その時に見た、1人の男の子もなんと私服だったのです。通園鞄だけは背負って、私服で撮影をしているその男の子を見て、とても救われる気持ちになりました。あぁ、、我が子だけではなかったと。どれほどに心の枷から解き放たれたか知れません。
こんなにも引け目や恥ずかしい思いを抱えてる自分達と違って、そちらのご家族は堂々と記念撮影に挑んでいます。

私たちはあまりの恥ずかしさで、入園式の前に記念撮影をしてなかったのです。ですが、そのご家族を見てから、やはり撮影をしてもらう事にしました。

カメラが向いても全く真っ直ぐに立たずに、おどけた様子の息子。私達は疲れ切っての硬い表情。。後から見た写真で、それは顕著に表れていました。それでも撮影できて良かったと感じました。やはりその記念すべき日の思い出として、写真を見返せるというのは幸せな事です。

そして園を出る時、他の園児さんの中に帰りたくないと大泣きして座り込む子がいました。考えてみれば、息子はそういったグズリは今までに一度もないのです。よくある様な、公園からなかなか帰ろうとしない、みたいな事は皆無でした。その他、知らない環境でも臆せずに入って行き、人にもすぐに馴染める。ご飯もよく食べ、お風呂も大好き。

子供にはそれぞれ良い部分、難しい部分があるのだと、改めて思いました。
我が子は制服を着ない、という周りから丸わかりの問題を抱える為、こんなにも恥ずかしく思ってしまうだけで、良い部分も沢山ある。

本当にそのことを毎日毎日思えたのなら、どれだけ良い母であろうかと思います。実際はなかなか難しいものです。。

そして入園式の後、家族皆疲れてはいましたが、行き慣れた大きな公園に遊びに行きました。長い時間、主人は作った紙飛行機を飛ばし、息子はそれを追いかけて。気分転換が必要だったのかもしれません。私は友人に報告メールをして、気持ちも落ち着いていました。

しかしながら、ようやく無事にその日1日を終え、布団に入るとまた不安な気持ちは湧いてきました。明日から始まる幼稚園生活、毎日バス停まで自転車で送り迎えをします。決して少しの距離ではない送迎ですが、心配はその体力的な事ではなく、やはり1人制服を着ない息子が他のお母さん達にどう見られるか、と心配になりました。どんな風に会話をし、服装の事を説明したら良いのだろうか、と。。

ただでさえ、幼稚園のお母さん達との関係がうまく行くか不安であるものなのに、他の園児さん達と違う息子の出で立ちに、冷たい視線を送られないだろうか、と。バス停できちんと制服を着て並ぶ園児さんの中に、我が子と入っていく、その絵ばかりが頭に浮かび、その日は不安でなかなか寝付けなかったのでした。

ところが実際は、バス停でお会いするお母さん達は本当に優しく、気配りの出来る方達ばかりでした。私服姿の息子にどの様な反応であったか、そして詳しい幼稚園生活の様子など、続いての章でお話ししたいと思います。

第三章 「幼稚園生活 ママの戸惑いと心が晴れるまで」

幼稚園生活の1日目、自転車で息子とバス停まで向かう初めての日です。であるにも関わらず、はっきりと場所を把握してなかった私。。駅の西口ということで、その辺りに行ったところ、誰もいませんでした。慌てて幼稚園に電話をかけると、そこから横断歩道を渡った、バスロータリーの前という事でした。そのまま待っていたら、危うく乗り遅れるところ。本当にうっかり母さんです、。

そして無事にバス停へ着くと、数名のお母さん方と園児達がいました。自転車を降りるとすぐに1人の男の子が駆け寄ってきて、「何組?」と聞いてきてくれました。どんな雰囲気なのか緊張していたため、その男の子の声かけに気持ちがほぐされたのを覚えています。

そしてお母さん達も1人ずつ自己紹介して下さり、皆さんがとても明るくてフレンドリーでした。計5名の園児さんがそのバス停から乗るということ。

はじめに声かけをしてくれた男の子は年中さんで、とても社交的な為、息子は少し圧倒されていました。初めての人たちばかりで、人見知りも多分にあったと思いますが、「こわい、こわい、」と呟いていました。しかし同じく、年中さんで植物好きな男の子が葉っぱを取って遊び出すと、息子も同じように葉っぱで遊び始めていました。息子はその男の子の存在で、人見知りが飛んでいったように思います。

そして私が1番心配していた、息子が制服を着ていないということ。。皆さんきっとあれ?と思われたに違いないのですが、事情を話すとわかって下さり、気にせずにいてくれたと思います。

そして通園バスが到着し、皆で乗りこむ瞬間が来ました。幼稚園へバスで行くことは、おさるのジョージの絵本でも描かれていて、よくわかっていた息子。バスに乗りたくて仕方なく、順番も気にせずにどんどん乗り込もうとするのでした。座席にすんなりと座り、笑顔で手を振る様子に、少しホッとしました。

バス停でも当然、制服を着ていないのは息子1人だけでしたが、私自身は通園初日の緊張からはようやく解放されました。ただ、予想と違って、とてもフレンドリーなママ達との関わり。黙々と送迎だけしてあまり関わらないものだと思っていた私には、最初は戸惑いでした。
LINEのグループチャットでお休みなどを連絡し合う。それも当たり前の事なのかもしれません。ただそういった経験がなく、ママ同士での関わりが皆無だった私にとっては、少し抵抗があるものでした。

ただ、最初こそ不安がありましたが、気がつけば信頼のおける、心地のよい場所と変わっていました。恐らく、お母さん方がとても良い人達であったのもあると思います。

送迎の待ち時間には、子供や生活に関する話題でテンポ良く会話し、送迎が完了するとベタベタとすることなく、さらっと帰っていく。
ママ同士が良い関係をキープするため、必要な事を肝に銘じている、と感じました。勿論、子供が幼稚園に行ってる時間は短く、帰って家事をしてしまわないと1日が回らなくなる、というのもあると思いますが。

そうして母子ともに順調に新しい生活に慣れていきました。しかし、なかなか解決しない制服問題。。

幼稚園が始まって数日は、やはり無理だとわかりながらも、制服を着て欲しい気持ちが強くありました。その為に、朝の準備は2人ともしんどいものでした。あの手この手で着させようとしても、息子の拒否は強く、うまくいかない。
更には通園靴も履かない、帽子もかぶらない。カバンも背負わずに、投げ捨てる始末。、
思わず「これ以上、苦しめんといてよ!」と息子の前で泣いてしまいました。思えば、息子にも可哀想な事をしたのですが、何かが伝わったのかもしれません。

息子は1人でカバンを片手に持ち、普段の靴を履いて、幼稚園に向かう準備をしていました。出来ればカバンは背負って欲しかったのですが、幼稚園に行きたい気持ちや私の気持ちに応えたい気持ちはあるのだと、わかりました。

この様な感じで始めの頃は過ぎ、担任の先生から電話を頂く時も、制服の事を謝っていました。先生は、過去にもそのような園児さんがいて、年長になったらちゃんと着ていましたからと、言って下さいました。その時は、〈えっ、年長まで着ないの、、〉と思ってしまいましたが、今となってはその頃に着られるのなら、上出来だなと思うようになりました。

そして先生と電話でお話ししている時に、「体操服でも良いですか?」と聞いてみました。先生は、勿論ですと言われ、翌日、早速体操服にトライしてみました。はじめは抵抗があるかと思った為、大好きなウルトラマンの動画を観せるから着てね、と言ってみました。すると体操服はすんなりと着たのです。その時は上の服だけでしたが、とても嬉しい瞬間でした。思わず、主人に写真を送りました。体操ズボンは、その後もなかなか履いてくれませんでした。

ある日、幼稚園で水たまりか何かにお尻をつけて、私服のズボンが濡れてしまった時の事です。そのままでは冷たいし、バスの座席も濡れてしまいます。その為、先生は園にある制服、体操服の着替え用ズボンを並べて、どれがいいかな?と聞いてくれたようでした。

しかし、いずれも断固拒否の息子。。最終的にバスに乗る間だけは、おむつのみにされたという事でした。聞いた時は、心の中で〈えっ?!〉とも思ってしまいましたが、どれだけ先生たちの手を煩わせただろう、、とやはり申し訳なく感じました。

そのような経過もあり、体操ズボンはまだ無理か、、と思っていました。ところが数日後、何気に体操ズボンをすすめると、すんなりと履いてくれたのです。。何がきっかけなのか、どこにスイッチがあるのかわかりません。それ以来、自分から進んで、体操服の上下を着ています。

しかし、それだけ体操服に慣れはしたものの、制服への強い拒否は変わらず。。今度は、体操服を気に入り過ぎて、より制服拒否になったらどうしよう、という不安が付きまといます。ですが恐らく、体操服を着なかったとしても、制服は拒否で私服で通う事になっているのだろうから、それよりはまし、、と思うべきなのでしょう。

この様な感じで、現在は体操服で、毎日通園する日々です。勿論、私が出会う他の園児たちは、皆、制服です。

何かの記事にあった事ですが、この様に制服を着ない園児は、実際に幼稚園のお友達から「どうして制服着ないの?」と訊かれる事が、着るきっかけになるようです。本人自身が困る経験をする事で、着るようになるとありました。

そのように言われるのは年中さん以降になるのかもしれませんが、それも1つのきっかけとして有ればいいのかなと思います。実際、今のバス停で一緒になる年中さんの男の子から、「体育遊びなの?」と毎日訊かれています。その子は勿論悪気はなく、ただ目に映るものに素直に反応するタイプです。息子は訊かれている意味をわかっているのかどうか、じっと下を見ていたりします。単純に、その男の子の迫力に押されているのかな、とも感じます。

とにかく、そのような経験が重なる事で、息子も制服を着てくれるのなら、、という僅かな期待もあります。勿論、逆に傷ついてしまって、園に行きたくないとなってはいけませんが。。

季節は6月に入り、子供達は夏用の制服に変わりました。爽やかな水色のズボンに、ブラウスも半袖でシンプルな可愛いデザイン。バス停に着く度に、息子も着てくれたらな。。という想いが湧いてきます。

長袖ブラウスやブレザーなどと比べると、ずっとハードルが低く着やすいのに、どうして、、という虚しさ、焦りもあります。今のうちに着られたのなら、また長袖の季節になった時に抵抗が減るのでは、とも思ったり。しかし、長袖になったら、その時はまた拒否を始めるのだろうな、とも思います。

また、あっという間に一学期が過ぎていく事を、他のお母さん達はしみじみと感慨深く言われます。私もそのように思いたいのですが、実際は焦りのようなものしか湧いてこないのです。このまま、あっという間に年少が過ぎていき、年中も着れず、年長も着れなかったらどうしようという思いです。

そしてまた、ハードルの高い長袖の季節がすぐやってくる気がして、本当に焦ってしまいます。お母さん方は、まさか私がその様な思いでいるとは知らず、口にされているはずです。私もそんな風に制服の事くらいで焦らず、子供の成長を見守るべきなのだとは思います。

また、お母さん達が息子の出来る事柄をよく褒めてくれるのは、私が制服で悩んでいる気持ちを察してくれているからだと感じています。

考えてみれば、息子は身につけるものへの拒否以外は、他の子達と変わらずに生き生きと幼稚園生活を送っています。

その事が何よりで、制服を着ないとしても、私がもうこれ以上悩むべきではないのかもしれません。出来る事をやって、もう見守るしかないのかなとも思います。

いつか何かしらのきっかけがあり、息子にスイッチが入る時を、落ち着いて待てたらと思います。どうしても不安にはかられますが、その様に気持ちを大きく持って、息子と共に成長できたら、と願っています。

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