SICK 病気・病状の説明子どもがよくかかる病気
お子様がかかりやすい病気について
その症状や対策についてご紹介いたします。
「流行性角結膜炎」について
「流行性角結膜炎」の症状の特徴
「流行性角結膜炎」は、目の充血、大量の目やに、瞼の腫れなどの眼症状を引き起こすウイルス感染症の一種です。何の前触れもなくある日突然発症するのが特徴で、大量の目やにで起床時に目が開かなくなることも少なくありません。眼症状以外にも耳の前のリンパ節が腫れて痛むこともあります。
また、子どもは重症化しやすく、瞼の裏にブツブツができ、それが角膜を傷つけて強い目の痛みを引き起こすこともあります。角膜がダメージを受けると物が濁って見えるようになり、回復までに数年を要することもあるとされています。
〈特徴的な症状〉
- 目の充血
- 大量の目やに
- 瞼の腫れ
- 強い目の痛み
「流行性角結膜炎」の感染経路・かかりやすい季節
「流行性角結膜炎」はアデノウイルスに感染することによって発症し、感染経路は飛沫感染と接触感染です。飛沫感染とは、ウイルスが含まれた感染者の咳やくしゃみのしぶきを近くにいる人が口や鼻から吸い込んでしまうことで感染するもので、接触感染とはウイルスが付着したものを他の人が触れることによって感染するものです。
アデノウイルスは感染力が非常に強く、「流行性角結膜炎」ではウイルスが含まれた目やにや涙を擦った手やタオルなどを介した接触感染が起こりやすいのが特徴です。
また、「流行性角結膜炎」は、7~8月頃の暑い時期に流行する傾向にありますが、一年を通して感染する危険があるので注意が必要です。
「流行性角結膜炎」の予防方法
「流行性角結膜炎」を予防するには、マスクの着用や手洗い、手指消毒などの標準的な感染対策を徹底することが重要です。また、家族に感染者がいる場合はタオルや寝具の共用、食器の使いまわしなどは避け、目やにや涙はティッシュペーパーや使い捨てのガーゼなどでふき取り、速やかに破棄するようにしましょう。
そして、ウイルスは便にも含まれているため、オムツ交換の際には手袋とマスクを着用し、床や周囲への汚染に注意しましょう。
〈予防のために行いたいこと〉
- マスクの着用
- 手洗い
- 手指消毒
- 目やにや涙はティッシュペーパーや使い捨てのガーゼなどでふき取り、速やかに破棄
「流行性角結膜炎」の治療方法
残念ながらアデノウイルスに対する抗ウイルス薬は存在せず、治療は抗炎症作用などのある目薬の使用などの対処療法が主体となります。使用する目薬の種類は症状によって異なり、角膜へのダメージが大きい場合にはステロイド入りの目薬を使用することもあり、細菌の二次感染が疑われる場合には抗生剤入りの目薬を併用することも少なくありません。
「流行性角結膜炎」は強い充血や大量の目やになどの重い症状が現れますが、発症から1週間ほどで症状のピークを迎え、角膜へのダメージがない場合には2~3週間ほどで自然に回復することがほとんどです。
〈治療の際は〉
- 抗炎症作用などのある目薬の使用などの対処療法
◆記事監修 医師(内科医) 成田亜希子 先生 2011年に医師免許取得後、臨床研修を経て一般内科医として勤務。公衆衛生や感染症を中心として、介護行政、母子保健、精神福祉など幅広い分野に詳しい。 日本内科学会、日本感染症学会、日本公衆衛生学会に所属。二児の母でもある。 |
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- アデノウィルス
- 咽頭結膜炎(プール熱)
- 流行性角結膜炎
- ヘルパンギーナ
- 手足口病 など