男性の育児参加。「性」ではなく「個」の時代へ

2022年3月11日

育児参加

育児参加の意識。時代は変化している。

男性の「育児参加」。日本は他の先進国と比べて男女格差がまだまだ大きな国ですが、徐々に男性の育児参加が求められる時代へと変わっていき、最近は実際に自ら育児参加を希望し育児休業を取得する男性も増え始めてきました。

私の周りでも、産後数日~1週間程育児休業を取得する男性や、子どもが病気の際に父親が保育園のお迎えや看病の為に仕事を早退、遅刻をする方もいましたし、中には子どもが生まれてから時短勤務→正社員からパートへ雇用形態変更→最終的には退職して専業主夫になった、という男性もいました。

昔は性別による向き・不向きが決めつけられ、男性は外で働き女性は結婚をしたら家庭を守り家事と子育てに専念する事が当たり前の時代でしたよね。男女平等と言われながらも、このような思考はまだ現代でも根強く残っているようにも思います。

先述したような”積極的に育児に関わる男性”の多くは20代~30代の若い世代です。私が思うに、この世代の男性というのは自ら家事もこなしますし「結婚後も女性に仕事を続けて欲しい。」と夫婦共働きを希望している割合が多い。

また女性側も専業主婦を希望する方は減り、自分のキャリアも大切にし、仕事と家庭の両立を希望する世代。

つまり以前のような男だから、女だから、ではなく、個人としての得意、不得意や希望の生き方を尊重し選択することが重要と考えるように、日本人の意識も変化しているのでしょう。

男性の育児参加で未来が変わる

2010年に厚生労働省が「イクメンプロジェクト」のサイトを開設。今から約10年前に政府としても男性の育児参加を促すよう、国の施策として動き始めていました。

育児に参加したい男性と社会で活躍したい女性が若い世代で増えても、それを取り仕切る社会や企業のトップは古い世代。制度として育児休業が存在していても、実態は取得しずらい雰囲気や取得することで嫌がらせ、昇進させない等といったリスクを暗黙の了解で課し、取得できない環境にあることも少なくありません。

2020年に内閣府が行った調査でも、全体の男性従業員の育児休業取得率は12.65%と2割以下にとどまり、取得希望がありながら何らかの理由により取得できなかった男性従業員の割合は約3割に上るというデータがあります。

そこで国をあげて男性の育児参加を促進し、2021年6月には育児・介護休業法を改正。新たな制度として「産後パパ育休」が創設されたのです。

イクメンプロジェクトでは、男性の育児参加に関する世論調査やセミナーやイベントの実施、情報の発信、イクメンを推進する企業を表彰するイクメン企業アワード、部下の育児参加を応援し職場の調整を行う管理職や上司を表彰するイクボスアワード等、ユニークな取り組みを行っており、既に全国の企業や個人がホームページでも紹介されている状況です。

私もどんな企業が受賞しているのか興味深くチェックしています。

具体的に社名や個人名が出ることで、男性の育児参加の支援の必要性や、言葉だけでなく実際に実行している会社が増加していることを実感することが出来ます。

サイトのページについてもデザイン性も高く、幅広い世代の方が分かりやすい物になっており取っつきやすいのもポイント。

男性が育児休業や育児参加がしやすい職場や社会になることは、何も母親の家事や育児の負担が減るだけでなく、少子化や労働人口減少といった日本の持つ大きな問題の解消にも有効です。

子育てに関連して起こる育児ノイローゼもやはり子どもと接する時間の長い専業主婦が罹患する確率が高く、男性と家事、育児を分担することで子どもと離れ妻も仕事をした方が、家族の関係や経済面そして日本の社会ともに想像する以上のメリットが大きいのかも知れません。

私自身、夫が少し子育てに協力的になったことで心に余裕が出来、保育園に入れて働き始めました。結果、やはり母としてだけではなく社会に参加しているという一人の社会人としての自分も取り戻したようで本当に良かったと思っています。

よく、育児休業を取得できない理由に収入が減ってしまうという意見があげられます。しかし家庭の生活の状況にもよりますが、やはりそれも男性が収入のすべてを請け負うのではなく、経済面も女性と分担するという意識を男女ともに持つことが更に男女平等な共同参画社会に近づく為に必要なのではないかと思います。

前の記事へ

家事や子育てにおける男女格差、感じてますか?

次の記事へ

ダメと言わない育児

関連記事

詳しく見る