SICK 病気・病状の説明子どもがよくかかる病気
お子様がかかりやすい病気について
その症状や対策についてご紹介いたします。
「はしか」について
「はしか」の症状の特徴
「はしか」は、38度前後の発熱やのどの痛み、咳、鼻水、目の充血などの症状が現れ、一旦熱が下がった後に再び39.5度前後の高熱と全身に赤い発疹が現れるのが特徴のウイルス感染症です。症状は非常に重く、特に発疹が出ている「発疹期」には3~4日間にかけて高熱や強いのどの痛み、咳などの症状が現れるため、乳幼児では脱水状態になることも少なくありません。また、「はしか」は肺炎や脳炎などの重篤な合併症を起こしやすく、死に至るケースもあります。
一方、お母さんからの免疫が続いている生後7~9か月までの乳児やワクチンを接種したものの十分に抗体が形成されなかった場合には、感染してもごく軽度な症状しか現れないこともあります。しかし、症状は軽度でも周囲の人にはしかのウイルスを感染させることがありますので注意が必要です。
〈特徴的な症状〉
- 38度前後の発熱
- のどの痛み
- 咳
- 鼻水
- 目の充血
「はしか」の感染経路・かかりやすい季節
「はしか」は空気感染・飛沫感染・接触感染など様々な感染経路によって感染します。空気感染とは、空気中を漂うウイルスを同じ空間にいる人が吸い込むことで感染するものです。一方、飛沫感染や接触感染は、ウイルスが含まれた感染者の咳やくしゃみなどのしぶきを近くにいる人が口や鼻から体内に取り込んでしまったり、ウイルスが付着したものに触れることによって感染するものです。「はしか」のウイルスは非常に感染力が強いため、ほんのわずかな時間近くにいただけで空気感染することもあり、集団生活の場や公共交通機関などを介して大流行することがあります。
また、「はしか」は3~6月頃に流行することが多いですが、最近では季節を問わず海外からウイルスが持ち込まれることも多く、一年を通して感染する危険があります。
「はしか」の予防方法
「はしか」は空気感染するため、市販されている通常のマスクで予防することは困難です。飛沫感染や接触感染を予防する目的でマスクの着用や手洗いなどの標準的な対策を行うことも大切ですが、空気感染を防ぐことができない以上、感染してしまう危険は誰にでもあります。
「はしか」にはワクチンがあり、日本ではMRワクチンとして1歳を迎えた頃と年長学年の計二回の接種が定期化されています。ワクチンの効果は高く、2回接種を行えば、99%で抗体ができるとされています。対象年齢になったら忘れずに接種するようにしましょう。
また、感染者と密に接した家族などは、感染者との接触後72時間以内に緊急でワクチン接種を行うことで発症を予防することができます。「はしか」の予防接種を受けたことがない人で感染者と密な接触があった場合には、できるだけ早く医師に緊急接種について相談してみましょう。
〈予防のために行いたいこと〉
- マスクの着用
- 手洗い
- ワクチンの接種
「はしか」の治療方法
「はしか」は非常に重い症状が現れますが、根本的な治療方法はありません。発熱に対する解熱剤やのどの痛みに対する消炎鎮痛剤などの対処療法が主体となります。また、高熱やのどの痛みによる水分摂取不足によって脱水症状になった場合には、点滴治療が必要になることも少なくありません。
〈治療の際は〉
- 発熱に対する解熱剤、のどの痛みに対する消炎鎮痛剤などの対処療法
◆記事監修 医師(内科医) 成田亜希子 先生 2011年に医師免許取得後、臨床研修を経て一般内科医として勤務。公衆衛生や感染症を中心として、介護行政、母子保健、精神福祉など幅広い分野に詳しい。 日本内科学会、日本感染症学会、日本公衆衛生学会に所属。二児の母でもある。 |
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