2022年2月24日
育児参加
私は30代後半で妊娠、出産を経験したのですが、妊娠中は重症妊娠悪阻で入院してしまい出産まで悪阻が続いた為ほとんど仕事をしたり出社することが出来ず、これ以上迷惑をかけられないと長く働いていた職場を自主退職しました。
可能であれば働き続けたいと思っていましたが当時は先のことが考えられず、こうした判断をしてしまった事は後に後悔することになるのですが…。
産後は高齢出産プラス超難産のセットだった為、身体的にも精神的にもかなりボロボロの状態が長く続き今思い出しても本当に辛い期間でした。
夫と言えば体の変化はもちろんありませんし家事や育児に協力的ではない為、私の苦労や気持ちを理解することも知ろうとすることもなく、子どもが生まれても”変わらない”生活を続けています。
そのため、夫の姿勢や態度に私は更に追い詰められ、産後うつにかかるのは至極当然のことでした。
2015〜16年に行われた国立成育医療研究センター調査によれば、産後女性の死亡原因のトップは「自殺」なのだそうです。
男性が育児参加をしない、育休を取らないことで母親は産後うつを患い、中にはこのように自ら命を絶ってしまう方も多くいるという厳しい現実を示しています。
テレビの報道などでは母親による虐待事件が報じられることが多くありますが、産後うつから自殺ではなく大切な子どもの虐待につながることもあり、それは決して母親だけの責任ではなくこのような背景があるケースがほとんどかと思います。
私は何とか生き延びていますが、このような選択をしてしまった女性たちの気持ちは痛い程分かりますし、同時にまだまだここ日本ではこの現状が理解されていない、伝わっていないと強い憤りも感じています。
そして父親となった男性の当事者意識の低さや、育児参加がしたくても出来ない社会や企業の環境について、一体どうなっているのか?何か取組はされているのか?といった点を疑問に思い調べてみました。
内閣府は男性も女性も意欲に応じてあらゆる分野で活躍できる社会を目指した「男女共同参画社会」の取り組みを行っているようです。
内閣総理大臣を本部長として、男女共同参画推進本部が設置されています。
政治や企業で女性の活躍を推進したり、災害の対応について女性の視点を取り入れたりといったことの他、男性に向けた男女共同参画についても政策があります。
その中の事例として、男性の育児休業の取得促進、意識改革(厚生労働省によるイクメンプロジェクト)、企業表彰(イクメン企業アワード)、管理職や代表の表彰(イクボスアワード)、ハンドブックの配布、シンポジウムやイベント、キャンペーンの開催といった男性が育児をより積極的に楽しみ育児休業を取得しやすい社会の実現を目指した取り組みや、学習プログラム企画・実施のためのWebサイト「男女共同参画と男性」の開設等がありました。
その他にも仕事と生活の調和である”ワーク・ライフ・バランス”を重視した働き方改革や女性の活躍を推進する情報発信サイト等もありいずれも素晴らしい内容だと思います。
しかし、これらの取り組みを実施している多くは上場企業であったり有名企業といった多くの従業員が働き社会から目につきやすい企業であり、中小企業はどうなのだろう?という疑問は残ります。
私は会社員時代、子どもが生まれて休みを取りたくても取りづらい雰囲気や人事評価が下がるから、収入が減るから等といった理由から取得できないという意見を耳にしたことはあり、残念ながらこのような取り組みを会社から聞いたことはありませんでした。
男性の育休は会社の制度としてはあっても利用することは難しく、その取得率は依然として低いままなのは事実かと思います。
実際、世界の6歳未満の子供を持つ夫婦の夫の家事・育児関連時間を調査したデータを見てみても、日本の週全体1日あたり家事時間は1.23時間、育児は49分。対してアメリカは家事3.10時間、育児1.20時間、ドイツは家事3時間、育児59分など、諸外国と比べ日本の男性は低水準であることが分かっています。
政府としても男女共同参画会議を行い各施策の実施状況などを監視、調査を行っているようですが、現実はより深刻な問題を引き起こしている事を認識し、もっともっと男性の育児参加に対する取り組みを一般企業、そして家庭に広げて重要な施策として認知されて欲しい、啓発して欲しいと思ってしまいます。
この他にも知らなかった取り組みが幾つかありました。
・両立支援等助成金(出生時両立支援コース)
・さんきゅうパパプロジェクト
・夫婦が本音で話せる魔法のシート 「○○家作戦会議」
・国家公務員の男性職員による育児に伴う休暇・休業の取得促進
どれも知れば役立つ、面白い、気になる取り組みがたくさんあります。しかし積極的に情報を取得しに行かないと知れない、という問題がやはり気になりますね。
下記のページで男女共同参画の主な政策について見ることが出来ます。概要については目次から本文へ移動してご覧ください。
そんな中、「育児・介護休業法」が改正が発表され、子どもが生まれた際の柔軟な育児休業の枠組みの創設、育児休業を取得しやすい雇用環境整備の義務付け、育児休業の分割取得、取得状況の公表、正社員だけでなく有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和を令和4年4月1日から段階的に施行されることとなったそうです!
目標や事業の促進だけではなく”義務”とすることは協調性を重んじる日本人にとって非常に必要で有効な対策かと思います。企業への周知と対応に是非期待したいですよね。
とはいえ、少なからず男性が積極的に育児参加をされているご家庭もあることは児童館や保育園の送り迎えといったシーンで感じています。
おそらくひと昔前は考えられなかった光景でしょう。
児童館や公園では、週末になるとママではなくパパが子どもたちと遊んでいる姿を見ることが増え、休日はママを休ませてあげようという思いやりを感じ、素晴らしいな(羨ましいな)と感じる私です。
子どもたちにとっても、ママとは違う遊び方や会話をパパとはすることができるでしょうし、何よりパパに遊んでもらえることだけでとても嬉しそうで心が満たされているように見えます。
ママも一人の時間を過ごすことでリフレッシュしてまた子育てに前向きに取り組めますし、子どもや夫との関係も良好に保つことが出来ますよね。
このように男性が育児参加をすることは、子どもの将来と女性の活躍、家族の絆につながる大きな役割を果たします。
そしてベビーシッターの活動も子育てや女性の活躍に密接に関わりがありますので、各ご家庭の生活の向上につながる様々な使い方を提案、紹介していければと思います。