2022年2月21日
子育て
出産を経ていざ育児が始まると、誰もが一度はぶつかる問題があります。
それは「母乳育児かミルク育児どちらにするのか」
子育てが始まると、母乳で育てていくべきなのか、ミルクで育てていこうか、混合にしようかと悩んだ経験はありませんか?
子育てをするまでは「育児は当たり前に母乳で育てていく」という考えがあっても体質によって母乳が出にくい方もいますし、逆に母乳が出過ぎて困る人もいて、さまざまです。
私は特にこだわりはなかったのですが、ぼんやりと「母乳で育てていくんだろうな」と出産前は思っていました。
しかし、いざ子育てが始まると頻回授乳の大変さを思い知り、母乳だけで育てていくことに限界を感じ、母乳とミルクの混合育児に切り替えることにしたのです。
一昔前はミルクよりも母乳の方が栄養があり、子どもが良く育つと言われていた為、母乳で育てていくことが当たり前と言われている時代でした。
その為、昔の世代の方は母乳で育てていくことを進める方もたくさんいて、産院でも母乳には赤ちゃんに必要な栄養素がたくさん含まれているので、可能であれば母乳を積極的に飲ませるようにと母乳を推奨している産院がほとんどです。
実際に私の周りにも「母乳なの?」と聞いてくる方はたくさんいて「いい母乳の為に栄養あるものを食べなきゃだめだよ」と言われ続けました。
私自身わかってはいたのですが、母乳にこだわりがなかったので、言われ続けることは少し苦痛に感じていました。
しかし、最近の粉ミルクは母乳とほぼ変わらない栄養分が摂れると言うことで話題になり、ミルク育児の方も増えてきたのも事実です。
そこで今回は母乳育児とミルク育児のメリットやデメリット、それぞれの注意点や問題点など、母乳とミルクについて詳しくご紹介していきます。
それでは、まず初めに母乳育児とミルク育児、混合育児について詳しくご紹介していきます。
母乳育児とは、その名の通り母乳だけで育てていくことを言います。
母乳には赤ちゃんに必要な栄養素がたくさん含まれていて、赤ちゃんに吸ってもらえば吸ってもらう程母乳の出がよくなると言われていて「頻回授乳」を勧める産院がほとんどです。
新生児への授乳は産後1時間以内に授乳を試してみることが大切で、授乳開始時に分泌する最初の母乳を「初乳」と言います。
初乳は新生児にとって理想的で、とても大切な栄養源と言われています。
初乳には高濃度でたんぱく質の含有量が高く、栄養が豊富な為、少量でも赤ちゃんの小さなお腹には十分な量です。
また、初乳には脂肪の含有量も少なく、消化がしやすい為、最適な方法で赤ちゃんの発達を開始させることができる成分がたくさん含まれています。
初乳の特徴は成乳よりも濃く、黄色っぽい色になっているのが特徴です。
初乳は免疫系の構築において極めて重要な役割を果たしているとともに、新生児特有のニーズに合わせて作られているので、とても重要なものなのです。
そこで、母乳の中でもより貴重な、初乳の機能を4つご紹介します。
初乳に含まれる細胞のうち最大で3分の2は感染症から身体を守る白血球であり、赤ちゃんが自分自身で感染症と戦い始める助けとなります。
お母さんのお腹で守られていた赤ちゃんは、外の世界に出て新たな環境に対応していく為の準備が必要です。
初乳に含まれる白血球は細菌やウイルスを無力化できる抗体を生成します。
こうした抗体はお腹の不調や下痢に対して非常に効果があると言われていて、腸が未熟な赤ちゃんにとってとても大切なことなのです。
初乳には特にSIgAと呼ばれる重要な抗体が豊富に含まれています。
SIgAとは血流の中に入っていくのではなく、消化管の内側の膜となることで赤ちゃんを病気から守ることができます。
また、SIgAはお母さんがすでにかかったことのある病気から赤ちゃんを守ることができる貴重な成分なのです。
初乳は保護機能を持つ赤ちゃんの腸の薄い粘膜の成分を刺激するその他の免疫成分や成長因子も豊富に含んでいますが、その一方で、初乳に含まれるプレバイオティクスは赤ちゃんの腸の中で良い細菌に栄養を与えて細菌叢を構築します。
初乳はお腹の不調から赤ちゃんを守るだけではなく、新生児に頻繁にうんちをさせる下剤のような役割を果たします。
これは子宮にいる間に摂取したあらゆるものを、赤ちゃんが胎便という形で出して腸を空にするのを助けてくれるのです。
頻繁にうんちをすることで新生児黄疸のリスクを低減し、赤ちゃんは高いレベルの赤血球を持って誕生し、これが身体の周囲の酸素を取り込みます。
こうした細胞が破壊される時、赤ちゃんの肝臓がこれらの処理を助け、ビリルビンと呼ばれる副産物を生成するのです。
赤ちゃんの肝臓がビリルビンを処理できるほど十分に発達していない場合はビリルビンが器官内に蓄積して黄疸を引き起こしてしまいますが、初乳の下剤機能は赤ちゃんがビリルビンをうんちの中に排出することを助けてくれます。
初乳の特徴である黄色がかった色は初乳に含まれるカロテノイドとビタミンAによるものです。
ビタミンAha赤ちゃんの視覚にとって大切な成分であり、皮膚と免疫系を健全に保つ役割があります。
赤ちゃんは通常、ビタミンAの予備が少ない状態で生まれてくる為、初乳はその不足分を補ってくれるのです。
また、ビタミンAだけでなく、ミネラルも豊富に含まれています。
亜鉛は赤ちゃんの心臓や骨をサポートする働きがあり、赤ちゃんの免疫系の発達を助けます。
新生児の急速な脳の発達をサポートするために、初乳には成乳に比べて約4倍近い亜鉛が含まれているのです。
ミルク育児とは、母乳ではなくミルクのみで授乳することを言います。
母乳ではなく完全ミルクで育てていくと決めた理由は、お母さんの体調に関わることや、仕事の都合などで完全ミルクを選択するお母さんは少なくありません。
完全ミルク育児にした主な理由は下記の通り、さまざまです。
・母乳があまり出なかった
・人に預ける際に哺乳瓶拒否になると怖いから
・持病で薬を飲んでいるから
・子どもが双子などの理由で母乳をうまく与えられなかったから
・おっぱいを吸われる感覚が気持ち悪かったから
・すぐに仕事復帰するから
母乳が育児の基本のような風潮がありますが、ミルク育児でも子どもは問題なく元気に育ちます。
赤ちゃん用ミルクはさまざまなメーカーのものがあり、成分もそれぞれ異なります。
しかし、基本の成分と配合量は法律で定められているので、ほとんど変わりがないのです。
そして、ミルク育児で最も悩むのがミルクをあげるタイミング。
ミルクは月齢や飲む量によって違うのですが、基本的には3時間以上はあけるようにと言われています。
ミルクは、母乳と違って飲む量が目に見えてはっきりとわかるので安心できるのですが、前のミルクから3時間以内にぐずってしまったり、逆によく寝てしまう子を起こしてまでミルクをあげるべきなのかと悩むお母さんはたくさんいます。
この「3時間以上空ける」という感覚に迷わされてしまうのです。
しかし、赤ちゃんの成長は個人差があります。
赤ちゃんの体重の増加が順調であれば必要以上にミルクの間隔や回数にこだわる必要はありません。
母乳育児とミルク育児の他に混合育児という場合もあります。
混合育児とは、母乳とミルクの混合で授乳を行うことで、混合育児をする場合は母乳が足りない場合にミルクを補うケースが多いですが、育児の負担を減らす為に混合育児を選択する方も多いです。
混合の場合はさまざまな方法があります。
まずは母乳をあげて、足りない分をミルクで補う方法です。
例えば、3時間おきに授乳をする場合、朝6時に母乳、9時にミルク、正午に母乳、3時にミルクというように交互に与えます。
授乳時間になった時のおっぱいの張り具合によって毎回母乳か、交互なのかを決めるのがおすすめです。
母乳は夕方になると出が悪くなることがあります。
その場合は午前中は母乳をあげて、午後は母乳とミルクを併合して行いましょう。
朝と夕方から夜は母乳をあげて、昼間はミルクで過ごす方法です。
仕事などで昼間に母乳をあげることが難しい場合におすすめの方法です。
子育てをする中で、赤ちゃんを母乳だけで育てる人もいればミルクのみで育てる人、母乳とミルクを混合して育てる人など、人それぞれです。
乳児期は生後1年程で体重は約3倍に増え、身長も25㎝程伸びると言われています。
また、脳も急速に発達する為、赤ちゃんへの栄養摂取はとても重要なのです。
赤ちゃんに必要な栄養素は主に、たんぱく質、脂質、糖質などがありますが、母乳とミルクとでは何が違うのでしょうか。
実は昭和40年代の頃はミルク至上主義の時代があり、母乳よりもミルクの方が栄養価が高いと言われていた時代がありました。
その為、母乳が十分に出ていてもミルクを足していたという人は多く、ミルク信者がとても多かった時代なのです。
現代で、周囲年配の方が「母乳なの?母乳は出ているの?」と聞くのはその時代を知っているからなのでしょう。
では、母乳とミルクとではどのような違いがあるのでしょうか。
この章では、母乳育児とミルク育児、混合育児のメリットを詳しくご紹介いたします。
母乳育児には赤ちゃんだけでなく、お母さんにも多くのメリットがあります。
母乳には赤ちゃんにとって必要な栄養素や免疫物質がたくさん含まれています。
特に出産直後から数日以内に出る「初乳」にはウイルスや細菌を防ぐ働きをする免疫グロブリンやラクトフェリンなどの免疫物質が多く含まれています。
その他にも、母乳には幹細胞や白血球、有益な細菌や抗体、酵素、ホルモンなどが含まれており、赤ちゃんにとって感染症と戦ったり、疾患を予防し健全に発育するのに必要な成分で満たされています。
また、研究によって最初の6か月間完母で育てられた赤ちゃんは胃腸炎や風邪やインフルエンザなどの感染症にかかる確率が低くなると言われていて、ミルクで育った赤ちゃんと比較すると乳幼児突然死症候群(SIDS)にかかる確率が半分になるという研究も行われています。
更に、母乳は赤ちゃんの吸収しやすい形で栄養素が多く含まれています。
母乳に含まれるたんぱく質はミルクに比べ未消化状態なので、未成熟な赤ちゃんの身体にとって吸収しやすく、下痢など調子が悪い時でも与え続けることができるのです。
歯が生えた時の嚙み合わせなど、赤ちゃんの口腔発達にも母乳育児が関係していると言われています。
母乳を飲む時に舌を使って出す動きをしますが、この動きは口周りの筋肉を発達させるのに大きな役割があります。
授乳中に赤ちゃんはお母さんの温もりを全身で感じることができる為、精神面のメリットもあるのです。
授乳中に長い時間赤ちゃんと触れ合ったり、目で見つめあったりすることで「オキシトシン」と呼ばれる幸福ホルモンが分泌されます。
このホルモンの作用により、お母さんの気持ちは満たされ、赤ちゃんも精神的に安定します。
また、オキシトシンは前頭葉機能を改善させる抗うつ効果もあります。
その為、赤ちゃんの夜泣きなどで睡眠不足になりがちな時期のお母さんの精神を安定させてくれる面でも効果に期待できます。
産後は産後太りなどで悩まされるお母さんは多く存在しますが、母乳育児には産後太りを軽減する作用も含まれていると言われています。
完全母乳で育児されている場合は1日の授乳で最大500㎉を消費するとされていて、これは自転車に1時間程乗っている程の運動量に値します。
また、授乳期間中にはホルモンによって排卵が抑えられ生理が止まる人も多く存在します。
その為、授乳期間中はお母さんにとっては子宮を休める期間でもあり、産後の回復を早めてくれる効果もあるのです。
先ほど述べた「オキシトシン」というホルモンの作用によって子宮の収縮を促進させ、悪露(おろ)の排泄が活性化されることにより産後の回復効果を得ることができます。
母乳育児は授乳期間中だけでなく、高齢になった時にもたくさんのメリットを発揮します。
母乳育児により骨の石灰化を強化することができる為、後に骨粗しょう症になる可能性が低くなるとも言われています。
母乳は母体から出る物なので、費用は一切かかることはないので経済的なメリットがあります。
ミルク育児の場合は一般的に1か月で1万円前後かかり、年間で10万円から15万円程かかると言われています。
完全母乳で育児をしている場合はその分の費用がかからないのでとても経済的です。
赤ちゃんを連れての外出は、赤ちゃんの着替えやおむつなどで少なからず荷物が増えてしまいます。
ミルクの場合は哺乳瓶や粉ミルク、お湯の入った水筒も持って出かけなくてはいけないのでさらに荷物が増えてしまいますが、母乳育児の場合は授乳ケープのみで済むので、身軽におでかけすることができます。
母乳育児とは違い、完全ミルク育児は情報がとても少なくて、戸惑ってしまうお母さんもたくさんいます。
その為「ミルク育児でいいのかな」などと不安に感じてしまうことが多いのですが、ミルク育児にもさまざまなメリットがあります。
完全ミルクで育てている場合はお母さん以外の人でも授乳が可能となります。
お母さんが睡眠不足で疲れている場合や、ストレスが溜まり一人で外出したい場合など旦那さんや、家族に授乳をお願いすることができます。
私自身も母乳で育てていた際は、赤ちゃんを預けてでかけてもせいぜい2時間程が限界で時間に追われる日々でしたが、ミルク育児に変えてからは時間を気にせず出かけられてストレスがかなり軽減されました。
母乳育児の場合、お酒や薬、カフェインなどを摂取することができず、色々なことに気を付けなくてはいけません。
しかし、完全ミルク育児の場合はそれらを気にする必要がなく、妊娠前と同じような食生活を送ることができるのです。
完全ミルクの場合は哺乳瓶でミルクをあげる為、赤ちゃんが飲んだ量が一目でわかります。
その為、赤ちゃんに栄養がたりているのか、しっかりと飲めているのかを把握することができるのです。
外出先で赤ちゃんがお腹を空かせてぐずってしまった際に、ミルクの場合は授乳場所を探す必要がなく、すぐにミルクをあげることができます。
母乳の場合はなるべく人目を避ける必要があり、授乳ケープをしていても人の目や男性の前だと恥ずかしく躊躇してしまいます。
しかし、ミルクは場所を選ばず授乳ができるので、気持ちがとても楽になり、でかけるのも億劫になりません。
母乳育児の場合は乳腺炎や、おっぱいに傷ができてしまいますが、ミルク育児の場合はそのような心配がいりません。
ビタミンDは食事などから栄養として摂取するものと、紫外線にあたることにより皮膚で合成されるものがあり、研究の結果から、子どもはどちらも不足している傾向が見られると発表されています。
ビタミンDが不足すると0歳児では歩行開始の遅れやけいれんの症状が出る「くる病」になる可能性があるとのこと。
その対策として、乳児用ミルクが良いと推奨されています。
母乳育児の場合はお母さんしか授乳することができませんが、ミルク育児は旦那さんにも授乳してもらうことができます。
その為、旦那さんにも子育てをしているという実感が湧き、責任感が芽生え、より育児に協力的になってくれる可能性が高いです。
母乳もあげたいけれど、ミルクにも慣れさせたいという人や、仕事復帰が早い人に多いのが混合育児。
母乳とミルクの混合育児は、配分が難しそうという声も多く聞こえてきますがたくさんのメリットがあるのです。
母乳育児の場合は頻回授乳と言って、一日に何度も授乳をしなくてはいけませんが、混合育児の場合は夜中だけミルクにするなどと変えることができるので、肉体的負担が軽減できます。
また、母乳があまり出ていないことにストレスを感じているお母さんも多く、混合育児の場合は母乳が足りない場合は簡単にミルクを足すことができるので、精神的負担も減らすことができます。
昼間は仕事でいない旦那さんに、夜の授乳だけをお願いすることができます。
免疫力がつくと言われている母乳と、栄養バランスが整っているミルクの両方のメリットを得ることができます。
外出する予定があり、ミルクが作れない場合や、泣き止ませる為に母乳をあげたり、母乳の出が悪い時はミルクにしたりと、その時のシチュエーションに合わせて臨機応変に対応することができます。
風邪をひいてしまい突然薬を飲むことになってしまっても、混合育児の場合は哺乳瓶にも慣れているので赤ちゃんが戸惑うことなくミルクを飲んでくれます。
母乳育児の場合は、仕事復帰の時期が近づくと母乳をやめさせるのに苦労しますが、混合育児の場合は赤ちゃんが哺乳瓶慣れをしているので、すぐにミルク育児に切り替えることができます。
病院等では母乳育児が推奨される中、粉ミルクにも母乳とほぼ変わらない栄養素があるとして、最近ではミルク育児の方や混合育児の方も増えてきました。
母乳で育てていくことが正しいということではなく、お母さんやお父さん、赤ちゃんが一番負担なく元気に過ごせることが大切であり、それに合った育児方法を選択することが重要です。
完全母乳や完全ミルクで育てる場合にも、それぞれのメリットがありますが、デメリットも多く存在します。
そこでこの章では、母乳育児やミルク育児、混合育児のデメリットとそれぞれの注意点を詳しくご紹介いたします。
産後は体力が低下していて、例えるなら事故後の状態と似ているのだとか。
しかし、母乳育児の場合は頻回授乳になるので、お母さんは休む暇もありません。
母乳は赤ちゃんが欲しがれば欲しがるだけあげていいと言われている為、夜中でも頻繁に起きて授乳する必要があります。
初めての授乳は慣れないことばかりで、うまく母乳をあげることができません。
赤ちゃんに上手に母乳を吸わせてあげないと乳首が切れてしまい、傷ができてしまうことがあります。
・浅吸いになっている
・授乳の姿勢がよくない
・乳首をかまれる
・乳首、乳輪の部分が固い
上記のようなことがあると乳首に傷ができやすく出血してしまいます。
また、赤ちゃんの成長とともに歯が生えてくると授乳のときに乳首を噛まれてしまうことがあり、噛まれた痛みで授乳が辛くなり、授乳の時間が億劫になってしまう可能性があります。
お母さん以外の人に赤ちゃんを預ける場合は、母乳を欲しがる前に帰ってこれば問題ないのですが、長時間となると難しくなります。
妊娠中に食べてはいけない物があったり、薬には注意が必要でしたが、母乳育児の場合も一緒で、気を付けなくてはいけない食べ物、薬があります。
またカフェインやアルコールの摂取も控えなくてはいけません。
母乳育児の場合は赤ちゃんがどれだけ飲んだかが把握できないので、しっかりと栄養が摂れているのか、体重は増えているのかが気になり不安になってしまいます。
しっかりと母乳がでているか心配な場合は、家の体重計に赤ちゃんと一緒に乗って、その後お母さんだけ乗って、その体重分を引いて算出する必要があります。
母乳で育てている人が最もくろうするのが卒乳です。
おっぱいを吸うことで安心して寝ていた赤ちゃんは、いきなりおっぱいが貰えなくなると、不安になり大泣きしてしまいます。
特に夜の寝かしつけの際に苦労する方が多く、卒乳の時期に悩んでしまうとのこと。
卒乳をしようと決めた際は、乳首に絆創膏を貼ったり、ひたすら抱っこで寝かしつけをしたりとさまざまな工夫が必要になります。
外出時は赤ちゃんがいつ母乳を欲しがるか分かりません。
その為出かける際は事前に授乳スペースの有無を確認する必要があります。
母乳育児の際はさまざまな注意点があります。
妊娠中から気を遣うことの多かった食べ物ですが、授乳中も引き続き注意が必要です。
母乳を与える場合、お母さんの生活習慣は母乳に影響を与えると言われているので、食生活に気を遣わなければいけません。
授乳中に摂取したい栄養素として、鉄分、カルシウム、葉酸などが挙げられます。
鉄分が多く含まれる食品には、ひじきやレバー、納豆やほうれん草、プルーンなどがあり、カルシウムは牛乳や小魚などから摂取することができます。
葉酸はブロッコリーやモロヘイヤ、枝豆などに多く含まれていて、授乳中は多くの野菜や栄養素を油分は少なく摂取できる和食メニューがおすすめです。
また、授乳中は水分を十分に摂取する必要があり、産院でもしつこい程に言われたことと思います。
胃腸に優しく栄養素も同時に摂ることのできる甘酒(原料が酒粕ではなく米麹のもの)やハーブティーがおすすめです。
脂っこい食品や、乳製品や肉類を摂りすぎると乳腺を詰まらせる原因となります。
個人差があるので、母乳をあげている全ての人が対象になるわけではありませんが、食べ過ぎには注意しましょう。
授乳中はアルコール類に注意が必要です。
アルコールは母乳に移行する為、飲酒後は授乳をすることができません。
また、アルコールの成分にはおっぱいを張らせる作用がある為、おっぱいが張っているお母さんにとって張っているのに母乳をあげることができないので、苦しい状況となってしまいます。
また、カフェインにも注意が必要ですが、コーヒーは1、2杯程度であれば赤ちゃんの健康面に影響はありません。
しかし、カフェインが原因で赤ちゃんの寝つきが悪くなってしまう可能性もあるので、気になる場合はノンカフェインコーヒーやたんぽぽコーヒーを選ぶようにしましょう。
授乳中はアルコール類に注意が必要です。
完全母乳育児に比べると、ミルク育児の場合は粉ミルクの出費があります。
また、その他にも哺乳瓶や哺乳瓶の乳首、消毒グッズも必要になります。
赤ちゃんの飲む量や、粉ミルクの種類にもよりますが、ピーク時は1週間に1缶消費する時もあるので、粉ミルクはセール時などにまとめ買いすることをおすすめします。
オムツや着替えなど、赤ちゃんが産まれると外出時の荷物は増えますが、ミルク育児の場合はより荷物が増えます。
いつもの荷物に加えて哺乳瓶やお湯、粉ミルクを持ち運ばなければならず、旅行などの長期の外出時はより大変になるでしょう。
しかし、最近は使い捨て哺乳瓶や液体ミルクも販売しているので、うまく活用することで荷物を減らすことができます。
粉ミルクを作る場合は、お湯を沸かしたり、温度を冷ます時間がかかってしまいます。
また、授乳後には哺乳瓶を消毒する手間も加わり、調乳にストレスを感じてしまうお母さんも多いです。
調乳のストレスを軽減させたい場合は、お湯や白湯を事前に準備しておくことをおすすめします。
また、毎回調乳のたびにお湯を沸かすのが面倒な場合はウォーターサーバーを使用すると良いでしょう。
ミルクを作るのはどうしても手間がかかってしまい、つい作り置きをしたくなりますがそれは絶対にやめて下さい。
栄養豊富なミルクは殺菌が繁殖しやすいので、ミルクを作ったらすぐに与えるようにしましょう。
また、飲み残したミルクは勿体ないと感じてしまいますが、必ず破棄して下さい。
個人差はありますが、離乳食が始まる生後6か月頃までは哺乳瓶は毎回消毒を行い清潔な状態を保つことが大切です。
外出が長時間になる時は、授乳の回数に合わせて哺乳瓶を何本も持ち歩くようにしましょう。
荷物がかさんで嫌だな、と感じてしまいますが、衛生面を考えると哺乳瓶1本を使いまわすことはおすすめできず、回数分を持ち歩くことがベストです。
ミルクは栄養が豊富で、菌が繁殖しやすく、赤ちゃんの下痢や嘔吐を防ぐためにも使い回しはやめましょう。
ミルクは母乳とは違って基本的にはメーカーが推奨する量と間隔を守りましょう。
ミルクは母乳とは違って消化に時間がかかります。
あげたい時にあげるというスタンスだと体重が急激に増加してしまうリスクがあるので注意が必要です。
しかし、1回の哺乳量が少ない場合は授乳の回数を増やす等の調整が必要で、赤ちゃんが一度に飲める量やお腹の空き具合を考慮して判断することが重要なのです。
飲む量が少なくても赤ちゃんの機嫌が良く、体重もしっかり増えていれば問題ないのですが、なかなか飲んでくれず、機嫌も悪く、体重の増え方も気になる場合は医療機関を受診しましょう。
1回の目安量をきちんと飲んでいても泣いている場合は、すぐにミルクを足すのではなく、抱っこをしたり、スキンシップをとってみて下さい。
どうしても泣き止まない場合は、少量のミルクを足すなどの工夫をし、注意しながらあげるようにしましょう。
混合育児の場合でも粉ミルク代はそれなりにかかります。
月齢や、赤ちゃん個人の飲む量にもよりますが、1か月に5千円から1万円程はかかるでしょう。
乳頭混乱とは赤ちゃんが哺乳瓶での授乳を好み、おっぱいでの授乳を嫌がることを言います。
多くの哺乳瓶の人口乳首は粉ミルクが自然に出るように作られていて、これに慣れてしまった赤ちゃんはお母さんのおっぱいから直接母乳を飲むための正しい吸いつき方が分からなくなってしまい、母乳を上手く飲めなくなってしまいます。
また、逆に母乳と粉ミルクの味の違いに敏感であったり、哺乳瓶の乳首が合っていないことが原因で哺乳瓶拒否になる赤ちゃんもいます。
生後2、3か月頃からこのような特徴が出やすく、そこから混合育児をやめたというお母さんも少なくありません。
母乳を飲ませてから、粉ミルクを授乳する流れの場合は授乳に時間がかかります。
授乳後も哺乳瓶の消毒をしたりと、なにかと時間がかかってしまいます。
授乳している期間は乳頭のケアが必要です。
乳頭を柔らかい状態にしておかなければ、切れて激痛を感じたり、場合によっては出血が起こってしまいます。
また、乳頭ケアだけではなく、おっぱいマッサージもしておく必要があり、乳腺が詰まってしまったり、母乳の出が悪くなったりとさまざまなトラブルが発生しやすくなります。
どのような授乳方法で育児をしていくかは人それぞれです。
赤ちゃんに与える栄養が、母乳であってもミルクであっても赤ちゃんは元気に育ちますが、できることなら母乳のみで育てていきたいというお母さんはとても多いのです。
そこで、完全母乳育児にする為に、妊娠前からできる母乳育児の準備方法と、妊娠後に母乳を軌道に乗らせる方法をご紹介いたします。
母乳育児は産後からではなく、産前からでも母乳育児を軌道に乗らせる為の準備をすることができます。
赤ちゃんは胃が小さいうえ、母乳は消化が良い為何度も飲みたがります。
その結果、頻回授乳になることがあり、慣れるまではお母さんにとってはかなりの負担となります。
その為、妊娠中からバランスの良い食事を心がけ、適度な運動をして体力をつけておきましょう。
妊娠後期になるにつれ、頻繁に夜中に目が覚めることが増えます。
この症状は産後に赤ちゃんの要求にいつでも対応できるように身体を慣れさせる為に身体が変化していっていると言われています。
さらに、赤ちゃんと過ごすことでオキシトシンという癒しのホルモンが出て、それによって短時間でも質の良い睡眠をとれるようになるのです。
妊娠中からこまめに横になったり、目を閉じたりして、身体を休めることを心がけましょう。
お腹に手を当てて赤ちゃんを感じ、身体も心もリラックスして、短時間で疲労回復ができるように身体を少しづつ慣れさせていくことが大切です。
母乳育児のサポート状況は出産施設によって異なります。
母子同室など、産後の過ごし方ができる環境であるか、必要な時に使用できる乳器があるのかなど、細かいところも事前にチェックするようにしましょう。
また、母乳が思ったより出ない場合や、授乳について相談したい場合は、おっぱいマッサージに出向くのも効果的です。
地域によってはおっぱいマッサージを行っている施設等もあるので、それも同時にチェックしておきましょう。
自身の乳首の大きさや形を事前にチェックしておくことが重要です。
初産であるとなかなか難しいですが、産後をイメージしておくと、いざ授乳をするとなっても焦ることがなくなります。
赤ちゃんの抱き方の練習や、授乳の場面を見る機会があるとよりよいでしょう。
哺乳瓶やミルクが産後の必需品となっていることが多く、買いそろえていたのに母乳がよく出るので結局使わなかったということは少なくありません。
ミルク育児の場合の手間を考えると、結局母乳育児の方が楽だったという結果が多いので、事前にミルク育児になる可能性を考えて物を買うのではなく、母乳育児を前提に必要な物を準備していきましょう。
妊娠をすると、思いのほか肌がデリケートになったり、乳輪周辺が痒くなったりします。
その際は、化学繊維の入った素材は避け、スポーツブラなどの綿100%のゆったりとした物を使用するようにしましょう。
ノンワイヤーでも乳房の血流を止めてしまう恐れがあるので、ノンワイヤーのものをおすすめします。
また、妊娠中は3カップ程大きくなると言われているので、妊娠後期になったら前開きで授乳用のものを選ぶと装着も楽になります。
お風呂の湯船に入ると、乳房は大胸筋から浮き上がり、基底部がはがれて血液の循環がよくなります。
実はこの時が乳房マッサージをするチャンスなのです。
横方向や斜め、上方にまんべんなく乳房を寄せたり持ち上げたりして、しっかりと母乳の分泌促進をはかりましょう。
夏場は冷えないと思いがちですが、冷房で意外と冷えていますし、産後は1か月検診までは湯船に浸かることができないので妊娠中にゆっくりと湯船に浸かるようにしましょう。
また、赤ちゃんの吸い傷や水疱や裂傷予防の為に乳頭を優しくトレーニングしておきましょう。
実は新生児はシェイクを一気飲みできる程の吸引力を持っていて、新生児期は1日10回程は吸わせなくてはいけません。
乳頭ケアをしないと入院中から裂傷ができてしまい、母乳育児が憂鬱になってしまう可能性があります。
可能であれば妊娠28週頃から乳頭マッサージを始めることをおすすめしますが、お腹が張りやすい人や切迫早産と診断された人は臨月に入ってから行うようにしましょう。
乳頭マッサージを行う際は、カレンデュラオイルやワセリン、馬油やベビーオイルなどを塗布して皮膚を柔らかくしてから行うようにして下さい。
母乳は血液からできています。
その為良い母乳を作る為には血液の質を高めておくことが極めて重要となります。
臨月に入ると、出産が近づいてくることで家で作ることが難しく外食が増えがちになりますが、臨月の食生活は初乳の分泌にも大きく影響するのです。
洋食ばかり食べていると母乳のコレステロール値も上がりやすくなりドロドロとした母乳になってしまいます。
赤ちゃんが飲みやすいさらさらとした母乳にする為に、和食中心にほうれん草や小松菜、春菊などの青菜をたくさん食べるようにして下さい。
良い母乳を作るだけでなく、鉄分も同時に補給することができるので血液の質がより良くなります。
産後は母乳を良く出すために水分を1日3リットル前後は飲むようにと産院で言われるほど水分補給は大切です。
妊娠中からハーブティーやミネラルウォーターやスープ、野菜ジュースなど色々な水分を飲む習慣を妊娠中から作りましょう。
喉が渇かなくてもマイボトルを持参して頻繁に飲むようにしたり、意識して水分を摂れるようになると血液の量も増えていきます。
妊娠8か月目以降は出産準備に良いと言われているラズベリーリーフティーがおすすめです。
産前だけでなく、産後の身体の戻りや母乳育児の準備にも役立ちます。
産後すぐから母乳がたくさん出ない人は、母乳育児のお母さんのうち70%程と言われています。
ぜひ産前から母乳育児に向けて積極的に水分を摂って、よりよい母乳作りをしていきましょう。
母乳を出すためのホルモンは赤ちゃんに吸ってもらうことで分泌が活発になります。
産後1か月検診までは思うように母乳が出なくても、赤ちゃんが欲しがるたびにあげるようにしましょう。
乳房の中に母乳をためておくと、母乳に含まれる「乳汁産生抑制因子」というタンパク質の働きで分泌量が減ってしまいます。
どうしても授乳ができない時や赤ちゃんが飲みきれなかった時は、溜まってしまった母乳はそのままにせず搾乳して排出するようにしましょう。
自分で上手く搾乳できない場合は、搾乳機を使って搾乳する方法もあります。
肩甲骨周りをストレッチしたり、カイロで温めたり、乳房をやわらかくマッサージするなど血行をよくすることが大切です。
授乳中は鉄分とカルシウムが母乳に移行して不足しがちになります。
鉄分はひじきや納豆、アサリや牡蠣などに豊富に含まれていて、カルシウムは豆乳やオクラ、小松菜や小魚などに多く含まれます。
カルシウムは牛乳やチーズなどにも多く含まれますが、脂肪分が多く、母乳トラブルの原因になりかねないので注意が必要です。
母乳育児を軌道に乗らせるためには、妊娠中から意識することが大切です。
お母さんの体質や仕事の関係などで母乳育児が思い通りにいかない場合もありますが、無理をせず、一番大切なのはお母さんが無理なく授乳をしてあげることです。
授乳時間が、お母さんと赤ちゃんにとって楽しく幸せな時間となるように、妊娠中から準備を行っていきましょう。