絵本の読み聞かせのポイント

2021年11月16日

絵本読み聞かせ

子どもにとって絵本の読み聞かせは、心を育む大切なものです。

今まで知らなかった世界を知り、関心をもつことで刺激を受け、好奇心や想像力を育みます。そして、感情を豊かにするのです。

さらに、聞き手側の子どもはもちろんのこと、読み手の大人にもリラックス効果があるといわれています。

読み聞かせをするにあたり、「こうした方が良い」「これはやってはいけない」等、ルールやポイント等、ある程度決まりのようなものがあるかと思います。

今回は、このようなものを踏まえつつ、私自身がお子様との関わりの中で感じたことや「これは大切なポイント」と思ったことをまとめました。

「絶対にダメ」や「〇〇しなくてはいけない」ではなく、あくまでも「意識しておくと良いこと」というニュアンスでご紹介したいと思います。

◎絵本の読み聞かせの前にすること

【まず、自分がじっくりと絵本を読んでみる】

読み聞かせをする前に、読み聞かせをする絵本を自分で読んでみましょう。

どのような内容なのかを把握するとともに、ページをめくるタイミングや読み方等、感覚的に自分の頭の中にいれておくと良いです。

子どもへの読み聞かせの際、大事なことは「集中をきらさないこと」です。

絵本の表紙を見た瞬間、子どもは絵本の世界の入り口に立っています。1ページめくるごとに、1歩ずつ絵本の中を歩いているような感覚です。

もし途中で読むことが途切れてしまうと、あっという間に絵本の世界から現実世界に戻ってきてしまいます。それはとても悲しいことです。

このようなことにならないためにも、「まず自分が読んでみる」ということが大切です。

もちろん、じっくりときちんと読むことができればベストですが、時間的に難しい時等は、サラッと流し読みのような形でも構いません。

そして、もうひとつ大切なこと。

絵本を読んだ時に自分自身が「感じたこと」を大切にしてほしいです。

それを誰かに伝えたり、表現する必要はありません。自分の心の中に大切にとどめておいてください。

その想いはきっと、読み聞かせをする際に役に立つはずです。

◎絵本の読み聞かせ・7つのポイント 

・絵本の表紙と裏表紙も楽しむ 

表紙と裏表紙もしっかりと見せてあげてください。

絵本は、表紙と裏表紙も含めて物語がつながっているものも多くあります。また、表紙と裏表紙で絵がつながっているものや、仕掛けがあるものもあります。

読み手側はあれこれと説明することなく、子どもが、今、目の前にある世界観を楽しめるよう、ゆっくりと見せてあげると良いです。

子どもは、絵だけの世界からさまざまな想像が膨らみ、楽しみが大きくなることでしょう。

お話が終わったあと、再度、裏表紙から表紙を見せてあげると、きっと最初の感覚との違いを楽しむことができるのではないかと思います。

・感情を込めすぎない 

あくまでも「すぎない」ことです。

絵本は、読み手・聞き手それぞれが感じる「世界観」があると思います。読み手の大人が感情を込めすぎてしまうと、それは読み手側の感じる世界観を子どもに押しつけてしまうことにもなりかねません。

もちろん、感情をこめることがいけないことではありません。

感情たっぷりに読むことで、「楽しい」の気持ちがどんどんあふれて、楽しくて・面白い空間になることもあります。

「程よく、感情をこめる」ということを意識しながら読むと、おのずと、それぞれが絵本の世界を楽しめるような読み方につながっていくと思います。

・絵本を動かさない 

絵本をしっかりと持ち、絵本がゆらゆらと動かないようにしましょう。
また、お話の内容にあわせて絵本を大きく動かしてしまうこともあまりしないようにしましょう。

子どもは、絵本の「絵」に集中し、楽しみながら、お話を聞いてくれています。

そこで、目の前の「絵」が動いてしまうと、集中の妨げになることはもちろんのこと、絵本の世界に入り込むことができず、何も感じ取ることができなくなってしまいます。

躍動感のある場面で絵本を大きく動かして表現したいこともあるかと思いますが、基本的には、子どもの目線に合わせて、絵本の位置を変えずに、物語を伝えていけるよう工夫してみてください。

絵本にとって大切な「絵」をたっぷり、ゆっくり楽しめるようにすることを意識すると良いです。

・抑揚を大きくつけない、オーバーリアクションをしない 

抑揚を大きくつけたり、大きな身ぶり・手ぶりで表現することで、子どもは絵本ではなく、絵本を読んでいる人に注目してしまいます。

その大きな表現だけが子どもの印象に残ってしまい、大切な絵本の世界観が全く伝わらない状態にもなりかねません。

また、読み手側感じる感覚に子どもを誘導するような形になり、子どもが自分で「想像する」ことができなくなってしまいます。

絵本の読み聞かせの主役は「絵本」です。

読み手は、絵本の世界と子どもたちをつなげる補佐的な役割であることを意識しながら読むと良いと思います。

・アドリブをいれない 

絵本は、作者さんの想い描く世界観の中で、文と絵が絶妙なバランスで組み立てられています。

そこに、アドリブを入れてしまってオリジナル感を出してしまうと、絶妙なバランスはあっという間に崩れてしまいます。

絵本が伝えたい想い、世界観が伝わらなくなってしまうことはとても悲しいことです。

絵本の世界観をそのまま子どもに伝えるためにも、それぞれの絵本のリズムや表現をそのまま真っすぐに伝え、楽しみましょう。

・読むスピードに気を付ける 

子どもが物語に集中できるように、はっきり・ゆっくり読んであげると良いです。

もちろん絵本の内容により、リズムが異なりますので、臨機応変に対応することが大切です。

その中で、「早口」になってしまわないように気を付けてください。

読んでいる間に、気が付かないうちに自分が思っている以上に、早口になってしまっていることがあります。

そうなると、必然的に、ページをめくるスピードも速くなってしまい、落ち着かない、慌ただしい読み聞かせになってしまいます。

常にゆっくり読むということではなく、「読むスピードを意識する」ことを頭に入れて読み聞かせすると、落ち着いて、心地良いスピードで読めると思います。

・楽しむ 

読み手の大人自身が「楽しむこと」。

読み聞かせをする際、実はこれが一番大事なことです。

絵本の読み聞かせは、子どもを楽しませるのはもちろんですが、自分も楽しみながら読むのがコツです。

子どもは大人の感情を敏感に感じ取ります。

読み手の大人が「楽しい」・「嬉しい」の気持ちをもっていると、自然と、声にあたたかさや優しさ、プラスの感情がのると思います。それは、子どもの心を癒し、和ませまるのです。

読み手が楽しんでいること・「楽しい」の気持ちがたくさんあることは、読み聞かせの時間を、お互いにとって最高に素敵な時間にしてくれます。

〇プラスワン:絵本の読み聞かせのポイント

【「自分が読むこと」にとらわれすぎない】

「読み聞かせ」ですから「自分が読む」ということは、当たり前のことかもしれません。

もちろんその通りなのですが、この「当たり前」「当然」という無意識の内に決めつけてしまっている想いが、「読まなければならない」という「義務」になり、負担というおもりになってしまうことはとてもつらいことです。

絵本の世界を楽しむという雰囲気からはかけ離れてしまいます。

育児中は、やること・やらなくてはいけないこと…たくさんあり、時間が足りない日々だと思います。

そのような時に、お子様に「絵本を読んであげよう」と思っても、なかなか時間や仕事のバランスがうまくいかず、思うようにできないこともあるかもしれません。

今は、絵本の読み聞かせの動画やアプリ、絵本の世界をそのまま表現したCD等があります。

このようなものを積極的に活用してみると良いと思います。絵本のページをめくるだけ、時にはBGMのみで絵本を開かない…だなんて、少々罪悪感を覚えてしまうこともあるかもしれません。

しかし、一番大事なことは「楽しい時間を過ごすこと」です。

「自分が読む」以外の読み聞かせの方法を取り入れることで、自分の読み方とは違う雰囲気に学びがあるかもしれません。

絵本の世界から感じる感覚がいつもとは違うかもしれません。

違うことを取り入れることで、何か新しい発見がきっとあるはずです。

絵本を読み聞かせは、「自分が読み聞かせること」だけではないのです。さまざまな方法を知っておくことで、気持ち的にも良いバランスで絵本と関わることができるのではないでしょうか。

「絵本の世界を楽しむこと」を一番に、さまざまな方法で絵本の読み聞かせを楽しんでほしいと思います。

ベビーシッター派遣のハニークローバーは、お子様への絵本を読み聞かせも積極的にさせていただいております。絵本は図書館でも借りられますのでぜひご用意いただけると幸いです。

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