2022年1月6日
子育て
夫婦共働きの家庭が増えた昨今、需要を増しているのが乳児保育です。
乳児保育と幼児保育には、対象となる子どもの年齢や保育の体制、施設面などにおいていくつか違いがあります。
初めととなる子育ての場合、数ある保育サービスや情報から最適な選択肢を見つけることは難しく感じられる人も少なくありません。
この記事では、乳児保育の概要と乳児保育サービスの選び方をご紹介します。
これから大切な子どもを保育園をはじめとする保育施設に預けようと考えている方はぜひ参考にしてください。
まずは乳児保育とはどのような内容なのか見ていくとともに、乳児保育と幼児保育の違い、乳児保育と小規模保育事業についてご説明します。
今後、子どもを預ける際に知っておきたい保育体制や施設面、環境について理解を深め選ぶ参考にしてみてください。
乳児保育とは、0歳・1歳・2歳児の保育を保育園や保育サービスにおいて保育士が行うことを指します。児童福祉法では乳児は1歳未満の子どもとされています。
一方、保育園や保育サービスを行う施設では3歳児以上のクラスと区別するために0歳から2歳までの児童の保育を乳児保育としている所がほとんどです。
乳児保育は近年働く女性が増えたことなどを背景に、ニーズが高まっているようです。ニュースでも見る待機児童の問題は、おもに乳児期の保育確保が難しいという現状があることから、国も乳児保育の充実や環境環境改善を目指しています。
乳児保育の他にあるのが幼児保育です。保育園や保育サービスを展開する施設においては0歳から2歳児を対象とした保育を乳児保育としています。
それに対し、3歳以上の子どもの保育を幼児保育と呼んでおり、文部科学省によると小学校就学前の子どもが幼児です。
乳児保育と幼児保育では、保育を行う保育士の人数が大きな違いとして挙げられます。
乳児保育においては0歳児の乳児3人につき保育士1人が必要で、1歳から2歳児の乳幼児6人につき保育士1人が必要です。
一方、幼児保育では幼児20人から30人につき必要な保育士の数は1人とされており、保育を行う保育士の人数に大きな違いがあります。
次に、乳児保育を担う小規模保育事業についてご説明します。小規模保育所は、定員20人以上の従来の認可保育園とは異なり、定員6~19人の小規模な保育園のことを指します。
先ほども少し触れましたが、待機児童の多くは乳児保育が必要な子どもたちです。
待機児童解消の観点から、2015年に施行された「子ども・子育て支援新制度」が施行されました。
この制度では、保育園や保育サービスを行う施設へ預けて働きたい親御さんを助け、待機児童の問題解消を目的としています。
小規模保育とは、0歳から2歳の乳児を対象に保育士による保育を行う「認可保育所」のことです。
小規模保育所は職員数や保育施設の面積、有資格の保育士の数、定員によって規模が異なりA型・B型・C型の3タイプがあります。
子どもをどのような規模の施設に預けたいかなどの希望に応じて選ぶことができるのです。
乳児保育の概要や幼児保育との違い、小規模保育事業についてイメージがつかめたところで、次に乳児保育の特徴をご説明します。
まだ言葉によるコミュニケーションも十分にとりづらい乳児を預けるとなると、不安も多く抱える保護者も少なくありません。
しかし、乳児保育には家庭だけでは難しいこともプロの保育士さんが担ってくれるなど、良い点もたくさんあります。以下の特徴をぜひ参考にしてみてください。
まず、乳児はまだまだ脳が未発達なため言葉による意思疎通ができず、どのような気持ちでいるのか、何を訴えているのかなども理解するのが困難な時期です。
また、母体から受け継いだ免疫も生後半年を過ぎれば切れてきますので、様々な病気にかかるリスクもあり、保育には十分な注意が必要です。
乳児保育を行う保育園や保育サービスを展開するところでは、次のようなことを大切にしつつ、子どもたちの保育に従事しています。
乳児と一言でいっても、まだねんね期の子どもから歩き始めた子ども、走ったり動き回れる子など月齢の違いにより身体的な成長に個人差があります。
乳児保育を行う場では、人数に応じた保育士がきめ細かな保育を行っており、それぞれの子どもの発達に応じた遊びを心がけています。
まだ移動の少ない1歳未満の子どもにも楽しめるリズム遊びや手遊びを行うことが遊びのメニューです。
また、少しずつ活発さを増す1歳児以降の子はマットやビニールプールを使った遊びなどを行います。
このように、家庭では実施しづらい遊びができるのも保育施設ならではといえます。
乳児にとって寝ることは成長にも密接に関わってくるため非常に重要です。
家庭では安心してお昼寝していたけれど、保育園や保育サービス事業所では大丈夫かと心配になる保護者も少なくありません。
これらの施設では、たくさん遊んでご飯やミルクを飲んだ後は、安全面に配慮されたお昼寝スペースでのお昼寝タイムがあります。
部屋を暗くし静かにした後、就寝まで保育士が大切な子どもを見守ってくれます。
まだまだ身体も未発達な乳児は、免疫力が低く少人数であっても慣れない共同生活において病気にかからないかなどが不安に感じられます。
子どもは手洗いうがいなどを率先してできないばかりか、見るものすべてに興味をもちます。大人がふと目を離した隙に、思わぬものを口にしていたということも。
衛生面に関して、保育士は日に何度か掃除と消毒を行い、とくに口に入れたり触れるおもちゃは念入りに洗浄を行っています。
新型コロナウイルスなどの感染への懸念から、昨今はとくに丁寧な衛生管理を心がけています。
保育士は保護者が就労中、大切な子どもたちを安全に見守り、成長に欠かせない愛情を注いでいます。
しかし、兄弟がすでに保育園などに通っている保護者であっても、乳児を預ける際に不安な気持ちや寂しさを感じるのは当然です。
預け先では施設ごとに方法は異なりますが、保育日誌などを介してその日の遊んだ内容や子どもの様子、気になることなどを共有してくれます。
また、登園時や降園時に口頭でも直接会話をすることで、1日の様子などを聞くことができコミュニケーションをはかれるので、親にとっては安心です。
では最後に、乳児保育サービスの選び方をご紹介します。産まれたからずっと一緒に過ごしてきた子どもを預ける先ですので、慎重に選びたいところです。
通える範囲内であるかやどのような規模か、保育士や職員の方はどのような人か、通っている園児の様子はなど気になる点はいくつかあることでしょう。
以下のような点に留意して乳児保育サービス選びの参考にしてみてください。
まずは何といっても大切な子どもに寄り添ってくれる保育かどうかが重要です。
まだまだ言葉で想いを伝えられない乳児期は大人が気持ちを汲み取ってあげることが必要な子どもたち。
泣いている時に抱っこして安心感を与えてくれたり、同じ年児クラスの子たちとの間に入り遊んでくれるかなどが重要です。このように、手厚い保育をしているサービスを選ぶのがおすすめです。
そして、まだ生活リズムが定着していない子もいる乳児期。睡眠や食事と排泄、運動(遊び)を適度に促し身体と脳の成長に必要な1日のサイクルをサポートしてくれるかも肝心です。
良さそうな保育士や施設であっても距離が遠い、時間が勤務時間と合わないなど保護者にとって不都合である保育サービスはおすすめできません。
自宅から数年間通うことができるのか、天候が悪い日でも登園可能か、残業や土曜出勤などにも対応できるのかなど希望する条件は様々。
保護者の勤務体系や希望条件にマッチする保育サービスを選べると良いです。
待機児童の問題もあり、一度入園すると都心であればなおさら転園は難しいです。長期的な通園イメージをもって、保育サービス選びを心がけましょう。
0歳から2歳というかわいい真っ盛りなのが乳児です。乳児保育の場では、仕事を頑張る保護者とともに、子どもを大切に保育してくれます。
お家で大切に子どもとの時間を大切に過ごしてきたように、たくさんの愛情を持って接してくれます。
早期に家族以外との生活を経験し、規則正しい生活スタイルを得られることは、子どもの将来にとっても貴重な経験です。
衛生面や安全性も高い乳児保育は、保護者にとっても大切な子どもを預け、仕事に向かううえでも大きな安心感を得られるといえます。
また、プロの保育士とのかかわりにおいて家庭での保育や子どもへの接し方の参考になることもあります。乳児保育をプロへ依頼することは親子ともにメリットがたくさんあります。
0歳から2歳児までの保育を行う乳児保育について見てきました。
出産、育児と初めのことの連続です。乳児保育はプロがしっかりと子ども安全に守り、身体や心の成長を保護者と一緒に行ってくれる心強い存在です。
乳児保育を検討し始めたら、通える範囲内にある施設をピックアップしみてみて、保護者の希望する条件にマッチするところはどこか考えてみましょう。