子供の習い事 何歳から始める?いつまで続ける?自分の子供に合った習い事は?

2021年12月1日

知育

【第1章】子供の習い事、いつ始める?

「子供に習い事をさせたいけど、いつから始めたらいいの?」
「始めるのにベストなタイミングは?」
「早ければ早いほどいいの?」
お子さんの習い事を考えている親御さんの中には、そんな疑問をお持ちの方もおられると思います。
私自身も、あれこれ試行錯誤しながら、二人の子供に習い事をさせてきました。
(子供は現在大学4年生の息子と大学2年生の娘の二人)
そこで、我が家を例として、「習い事を始める一番いい時期」について考えてみたいと思います。
良かったら、参考にしてください。

※ここでは、将来プロとして活動するためのレッスンやトレーニングではなく、ごく一般的な習い事を前提とします。

<習い事と始めた年齢>

 息子・・・スイミングスクール→1歳
      英会話スクール  →3歳
      空手       →小学1年
      こどもちゃれんじ →5歳(幼稚園年中)

 娘・・・・英会話スクール  →1歳
      バレエ      →5歳(幼稚園年長)
      ピアノ      →小学1年
      こどもちゃれんじ →3歳(幼稚園年少)

<なぜこの時期に始めたの?>

①英会話スクール

息子が生まれる少し前から、英語の早期教育が話題になっていました。
「ママのお腹の中にいる時から聞かせるのがベスト」とまで言われていたのです。
ちょうど英語を習わせたいと思っていた私達夫婦も、「早く始める方が身につきやすいのかな」と話し合っていました。
息子はよちよち歩きの頃から英語に興味を持ち始め、テレビの子供向け英語番組が大好きだったので、1歳半頃からスクール探しを始めました。
けれど、スクール選びで迷ってしまって・・・。
特にこだわりはなかったのですが、周りの評判に振り回されてしまったのです。
結局、息子が3歳になる直前に、家から一番近い英会話スクールに入会しました。
娘は1歳から入会しましたが、上の子が通っていた安心感もあったので、迷わず同じスクールに入会しました。
また、ふだんどうしてもお兄ちゃん中心の生活になりがちだったので、娘とじっくり向き合える時間も必要だと感じ、早くから入会したという事情もあります。
(レッスンの間、息子は夫の両親に預けていました。)

②スイミングスクール

1歳から入会したのは、近所のスイミングスクールに『ベビークラス』があり、親子でプールに入れるというので楽しそうだと思ったからです。
ですが、息子にとっては早過ぎるスタートでした。
最初はきげん良く通っていましたが、一度発熱のためにレッスンをお休みした後から、スクールに行く度に泣き出すようになったのです。
また元気にレッスンできるようになりましたが、3歳のお誕生日の前後から再び泣き出すように・・・。
2~3歳になると、ママから離れて一人でレッスンに参加するのですが、それがイヤだったのでしょうか。
あまりに激しく泣いて抵抗するので、一旦スイミングはお休みすることにしました。
その後、小学2年生で復活するのですが、この時は積極的にレッスンに参加し、小さい頃泣いていたのが噓のように生き生きとしていました。

③空手・バレエ

空手に関しては、息子本人から「やりたい」と言い出した時期が小学1年生でした。
ちょうど近所に評判の良い道場があり、すぐに入門を決めました。

娘がバレエを始めたのは、体がすごく柔らかくて、「柔軟性を生かせる習い事をしたら伸びるかも」という私の考えからです。
柔軟性が高い今のうちにと思って、幼稚園年中さんの時に教室に入会しました。

④ピアノ

幼稚園の頃から習いたがっていたのですが、なかなか良い教室を見つけられず延び延びになってしまいました。
小学校に入学してから、お友達のママが先生を紹介してくれて、ようやくレッスンを始めることができました。

⑤こどもちゃれんじ

『こどもちゃれんじ』が習い事のカテゴリーに入るのかはわかりませんが、参考までに。
始めたきっかけは、息子が年中さんの時、たまたま営業の人が置いていったサンプル教材を息子が気に入ったからです。
お兄ちゃんがしているのをうらやましそうに見ていた娘には「○○も幼稚園入ったらやりたい!」とおねだりされていたので、入園直前の3月から入会しました。

<始めた時期は正解だったの?>

さて、これらの習い事、我が家が始めた時期はベストだったのでしょうか?
答えはYES・NOの両方です。

①英会話スクール

息子も娘も、概ね良かったと思っています。
ただ、息子は3歳頃になるとやや人見知りをするようになったので、もっと小さい時に始めていたら、よりスムーズにレッスンに溶け込めたのではと、スクール選びで迷ったことを後悔しています。
しかし、英語のフレーズを歌にしたりゼスチャーしながら発音したりと、体感として楽しく英語を学べたので、幼児から英語を習う意義はあったと思います。
娘は小さい頃、よく発熱でレッスンをお休みしたのですが、娘だけを見てあげられる時間を持てたことはとても良かったです。

②スイミングスクール

先にお話したように、息子にとっては早過ぎるスタートでした。

③空手・バレエ

両方、良いタイミングで始められたと思っています。
空手は息子が自分からやりたがったので、はりきってお稽古に励んでいました。
バレエは、先生が「3歳から6歳の間に始めるのがベスト」とおっしゃっていました。
バレエ向きの足をつくるには、よちよち歩きを卒業してから骨格や筋肉がしっかりするまでの間に始めるのが良いのだそうです。
5歳から始めた娘は、正にグッドタイミングと言えるでしょう。
ただ、先生の言うことを素早く理解することが娘には最初難しかったようで、そういう意味ではもう少し大きくなってから始めてもよかったのかな、とも思います。
それができるようになったのは、小学2、3年生になってからのことでした。

④ピアノ

もう少し早く始めさせてあげたかったな、と思います。
お友達は幼稚園の頃からレッスンを始めた子が多く、娘は「自分だけ遅れてる」と、始めのうち劣等感を抱いていたからです。
ですが、しばらくするとすぐに追いつけたので、いつのまにか気にしなくなりました。

⑤こどもちゃれんじ

当時、息子には「こんなに楽しいこと、もっと早くやりたかったな」と言われました。
私も夫も『こどもちゃれんじ』のことは考えていなかったので申し訳なかったです。
娘は本人がやりたい時期に始められたので良かったです。

さて、肝心の「いつから始めたらいいの?」という疑問に対するお答えですが、それは「正解はありません」ということです。
結局は「人それぞれ」なのです。
家庭の状況や子供の性格・発達度合いによっても違ってくる、とてもデリケートな問題だから。
早く始めるのが良い教育、遅いから悪い教育ということでもありません。
親が良かれと思って始めたことが子供にとっては苦痛でしかなかった、我が家の息子のようなパターンもあります。
親御さんは世間の思惑に流されず、その子にとって一番ハッピーな選択をしてあげてほしいなと思います。
そして、「楽しそう」「これいいんじゃない?」という何かに出会ったら、迷わず体験してみることをおすすめします。
私のように周囲の意見に惑わされて、あれこれ悩んで無駄に時間を過ごすより、ずっと有益です。
「ちがうな」と感じたら、その時はまた別の「何か」を探したらいいのですから。
お子さんが夢中になれる「何か」と出会えたらいいですね。

【第2章】わが子に合った習い事って何だろう?

一口に子供の習い事と言っても、たくさんのジャンルがあって、親御さんとしては何を習わせたらいいのか迷ってしまいますよね。その子に合った習い事をすることで、良い経験を積み、素敵なお友達と出会えたらいいなとか、将来何かの形で役に立ったらいいなという思いは、どの親御さんも共通のものだと思います。

<合う合わないの判断はどこでするの?>

「子供に合っているか合っていないか」は、実際にやってみないとわからないですよね。
親御さんがお子さんの性格や個性から判断して「活発な子だから体操をやらせてみよう」とか「音楽が好きな子だからピアノを習ったらいいかも!」など、思い立ったらまず体験してみることをおすすめします。お子さんが自分から「○○をやってみたい」と言ってきた場合も同様です。もしかしたら、お子さん自身が想像していたのと「何か違うな」と感じるケースもあるかもしれません。
その上で、お子さんが喜んで参加したり楽しそうにしているのであれば、まずは「合っている」と判断していいと思います。
では、もし泣いたり、不機嫌になったり、いやがる素振りを見せたら「合っていない」のでしょうか?答えはYESの場合もあり、またそうでない場合もあります。
例えば、体操教室の体験レッスンに行ったとします。その時にもし泣いてしまったり、しぶしぶやっているような素振りを見せた場合、体操するのがいやなのではなく、パパやママから離れるのがいやだったり、知らない人やお友達の中に入っていくのがいやというケースもあるからです。
その時の様子だけで「合わない」と決めつけてしまうのは早計だと思うのです。

<わが家の場合>

では、どのように判断したらいいのでしょう?
わが家の子供達を例にあげて考えてみたいと思います。
(現在息子大学4年生・娘大学2年生)
※文中の◎は「とても合っていた」〇は「合っていた」△は「ふつう」×は「合わなかった」を表しています。

●息子の場合

1)英会話スクール→◎ 始めのうちは人見知りのため少し尻込みしていまし                  たが、しばらく通ううちに楽しく参加できるようになりました。元々英語に興味がある子だったので、息子には「合っている」と思って続けさせていました。

2)スイミングスクール→×のちに◎ ベビースイミングから始めて3歳までは泣いていやがることが多く、「この子には合わないな」と判断して、一度退会しました。小学2年生で自分から望んで復活してからは、生き生きとレッスンしていて、泳ぐ楽しさを知ることができたようです。

3)空手→◎ 自分からやりたがった習い事です。
息子はおとなしい性格ですが武道にはあこがれがあったようです。
やはり入会した始めの頃は気後れしていたようですが、ようやく始められたうれしさの方が勝っていたようで、がんばって通っていました。お稽古にも熱心だったので「合ってるんだな」と思って見守っていました。
 
4)こどもちゃれんじ→〇 小さい頃から知的好奇心旺盛な子で、それを満たしてくれ
る教材をとても気に入っていました。楽しそうに取り組んでいるので「合ってるんだな」と思っていました。

●娘の場合

1)英会話スクール→〇 英語が好きというより「先生が好き」「お友達が好き」だから
 「レッスンも好き」で通っていたような感じです。楽しく英語を身につけられたので、 
 「合っている」と思って続けさせていました。

2)バレエ→△ 厳しい教室だったので、つらいこともたくさんあったと思います。
発表会は好きで、それを楽しみにレッスンしていました。トータルで見ると「合わなくはない」という感じです。

3) ピアノ→◎ 自分からやりたがった習い事です。
ピアノを弾くことが楽しくて仕方がない様子で、上達もスムーズだったので「合ってい
る」と思っていました。

4) こどもちゃれんじ→〇 自分から「やりたい」と言い出しました。
息子ほど知的好奇心があったわけではないですが、楽しく取り組めたので「合っている」と思って続けていました。

<私の判断基準>

では、私がどのような基準で上記のように判断したのかお話します。

 習い事を始める前は、必ず体験レッスン(お稽古)に参加していました。
その時は息子も娘も少し消極的な様子で、正直「入会して大丈夫かな?」と思いました。
その後は少しずつ慣れて、楽しくレッスン(お稽古)できるようになっていきました。
ですから、「合っている」のか「合わない」のかは、しばらくレッスン(お稽古)しないとわかりませんでした。
そして、何を基準に判断したかというと、
① レッスン(お稽古)を楽しめているか
② 自分から積極的に取り組めているか
③ 少しずつでも上達しているか 
以上の三点です。

「なぜ習い事をさせるのか」という部分にも関わってくることですが、私は「いろいろな経験をさせてあげたい」「何か得意なことが見つかったら自信につながるかな」というスタンスでした。
我が家の子供たちは、それぞれの習い事を比較的長く続けた方なのですが、その間にはモチベーションが下がったりしたこともありました。それでも子供がやめずに続けようという意思を持てたということは「合っていた」とのだと思っています。
娘が通っていたバレエ教室にいた少し年上の女の子のお話です。
その子はバレエが大好きで、とても練習熱心で、コツコツ努力するタイプでした。バレリーナを目指しているわけでもないし、コンクールで賞を獲れるほど優れた技術があるわけでもない。だけど、その子なりに少しずつ上達していっているのが、私達まわりの親達にも明らかにわかるのです。その子のバレエは踊る喜びにあふれていて、見ているとこちらまで幸せな気持ちにさせてくれました。これこそまさに「その子に合った習い事」だったんだな、と思います。その子のお母さんは「(娘に)合ってるのかどうかわからないけど、バレエが好きで楽しそうにしてるからやらせてるの」とおっしゃっていました。

こうして見ていくと「合わない」場合はわかりやすいですが、「合っている」というのは、何をもって判断するのか難しいですね。親御さんそれぞれの考え方や価値観によるところが大きいのではないかと思います。
習い始めて、すぐに結果が出ないと「うちの子には合ってないんだ」と判断するのか、あるいは長い目で見て、少しずつでも上達できていたら「この子に合ってるんだ」と判断するのかは親御さん次第です。また、なんでも器用にこなせる子とゆっくり成長していく子の違いもあります。ゆっくり成長していく子が、ある日突然花開くということもあるのです。そう考えると、その習い事がお子さんに「合っているかどうか」ばかりに囚われるのも、あまり良くないのかもしれません。親御さんは大らかな気持ちで、お子さんがのびのびと習い事に関われるようにサポートできたらいいですね。
そして、本当にその習い事がストレスであったり、お子さん自身が「やりたくない」と言い出したりしたら、よく話を聞いてあげる。そんな姿勢が大切だと思います。(まだうまくおしゃべりできない小さいお子さんの場合は、様子をよく見てあげる必要がありますね。)
お子さんがのびのびと、自らがんばろうと思える、そんな習い事を親子で楽しみながら見つけてくださいね。

【第3章 習い事、いつまで続ける?】

子供が楽しそうに、あるいは真剣に習い事に向き合っている姿は微笑ましく、親御さんにとってもうれしいことですよね。
「習わせて良かった」と、しあわせな気持ちになることでしょう。
ですが、習い始めて1年、2年と時がたつと、ふと浮かんでくる疑問があります。
「いつまで続けさせたらいいのかな?」

<いつまで続けるべき?>

大前提として、お子さんが続けたい間は続けさせてあげるのが良いですね。
親御さんの勝手な判断で無理矢理やめさせるようなことは避けたいものです。お子さんの心に傷を残してしまうかもしれません。
「いつまで続けるべき?」というのは、やめさせる時期を決めなさいという意味ではなく、私自身がそれで悩んだ経験があるので、改めて考えてみました。子供がその習い事に打ち込んでいる間はいいのですが、何かの理由でモチベーションが下がることもあります。始めのうちは「がんばろうよ!」と励ましていても、何度か繰り返すうちに、親として疑問が湧いてくることもあります。「このまま続けさせていいの?」「いつまで続けるべきなのかな?」

<やめ時ってあるの?>

習い事を始める際に、すでに期限を決めている親御さんもおられます。「幼稚園(保育園)入園まで」や「小学校入学まで」などですね。
習い事に関しては、それぞれのご家庭の都合や方針がありますから「習うタイミング」と同じように「やめるタイミング」もいろいろあっていいと思います。
私が出会った親御さん方は、やはり「入園・入学と同時にやめる」「卒業と同時にやめる」など、大きな節目の年に決断されることが多かったように思います。理由は、学習塾に通うことにした、あるいは別の習い事にシフトしたなどですね。例えば、幼稚園(保育園)の間は英会話スクールに通っていたけど、小学生になって少年野球チームに入ったとか、中学生になったら部活をやりたいからとか。ある程度大きくなると、自分で「小学校の間はがんばって続けたい」など、しっかり決めるお子さんもいました。

<子供がやめたいと言い出したら?>

私が悩んだのは、子供のモチベーションが下がって「やめたい」と洩らした時に「そのままやめさせるべきか」「励ましながら続けるように促すか」ということでした。
親御さんの中には「やめたがったら無理に続けなくてもいいじゃない」という方や、いろいろな習い事を試して、どれも短期間でやめてしまう方もいました。
私達夫婦の考え方としては「始めたことはできるだけ長く続けた方がいいよね。」というものでした
技術的なことだけでなく、習い事を続ける中で経験する葛藤やしんどいことを乗り越えること、また乗り越えた先にある達成感や喜びなどを味わい、精神面でも豊かな人になってほしいと願っていたからです。
次の項目で、具体的にわが家の経験をお話します。

<わが家の経験>

〇英会話スクール

・息子の場合

3歳から中学2年生の2月まで通いました。
小学1、2年生の頃、「もう楽しくない」と言い出したことがあります。幼児クラスから小学生クラスになって、レッスンの形態が「遊びながら学ぶ」からお勉強の要素が強くなった頃です。それが原因かはわかりませんが、それまで楽しそうに通っていたので、私自身もとまどいました。けれど、レッスンをやめることで、せっかく身に付き始めた英語を忘れてしまうのはもったいないと思い、「今までがんばってきたんだから、もう少し続けようよ。」と励ましました。いっしょにスクールのCDを聴いたり宿題をしたり、とにかく息子が英語の楽しさを思い出せるようフォローに努めました。
小学5年生頃、小学校の授業に英語が導入されたのですが、外国人の先生と会話できることがうれしくて、それをきっかけにまた英語が楽しくなってきたようです。その後は、本人の意志で、学習塾の高校受験対策講座が始まる中学2年生の2月までレッスンを続けました。

・娘の場合

1歳から小学6年生まで通いました。先生とレッスン仲間のことが大好きだったので「やめたい」と言うことはありませんでした。本人の意志で、小学校卒業と同時に学習塾の英語に切り替えました。

〇スイミングスクール

・息子の場合

1歳から始めて3歳で一度退会。泣いてばかりいるので「やめた方がいいな」と判断しました。本人の希望で、小学2年生で再度入会。この時はとてもモチベーション高くレッスンに参加していました。
中学校に入学して部活で忙しくなったので退会しました。 

〇空手

・息子の場合

小学1年生から始めて中学3年生でやめるまで、一度も「やめたい」とは言いませんでした。部活とも自分で折り合いをつけて稽古に通っていました。
高校受験の勉強が本格化する中学3年生の夏休み直前まで続けました。

〇こどもちゃれんじ

・息子と娘共通

息子は5歳、娘は3歳から始めました。やはり、就学前の小さい子ですから、二人共気分にムラがありました。「やめたくないけど、今はやりたくない」なんて言うことが、何度もありました。そのたびに、何とかして机に向かわせたり、興味を引く工夫をしたり、私自身が大変でした。
二人共、本当にやめたくはなかったようで、卒園まで続けることができました。がんばって続けたことで達成感を味わえたようです。

〇バレエ

・娘の場合

5歳から始めて中学1年生まで続けました。
私自身が「続けさせるか」「やめさせるか」一番悩んだ習い事です。レッスンの厳しさについていけなくて泣いてしまったり、できないことがあると落ち込んだりしている娘を見て「このまま続けさせていいのかな」「やめさせる方が子供のためなのかな」と、私自身がつらくなってしまいました。そんな時に先輩ママさんから「お母さんは励ましてあげる立場でしょ?そんな悩んでちゃダメじゃない」と言われたのです。それから私も意識を変えて、娘が前向きにレッスンできるように声掛けしたり、一緒にバレエ公演を観に行って感動を共有したりするように心掛けました。娘も成長と共に泣くことも少なくなり、レッスンが楽しくなったようでした。結局、中学校で吹奏楽部に入部するまで続けることができました。自分から部活を優先してバレエはやめると決めました。親子でたくさん悩みましたが、自分でケリをつけられるまで続けて良かったと思っています。

〇ピアノ

・娘の場合

小学1年生から始めて高校3年生まで続けました。レッスンよりもお友達と遊びたい日があったり、学校の試験勉強が大変だったり、いろいろなことがありましたが、ピアノを好きな気持ちは変わらなかったようです。「やめたい」とは一度も言いませんでした。高校3年生で大学受験のために予備校に通い始め、「勉強を優先してピアノはやめる」と娘が自分で決めました。

振り返れば、いろいろなことがありましたが、今は「続けさせて良かった」と思っています。続けることで得られた達成感や強い心は、子どもの宝物だと思います。
もちろん、続けることがすべてではありません。状況によってはやめる選択が正しい場合もあると思います。ふだんから習い事に関してお子さんと話す機会が多いと、「続ける」「やめる」の選択もしやすいでしょうね。
でも、やめたい理由が深刻なものでなければ、可能な限り続けることをおすすめします。お子さんの自信につながると思いますよ。

【第4章 習い事での人間関係の悩み】

幼稚園や学校、職場など人が集まるところには、多かれ少なかれ人間関係の悩みがつきものです。子供の習い事の場も例外ではありません。
子ども同士の小さないさかいや、お互いをライバル視することで敵対心が生まれるのは、よくあることです。しかし、それも子供自身が乗り越えることで、また一つ成長できる良い機会であるとも言えます。
困るのは、いじめなどの大きな問題に発展してしまったり、親同士の揉め事に子供が巻き込まれたりして、子供の心に傷がついてしまうことです。
ですが、そういう深刻なケースは稀なので、親御さんはあまり神経質にならなくても大丈夫だと思います。ここでは、習い事の場でよくある人間関係の困ったパターンとその対処法を、私自身の体験を踏まえてお話させていただきます。

<先生との相性>

先生が良い悪いではなく、先生と子供の相性ってあると思うのです。
正直に言うと、先生と合わないなら他の教室へ移るのがベストだと思います。
または、クラスが複数設定されているなど教室内で選択肢がある場合は、別のクラスに替えてもらえるといいですね。特に、お子さんが先生に対して違和感を感じたままレッスンすることはストレス以外の何ものでもないです。お子さん自身も「この先生が好き!」と思える先生に習った方が、のびのびと楽しくレッスンできるのは明らかです。そうすると、その習い事をどんどん好きになって、その分早く上達できるかもしれません。
反対に、お子さんは先生のことを大好きだけど、親御さんが「ちょっと違うな」と感じているという場合は、お子さんの気持ちを優先してあげてよいと思います。

<子供と子供>

先にお話したように、子供同士の小さないさかいはよくあることなので、その都度先生を交えたりして、話合いで解決していけばよいことです。そうすることで子供同士の理解が深まって、良い人間関係を築くきっかけになったりします。お互いをライバルとみなすことでも、それぞれが切磋琢磨し、良い結果につながることも多くあります。
ただ困るのは、深刻ないじめに発展した場合です。いやがらせや仲間はずれのような苦痛を味わわされると、何のために習い事をしているのかわからなくなってしまいます。
いじめの事実があれば、やはり先生に相談するのが一番です。先生もお忙しいと思いますが、教室内あるいはレッスン中の責任者ですから、トラブルに対応するのは先生の義務でもあると思います。教室の母体が大きな組織の場合、先生と直接お話しにくいことがあるかもしれません。そういう場合は、受付や組織の窓口に相談して、そちらから先生に取り次いでいただくといいですね。そのうえで、どうしてもうまくいかなければ教室を変わる、あるいはクラスを変更してもらうなども一つの方法です。逃げているようで抵抗があるかもしれませんが、より良い環境を求めて移籍するのは悪いことではないと思います。

<親と親>

お子さんの習い事に関わるのは、どちらかといえばお母さんの方が多いと思いますので、それを前提としてお話を進めます。

●ボス的ママの存在

割とよくいるのが、ボス的なお母さんの存在です。
どのお母さんがそうなのか、何となく伝わるものがあるので、すぐにわかります。
ただ、みんなのまとめ役になってくださったり、率先してお世話係を引き受けてくださるのもこういうタイプのお母さんが多いことも事実です。素直にわからないことを聞いたり、感謝の気持ちを伝えると親切にしていただけることもたくさんあるので、上手にお付き合いできるようにしたいですね。

●親子で孤立してしまったら

ボス的ママの中には、たまに自分達親子が一番でないと気が済まないタイプの方がいるのも、正直なところです。その方中心にグループができていて、気に入らない親子を仲間外れにする・先生に自分達親子の要求が通るように意見するなど、周りから見たら身勝手な行動をとる傾向にあります。
万が一、そんな親子のターゲットにされて孤立してしまってもスルーできそうならスルーして、淡々とレッスンすることです。しかし、どうしてもお子さんがつらくなってしまったら、先生に相談することが一番です。あまり感情的にならず、状況を冷静にお話して、これからどうしたらいいか、自分達はどうしたいのかなど正直な気持ちをお話しするといいと思います。先生を通さずに、直に相手と対峙するのは避けた方が無難です。そういうお母さんにはまず言い負かされて終わりになってしまうパターンが多いですから。
<子供と子供>の項でもお話しましたが、どんなことでも先生に相談して、それで解決しなければ、思い切って教室やクラスを変わるのも一考です。せっかく、心や体を豊かにしようと始めた習い事ですから、親子でつらい思いをして精神的に消耗してしまうことだけは避けたいものです。

<わが家の場合>

わが家は息子・娘共、ありがたいことにどの習い事も人間関係であまり深く悩んだ記憶はありません。
〇息子・・・英会話スクール、スイミングスクール、空手
〇娘・・・・英会話スクール、バレエ、ピアノ
どの教室も比較的小規模でのんびりとした教室だったことも関係しているのかもしれません。子供同士がライバル視し合ってギスギスしたり、仲間外れに合うようなこともなく、親子共に和気あいあいとした雰囲気の中で活動できたと思っています。
強いて言えば、娘のバレエ教室で、私自身が少しとまどうことがありました。
ご年配の先生が主催する伝統的なお教室で、ふだんから保護者の出番が多く、先輩ママさんに気を遣うことが多々あったのです。暗黙のルールが存在するので、私自身は聞きやすい先輩ママさんにあらかじめリサーチするなどして切り抜けました。
また、いわゆるボス的ママさんもいらっしゃいました。ですが、タイミングを見てこちらからわからないことを質問して教えてもらうようにするなど、円滑に良好な関係を築けるように工夫していました。
それとは別に、一緒にお教室に入会したお友達親子が、何かと私達親子をライバルのように扱うことが、娘より私にとってしんどいことでした。ふだんのレッスンしかり、発表会の配役もしかり・・・いちいち面倒なので、適当にスルーするようにしていました。子供同士は、決して仲が悪いわけではありませんが、お友達は少々負けず嫌いなようで、自分ができないことを娘ができたりすると嫌味を言う程度のことはあったようです。
こういう言い方はあまりしたくないのですが、親子で女性が多い環境ですから、難しい面があることは仕方がないです。そう思って、あまり深刻に考えないようにしていました。
あとは、息子が通っていた英会話スクールで、送り迎えに来ていたおばあちゃまから、しょっちゅうお嫁さんの悪口を聞かされるのには閉口しました。今となっては笑い話ですが。

さて、最初のお話の通り、人が集まる場では人間関係の悩みはつきものです。
そこは割り切って「悩みがあってふつう。なければラッキー。」ぐらいに思っておいた方が気が楽かもしれません。親御さんが始めからマイナス要素にばかりフォーカスしていると、それがお子さんに伝染して漠然とした不安になり、習い事に集中できなくなってしまいます。お子さんが安心して習い事を楽しめるよう、親御さんは常に大らかで前向きな気持ちでいてあげたいものですね。

【最終章】習い事をして良かったこと・良くなかったこと

これまで子供の習い事に関して、いろいろなお話をしてきました。始める時期や、やめる時期、どんな習い事を選ぶのか、そこでの人間関係について・・・。お子さんにとってより良い環境を選択して、これからの人生を豊かなものにしてほしいと願うからこそ、親御さんとしては習い事一つにしても悩んでしまうのではないかと思います。実際に、私自身もたくさん考えて、たくさん悩みました。この最終章では、私自身がわが家の子供達に習い事をさせて良かったと思うことや、反対に良くなかったと思うことについてお話させていただきます。よろしければ参考にして下さい。

<わが家の子供達がしていた習い事>

・息子(現在、大学4年生)・・・英会話スクール、スイミングスクール、空手、こどもちゃれんじ
・娘(現在、大学2年生)・・・・英会話スクール、バレエ、ピアノ、こどもちゃれんじ

<良くなかったこと>

まず始めに、習い事をして良くなかったことについて振り返ってみました。
ですが、良くなかったことってあまり思いつかないのです。強いてあげるならば次の二点でしょうか。
① お金がかかる・・・どんな習い事にも費用が発生します。わが家の子供達は複数の習い事を比較的長く続けていたので、その間には金銭的に「きついな」と思ったこともありました。でも、お金が理由でせっかく子供が頑張っていることをあきらめさせてはいけないと思い、何とか工夫して乗り切りました。 
② 時間に追われる・・親の立場からは、子供が小さい間は送迎が必要だったり、レッスンに付き添わないといけなかったりしたので、その分仕事や家事の時間を調整する必要がありました。子供にとっては、お友達と遊ぶ時間が減ること、テレビを観たりゲームをする時間が減ることは「良くないこと」であったかもしれません。

こうして振り返っても「良くなかった」「悪影響だった」というより「ちょっと大変なこともあったね」という印象です。

<良かったこと>

どの習い事にも共通して言える良かったことは、技術の習得だけでなく、精神的にも豊かな経験ができたことです。先生やレッスン仲間の存在が子供を成長させてくれました。また、できなかった時の悔しい気持ちやできた時の喜びと達成感、継続することの尊さを身をもって体験することができました。それらすべてが子供達の宝物だと思っています。

英会話スクール

息子も娘も幼児の頃から通っていたので、小学校で英語の授業が導入された時はすんなりと対応できたようです。外国人の先生とも抵抗なく会話ができて、うれしそうでした。スクールは英語の読み書きよりも耳から入る英語を重視したレッスンだったので、その後中学・高校と進級してもヒアリングの試験には苦労しなかったと、二人共話していました。
特に息子は英語が大好きで、そのまま得意科目になりました。大学では外国人のお友達と日常会話を自然と楽しめているようです。海外への関心が高まり、日本以外の国でも勉強して世界で活躍できる人になりたいとの思いから、来年日本の大学を卒業したらアメリカの大学院に進学します。

スイミングスクール

泳げるようになったことが最大のメリットです。四泳法マスター後も、タイムを競ったり長距離を泳いだりといったレッスンを受けていたので、後に高校の厳しい水泳の授業にも耐えることができて良かったです。大学生になってプールの監視員のアルバイトをする時にも役立ったようです。精神的な面でいうと、進級試験で何度か不合格になったことがあり、悔しくて泣きべそをかいたこともありました。その時は自分の中で納得がいかず、どこが悪いのか何ができていないのか、コーチに徹底的に質問していました。その分、ふだんのレッスンを頑張って合格した時のうれしさは格別だったようです。そんな出来事も息子を成長させてくれる貴重な経験だったと思います。真摯に向き合ってくださったコーチには感謝しています。

空手

息子自身が望んで始めたことなので、とても熱中していました。熱中できることがあるってしあわせだなと、息子を見ていて思いました。
身体面では体力や筋力が付き、風邪をひきにくくなりました。精神面でも強くなれたと思いますが、何よりも礼儀礼節を身に付けられたことが良かったです。

バレエ

姿勢が良くなりました。手前味噌ですが、今でも立ち姿がきれいと言われます。
娘自身は発表会できれいな衣装を着て、非日常を体験できることがうれしかったようです。
私にとっても、そんな娘の姿を見ることは喜びでした。また、普段のレッスンから素晴らしいクラシック音楽に触れて情操教育にもなったと思います。そして、できないことをどうしたらできるようになるのか考え、悩み、努力して乗り越えたことは本当に貴重な経験でした。先生や目上の人への接し方や言葉遣い、周りの人に感謝の気持ちを持つことなど、空手と同じように礼儀礼節を学ぶことができたのも良かったと思っています。

ピアノ

娘自身が望んで始めたことなので、夢中でレッスンしていました。息子の空手と同じように、夢中になれることがあるってしあわせだなと思いました。小学校低学年の頃は、ふだんのレッスンでなかなか丸がもらえなくて次の曲に進めなかったり、中高生になれば発表会で難しい曲を与えられて悩んだり、好きなことでも苦労する場面はいくつもありました。でも、それもコツコツと練習して乗り越えていました。努力することの大切さと報われた時の大きな喜びを、ここでも経験することができて良かったと思います。

こどもちゃれんじ

机に向かう習慣と自分で考える習慣が、自然に身に付いたことが良かったと思います。数やひらがなを楽しく覚えられるなど、知育として役立つことはたくさんありました。
ワークをする時は親がフォローする必要があり(今と少し形態が違っていたと思います)、仕事を持っている私には時間を作ることが少々大変でした。ですが、親子の貴重なコミュニケーションの時間だったなと、今となってはなつかしく思います。

どの習い事も長く続けていると少なからず悩んだり、いやになってしまうことがあります。そこを投げ出さずに努力を重ねて乗り越えた経験は、後に高校や大学の受験勉強の際に活かされたと思います。目標に向かってコツコツ努力する姿勢が、習い事を通していつの間にか身に付いていたんだろうなと感じます。もちろん、受験を意識して習い事をさせていたわけではありませんが、間接的にでも、それまでの経験や習慣が役に立っているのなら良かったです。
どんな物事にも良い面と悪い面がありますが、習い事に関してはほとんど良い面しか思いつかないというのが私の正直な気持ちです。当然、ご家庭によって考え方は違うでしょう。「お金がかかるから」「子供の自由な時間を奪うから」などの考えから習い事をしないという選択をされるご家庭も存在します。ですが、子供が興味のないことを親の勝手な思い込みで習わせるなど、子供の人格を無視したやり方でない限り、習い事をするメリットは大きいと、私は思っています。お子さんが興味を持ったこと、親御さんが「これやってみたらいいんじゃない?」と思えることに出会ったら、その時は思い切ってチャレンジすることをおすすめします。思いがけないチャンスや出会いが待っているかもしれません。

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