SICK 病気・病状の説明子どもがよくかかる病気
お子様がかかりやすい病気について
その症状や対策についてご紹介いたします。
「アデノウイルス」について
「アデノウイルス」の症状の特徴
「アデノウイルス」には50以上ものタイプがあり、それぞれ現れる症状が異なります。子どもの間で流行しやすいのは、「咽頭結膜熱(プール熱)」と呼ばれるタイプのもので、39度以上の高熱、のどの痛み、目の充血を生じ、首のリンパ節の腫れや下痢、頭痛などを伴います。その他にも、重症な肺炎、角結膜炎、血尿を伴う膀胱炎、胃腸炎などの症状を引き起こすタイプのものもあります。
また、「アデノウイルス」は一度感染しても別のタイプのものに感染することが多々あるので注意が必要です。
〈特徴的な症状〉
- 39度以上の高熱
- のどの痛み
- 目の充血
- 首のリンパ節の腫れ
- 下痢
- 頭痛
「アデノウイルス」の感染経路・かかりやすい季節
「アデノウイルス」の感染経路は、いずれのタイプも飛沫感染と接触感染です。飛沫感染とは、「アデノウイルス」が含まれた咳やくしゃみのしぶきを近くにいる人が口や鼻から体内に取り込んでしまうことで感染するもので、接触感染とは「アデノウイルス」が付着したものを他の人が触れることで感染するものです。「アデノウイルス」は感染力が非常に強いため、集団生活の場や家庭内などで感染が拡がりやすく、発症者の唾液や目やに、便などウイルスが含まれているものの扱いには注意しなければなりません。
また、「アデノウイルス」はタイプによっても異なりますが、一年を通して感染する危険があるものの6~9月頃に感染者が増えるのが特徴です。
「アデノウイルス」の予防方法
「アデノウイルス」の感染を防ぐには、流行時期や身近に感染者がいるときには、マスクの着用、手洗い、手指消毒などの標準的な感染対策を行うことが大切です。特に、目やになどを拭ったタオルや寝具などを介して感染することもあるため、症状が治まるまでは共用は避けるようにしましょう。また、電気スイッチやドアノブ、おもちゃなどウイルスが付着している部位はこまめに消毒をすることも大切ですが、「アデノウイルス」はアルコールが効かないのでハイターなどの次亜塩素酸を用いるのもポイントです。
そして、下痢などの症状がある場合は便を介して感染が拡がることもあるため、オムツ交換の時は手袋とマスクを着用し、入浴は最後にするなどの対策も必要です。
〈予防のために行いたいこと〉
- マスクの着用
- 手洗い
- 手指消毒
- ウイルスが付着している部位を次亜塩素酸で消毒
「アデノウイルス」の治療方法
「アデノウイルス」の対する抗ウイルス薬は存在しないため、治療は高熱に対する解熱剤、のどの痛みに対する鎮痛剤、目の充血に対する目薬の使用など対処療法が主体となります。また、十分な水分が摂れずに脱水症状が見られる場合には点滴が必要になるケースもありますが基本的には一週間前後で回復していきます。
〈治療の際は〉
- 解熱剤、のどの痛みに対する鎮痛剤、目の充血に対する目薬の使用など対処療法
◆記事監修 医師(内科医) 成田亜希子 先生 2011年に医師免許取得後、臨床研修を経て一般内科医として勤務。公衆衛生や感染症を中心として、介護行政、母子保健、精神福祉など幅広い分野に詳しい。 日本内科学会、日本感染症学会、日本公衆衛生学会に所属。二児の母でもある。 |
- 風邪
- インフルエンザ
- ノロウィルス
- ロタウィルス
- 水ぼうそう
- 風疹
- おたふくかぜ
- はしか
- 急性中耳炎
- 突発性発疹
- アデノウィルス
- 咽頭結膜炎(プール熱)
- 流行性角結膜炎
- ヘルパンギーナ
- 手足口病 など