SICK 子どもがよくかかる病気

お子様がかかりやすい病気について
その症状や対策についてご紹介いたします。

「ヘルパンギーナ」について

「ヘルパンギーナ」の症状の特徴

「ヘルパンギーナ」は、38度前後の高熱と咽頭痛を生じ、口の中に水疱を形成するウイルス感染症の一種です。口の中の水疱は強い痛みを伴うのが特徴で、些細な刺激で敗れて潰瘍を形成することも少なくありません。多くは5日程度で自然に回復しますが、口の中の痛みのため飲食がままならなくなることも多く、脱水症状に陥ることもあります。とくに乳幼児は昼夜を問わず不機嫌になって泣くことが多く、ぐったりと衰弱したように見えるのも特徴の一つです。

〈特徴的な症状〉

  • 38度前後の高熱
  • 咽頭痛
  • 口の中に水疱


「ヘルパンギーナ」の感染経路・かかりやすい季節

「ヘルパンギーナ」はエンテロウイルスに感染することによって発症し、その感染経路は飛沫感染と接触感染です。飛沫感染とは、ウイルスが含まれた感染者の咳やくしゃみのしぶきを近くにいる人が口や鼻から体内に取り込んでしまうことで感染するもので、接触感染とは、感染者の唾液や鼻水、便などと共に体外に排出されたウイルスに触れることで感染するものです。
また、「ヘルパンギーナ」は夏に流行することが多く、5月頃から徐々に感染者が増え始め、7月頃をピークとして徐々に減少し、秋にはほとんど感染者は見られなくなります。



「ヘルパンギーナ」の予防方法

「ヘルパンギーナ」を予防するには、ウイルスを体内に取り込まないよう流行時期や周囲に感染者がいる場合にはマスクの着用や手洗い、手指の消毒など一般的な感染対策を徹底することが大切です。また、家庭内に感染者がいる場合には電気スイッチやドアノブ、おもちゃなどウイルスが付着している可能性がある部位はこまめに消毒し、食器の使いまわしやタオル・寝具の共用を避けるようにしましょう。

〈予防のために行いたいこと〉

  • マスクの着用
  • 手洗い
  • 手指消毒


「ヘルパンギーナ」の治療方法

「ヘルパンギーナ」の原因となるエンテロウイルスには抗ウイルス薬が存在しないため、治療は発熱に対する解熱剤・のどの痛みに対する鎮痛剤の使用など対処療法が主体となります。多くは特別な治療をせずに自然と回復しますが、水分摂取量の不足によって脱水症状に陥った場合には点滴治療が必要になり、重症な場合には入院しなければならないケースもあります。

〈治療の際は〉

  • 解熱剤法
  • のどの痛みに対する鎮痛剤


   ◆記事監修
医師(内科医) 成田亜希子 先生

2011年に医師免許取得後、臨床研修を経て一般内科医として勤務。公衆衛生や感染症を中心として、介護行政、母子保健、精神福祉など幅広い分野に詳しい。 日本内科学会、日本感染症学会、日本公衆衛生学会に所属。二児の母でもある。




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