子どもが喜ぶ絵本6冊

2021年12月2日

絵本読み聞かせ

 私は5歳の男の子を1人育てております。私自身も元々本が好きでしたので子どもが産まれてたくさん絵本を読んであげようと思っていました。
 私にとって絵本の読み聞かせは、世界のありとあらゆる事象を教えてあげるためのツールのひとつです。私たちが生きている世界にはどんな形の自然があって、季節があって虫がいて、芸術や音楽があって、科学に支えられていて、昔や未来の話、海の向こうの人たちの話など、私だけでは教えてあげられないことを絵本という媒体を通して子どもに知ってもらうためです。ですので最初子どもが産まれた時はどういった絵本を読んであげれば効果的かなとよく悩んでいたのですが、ある本選びについての文献を読んで、本選びの際によく考えて選び出した本と、ランダムに選んで選び出した本とでは、いい本に出会える確率は同じですという話を読んで肩の力が抜け、そこからは自分の目的に沿って何となくいいなと思った本を適当に選んで読んであげるようにしています。
 小さいうちは私がすべて選んでいましたが、現在は5歳になっているので2週間に1度地域の図書館へ行った際には子どもも自分で選びますが、私も読み聞かせたい絵本を今でもランダムに選んでいます。そのなかでも子どもがいつも読んで読んでと言ってくることが多かった絵本をご紹介していきます。
 ただ先に気付いたことがあるので申し上げておくと、そこそこの年齢になった子どもが選ぶ絵本は季節や行事に基づいた絵本や大好きな乗り物や恐竜の絵本など、要は子ども自身を取り巻く生活や好きなモノが、選ぶ絵本に表れていると思います。なのであくまで私の家庭の体験談ですのでそれぞれのお子さんが好まれる絵本との出会いがきっとあるんだろうと思っています。ですのでそのようにお読みいただけますと幸いです。

 今回挙げさせていただく6冊の絵本はすべて目的とするオチがあって、そこまでのプロセスの繰り返しを楽しむような絵本です。こういった絵本を子どもに読むときは過程はゆっくり、結末はあっさり読むように心がけています。そのほうが子どもがワクワクするような気がしていました。

しずかでにぎやかなほん

や マーガレットワイズブラウン
え レナードスガート
やく 谷川俊太郎
童話館出版
 こちらの本は古本屋で見つけて、色使いが他の本とはちがって個性的で取り入れてみた絵本です。子どもも気に入ってくれて0歳から2歳くらいまではしょっちゅう読んでいました。マッフィンという小さな子犬がとてもしずかなおと、で目を覚ましてそのおとの正体を探すような絵本です。少しネタバレにはなりますが、しずかでにぎやか、というのは蝶が羽を広げる瞬間のような一瞬かつ鮮やかでエネルギーのある瞬間の色々に着目した本で、大人になると気付かなくなるような自然現象に気付かせてくれる本です。子どもはいつもページをめくる度に、このおと?ちがーう、このおとかな?ちがうよー!と入り込んで返事をしてくれてワクワクしていました。ひとつひとつの自然現象を読み進めるときはいつも子どもも静かにお話を聞いてくれて、何を感じてくれているのかはわかりませんがそういう時にとても子どもを愛おしく感じます。そのおとの正体は念のため割愛しますが、優しい希望を持たせてくれるような絵本でこういう絵本を子どもが好きになってくれてよかったと心から思いました。

しろくまのパンツ

さく tuperatupera
ブロンズ新社
 これはとても人気のある絵本らしく、私は子どもの出産祝いに親族からいただいた絵本です。しろくまさんが自分のパンツをなくしてしまってノーパン?で歩いていてお友達のねずみくんと一緒に探しにいく本です。仕掛け絵本といって、先にパンツを発見してページをめくるとパンツをはいている動物がだれかわかるような仕掛けになっています。子どもはこの絵本も本当に大好きでこのパンツはしろくまさんのかな?だれのパンツかな?という時に夢中でページをめくろうとしていつもびりびりに破いてしまって、セロテープで修理した跡がたくさんあります。何度も読むうちに覚えてしまってからは、パンツをみてたこさんのパンツ!にゃあにゃのパンツ!と楽しそうに答えてくれるようになるので、予測する力も楽しく身に着けることができますしオチも突っ込みどころ満載の絵本なので私も楽しく読んでいました。当時はまだオムツでしたが、○○くんのパンツは?と聞くと喜んで見せてくれてすごくかわいかったです。さらには最後のページに音符付きの文章があるので即興の作曲で歌わされます。

ハンダのびっくりプレゼント

さく・え アイリーン・ブラウン
やく ふくもとゆみこ
光村教育図書
 こちらの本は小学生の子ども達に必ず人気がでる本のようで、私はたまたま図書館で借りて読み聞かせをしたところ当時3歳の子どもでしたがとても反応がよく何度も借りて読みました。上記2冊と同じでこちらも目的があって、そのプロセスの繰り返しを楽しむような絵本です。ケニアが舞台らしく、ハンダという黒人の女の子がお友達のアケヨに頭にかごをのせて果物を届ける、というお話です。ハンダが7つの果物を届ける道中に様々な動物たちにひとつひとつ果物を持っていかれてしまいます。ただそれにハンダは気付いておらず、読者が目撃者になります。子どもはそこがとてもワクワクするようで、何度も読んでいるうちに不思議そうなハンダに向かって熱く解説をします。もちろんハンダに話しても聞こえないので私に話をしてくれるのですが私もわかっていない振りをしてみるとすごくやりがいのある顔をして説明してくれていました。この本に関してはなぜかいつも寝る前に電気を消してからも読んでほしいと言われ、私も記憶を手繰り寄せ言葉だけで寝かしつけながら話していました。想像でも思い出すのかウフフと笑いながら寝入っていました。

まどから★おくりもの

さく・え 五味太郎
偕成社
 クリスマスの絵本です。この本は私自身が幼少期に家にあった絵本で、近所のバザーで見かけて購入しました。こちらも仕掛け絵本になっていて、サンタさんがそれぞれのおうちへクリスマスプレゼントを届けるのですが、おうちに誰がいるか、何人いるかの情報が小さい窓からしかヒントがありません。ここは誰々のおうちだろうとプレゼントをまどからポンポンいれていくのです間違いばかりで読者はそれに気付いているので子どもはいつもケタケタ笑っていました。ただその間違いから生まれたプレゼントであってももらったプレゼントを工夫してつかう動物たちに子どもはだまってみていました。小さいうちは通年読んでいましたがここ2年ほどは、クリスマスシーズンのときに決まって子ども自身が選んで持ってくるようになりました。私自身も読み進めていくなかで子どもの頃の記憶が蘇ってきて、楽しかった思い出とともに我が子にも読んであげることができて、とても幸福感を共有できています。絵柄もとても可愛らしく、初版発行が1983年の絵本ですが昔の絵本でも素晴らしいものは残ってくれているところも絵本の魅力のひとつだと思いました。

いないいないばあ

絵 瀬川康雄 
童心社
 これはかなり有名な絵本で、私自身も元々知っていました。ただ改めて読み聞かせをすると絵柄も抽象画で美しく、無駄なくシンプルな作りになっています。私は0歳から1歳の時に子どもがとても喜んでいた記憶がございますので、小さいうちからこのような世界観に慣れさせてあげられるのは幸せだなあと思っていました。単純ににゃあにゃやくまちゃんがいないいないと顔を覆って、ページをめくるとばあっと顔を出すだけの話ですが、子どもは毎回ページを自分でめくりたがりとてもうれしそうでした。特に0歳など赤ちゃんの頃は電車やバスで乗り合わせたお年寄りの方たちもいないいないばああどを赤ちゃんにしてくださったりいていたので、なじみ深かったのかもしれません。コツはいないいないは声を溜めて話してあげて、ばあっというところは割とあっさり話してやると拍子抜けするのかとても笑ってくれました。

ぐるんぱのようちえん

作 西内ミナミ
絵 堀内誠一
福音館書店
 これはぐるんぱという大きな象が大人になってもぶらぶらしていてある時働きにでる旅に出るようなお話しなのですが絵柄もかわいらしく、ようちえん、という言葉が子どもにとってもなじみ深かったのかよく読んで読んでと言われました。
 ぐるんぱは様々なお仕事をするのですがどれもうまくいかず、社会でいう解雇を何度も経験します。ですがぐるんぱ自身はいつも目の前の仕事に一生懸命で、何度も楽しそうに挑戦していて、子どもは色んな経験をするぐるんぱをいつも黙ってみていました。親としても、失敗の数だけ経験があるということをどうすれば幼子につたわるのかなと考えながら読み聞かせをしました。近所の動物園でぐるんぱのようちえんを元にしたイベントがあり、ぐるんぱのすべり台などがあったのでそれで一層お気に入りになったのかもしれません。

 以上私の子供が好きな絵本を6冊ご紹介しましたが、他にもはらぺこあおむし(エリックカール)や、おおきなかぶ(トルストイ再話ロシア民謡)、なども気に入って読んでいました。
 こういった絵本は読んでいても大人も楽しいですし、絵本は普遍的なものもまだまだ多いのでできるだけ様々なものをたくさん読むのが私はいいなと思い続けています。ご参考になれば幸いです。

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