子どもの脳の発育には遊びが最適

2022年5月6日

子育て

第一章 子どもの脳の発育に遊びが必要な理由

子育てをするなかで、子どもの脳の発育について気になる人は多く存在します。

実は子どもの脳の発達には「遊び」が必要不可欠なのをご存じですか?

大人にとってはなんてことない遊びでも、遊ぶことによって子どもは頭を使い、思考する力や記憶する力、コミュニケーション能力など、多くの力を発達させるのです。

慣れない育児で大変なのにもかかわらず、毎日子どもとの遊び相手をするのは疲れ果ててしまいますが、子どもにとって遊びが脳の発育に関係するとなれば、ママやパパも遊びの重要性を理解することが出来ます。

【子どもにとっての遊びとは】

子どもにとって遊びとは心身の成長に欠かすことが出来ず、食事や睡眠、排泄と同じくらい重要なことなのです。

子どもや年齢や脳の発達に合わせてさまざまな遊びを取り入れていきます。

その経験のなかで、怪我をしたり傷ついたり、時には失敗をして多くの経験をします。

怪我や失敗をすることで、次は失敗をしないようにと一生懸命考え、行動し、子どもなりに解決策を見出します。

この行動こそが子どもの脳を育てるためになによりも重要なのです。

大人から見ると遊んでいる子どもはただ遊んでいる様に見えます。

しかし、子どもは遊びの中から生きていくうえで大切なことを学び、獲得していきます。

そのため、大人が子どもと遊ぶ際は何となく遊ぶのではなく、子どもにとって遊びは重要なのだと理解をし、子どもの能力を伸ばすためにはどんな対応が適切なのかを考えながらコミュニケーションをとるようにしましょう。
遊びは子どもの発達に大きく影響し、脳や身体を発達させるだけでなく、創造性や柔軟性、自発性も身に付きます。

そこで、遊びが与える子どもへの影響を詳しく説明いたします。

① 脳や身体を発達させる

遊ぶことは心身の発達に大きな影響があります。

鬼ごっこなどの身体を動かす遊びであれば、走ることで体力の向上や体を機敏に動かす力、瞬発力や判断力などを鍛えることが出来ます。

さらにルールを守って遊びを楽しむことで社会性を身につけ、コミュニケーション能力を高めていくことも可能です。

ただ体を使うだけの遊びに見えても、子どもの脳はさまざまなことを吸収します。

走ること、たっちすること、ぶつかって転ぶことなど、これらは生きていくことでとても大切なことであり、役立つ力なのです。

② 創造性や柔軟性などの感受性を育てる

子どもの遊びは独創性や柔軟性を育てることにもよい影響を与えます。

子どもはときに大人が考えつかないような突拍子もないことを発想しますが、これは子どもの脳が柔軟で創造性に溢れているからなのです。

創造性や柔軟性を養うためにはとにかく子どもに自由に遊ばせることが大切であり、最初から大人の真似をさせたり、ルールで厳しく縛り付けてしまっては独創性や柔軟性は育ちません。

独創性や創造性、柔軟性は大人になってから得ようと思っても得られるものではありません。

幼少期からさまざまな遊びをして、さまざまなものに触れ、さまざまな考え方をすることで大人になってもこれらの力を発揮することが出来るのです。

③ 自発性や社会性が身に付く

子どもはたくさん遊ぶことで自発性や社会性を身につけることが出来ます。

遊びと似た言葉で「娯楽」がありますが、遊びと娯楽は自発性があるかどうかという点で変わってきます。

遊びは日常的なものであり、その知識は日々蓄積されていきます。

継続性があり、日常の中で遊びを見つけていくことができるのです。

しかし、娯楽は非日常的なものであり、そこで得たものは蓄積されるのではなく消費されていきます。

暇つぶしや娯楽のためにわざわざ時間を作る必要があり、継続的なものではないのです。

遊びは子どもの「やってみたい」「遊んでみたい」という気持ちから始まる自発的なものであり、娯楽のような受動的なものとは別物なのです。

遊びと娯楽を一緒に考えてしまい、娯楽であるテレビや電気仕掛けのおもちゃばかりを与えていると子どもの自発性を育てることが出来ず、与えられるものを受け入れるだけの人間となってしまいます。

娯楽も時には必要ですが、基本的には子どもの自発性を大切にした遊びを重視するようにしましょう。

遊びは子どもの心身や脳の発達に重要な役割があり、必要不可欠なものです。

そこで次に、遊びを行わなかったことで起こり得る子どもへの症状をご紹介いたします。

【遊びをしないことで起こる症状】

① 自分の体を捜査する基本的な能力の低下

靴紐が自分で結べない、スキップが出来ないなど、自分の体を操作する基本的な能力の低下が起こります。

昔は子どもが外で遊ぶことが普通でしたが、現代は都市化が進み、周りには住宅街や車の通りが多い道路が増えたことで危険な場所とされることや、近所迷惑になるといった観点から子どもが外で遊ぶ機会が減っていることが原因となっています。

② 生活習慣病の増加やストレスに対する抵抗力の低下

幼少期から小学生にかけての遊びや運動の機会が減ることによって、子どもたちが大人になってからの生活習慣病の増加やストレスに対する抵抗力の低下などを引き起こすことや、社会への活力が失われることが懸念されています。

子どもの心身や脳の発育には遊びが重要ですが、子どもの年齢によって遊びが与える影響は異なります。

そこで、遊びが与える子どもへの影響を年齢別に詳しく紹介します。

【生後3か月~9か月】
生後3か月~9か月の子どもたちは主に知覚、社交、言語、身体の4つの重要な要素の発達を経験します。

この時期の子どもたちの脳は普段の生活の中であまり使わない神経を排出していくことによって発達していきます。

言い換えればこの8か月間は子どもたちの脳の中でその神経が残って、どの神経が捨てられてしまうかが決まってしまうとても大切な時期です。

そのため、この年齢の子どもたちには外遊びと1対1の人間関係形成を出来るだけしっかりと体験させることが重要になります。

子どもたちが成長していくうえで必要な脳神経をしっかりと残してあげる為にも外遊びを促してあげましょう。

【生後10か月~14か月】
乳幼児期から幼児期に変化する生後10か月頃は、子どもたちの好奇心はどんどん増していきます。

それと同時に動きも冒険心もどんどん激しくなり、子どもたちは少しずつ自分たちの世界を広げていくようになります。

この時子どもたちは自分たちの環境を知る為に遊びの中で味覚や嗅覚、手で触れた感触などを存分に使おうとします。

また、この時期の子どもたちは自分の周りにいる人たちのことも少しずつ認識できるようになり、ハグをすることや順番を守ることで良い関係が築けることを学びます。

このように五感を目いっぱい子どもたちが使う時期だからこそ、刺激がたくさんある外の世界に出してあげることが重要なのです。

【生後15か月~24か月】
生後15か月~24か月は子どもたちが足だけでなく手や頭を使って何かをすることを覚え始めるとても大切な時期です。

15か月~18か月の子どもたちは好奇心がより旺盛になり、「遊びたい」「試してみたい」といった気持ちが身体から溢れます。

このように新しいことに触れることへの喜びでいっぱいのこの時期の子どもたちにとって、外遊びは考察力、想像力、創造力の発達の促進において大変大きな役割を果たします。

【2歳~3歳半】
2歳~3歳の子どもたちは決まりのない、自発的な遊びをするのが大好きです。

一見ただはしゃいでいて何も学んでいないように見えるかもしれませんが、実はこの自由さも子どもにとっては脳発達を促すのにとても大事なのです。

子どもたちが自分たちの世界に浸って、自分で考えた外遊びをする行為は、子どもが健康に成長するうえで必要な脳の基盤と構造をしっかりと固める役割を果たします。

また、この時期の子どもたちにとって身体全体を使って動き回ることの大切さは計り知れず、定期的に子どもたちが身体全体を動かすことの出来る機会を作ってあげることで、子どもたちは外遊びのメリットを最大限に引き出すことが出来るのです。

第二章 子どもの脳の発達を促す遊び方

子どもの脳の発達には遊びは欠かせません。

育脳とは、脳のシナプスの生育がピークを迎える生後から3か月くらいまでの間に。適切な刺激を与えて脳を育むことを言います。

子どもとの遊びは、ただ単に適当に遊ぶのではなく、年齢や性別によっても遊び方は異なり、それぞれの年齢で求められることをママやパパが把握しておくことで育脳に役立たせることが出来ます。

【脳の発達に大切なこと】

① 0歳

0歳は脳も身体も大きく発達する時期なので、生後すぐの赤ちゃんに備わっている「原始反射」を利用することが大切です。

原始反射とは、ある刺激に赤ちゃんが自分の意志とは無関係に反応する動きをさします。

また、積極的にスキンシップをはかるようにして、赤ちゃんに安心感や信頼感を育み、右脳の発達を活性化させることが重要です。

② 1歳

1歳になると自我が芽生え始め、同時に言葉を発するようになるため、コミュニケーションが取れるようになってきます。

この時期には子どもたちの好奇心を刺激するようなものを生活の中に取り入れていくことが重要です。

③ 2歳

2歳になると、1歳のころよりも言葉や行動が多様になり、考える力も身についてきます。

そのため、想像力を活かした遊びにも興味を持ちだします。

また、手先も器用になってくるため、折り紙などの指先を使う遊びもし始めます。

④ 3歳~7歳

3歳~7歳は思考を司る大脳皮質、運動機能を司る小脳が発達する時期です。

そのため、この時期には会話能力や語彙力が格段に上がり、手先を使った細かな動きや、ダイナミックな動きなども出来るようになります。

大人と会話をすることはもちろん、幼稚園や小学校などで友達と関わることも大きな刺激となります。

子どもの年齢によって出来ることや必要なことは異なり、子どもの年齢に合わせた遊びを取り入れることが大切です。

そこで、子どもの年齢別に脳の発達を促す遊び方をご紹介いたします。

【0歳】

① 生後0か月~3か月

新生児期から3か月頃の赤ちゃんには、見て、触れる遊びを取り入れましょう。

・音のするおもちゃで赤ちゃんの目を追わせる(追視)
・赤ちゃんの目を見ながら声をかけて脳を刺激する
・ママの指を握らせる(把握反射)

物を目で追うと言う追う追視は寝がえりをうつきっかけになったり、起き上がって物を見るという動機付けに繋がります。

おもちゃを使用して目で追う範囲を広げていく工夫をしたり、上体を起こしてあげたりと赤ちゃんの脳を刺激してあげましょう。

② 生後4か月~5か月

この時期の赤ちゃんは好奇心や探求心が育てる神経回路が発達し始めます。

個人差はありますが、首がすわり始めたり、寝がえりができるようになると動くものを目で追うようになり視覚感覚も高まります。
・おもちゃを赤ちゃんに目で追わせる
・手やタオルを使って「いないいないばあ」
・抱っこしてゆらゆら揺れる(平衡感覚を鍛える)

赤ちゃんが音の鳴る方向を見ると言う行動は首を動かしたり、視野に入った物を掴もうと手を伸ばしたりと次の行動に繋がります。

赤ちゃんが見たい物を見るために顔をあげることで首がすわるという発達に繋がります。

音が鳴ったり、光るおもちゃを使用して赤ちゃんの興味をひき、発達へと導いてあげましょう。

首がすわり、手を伸ばし、物を掴むという発達の段階を上手に引き出してあげることが大切です。

また、抱っこで揺れる場合は縦抱きや横抱きなどさまざまな抱き方を赤ちゃんに体験させてあげることで、視野だけでなく動きも感じ取ることができるのです。

感覚運動遊びを取り入れてあげることで、次の段階のハイハイに繋げてあげましょう。

③ 生後6か月~8か月

この時期の赤ちゃんはお座りができたり、早い赤ちゃんでハイハイをし始めますます好奇心が旺盛になる時期です。

それと同時に頭で考えて行動するようになるので、なるべく自由にさせて好奇心を育てることが大切です。

また、ママやパパ以外にもさまざまな人と遊ぶことで社会性を身に付けます。
・おもちゃの音を鳴らす
・鏡を見せて自身の姿を見せる
・おもちゃを使って伝い歩き
・絵本を一緒に読む
・紙を破る、ちぎる

絵本を読むことは言語、視覚、聴覚などさまざまな部分を刺激されます。

さまざまな絵本を一緒に読むことで、登場人物の気持ちに寄り添う共感性も養われるため習慣づけることをおすすめします。

お座りができるようになると、両手が自由になり器用に使うことができるようになります。

赤ちゃんが自ら叩いて音がでるなど、少しの動きで音が鳴るような遊びがおすすめです。

音が鳴ったり、光ったりと力を加えることで作用することを学び何度も挑戦するようになります。

④ 生後9か月~1歳

この時期は身体を動かすことが活発になるので、脳の動きがますます盛んになります。

言葉や目で意思の疎通をはかる練習も重要であり、背中や腰を鍛えて歩くようにする練習も効果的です。

また、この時期はたっちやハイハイを取り入れた遊びをすることで、赤ちゃん自身に見えてくる景色が広がり大きく変化します。

・積み木遊びや物を高く積み上げる遊び
・輪投げ
・色のついたボールでキャッチボール(色彩感覚)
・大きい物と小さい物を比べる

この時期はさまざまな物がはっきりと見えるようになり、自分がしたいこととそれによる結果の因果関係を理解し始めます。

その為、積み木などを使用して、図形や空間などの基礎を自然に体験できるようにしてあげることで、空間認知力の発達を促します。

【1歳~2歳】
体を動かすようになってくるこの時期は、しっかりと歩けるようになり、脳の動きもどんどん活発になっていきます。

手を繋いで少しずつ歩く距離を伸ばしていく、補助をしてでんぐり返しをさせるなどと、背中や足腰の筋肉を徐々に鍛えていくことが大切です。

【2歳~3歳】
この時期になると、立つ、座る、転がるだけでなく、飛び跳ねるといったように、さまざまな運動が出来るようになります。

また、好奇心も増す一方であり、散歩に連れて行き、さまざまな形や色に触れさせてあげましょう。

その他にも、おままごとやボタンかけのように、指先を動かして物に触れさせ、脳に刺激を与えることも大切です。

3歳になると自分の気持ちを言葉で表せられるようになり、理解できる言葉も増えます。

そのため、一緒に歌を歌ったり、数を取り入れた遊びをしたり、絵本を読んだりしながらさまざまな感性を伸ばしてあげましょう。

【3歳~7歳】
3歳から7歳は運動能力が高まる時期なので、縄跳びやキャッチボールがおすすめです。

どう飛べば縄に当たらないのか、どう動けばボールに当たらないのかと考えながら動くことで運動能力だけでなく、空間を捉える力も身に付きます。

また、正しい姿勢を学ぶことも重要であり、腰を立て背筋を伸ばして座ることは集中力のアップ、身体のバランスが保たれる、やる気が高まるなどの効果があります。

育脳をするうえでは、男の子と女の子で脳の個性と育ち方が異なります。

たとえば、女の子の方が言葉を流暢に操る傾向があり、指先の器用さにも長けています。

一方で、男の子の場合は異なった角度から図形を見た際に、同じ図形がどれにあたるかを探すといった空間能力があります。

男の子と女の子とで得意な作業が異なるのは脳の性質が異なる為であり、男の子の場合は地図を読んだり、平面から立体を想起したりするための能力を司る右脳が発達すると言われています。

また、女の子は左脳が発達していく傾向にあり、左脳は言語を司るため、言葉の発達も早くなると考えられています。

第三章 子どもと遊ぶ際のポイントや注意点

子どもとの遊びは脳の発達を促すだけでなく、さまざまな能力も引き立たせます。

日々めざましく成長していく子どもたちは、出来ることが徐々に増えていき「可能性の塊」とも言われています。

特に、人が持つ才能をもっとも多く引き出せるのは0歳の時と言われていて、0歳児の赤ちゃんには適切な大人の関わり方が重要とされています。

そこで、子どもと遊ぶ際や接する際のポイントや注意点を年齢別にご紹介していきます。

【生後0~12か月】

遊びから受ける刺激は赤ちゃんの体や脳、心の発達を促します。

一緒に遊んであげることでママやパパとの絆も深まるため、子どもとの遊びは重要なのです。

① 安全を確保する

楽しく遊ぶためには、何よりも安全第一です。

誤飲を防ぐために小さい物は赤ちゃんの手の届かないところにしまったり、転びやすい赤ちゃんが頭を打たないように机やテーブルの角にはガードを付け、フローリングの床にもプレイマットを敷いたり、尖ったものはないかなど気を付けなければいけないことはたくさんあります。

また、赤ちゃんはコードなどの危ないものが大好きなので、周囲にコードなど危険な物がないかも注意してください。

② ママやパパが楽しむ

ママやパパが笑うと赤ちゃんも笑顔になります。

赤ちゃんと遊ぶことを義務だと気負ってしまうとママやパパのストレスとなってしまうので、遊ぶときは家事や仕事のことは忘れて思いっきり遊ぶことを楽しみましょう。

③ 体を使って遊ぶ

歌に合わせてダンス、こちょこちょ遊びやママやパパの膝を滑り台にしてみたり、いないいないばあや手遊びなど、体を使う遊びは無限大にあります。

体を使って赤ちゃんとたくさんスキンシップをしてあげましょう。

④ 赤ちゃんの興味を優先する

大人では思いつかないような遊びを赤ちゃんは始めます。

その際は好きなようにさせてみて、それに付き合ってあげましょう。

【1歳~】

子どもは1歳になると個人差はあるものの早い子では歩きだす子もいます。

そのため、0歳児の際は室内遊びが中心であったのに、1歳を過ぎると室内遊びではなく外遊びをする機会が増えてきます。

子どもは成長をしていくにつれて自然の中でのびのびと遊ぶようになり、体を動かす楽しさを味わいます。

また、体の機能の発達が促され、安全についての構えを身につける効果もあり、視覚、聴覚、嗅覚、触覚を使うことからさまざまな感覚が刺激されます。

① 熱中症

外遊びを行う際が夏場である場合は熱中症に気を付けましょう。

紫外線が強い夏場は必ず帽子を着用するようにし、水分の補給も定期的に行いましょう。

また、子どもの様子を常に把握し、体調不良のサインを見逃さないようにしましょう。

② 日焼け

夏場以外でも日差しにも注意が必要です。

子どもは大人よりも紫外線による影響が大きいと言われていて、砂場で遊ぶ際には日よけなどを作ってあげると子どもたちは安心して遊ぶことが出来ます。

また、夏場でも袖のある服や日よけに1枚羽織れる物を用意し、帽子はつば付きの物にするなどの配慮をしてあげましょう。

③ 虫刺され

外で遊ぶ際には事前に虫よけスプレーをしましょう。

④ 危険な場所の回避

危険な場所は事前にチェックをするように配慮をしましょう。

真夏の暑い時間は鉄棒やうんていなど鉄製遊具での火傷の危険性もあります。

また、不審者情報なども常に確認しておくことが大切です。

子どもとの遊び方はさまざまであり、年齢や遊ぶ場所によっても注意する点が異なります。

また、子どもとの遊び方はポイントや注意点を守るほかに、対話や関わり方は子どもの成長や発達に大きな影響を与えると言われています。

子どもと上手に関わっていくには、子どもの意思や思いを尊重した「応対的保育」と「応対的な関わり」が重要と言われていて、対応の仕方で子どもの脳の発達にも影響を及ぼします。

④応対的保育

応対的保育とは、子どもが周囲の環境に働きかけた際に返ってくる応答を重視して実践する保育のことであり、周囲の保育者(ママやパパ、保育士など)からの言葉がけや対話が基本となります。

幼児期の子どもの成長や発達を適切にサポートするためにも、ママやパパが応対的保育について理解を深めることが重要です。

応対的保育の質を高めるためには3つのポイントがあります。

① 子どもの声に応える
子どもは自分の言葉に周囲が温かく応えてくれることで自己肯定感や周囲に対する信頼を感じ取ります。

反対に、周囲から無視されたり否定的な言葉を受けたりすると自分は愛されてないと敏感に感じ取ります。

応対的保育を実践する場合は「子どもの声に応えてあげること」を保育の基本とすることが重要であり、子どもが周囲の保育者から愛情を感じることが保育の実践はもちろん人格形成の基盤となります。

まだ言葉を上手く話せない乳幼児期の子どもでも声を発している時は何かを主張したり、伝えている可能性があります。

応対的保育を実践する場合は、子どもとの信頼関係を築くためにも子どもの声に優しく応えてあげるようにしましょう。

② 子どもの思いに共感する
応対的保育は子どもの要望通りにしてあげることではありません。

対話を続ける中で時には嫌なことやダメなことを教えなくてはいけないこともあります。

この場合は、まずは子どもの行動や言動を認めたうえで共感してあげることが重要であり、子どもの気持ちを汲み取ったうえで正しいことを促したり、行動や考え方を修正したりします。

子どもは遊ぶことの楽しさを覚えるにつれて遊びに集中し、時にはママやパパの声に見向きもしないこともあります。

そんな時に「もう帰るよ!」「最後って言ったよね」などと子どものまだ遊びたい気持ちに共感せずに無理矢理帰ろうとすると、子どもは更にヒートアップします。

共感せずに命令したり否定すると子どもの思いを無視していることになるため、応答的な関りとは言えず、応対的保育を実践する際は子どもの思いに共感することを忘れないようにしましょう。

③ 子どもの発達に合わせて言葉がけをする
応対的保育は対話をすることが基本ですが、0歳から2歳の間は目の前の興味、関心があることに集中する傾向があるため、2つのことを同時に行うことが出来ません。

また、実際に手足を動かしたり人や物に触れたりといった体験を通して学ぶ時期でもあります。

応対的保育では0歳から2歳児の子どもが何かに集中している時に話しかけたり、興味関心の阻害となるような言葉がけは行わず、子どもの体験に対してサポートするような言葉がけを行います。

応対的保育はいくつかの注意点が存在し、注意点を無視して行うと子どもの成長を妨げたり、心を深く傷つけてしまう恐れがあります。
応対的な関りをする際には3つの注意点があります。

① 脅しの言葉を使わない
応対的保育を行う場合に脅しの言葉を使う人がいますが、絶対に使うべきではありません。

脅しの言葉を使うと、子どもは言うことを聴く傾向にあるため、一見対話が出来ている様に感じますが、大人におびえて従っているだけなのです。

子どもは大人の言っていることが本当か嘘なのかの判断がつかないため、一時的に言うことを聞きますが、いずれウソがばれると大人を信用しなくなります。

また、それらは対話で物事を納得させているわけではないため良い事と悪い事の区別がつかず、ダメな行動の理由を理解できません。

子どもと応対的な関りを行う場合は脅しの言葉は使わず、ポジティブな表現を使ったり、理由付けを行って対話を行いましょう。

② 物事を強制する言葉を使わない
物事を強制する言葉は明らかな脅しやネガティブワードではないため、つい使ってしまいがちです。

しかし、子どもがやりたくもないことを無理矢理強制してしまうと子どもは強いストレスを感じるだけでなく、自分の意思や考えを否定されたように感じてしまいます。

子どもが遊ぶ際にも、片付けを行わなかったり、遊びに夢中になって大人の言うことを聞かないことは多々あり、ママやパパはそのたびにいらいらしてしまい、結果として強制する言葉を使ってしまいがちになります。

応対的保育は、子どもの自己決定を尊重することが基本であり、物事を強制する言葉を使ってしまうと、自己決定の機会を奪うだけでなく脳の成長にもマイナスとなります。

③ 否定的な言葉を使わない
子どもと対話する時に、感情的な言葉使いで怒ったり、ネガティブな言葉で罵ったり、行動や人格を否定するような言葉をかけたりすることは厳禁です。

否定的な言葉使いをすることは、いじめや心理的虐待に近い性質を持ち、何度繰り返しても子どもたちは理解が出来ないため保育効果が期待できないだけでなく、子どもの心に深い傷を負わせてしまいます。

否定的な言葉を言われ続けた子どもは、心を閉ざして動けなくなってしまうだけでなく、大人に反抗するようになる場合があるのです。

言葉の使い方は心身だけでなく、脳にも大きな影響を与えます。

応対的な関りを実践する場合には、否定的な言葉やネガティブな言葉を使っていないか、確認し、子どもへの影響を考えた対話を行いましょう。

第四章 子どもの脳を発達させるためにやるべきこと

生まれたばかりの赤ちゃんはねんねばかりでしたが、首がすわり、寝返りをし、おすわりをしてハイハイをするなど、乳幼児期の赤ちゃんは目覚ましい発達をし、その源は脳であると言われています。

人間の脳は生まれた直後からすべての領域が一度に発達するわけでは無く、場所によって発達のピークが異なります。

子どもの脳を育てる為には、子どもの脳がどのように発達していくのかを知り、発達に応じてママやパパが適切な関りをしていくことが大切なのです。

【子どもの脳の発達の仕方】

子どもの脳の発達は、脳の後ろの部分から前の部分に向かって起こり、生後すぐに発達するのが「物を見る」=「後頭葉」と「音を聞く」=「側頭葉」とされています。

次に、頭頂葉にある感覚野と運動野が発達し、感覚野は手触りなどの感触を司り、運動野は身体の動きを司ります。

赤ちゃんが音のなる玩具に興味を示したり、生後半年ほどでママと他人の顔を区別できるようになって人見知りをしたり、寝返り、おすわり、はいはいが出来るようになるのも脳のこのような発達を知ることで納得が出来ます。

そのため、0歳から1歳ほどの赤ちゃん時代は視覚、聴覚、触覚がめざましく発達するので、子どもの顔を見て話しかけ、たくさん抱っこして親子で触れあうこと、読み聞かせを通してたくさん言葉を聞かせることで、脳もぐんぐん育っていきます。

脳の中で最後に発達するのが思考や創造性を担う前頭葉であり、前頭葉は小学生以降に発達し、その中でも判断したり、計画したり、コミュニケーションをとる働きのある前頭前野は10代以降も発達し続けると言われています。

前頭葉が健やかに育てば、日々の生活の中でさまざまなトラブルに遭遇しても判断力やコミュニケーション力などを駆使して、より高度な人間関係を築くことが出来るようになります。

また、子どもは視覚や聴覚、触覚などのあらゆる感覚が発達した1歳半から2歳くらいまでになると、脳のネットワークがはりめぐらされ、さまざまな物に興味を持ち始めます。
散歩の途中、道端にあるものを見つけ「お花」「葉っぱ」などと言ってきたときには好奇心に満ちてわくわくした気持ちで脳が活性化している時となります。

その際は「綺麗なお花だね」「葉っぱだね」などとママやパパが子どもの発見を受け止め、親自身が気づいたことを一言添えて言葉を返すことが大切です。

そうすることで、子どもはより想像がふくらみ、脳に良い刺激を与えることが出来ます。

また、好き嫌いが自分の判断で出来るようになる3、4歳になると、子どもが好きな物や興味のある物が載った図鑑を用意して親子で一緒に楽しみましょう。

これにより、子どもの中でバーチャルな知識とリアルな体験が結びついてわくわくした気持ちが「知ること」につながる喜びに感じます。

乳幼児期に育った知的好奇心は、何に対しても前向きに取り組む力や意欲の源となり、子どもにとって将来の心の大きな財産となるのです。

そして、子どもの脳の発達には十分な睡眠とバランスの取れた食事も重要です。

睡眠中、脳内では記憶の作業が進んでおり、十分に睡眠をとることで記憶に関わる脳内の海馬という部分が育つと言われています。

適正な睡眠時間には個人差がありますが、一般的には1~2歳の幼児期には1日11時間~14時間、5歳頃までは1日10時間~13時間ほどの睡眠が必要と言われています。

睡眠習慣は学童期の学業成績にも影響を与えるため、夜更かしはせず出来るだけ良質な睡眠が必要です。

食事で一番大切なのは朝食であり、子どもの脳は大人に比べて約2倍のエネルギーが必要であり、しっかりと朝食を食べることで脳が活動するのに十分なエネルギーを摂取することが出来ます。

また、褒められると脳の側頭葉と頭頂葉、前頭葉に変化が出ると言われていて、健やかな脳を育てる為には子どもをしっかりと見つめ、適切に評価することが大切です。

逆にいつも叱られてばかりだったり、体罰やネグレクトなどを受けていると子どもが委縮してしまい、脳の発達にも悪影響を及ぼします。

子どもが悪いことをしたら時には叱ることも必要ですが、叱ってばかりや叱りすぎると脳の成長に悪影響が出るだけでなく、心身にも悪影響を及ぼします。

子どもの脳の発達には、子供の成長に合わせた対応や、良質な睡眠、バランスの取れた食事が大切ということが分かりました。

【子どもの習い事】

子育てをするなかで、子どもの脳をより発達させるために習い事をさせたいと考える親は非常に多く存在します。

実は、子どもの脳を育てるための習い事は適切な時期が存在するのです。

「習い事を始めるのは早い方が良い」「色々な習い事をさせたい」など、ママやパパは我が子を思うがゆえについ熱心になってしまいます。

しかし、出来るだけ早く習い事をさせたり、出来るだけ多くの習い事をさせる必要はなく、子どもの脳の発達に沿って適した習い事をさせることが重要なのです。

① 0歳~

生後すぐに発達すると言われているのは視覚や聴覚、嗅覚や触覚といった五感の領域です。

この時期の赤ちゃんは親子の触れ合いがとても重要であり、赤ちゃんをぎゅっと抱きしめるなどの触れ合いを通じて愛着形成がされ、精神的にも安定した子どもに育つと言われています。

② 1歳~

この時期には絵本などの読み聞かせで日本語をたくさん覚えさせましょう。

生後6か月くらいから話せなくても言葉の理解が出来るようになり、日本語の文法も無意識に覚えていきます。
子どもはママやパパの声を聞くと安心するので、寝る前の読み聞かせが特におすすめです。

③ 3歳~5歳

運動脳の最も発達する時期であり、スポーツはもちろん、この時期に楽器を始めると器用さが身に付き、音感も養われます。

細かい音の聞き取りと言語の聞き取りは脳の同じ領域で行われるので、この時期にピアノやバイオリンなどの楽器を習った子どもたちはその後英語のリスニングが得意になる傾向があります。

④ 8歳~10歳

この時期は語学の能力が総合的に伸びる時期です。

外国語も効率よく習得できる時期なので、英会話を始めるならこの時期がおすすめです。

乳幼児期の英語教育にも関心が高まってきていますが、日本語の土台が作られてから英語を習う方が効率が良く、深い読解力も身につけることが出来ます。

⑤ 10歳~

小学校高学年から中学生にかけて、コミュニケーションを司る領域が発達します。

スポーツならチームプレー、音楽なら吹奏楽団など、同世代だけでなく大人や年下も含めて仲間と活動する機会を増やすことが大切です。

また、子どもの脳を発達させる際に習い事をさせる場合、下記のポイントをおさえておきましょう。

① 適した時期を逃しても慌てない
子どもの脳には習い事をさせるのに適した時期がありますが、その適した時期を逃しても焦る必要はありません。

脳は何歳になっても変化する力を持っており、習い事は何歳から始めてもいいのです。

ただし、伸びやすい時期というものはあるので、時期を逃してしまうとある程度のレベルに達するまでにより多くの努力が必要になります。

② すぐにやめてしまってもいい
ママやパパの意向とは反対に、子どもが習い事をすぐに辞めてしまうという可能性もあります。

1日でも長く習い事を続けて欲しいのが親の願いではありますが、大切なのは経験であり、すぐに辞めてしまっても経験をしたことに意味があるのです。

過去の経験が背中を押してくれることもあるので、子どもをよく観察し、興味を示したものは体験させてあげるようにしましょう。

一番避けたいことは「これをしなさい」と強要することであり、子どもに嫌々続けさせてしまうと逆効果となってしまいます。

脳は楽しんでいる時により活性化されます。

そのため子どもの脳を発達させるには遊びは欠かせないものであり、年齢に適した遊びを取り入れることが大切なのです。

しかし、脳に良いからと無理やり行うことは間違いであり、かえって脳にストレスを与えてしまいます。

子どもの脳の発達を促したい場合には、ママやパパも一緒になって楽しみ、子どもが熱中できる環境を作っていくことが重要なのです。

 

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