SICK 病気・病状の説明子どもがよくかかる病気
お子様がかかりやすい病気について
その症状や対策についてご紹介いたします。
「おたふくかぜ」について
「おたふくかぜ」の症状の特徴
「おたふくかぜ」は、発熱(38度前後)、唾液腺の腫れや痛み、のどの痛みなどを生じるウイルス感染症です。唾液腺の腫れは片方の場合もあれば両方に見られる場合もあり、中には顎下腺や舌下線に生じることもあります。いずれにせよ症状は2日ほどでピークを迎え、1~2週間で自然に回復しますが、抵抗力の弱い乳幼児がかかると稀に髄膜炎や脳炎、永続的な難聴などの合併症を引き起こすことがあります。
また、「おたふくかぜ」は思春期以降に発症すると精巣炎や卵巣炎を併発して生殖機能にダメージを与え、不妊の原因になることも少なくありません。
〈特徴的な症状〉
- 発熱(38度前後)
- 唾液腺の腫れや痛み
- のどの痛み
「おたふくかぜ」の感染経路・かかりやすい季節
「おたふくかぜ」はムンプスウイルスの飛沫感染、接触感染によって感染します。飛沫感染は、ムンプスウイルスが含まれた感染者の咳やくしゃみのしぶきを近くにいる人が鼻や口から取り込んでしまうことで感染するもので、接触感染は感染者から排出されたウイルスが付着したものを他の人が触れることで感染するものです。
「おたふくかぜ」は潜伏期間が2~3週間と長いのが特徴ですが、この潜伏期間の間にも唾液や鼻水などとともにウイルスが排出されます。このため、まったく症状がない段階でも周囲に感染を拡げている可能性があるのです。その上、ムンプスウイルスは非常に感染力が強いため、3~8月頃の流行期には子どもの集団生活の場で大流行することも少なくありません。
「おたふくかぜ」の予防方法
「おたふくかぜ」を予防するには、流行時期や周囲に感染者がいる時にはマスクの着用・手洗い・手指消毒などの標準的な感染症対策を徹底することが大切です。とくに家庭内に感染者がいる場合には、家の中でもマスクを着用し、電気スイッチやドアノブ、おもちゃなど唾液や鼻水が付着した可能性がある部位はこまめに消毒をすることも大切です。
また、「おたふくかぜ」にはワクチンがあり、一歳から受けることができます。任意接種ではありますが、髄膜炎や難聴などの重篤な合併症のリスクを大幅に軽減することができるため、積極的な接種が勧められています。
〈予防のために行いたいこと〉
- マスクの着用
- 手洗い
- 手指消毒
- こまめなアルコール消毒
- ワクチンの接種
「おたふくかぜ」の治療方法
「おたふくかぜ」には抗ウイルス薬は存在せず、治療は発熱に対する解熱剤や耳下腺の痛みに対する消炎鎮痛剤の使用などによる対処療法が主体となります。多くは数日安静にしていれば回復していきますが、乳児などでは耳下腺やのどの痛みのために十分な水分を摂れないことも多く、点滴治療が必要になるケースもあります。
〈治療の際は〉
- 発熱に対する解熱剤、耳下腺の痛みに対する消炎鎮痛剤などの対処療法
◆記事監修 医師(内科医) 成田亜希子 先生 2011年に医師免許取得後、臨床研修を経て一般内科医として勤務。公衆衛生や感染症を中心として、介護行政、母子保健、精神福祉など幅広い分野に詳しい。 日本内科学会、日本感染症学会、日本公衆衛生学会に所属。二児の母でもある。 |
- 風邪
- インフルエンザ
- ノロウィルス
- ロタウィルス
- 水ぼうそう
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- おたふくかぜ
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- 急性中耳炎
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- アデノウィルス
- 咽頭結膜炎(プール熱)
- 流行性角結膜炎
- ヘルパンギーナ
- 手足口病 など