妻が育児ノイローゼかも…夫ができることは?

2022年2月14日

育児参加

育児ノイローゼになる原因

原因の多くは『ワンオペ育児』

”子どもが泣くから、子どもが言うことを聞かないから、お世話が大変だから母親は育児ノイローゼになるんだ”

と思っている夫は多いでしょう。

はっきり言いますが違います。

もちろんそれらの要素はありますが、女性が育児ノイローゼに陥る原因のトップは、夫や実家の両親、家族によるサポートが少ない(無い)環境で一人で子育てを行う『ワンオペ育児』が起因となっている場合がほとんどです。

助けてくれる人がいない、話を聞いてくれる人がいないという状況の中、言葉も通じず何を考えているかも分からない小さな子どものお世話を1人で行うということは、想像以上の孤独を感じるものです。しかも終わりが見えないのですから。

そして身体と精神的に追い詰められたせいでお母さんが育児ノイローゼから虐待へと深刻な問題に発展してしまうケースは少なくありません。

昔はこのような悲しいニュースを見て「子供を虐待するなんて信じられない!なんて酷い母親なんだ!」と思っていましたが、自分が母親になって初めて「お母さん、相当辛かったんだな…。」「旦那は何をしてたんだ!?」「明日はわが身かも知れない。」と思うようになった方がたくさんいるのです。

父親は協力者ではない当事者!

「子育ての”協力”する」という表現が私は好きではありません。

子どもは夫婦二人の子どもなのに、なぜ父親は子育てを「協力する」立場なのでしょうか?

また、自発的にならない男性には育児や家事を奥さんから「お願い」する必要すらあるのです。

また、父親が少しでも育児を行うと「イクメン」ともてはやされ、本人もまんざらでもない様子。母親はやって当たり前。少しでもやらなければ「母親失格!」と責められます…。

男性も父親なのですから、当事者として育児にもっと必死になってほしい、と思います。

子どもを生かすためにお母さんたちは自分の身体や心が辛くても必死に頑張っています。男性は父親としての自覚を持つのに時間がかかると言いますが、女性だって自分の体から産んだとはいえ母親としていきなり自覚している訳ではありません。

産んだからには守らなければならない、ただただ必死に育児をしているのです。自覚などなくても守らなければならないから、です。

男性も自覚できなくても良いので覚悟を決めて欲しい。自分の行動によって「私には一緒に頑張る仲間(夫)がいるんだ!」と奥様を育児の孤独から救い出せることに気付いて欲しいです。

育児ノイローゼの症状

育児は365日24時間休みがありません。

男性のように「仕事で疲れたから家に帰ったら休む」と言って休むことが出来ないのです。

一人でご飯をゆっくり食べることも、トイレに行くことすらままならないのです。

そして子どもは普段自分のお世話をしてくれているママをどうしても頼りますから、子どもから「ママがいい!」と言われるとあっさり奥さんに任せてしまう旦那さんも少なくありません。

また、「他のお母さんは家事も育児もしっかりやって元気でいるから、うちだってやれるだろう。(やるべきだ)」と考える男性が現代においてもここ日本にはまだまだ多いという現実に私はがっかりしています。

体と心を酷使したお母さんが追い詰められるとどうなるのでしょうか?

以下のような症状が表れると、育児ノイローゼの可能性が考えられます。お母さんご自身や奥様にこのような症状が出ていないか、注意して見て下さい。

・子どもの泣き声にイライラする

・子どもを可愛いと思えない

・子どもと二人きりになるのが怖い、辛いと感る

・些細なことで子どもに怒鳴る

・子どもを預けることに罪悪感を抱く

・子どもが自分にわざと意地悪をしていると感じる

・やる気がなく茫然としてしまう時がある

・自分のような母親で申し訳ないと思う

・以前よりも家事ができなくなった

・誰かが手伝おうとするとイライラする

育児ノイローゼの対処法

防ぐために、救うためにできること

それでは妻を育児ノイローゼにさせない、育児ノイローゼから救い出すにはどう対処したら良いのでしょうか?

育児ノイローゼ気味だった私自身の経験も踏まえてご紹介させて頂きます。

1.産後の1ヶ月は奥さんの身体を優先させて!

長い妊娠期間と壮絶な痛みの出産を乗り越えた女性の体はまだまだ回復していない状態です。産後の傷やホルモンの急激な変化により、体が大きく変化しているからです。そしてここで無理をすると産後うつやその後長い期間(下手すれば一生)体と心に不調をきたします。

まずはお母さんの体を回復させることが大切。その為のサポート、フォローをせめてこの期間は一番優先に考えて欲しいです。

料理や掃除、洗濯等の家事の負担、赤ちゃんのお世話も一緒に頑張りましょう。

2.育児から解放できる時間を作ってあげる

とにかくお母さんが子どもから離れる時間を作りましょう。夫に子どもを預けることに不安を抱いている場合も多いですが、「大丈夫」だと思ってもらえるよう日頃から子どものお世話に必要なこと、もの、場所等を知っておく。分からなければちゃんと教わるということも大切です。

一人やお友達と外出してゆっくり過ごしてもらう、美味しいものを食べてもらう等何でも構いません。ストレスを解消し楽しいと感じられる時間を持つことが大切です。

3.「ありがとう」を言う

これは夫婦がお互いに必要な事ですね。しかしとても簡単なことなのに実際は言えない人がとても多いんです。

毎日の暮らしの中でのことだから気付かないかも知れませんが、大切な子どもが生まれたのも成長しているのも、お世話をしている奥さんのお陰。

「今日も1日ありがとう」「いつも頑張ってくれてありがとう」と感謝の気持ちをきちんと伝え合うことが結果、夫婦の関係がうまくいく一番の方法かと思います。

4.話を聞く

赤ちゃんや小さな子どもと普段2人きりの生活を送っていると「大人と会話がしたい…」と心から思うんです。

夜、会社から家に帰るとつい面倒だと思う人もいるでしょう。でも誰とも話さずに過ごす奥さんのことを少しでも考えてみて。雑談でも良いんです。そして悩みがあれば相談を聞いてあげる、理解できなくても気持ちを受け止める、分かってあげようという思いやりを見せるetc…反論したりジャッジしないで、解決方法よりも相手に話を聞いてもらった、気にかけてもらえてると安心感を持ってもらうことの方が大切です。

5.ベビーシッターやファミサポを利用する

自分や家族ではサポートが難しいと思うなら、お金がかかってもベビーシッターやファミサポを頼むこともおすすめです。

また、未就学児でも保育園などで一時保育を実施していますので、奥さんに代わって内容を調べて勧めてあげるのも良いですね。

ただ、公的機関やサービスの場合は利用にあたり年齢(生後〇ヶ月以上)や目的等の条件が設けられていることがほとんどで、状況によってはダメな場合もあります。

ベビーシッターなら、理由や目的に合わせた様々なサービスを提供している運営会社やシッターがおり、奥さんやお子さんが移動する必要なくシッターがご家庭に行くわけなので利用するにあたり負担がかからず人気なのです。保育士や助産師の資格を持ったシッターも多くいますので、悩んでいることを相談しやすく、解決する良い情報を得られる可能性もあります。

まとめ

ここまでを読んで、「どうして男性側がこんなにやってあげなければならないんだ!?」と思う方もいるかも知れません。

それはおそらく本当に女性の身体的、精神的負担を理解していない証拠でしょう。

私からするとすべての男性ではもちろんありませんが、多くの男性は「やらなすぎ」だと思っています。

実際、全国の離婚率でもっとも高いのが産後2年以内であるというデータが厚生労働省より発表されています。

むしろ「こんな程度」を頑張ることが出来ないのなら、夫婦関係だけでなく家庭が悪いほうへ進むのは仕方ないのかも知れません。

出産は女性にとって体も心も生活もすべてが強制的に変わってしまう大きな出来事です。生物学的に女性しか出産することが出来ず命をかけて子どもを生んだ訳ですから、次は男性が育児で頑張る、それくらいの気持ちを持っても良いのではないか?と私は思います。

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