2022年4月5日
子育て
子どもの自我が芽生えるのと同時に始まるのが「イヤイヤ期」
ところかまわず「いや!」「「違う!」などと泣きわめき、泣き叫ぶだけでなく、地面にはいつくばってしまう子どももいて、ママやパパはへとへとになります。
突然やってくる子どものイヤイヤ期はただでさえどう対応していいか分からないのに、外出先でイヤイヤが始まると、周囲の目も気になりとても大変です。
イヤイヤ期真っ只中の子どもは自分の思い通りにならないと、ところかまわず寝転がり手足をバタバタさせ、全力で泣き叫びます。
どうすることも出来ない状況に大人が泣きたい気分になってしまいますが、実はイヤイヤ期というのも子どもの成長に欠かせないものなのです。
イヤイヤ期とは、2歳前後の子どもが「嫌だ!」「だめ!」などと自我が出てきたことにより自己主張が強くなってくることを言います。
自我が芽生え、今まではママやパパの言われるままに、されるがままの状態から自立しようとする大きな一歩を踏み出している状態なのです。
一般的には2歳前後から3歳ごろになると落ち着いてくるようになり、4歳頃には気づいたらイヤイヤ期が終わっていたと言う人が多いようです。
子どもによってイヤイヤ期の症状はさまざまですが、基本的には自分の本能のままにやりたいことやしたいことがあると、それに向かって一直線となります。
イヤイヤ期が発動する場面はさまざまで、多い事例は下記の通りとなります。
外遊びから帰宅した際やお昼寝前など、1日の中で子どもが着替える場面はたくさんあります。
イヤイヤ期の子どもは着替えるたびに「自分でやりたい」と主張をし、自分ではまだ着替えることができないのにもかかわらず自分でやりたがります。
その後に予定が無く時間がある場合はいいのですが、時間がないと焦ってしまい、ママやパパは困ってしまいます。
イヤイヤ期の子どもはご飯を食べたがらないことが頻繁に起こります。
食事は生活の基本であり、しっかり食べてもらわなくてはいけません。
しかし、イヤイヤ期が発動してしまうと頑なに食べることを拒否し、食べさせようとすると泣きわめいてしまいます。
無理に食べさそうとするとママやパパにも焦りやイライラが募り、余計に子どもが不機嫌になってしまうという負の連鎖に繋がってしまうのです。
お昼寝をする時間になっても「まだ遊びたい」「もっと絵本が読みたい」などと駄々をこねてなかなかお昼寝をしてくれないことがあります。
子どもにとってお昼寝は重要なことであり、少しでもお昼寝をしないと午後の活動に支障をきたします。
トイレやオムツ替えを嫌がるのもイヤイヤ期にはよくあることです。
1歳半から2歳はまだオムツが外れない時期であり、1日に何度もオムツを替える必要があります。
おしっこの場合はいいのですが、うんちの場合は特に早急にオムツを替えたいものです。
しかし、イヤイヤ期が発動しているとオムツ替えの時に走り回って逃げる子や、逆にその場から動かない子どももいます。
イヤイヤ期になると、外遊びや買い物などに参加することを嫌がる子どももいます。
買い物に行かなくてはいけないのに子どもが「行かない」と駄々をこね始めるとご飯の準備も出来ず、1日の生活リズムも乱れてしまいます。
このように、日常のこと全てがイヤイヤになってしまう日もあり、その日の気分によって子どものイヤイヤ期は異なります。
イヤイヤ期真っ只中の場合ママやパパは心底疲れ切ってしまいますが、なぜ子どもにとってイヤイヤ期が重要なものなのでしょうか。
子どもは身体や脳が日々成長し、スポンジのように多くのことを吸収します。
イヤイヤ期が来たということは子どもが順調に育っている証であり、子どもが何も考えずにイヤイヤと言える重要な時期なのです。
イヤイヤ期が激しいとママやパパは「育て方が悪かったのかな」と悩んでしまう日とも多いのですが、実は育て方は関係が無く、イヤイヤ期の原因は脳にあると言われています。
子どもは自分の思い通りにならないときに気持ちを抑制する脳の働きがまだできていないため、気持ちの表現が上手くできません。
そのため、相手の気持ちを理解しようとしない、空気が読めないのは当たり前のことです。
しかし、子どもが本能だけで行動できるのは今だけであり、3歳頃から前頭前野の機能が発達し、自分の気持ちがコントロールでき始めるのでイヤイヤ期は脳が発達していると実感できる喜ばしい時期なのです。
イヤイヤ期とは大切な成長期間であり、赤ちゃんによって個人差があり、月齢によってもイヤイヤ期の様子は異なります。
・6か月頃
イヤイヤが芽生え始める時期ですが、まだイヤという気持ちや意思よりも、その時の調子や慣れないもの、不安を避けたい感情表現が多い時期です。
・1歳頃
イヤイヤが目立ち始める時期です。
まだはっきりとイヤイヤが始まるわけでは無く、「なんとなくイヤ」などと明確なイヤの認識が無く、その時の気分で「イヤイヤ」することが多くなります。
・1歳~1歳半頃
強制されることを嫌がり、その気持ちを上手に伝えることが出来ないため、泣いたり怒ったりしてイヤイヤします。
まだこだわりは強くないので、気分転換など切り替えは上手に出来ます。
・1歳半頃
自分の意思がはっきりしてくる時期です。
強制されることを嫌がり、気持ちを伝えることも上手に出来ないため、もどかしさからイヤイヤします。
・2歳頃
干渉されたくない気持ちが強くなり、意思もはっきりして強くなります。
「自分でやりたい」「自分で出来る」と思うようになり、自分の世界観を壊されるとイヤイヤしてしまいます。
・3歳頃
言葉が分かり、自分で伝えられるようになるため、我慢をしたり気持ちを上手にコントロール出来るようになります。
ママやパパ、大人にとって大変なイヤイヤ期ですが、男の子と女の子では明らかな違いはありません。
人によっては「体力がある男の子の方が大変」「おしゃべりの早い女の子の方が大変」などと言いますが、実は男女差があると明確にはっきりしていません。
イヤイヤ期には個人差があり、子どもによっては1日中ママにしがみついて泣き続け、1日過ごすのがやっとという子どももいれば、イヤイヤ期が始まる時期なのになかなか始まらないと心配するほどイヤイヤが少ない子どももいます。
また、自己主張の形も子どもによってばらばらであり、イヤというだけが第一次反抗期では無いためイヤイヤ期の大変さは子どもによっても異なりますし、環境によっても大きく変わってきます。
男の子と女の子では明確なイヤイヤ期の違いはありませんが、ママとの相性でイヤイヤ期の大変さに差が出てくることがあります。
【男の子の場合】
男の子は活発であり、身体を動かすことや動くものを見て追いかけることが好きな傾向があります。
また、シンプルに物事を考え、深読みしないのが男の子の特徴です。
しかし、その分頑固であり、一度「イヤ」と言い出すとなかなか意見を曲げず、おしゃべりも個人差はありますが、女の子と比較すると遅いと言われています。
女の子と同様に全ての男の子に言えることではありませんが、性格の違いによってママとの相性が変わるので、イヤイヤ期の大変さに男の子と女の子で差が生じるのでしょう。
【女の子の場合】
女の子は言葉が早く、大人の真似をしたり、ごっこ遊びが上手であったりとませている印象が強いです。
個性の問題もあるので、全ての女の子に当てはまるわけではありませんが、ママの表情を読み取り行動するのも女の子の特徴です。
言葉が早い分、イヤイヤ期では「何でイヤなのか」「どうしたいのか」を表現するのが早いのが女の子の特徴であり、イヤイヤの理由を知り、そのうえで対応したいママにとっては女の子と相性が良く、イヤイヤ期を乗り越えやすい可能性が高いです。
子どもが成長するにつれてやってくる「イヤイヤ期」
今までは素直に言うことを聞いてくれたのに、イヤイヤ期が始まってからは拒否されたり泣き叫ばれたり、家の中だけでも大変ですが外出先でされると周囲の目が気になりママやパパはとても疲れます。
イヤイヤ期は自我が芽生えてくる成長過程でとても重要な段階とはいえ想像以上に辛く大変なものです。
しかし、そんなイヤイヤ期でも対処法や上手に乗り越えるためのコツを知っているだけでもママやパパの負担を軽減させることが出来るのです。
イヤイヤ期は早ければ1歳半頃から始まり、2歳前後がピークとなります。
3歳頃になると言葉を覚え始め、自分の意思を伝えることができるようになるので、そこからは徐々に落ち着いてくると言われています。
子どもにイヤイヤ期が存在するのは決して大人を困らせたいからではなく、子ども自身の成長過程なのです。
0歳~1歳半頃には、お腹が空いている、寝返りがうてないなどの欲求が満たされないと泣いてイヤイヤし始めます。
1歳半~2歳半頃には、人から提案されたことが自分の意志ではないと感じイヤイヤします。
自分の好きなものがわからず、イヤイヤでしか表現できないのです。
2歳半~3歳半頃は、好きなものがわかってきて自立心が芽生え始めますが、まだまだ自分で出来ないことがありイヤイヤしてしまいます。
しかし、自分の気持ちを自分の言葉で伝えられるようになってくるので落ち着いてくる時期です。
このように、自分と他人の区別がはっきりしてくると自意識の成長段階でイヤイヤ期が始まり、その後、さらに成長して自分を深く知り他人との関りを学んでいくことで収まっていくと言われています。
誰もが通るイヤイヤ期ですが、毎日対応するママやパパにとっては疲労困憊の源です。
そこで、イヤイヤ期を上手に乗り越える方法をシーン別にご紹介いたします。
特定の食べ物を嫌がる場合、いったん子どものお皿に盛りつけてから目の前で量を減らし「これだけ食べてみよう」と促してみましょう。
そして食べたら褒めてあげることが大切です。
保育園に行くとき、誰かに預ける際など、ママと離れるときはハイタッチをする、握手をして握った手を振るなどと「バイバイの儀式」を決めるようにしましょう。
「これをやったらバイバイ」という流れができると気分の切り替えがしやすくなります。
また、登園時に必ずぐずると分かっている場合は家を出る時間を5分程早めるようにしましょう。
時間に余裕があればママもイライラすることなく余裕をもって対応することが出来ます。
ママやパパが迎えに来たとき、友達と遊んでいる途中であったり、ちょうど絵本を読み始めたところだと「今はイヤ」「帰りたくない」などと駄々をこねがちになります。
帰宅後も忙しいママからしたら急がせたい気持ちもわかりますが、保育園に着いたらまずは「今何をしているのかな?」などと様子を見ましょう。
子どもが何かに熱中しているようなら、それが一区切りついたところで声をかけるようにして下さい。
まずは上の子がどうしたいのかを聞いてあげることが重要です。
貸したくないのであれば無理強いはやめましょう。
下の子には「これはお兄ちゃんのだよ」「お姉ちゃんが使っているからね」などと言い聞かせ、上の子の立場を守るようにして下さい。
子どもにとっては片付けも遊びのうちに入ります。
「遊んでないで片付けなさい」と声をかけるのではなく、遊びながら片付けられるような働きかけが重要です。
「ブロックはこの入れ物ね」「お人形はお家に帰してあげよう」などと出来るだけ具体的に指示してあげることがコツです。
その他にも「ママと競争ね」などと持ち掛けるのもおすすめです。
片付けの途中で遊びが始まってしまうこともあるので、片付けにはある程度の時間がかかるということをあらかじめ頭に入れておきましょう。
お風呂やご飯、歯磨きなどの習慣は「夕飯、お風呂、歯磨き、絵本を持ってベッド」などと流れを作って習慣化してしまえば「イヤイヤ」が出るのを多少なりとも防ぐことが出来ます。
それでも嫌がってしまう場合は「アヒルちゃんと一緒に行こう」というようにお気に入りのおもちゃなどを持たせて促すことですんなりと行動してくれることがあります。
イヤイヤ期は誰にでも起こり得ることですが、必ず終わりも来ます。
しかし、日々忙しいママやパパにとっては疲労の根本となり、イライラしてしまうこともあるでしょう。
ですが、そのイライラを子どもにぶつけてしまうとよりイヤイヤを悪化させてしまうこともあるのです。
そこで、子どものイヤイヤ期にやってしまいがちのNGな接し方と行動をご紹介いたします。
子どもにずっとイヤイヤを続けられるとママやパパもイライラしてしまいます。
ときには「もう履いてくれないなら置いていくから」などと言ってしまうこともあります。
しかし、しつけをしようと感情的になって怒鳴ってしまったり否定的な言葉を言ったりすることはやめましょう。
子どもは自分自身を否定されたような気持になってしまい、自己肯定感を低下させてしまうのは子どもの心の成長に良くありません。
感情的になりそうなときは少し離れるなどして一旦落ち着くようにしましょう。
また「どうせ出来ないからやらせない」というのは間違った対処法です。
子どもの成長段階で「出来ないことに挑戦する」というのはとても重要なことであり、その機会を奪ってしまうのは子どもの成長を妨げるということに繋がります。
上手くできずにイヤイヤが始まってしまうこともありますが、出来る限り子どもの「やりたい」という気持ちを汲んであげることも重要なのです。
「出来ないから」と決めつけてしまうのもよくないですが、「出来て当たり前」と決めつけるのも良くありません。
ときには「何でできないの?」などとイライラしてしまうこともあると思いますが、相手はまだ小さな子どもであり、何事も完璧に出来る年齢ではありません。
出来ないことに着目するのではなく、いつものことでも出来たことを褒めるようにしましょう。
褒められると子どもも嬉しく、「次もやってみよう」と意欲が出てきます。
時間に余裕がないとどうしてもママやパパが子どもに「だめ」と言うことが増えてしまいます。
「あれもダメ」「これもダメ」と言われると当然子どもは面白くなく、イヤイヤが発動してしまいます。
そんな時は余裕のあるスケジュールを組むようにして下さい。
事前に余裕を持たせることでイヤイヤが回避できることもあり、ママやパパも心に余裕が持てます。
次に、イヤイヤが悪化してしまいがちなNG行動をご紹介いたします。
子どもの「イヤ」に対して怒りをぶつけてしまうのは時間を長引かせてしまうだけです。
子どもにとっても怒鳴られたという恐怖だけしか残らないので、出来れば怒鳴ることや怒ることは避けましょう。
子どもが泣きわめいて手が付けられない場合は少し放っておくことも大事ですが、子どもが落ち着いたらきちんと対応しましょう。
そうしないと子どもは感情の出し方を学ぶことが出来ず、いつも同じ状態になってしまいます。
「お菓子を買ってあげるから静かにしようね」などと取引はNG行為です。
しかし「お片付けしたらおやつだよ」などと先の見通しを持たせるための楽しいことはOKです。
子どもの成長は親にとっても成長のチャンスであり、思うようにならない子どもと試行錯誤向き合うことでお互いが成長していけます。
ママもパパも貴重なイヤイヤ期に真摯に向き合い、子どもの成長を見守ることが重要なのです。
「魔の2歳児」
言葉をたくさん覚え、身体の動かし方も上手になってきた2歳児。
2歳になると行動や自己表現の幅がぐんと広がり急成長する時期でもあります。
しかし、2歳児とは「魔の2歳児」と言われることもあり、イヤイヤ期や第一反抗期が始まる年齢でもあるのです。
2歳児の発達の特徴としては、2身長の標準が(女の子)86.7㎝、(男の子)93.8㎝、体重の標準が(女の子)11.93㎏、(男の子)13.53㎏となっています。
1歳のころと比べるとだんだんと体重の増加が緩やかになり、個人差もありますが2歳から3歳までの1年間で体重は1~2㎏程度、身長は4㎝~5㎝程増加します。
【2歳児の生活習慣】
・手づかみ食べからスプーンを使っての食事が出来るようになる
・走る、飛ぶ、ボールを投げる、追うなどの遊びが出来るようになる
・指先を使う遊びに興味を持つようになる
2歳児は運動能力が発達し、歩けることが楽しくてたまらない時期であり、ママやパパに手を引かれなくても自分で歩いたり、小走りしたりすることも増えます。
2歳児の身体的な成長の特徴としては、運動量や活動量が増え、全身を使った運動遊びを行えるようになります。
例えば、かけっこやダンス、ジャンプやぶら下がり、トンネルくぐりや平均台遊びなどです。
少し高い所からジャンプをしたり、斜めの山を下がったりと「ちょっと危ないけれど出来るかな?」という遊びに挑戦したくなるのも2歳ごろです。
また、指先を使った細かい作業にも興味を持って取り組むことが出来ます。
例えば、粘土を細く伸ばしたり、紙をちぎったり、シールをつまんで貼ったりなど短時間の細かい作業にも集中して遊ぶ姿が多くみられるようになります。
【学び】
・鉛筆やクレヨンでぐるぐると曲線を描く
・好きな歌を覚えて歌う
・保育士や友達と簡単なごっこ遊びをする
【言語力】
・生活に必要な挨拶をするようになる
・二語文を話すようになり、おしゃべりが盛んになってくる
(個人差があり、しゃべらなくても言葉をため込む時期)
【人との関わり方】
・自分本位の行動が目立ち、思い通りにいかないとかんしゃくを起こしたり、何でもイヤイヤと泣くことがある
・身の回りのことを何でも自分でしたがる
2歳児の心の成長発達は、「大人と同じように自分もしたい」という気持ちが芽生え、なんでもやってみようとします。
食事、衣服の着脱、歯磨き、髪をとかすなど、一通りの身支度や生活の習慣などさまざまな大人の行動を真似たがる時期です。
また、排泄面では少しずつ尿意を伝えられるようになり、自分でトイレに行こうとする姿も見られます。
2歳児と接する際のポイントは、子どもの気持ちを受け止め、そっと援助しながら自立へ向けた意欲を育てていくことです。
出来たときには「出来たね」と認めて褒めてあげることで、子どもなりの達成感や満足感が味わえるようになります。
魔の2歳児とは、単にイヤイヤ期が始まるというだけではなく、他にもさまざまなことが重なり合うことで「魔の2歳児」という言葉が使用されています。
赤ちゃんから1歳児の頃は歩き始めの時期であり、よちよちといつもママやパパのすぐそばで遊んでいることがほとんどです。
しかし、2歳になると徐々に活動量や行動範囲が広くなり、それと同時に体力もつくことでお昼寝が難しくなってしまう子どももいます。
しかし、子どもが満足するくらいの運動遊びを考えて実践すると今度は親の方の体力が持たず、夕方には疲れてへとへとになってしまうという方も多く存在します。
2歳児は言葉の量がぐんと増える時期であり、赤ちゃんの時期には1~2語文であったものが3語文に増えていきます。
同じ時期にイヤイヤ期にさしかかってしまうので自分のしたいことを言葉や指差しで行う場面がこれまでよりずっと多くなってきます。
しかし、まだまだ自分がやりたいことやしたいことを上手く言葉で表現することが出来ず、伝わらないことで癇癪を起してしまう子どももいます。
また、両親も上手く気持ちを汲み取ることが出来ず、お互いに疲れてイライラしてしまう時期でもあります。
「魔の3歳児」
魔の2歳児が終わり、そろそろ反抗も少なくなってきて落ち着いてくるはず、そう思った矢先に始まるのが「魔の3歳児」です。
3歳児になると意思疎通もスムーズにでき、子どもも出来ることが増えていくため、子育ても楽になってくると思いきや、3歳児は一段と反抗が増え、むしろパワーアップしてしまうのです。
そのため、3歳児は「魔の3歳児」「悪魔の3歳児」と呼ばれるのです。
【3歳児の生活習慣】
・歩く、走る、蹴る、跳ぶ、押す、引っ張る、投げる、転がる、ぶら下がる、またぐなどあらゆる動きを習得する
・滑り台やブランコなど大型の遊具もこなす
・大人の真似やごっこ遊びが盛んになる
3歳になると片足立ちつま先立ちや片足ずつ交互に出しながら上手に階段を上るなど、さまざまなことが器用に出来るようになります。
また、人や動物などの簡単な絵が描けるようになったり、ボタンをかけたり外したりがほぼ一人で出来るようになります。
そして、はさみも上手に使えるようになり、三輪車のペダルもこげます。
【言語力】
・絵本のストーリーが理解できる
・少し長い絵本を読む
・なぜ、どうしてなどと質問攻め
3歳児は何でも興味を示し、「どうして?」「なぜ?」など質問が増えてくる年齢です。
「どうして空は青いの?」「なんで雨が降るの?」などと簡単には説明できないような難しい質問もたくさんしてきます。
【人との関わり方】
・「こんにちは」「ありがとう」「おやすみなさい」など日常の挨拶が出来る
・相手の目を見て話したり聞くことができる
・「ふかふか」「ざらざら」などの物の機能を具体的に表現することが出来る
・衣服の着脱や排せつ、食事や手洗いなど身の回りのことを自分でしたがる
・身近な人の顔を覚えて一緒に過ごすことに楽しさを覚える
・自分のしたいことをしたり、好きな場所で遊ぶ
・言葉に興味を持って喜んで話を聞こうとする
・絵本や紙芝居などを喜んで聞く
・自分のしたいことをわかっておらえるように表現する
・知っている歌を歌ったり、簡単な手遊びをする
2歳までの小さな子どもは言うことを良く聞いて、素直な傾向があります。
しかし3歳になると子どもは自我がよりはっきりしてきて、言うことを聞かなくなります。
しかし3歳の子どもが言うことを聞かないのはしっかりとした原因があります。
3歳の子どもが言うことを聞かないのは「第一反抗期」と呼ばれる時期にあたるからです。
反抗期といえば思春期に迎える第二次反抗期が有名ですが、子どもが小さいうちの自我が芽生えたばかりの3歳児にも反抗期が存在します。
小さかった子どもが育つことで自己主張するようになり、ママやパパ、大人に対して自分の意思を言って逆らうようになることから「第一反抗期」と呼ばれるようになりました。
3歳の子どもは身体が育つとともに心も成長し、それに伴って「これをしたい」「あれをしたい」「あれが嫌」といった自我が強くなります。
子どもには子どもの意思があり、やりたいことがあればやりたくないこともあります。
成長に伴って自我が強くなってきたことで好悪の感情をより表現しやすくなっているのです。
3歳の子どもは時にはママやパパの行動を真似してみたり、逆らったりすることで親との関係性を構築しようとしています。
子どもがいたずらをしようとしている時に親の方を気にしてチラッとこちらを見てくるのは親の反応が気になるからです。
親が自分のことを受け入れてくれているのか、こんなことをしたら親はどんな反応をするのかなど様子を見ながら無意識にさまざまな行動をしてしまうのです。
魔の2歳児や悪魔の3歳児という言葉があるように、2、3歳児とはイヤイヤ期や第一反抗期によってさらに大変な状況となります。
イヤイヤ期が始まる年齢でもある2歳がようやく終わり3歳児に突入すると、全てがダイナミックになります。
3歳児の動きは2歳児の時に比べると子どもの知識は驚くほどに増え、思考力もぐんぐんと伸びます。
以前よりも自分の思ったことを自分の思ったように表現することが出来、さらにはどこからか得てきた大人っぽい言葉も使うようになります。
良く言えば「成長している」と言えますが、悪く言うと「生意気」となりママやパパをイライラさせてしまったり、より疲れさせる年齢と言えます。
また、3歳児と2歳児の違いは体力面でも大きく現れます。
3歳になると非常に体力がつき、1年前の倍以上の距離を元気いっぱいに歩くことが出来るようになります。
そして、泣きつかれるまでの道のりも倍以上となり、暴れ疲れるまでの時間も倍以上となります。
泣くことにも暴れることにも体力が必要ですが、その体力がしっかりと備わっているのが3歳児の特徴なのです。
魔の2、3歳児は永遠には続かず、必ず終わりが来ます。
しかし、ママやパパにとっては永遠と感じてしまうほどつらく苦しいものですよね。
そこで、魔の2歳児、悪魔の3歳児のイヤイヤ期や第一反抗期の対応の仕方を詳しくご紹介いたします。
【魔の2歳児の対応の仕方】
イヤイヤ期に大人がイライラさせられてしまう原因の一つが時間です。
特に朝はサッと準備を終わらせて家を出たいのに、「ご飯を食べたくない」「靴下や靴を自分ではきたい」などと主張をし、やってあげようとするとイヤイヤが発動してしまいます。
そして、イヤイヤが始まってしまうと余計に時間がかかりママやパパは疲れ果ててしまうのです。
この問題を解決するためには時間に余裕を持つことが重要であり、家を出るには何分かかるのかを見込んで計算をすることで、スムーズに家を出ることが出来ます。
さまざまな場面で想定の倍以上は時間がかかると想定して行動することでママやパパは行動することにも心にも余裕が出来、イライラする回数を減らすことが出来ます。
魔の2歳児と言われる期間にイヤイヤ期が発動した場合は、とにかく時間に余裕を持って行動することを心がけましょう。
急いでいる時こそ子どもに「自分でやる!」と言われると「時間がないからママパパがやるね」「今度ね」と自分でやらせずに手を出したくなってしまいます。
自分でやりたいと思っているのにママやパパに手を出されたら子供は泣いて暴れてしまうことも少なくありません。
その結果、やってあげることも出来ず、時間だけがどんどん過ぎていき、無理やりやってしまったことで子どもは不機嫌になり、いつもできていたことをやらなくなってしまうのです。
そのため、急いでいる時に「自分でする」と言われたらとりあえず自分でやらせてあげましょう。
急いでいる時はママやパパも余裕がありませんが、子どもには理解が出来ず不機嫌になることで倍以上の時間がかかってしまいます。
まだ自分で出来ないことであっても、まずは自分でやりたいという気持ちを受け入れて、途中で「ママパパがやってもいい?」「手伝ってもいい?」というように声掛けをしてみましょう。
子どもが自分から「ママパパにやってもらいたい」という気持ちになるよう上手くできなくてイライラし始めそうなタイミングを見計らうのがコツです。
子どもに「○○して」と声をかけるとほとんどの確率で「イヤだ」という返答が返ってきます。
そのため何かをやらせたい時には「自分でやるのとママパパがやってあげるのどっちがいい?」と誰がやるのかというように言い換えて質問してみましょう。
イヤイヤ期の子どもにとって大切なことは自分で選んだということであり、「○○しなさい」「ママパパがやってあげる」と伝えてしまうことで「イヤ、良い」の2択となってしまい子どもは「イヤ」と言いがちになってしまうのです。
しかし「自分でやるか、ママパパにやってもらうか」の2択を与えると、自分でママやパパにやってもらうことを選んだということに満足し、無理やりやってあげようとするよりもスムーズに受け入れてくれることが多くなるのです。
ポイントはどちらも「やってほしいこと」にするか「自分でやるかやってもらうか」の選択肢にしておくことで失敗せずに促すことが出来ます。
ママやパパがあれこれ対策を立てても2歳児のイヤイヤ期はどうしてもイライラしてしまいます。
特にひどいイヤイヤ期に陥ってしまい、どこでも構わず寝そべってイヤイヤしてしまう時はいつも冷静なママやパパでもイライラが増してしまいます。
イヤイヤ期の子どもと接していてイライラしてしまった場合はまずは深呼吸をしましょう。
子どもが危ない状況であれば、少し離れた場所にいても心配ありません。
ママやパパのストレスが溜まり、子どもにあたってしまっては余計に悪い方向に進展してしまうだけです。
鼻から息を吸い、口からゆっくりと息を吐き、リラックスすることを心がけましょう。
家の中でイヤイヤが発動してしまい、イライラして怒ってしまいそうな場合は子どもを泣かせたままでもいいので、トイレや部屋に行って一人になる時間を作りましょう。
何十分も何時間も離れてしまうのは危険ですが、5分程度離れるのは安全性が確保できているなら問題ありません。
子どものイヤイヤがひどく、手が出そうになってしまった時に落ち着く時間を作ることはとても効果的です。
息が詰まりそうで、頭がおかしくなりそうなときは別室に一人で行き気持ちを落ち着かせましょう。
ママもパパも一人の人間であり、完璧でもなく、日々成長しています。
そのため、イライラしてしまうことは悪いことではなく一生懸命頑張っている証拠なのです。
イヤイヤ期は子どもの心の成長にとってとても重要なことであり、必要不可欠なものです。
自己主張をし、自分でやろうとする気持ちとすべきことの折り合いをどうつけていくかや我慢を覚えるということにも繋がってきます。
イヤイヤ期の真っ只中には、とにかく早く終わって欲しいと思うものですが、イヤイヤ期は面倒な時期ではなく、子どもの成長を強く感じられる貴重な期間なのだと考えを変えて対応するようにしましょう。
子どもがイヤイヤしている姿を見て「自己主張できるようになってきたってことは順調に成長している証拠だ」などと思えるようになったらママやパパにとってもこの時期を楽しいものと感じられるようになります。
【悪魔の3歳時の対応の仕方】
魔の2歳児が終わり、次の段階となる「悪魔の3歳児」ですが、魔の2歳児と悪魔の3歳児とでは大きく対応方法が変わるわけではありません。
しかし、出来ることも増え、考え方も変わってくる3歳児には3歳児なりの対応方法があります。
2歳児の対応方法と同じで、3歳児に対応する際も時間に余裕を持って行動するようにしましょう。
朝は少し早めに起こす、お出かけをする際は事前に準備を終わらせておくなど、余裕を持って行動することでママやパパのイライラが軽減されるだけでなく、子どもにも時間の大切さを教えることが出来ます。
「この時計が7を指したら7時だから、それまでに着替えようね」などと時間のこともいれながら話すことで時間の間隔も身につけることが出来るだけでなく、時計の見方も学ぶことが出来るのです。
こちらの方法も2歳児の対応の仕方と同じです。
ママやパパが命令口調で言うと反抗期真っ只中の子どもは「イヤ」と全力で否定してきます。
そこで、「○○くん○○してくれない?」などと依頼形にしてみたり、選択肢から選ばせてあげましょう。
依頼形で言っても選択肢を与えてもダメな時は絵本を使うのをおすすめします。
子どもは絵本が大好きであり、あっという間に絵本の世界に引き込まれていきます。
絵本で伝える場合は「絵本で○○ちゃんが言ってたでしょ?」などと伝えると、乱暴な言葉を使っていた子どもには効果てきめんです。
この方法はママやパパに心の余裕や時間の余裕がないと難しいのですが、子どもと向かい合って目を合わせ、「ママは〇君の話を聞いているんだよ」と優しく声掛けをすることで、子どもは喜びます。
耳を傾けているけれど、目を合わせないというのは子どもからすると自分が中心ではないという気持ちになってしまいます。
子どもがよく「お母さん、こっち見て」というのはそういった気持ちから来ています。
この方法も2歳児に対応する際と同じであり、子どもが泣き止まなかったり、暴れている場合は子どもの安全を確保してから一旦その場から離れましょう。
そして深呼吸をして心を落ち着かせることが大切です。
また、パパや他に頼れる人がいる場合はその人に子どもを預けて気分転換に出かけることもおすすめします。
子どもと離れ心を落ち着かせることで、ママやパパのストレスも軽減され、気持ちを入れ替えて子どもと接することが出来ます。
魔の2歳児も悪魔の3歳児も、子どもにとっては重要な成長段階であり、ママやパパにとっても貴重な期間です。
イライラしてどうしようもなくても、この反抗期を「ここまで主張できる年齢になったんだ」などととらえることで嬉しいことにもなります。
一生の中のたった数年の貴重な時期です。
この大切な期間にしっかりと向き合って充実した時間になっていくようにママやパパで協力していきましょう。