離乳食作りでノイローゼになった話

2022年4月21日

子育て

離乳食を作り始める前の私

何をするのにも冷や汗をかきながら、自分は今寝ているのかそれとも起きているのか分からない新生児期は一瞬で終わり、一か月目になると八割は寝ていたお宮参り、体や顔にお肉がついて手足も動かせるようになった二か月、顔がだいぶしっかりしてきた三か月、首が座った事で少しだけ気持ちにゆとりができ始めたのも束の間、毎日の抱っこから手首の腱鞘炎で苦しんだ四か月、新生児の時期が恋しくなりあの頃の小さい子供を懐かしむ五か月。
そんな怒涛の毎日が過ぎあっという間に出産してから六か月を迎えようとしていました。
体感としては一週間位で半年が過ぎていったように感じていました。
さて、六か月と言えば、ミルクや母乳以外で初めての食べ物に挑戦をする時期になってきます。
ほぼ同じ日に出産をし、授乳クッションと円座クッションを持ち歩き、共同の授乳室でカチコチに固くなった胸を保冷剤で共に冷やしていた戦友達とは、「離乳食いつ始める?離乳食のグッズがありすぎてよく分からない。一体どれがいいの?」といった具合で、これから始まる離乳食の話題で持ち切りでした。

六か月の乳児検診では、離乳食の説明を受け、あげ方や作り方が紹介されている冊子を渡されました。正直いうとどんなに親切に原寸大に撮られた写真で見ても、固さや量などすべてにおいて初心者はイメージがさっぱり沸きませんでした。
量について「スプーンのこれくらいの量から始めてください。」は理解できました。
そして、その後どれくらいの日数をかけてこれくらいの増やしてね、この日からは野菜を食べてみましょうねと、ここまではどの育児本にも丁寧に紹介されている事も多いのですが、「最終的に何か月でスプーン何杯分位が目安です。初めてこれくらいの日数になった時に一回のご飯の量がこれくらいで、おかずはこれくらいを目指してくださいね。」という指導や説明が無かったのには困りました。この時はその説明が欲しいという事さえも分かりませんでした。

六か月の乳児検診を終え自宅に戻り、先ほど渡された離乳食の冊子を読みました。
そこには用意するものとして、【離乳食用のすり鉢・裏ごし器・離乳食スプーン・離乳食用のスタイ】と記載されていました。
あると便利なもので【レンジで出来る離乳食初心者セット・小分け用の入れ物】が紹介されていたので、まずは揃えないと何も出来ないと思い検診から帰宅して30分後にベビーショップに購入しに行きました。
離乳食用のすり鉢・裏ごし器・離乳食スプーン・離乳食用のスタイ・レンジで出来る離乳食初心者セット・小分け用の入れ物これだけで5000円は超えていましたね。
離乳食を始めるだけなのにこんなにかかるのかと驚きました。
こういう専用の商品はニーズがあるから売られているのですが、今考えれば赤ちゃん専用の物はスプーンとスタイ位で良かったなと思っています。

スプーンだけでも色々あって、木材のおしゃれなものから、ケース付きのプラスチック製のもの、某ベビーメーカーのシリコン製の定番のタイプのものまでありました。小さくて可愛いので色々と買ってしまいましたが、結果的に某ベビーメーカーのシリコン製が一番良かったです。
歯が生え始めたらかゆいのか、スプーンを噛むのでだいぶ消耗します。
木材は歯形がついて結果的に不衛生になりますし、外出に便利そうなケースタイプも今は、外出用の離乳食セットには使い捨てスプーンがついていますし、万が一落としてしまった場合用には100円ショップで使い捨てのアイス用の小さいスプーンが数本入りで売られていますがこれを用意しておけば事足りる上に余っても、もう少し大きくなった時にゼリーやヨーグルトを食べるときに使えますのでお勧めです。正直エコでは無いですが私は持ち帰って洗うストレスや、汚れた物を持ち歩くストレス、そしてスプーン一本でも荷物を減らしたかったのでそうしていました。
シリコン製の利点は滑りにくい、どこでも買える、育児本でもこのスプーンが使われている事が多く一口の目安が分かりやすい、レンジで消毒が出来る事でした。美味しくて子供が手をバタバタした時に、誤ってスプーンに手が当たり、手から滑ってプラスチックのスプーンが空を飛んでしまう事がありました。あれはこのワンスプーンにどれだけの時間がかかったのかと、それだけで髪が抜けそうなくらいメンタルがやられました。
シリコン製だとグリップがきいているので、手から吹っ飛ぶ心配はありませんでした。
色の濃い食べ物では口を付ける白いシリコン部分が染まってしまうのですが、ドラッグストアやスーパーに行けば売っていたので替えるのに困ることもありませんでしたし、洗った後にレンジでチンをすれば消毒完了なのでズボラな私でもストレスなく出来ました。

戦友達も私と同じように色々試したそうですが、結果的に某ベビーメーカーのシリコン製で落ち着いたそうです。

銀の物とか、映える海外製のものとか、おしゃれな物を使ってキラキラした育児にも憧れましたが、どこにでも売っている理由はそれなりの理由があるのだと思いました。
思いっきり噛んでもらっても、スプーンで皿やテーブルを叩いても、汚れても、傷だらけになろうがそれも含めて食育だと割り切れました。
しいていうなら子供の練習用とママやパパが使う用で分けることも出来るので、現在販売している可愛いパステルカラーの他に、シックなカラーがあるといいなとは思います。

スプーンの話だけでもだいぶ熱くなってしまいましたが、初めて食べる物はやっぱり良いものをと考えていたので、ちょっと奮発してインターネットでお高めなブランド米を購入することにしました。
同じ県でも沢山の種類があり、甘みが強いもの、粘りが強いもの、さっぱりとしているもの、どのおかずにはどのお米が合うなど色々と試行錯誤されていて、お米を買うのに種類でこんなに悩む事は過去にあっただろうかと思いながら選び、魚沼コシヒカリと比較した結果初めてのお米は山形県産のつや姫にすることにしました。

数日後、待ちに待ったつや姫が届きました。
さて早速離乳食作りの開始です。「初期は10倍粥から始めます。」
・・・おかゆの10倍粥って、何に対して10倍なんだ?ふつうの白米?つまり一合につき10合分の水が必要ってこと?
炊飯器のジャーの水分メモリーには5分粥との記載があり、倍と分って同じ尺でいいの?
10倍粥は10分粥ってこと?言い方の違いに頭の中はハテナでいっぱいでした。

調べても全粥とよばれる米1に対して水5の割合が分という記載があり、更に混乱していました。料理をしているのか算数をしているのでしょうか。
ご飯数gに対して水が数ccという記載もありましたが、1合分のお米に対して炊飯器についているどのメモリーに合わせれば10倍粥が出来るのか記載してもらわないと分かりません。
世の中のママが何も考えずに、さらっと10倍粥がつくれると思わないで頂きたいと早くもストレスが溜まり始めていました。

そういえば・・・とレンジで出来る離乳食初心者セットを購入していたのを思い出しました。なんとこれには10倍粥をつくる機能がついていました。
スプーン一杯に水を入れて数分レンジにいれる。するとあっという間に離乳食のご飯が完成するそうです。

どれどれと、早速説明書通りに作ってみました。蒸気でだいぶ熱くなったレンジから入れ物を取り出して中を見て見ると、果たしておかゆといえるのかお米が浮いている白いお湯がそこにはありました。

困難の連続・離乳食を作ってみた結果

スプーン一杯の量といっても普段購入しない高価なお米が、白いお湯とかろうじてお米のようなものが残っている見たこともない物体になっていると、これで正解なのか疑問が残りました。少しその変わり果てた様子を見てから、もう一度説明書に目を通しました。どうやらこの状態からお米をすりつぶす工程に入るそうです。

入れ物の下部にはしゃもじについているような凸凹がついていて、同じような凹凸がついている専用のスプーンで「簡単に」すりつぶせるようになっていました。
数分後、つぶせたなと小さいお皿に入れ少し冷ましました。ちなみにたったこれだけの工程で30分かかっています。

椅子に座らせてから、新しく購入した表面がツルツルしているスタイを付けて、何枚か記念の撮影をしてから早速あげることにしました。
初めてのお米どうだろう。恐る恐るあげるとぱくっと食べてくれました!!
なんだこれというような顔をして、白いお湯だけ飲んでお米は口から出ていました。記念すべき初めての離乳食これにて終了です。
手のひらにすっぽりと入るお皿の中に残ったご飯を見て、なにか違うのかなと病院でもらった冊子をみると、写真と私が作ったごはんの見た目が違う気がする。
もう一度しっかり読み直すと、そこには「裏ごし」という文言。

え、これすりつぶしたあとに裏ごしするの?

離乳食初心者セットは「これだけで出来る」と書かれているのに、これだけで教科書通りの物が出来ていませんでした。これだけで出来ると記載があったから購入したのにそれプラス必要であれば、裏ごし器をいれるか、これと裏ごし器があれば出来ると大きく記載してもらいたかった。というか量少なすぎでしょう!という怒りも沸いてきました。

翌日作るときには裏ごし器を使いました。
全然お米がこし器の網の上にとどまり続けなかなか下に降りて来ず、やっと出来た時には裏ごし器の裏側にほんの少しの、でんぷんノリを水で薄めたようなお米がくっついていました。この時の感想「やっと教科書通りにできた。」ではなく「え、これ毎日やるの?」でした。
毎日、離乳食用のすり鉢でつぶして裏ごし器でこしてからあげるのですね。だからまとめて作って小分け用の入れ物に入れて冷凍保存をするわけなのですね。その時にやっと理解することができました。
この時点で私のストレスボルテージはだいぶ上がってきていました。
白い液体とお米をすりつぶして裏ごしをしている時に、離乳食初心者セットでお米を炊き、それが出来たらまたすりつぶして裏ごしをして、裏ごしの間に・・・という工程を何度も何度も行い何食分か作りました。
慣れない作業をしたキッチンはお米の液体でベタベタになっており、凹凸にご飯のでんぷんが挟まりなかなか取れない。

時間をかけて愛情込めて作っても、口から出してしまう。
「なんで食べてくれないの?これでは教科書通りに進まない。一生ごはんが食べれなかったらどうしよう。」
初めての不安な育児の中、寝不足と疲労が溜まり、キッチンにずっと立ちっぱなしで、作っている途中に子供が泣いてしまい、それでも隙間の時間を見つけて試行錯誤しながら作っても、食べてくれない。

無表情でただお米の裏ごしをするようになっていたのは作り始めて3週間ほどしてからでした。
離乳食作りで誰もが苦戦するという噂のほうれん草のタイミングがやってきました。
ほんの少しのほうれん草の葉っぱ部分を、柔らかくなるまで何分もぐつぐつと煮込んで、やっと出来たほうれん草をすりつぶしてから、それを裏ごししたところ、一向に下から出てきません。緑の水分がほんの数滴くっついていただけでした。
ほうれん草は柔らかくなってはいましたが、裏ごし器の上で葉同士が滑りあっているだけの状態でした。
食べてくれるかもわからないたった一口の為に、こんなに体力、時間、精神をもっていかれるならもう何もしない。子供が可愛くない。と旦那に連絡をして、今まで作った離乳食をすべて捨て、離乳食グッズもゴミ箱に捨て、すべての育児家事を止めて私は寝ることにしました。

出産から常に神経を使いすぎていたからか、既に起きていることさえ面倒になっていました。

連絡を受け、慌てて帰宅をしてきた旦那は、荒れ果てたキッチンやごみ袋に離乳食やグッズが捨てられているのを見てただ事ではないと感じたそうです。
子供の安否が不安になったようでしたが、無意識にも私は子供を寝室に一緒に連れていたようで、こちらの苦労を知ってなのか知らずなのか、おとなしくすやすやと気持ちよさそうに寝ていたと聞きました。

私はそのまま深く眠り続け、起きた時には翌日の昼になっていました。

今何時なのか、今日は何曜日なのか、昨日のことを思い出し、子供はどこにいるのかと気づき、自分がこんなに穏やかに起きた事態に慌てて飛び起きました。
平日の昼に子供が隣におらず大変な事になってしまっているだろうと想像するにはそう時間はかかりませんでした。

私の不安とは反対にリビングに行くと、旦那が教育番組のDVDを見ながら、ごはんをあげる支度をしていました。「食育には、こだわりがあったみたいだったから勝手に作って申し訳ない。自分なりに今まで作ってもらっていたものを見たり、インターネットで調べて作ってみた。やってみたけどかなりキツイね。」
キッチンには昨日捨てた離乳食グッズが元にあった場所にあったのと、ごはんとほうれん草を裏ごしした形跡がありました。
今まで好きだった趣味や身なりに一切興味を示さず、離乳食を作り始めてからいよいよ笑わなくなった私の状況をみて5日間の有休をとったそうです。

私自身市販の物でも良かったのですが、まずは手作りをあげたかった事それでも作る工程に手間がかかり過ぎてどうしたらいいのか分からないという話をしたことを頭の働かない中でも話した事を覚えています。
インターネットで調べても、ママに気遣っているのか無理に作る必要はないという記載やほとんどが広告なので全く参考にならなったので、その日に病院の離乳食相談室に電話をして相談することにしました。

毎日料理をしているのに、そんな離乳食程度で泣きついてこられても困る、という対応だったらどうしようと恐々していましたがそんな鬼のような返答されることは一切なく、「子供のことをすごく考えているね。大変だったね。」と優しく労ってくれました。
話を聞いたところ、料理が苦手なママや同居の為キッチンを独占出来ないママ、私のように完璧にこなしたいと無理をして離乳食初期に苦労したママはたくさんいたようで、最終的にドラッグストアで売られている市販のフレークタイプの野菜や、宅配サービスで販売されている離乳食パウチと、手作りを併用して与えるようになったという事でした。
そして、無農薬やオーガニックにこだわっているママはハンドブレンダーを使用しているようだと教えてくれました。
その有力な情報を聞いてすぐにフレークの野菜と、ハンドブレンダーがほしいから買ってきてほしいと旦那にお願いをして、ベビー用品店と家電量販店で購入してきてもらいました。

その日の夜に初めてハンドブレンダーを使用してみました。なぜ最初から使わなかったのか。むしろ何故、冊子の用意するものリストにハンドブレンダーの記載がないのか、離乳食やエプロンや練習用のマグが並んでいる売り場にハンドブレンダーが置いていないのか理解できませんでした。心から今までの苦労を返してほしかったです。
細かくすることで裏ごしも格段に楽になり、1回で作れる量も増えました。
冷凍庫に離乳食のストックが出来た事で私の精神状況も少しずつ安定し、ストックが減ってきてもフレーク野菜がある事で次の休みまでどうにかなるだろうと心にもゆとりが出来ました。
また旦那が少しでも離乳食づくりが楽になればと、出汁専門店で出汁パウダーを購入してきてくれました。昆布、カツオなどの出汁を取って冷凍しておかなくてもいいと思うと本当に穏やかでいられましたし、やはり出汁が効いて美味しいのかごはんもよく食べるようになりました。

離乳食を作って分かったこと・伝えたい事

大人だって美味しいものなら進んで食べれますし、美味しくないものはなかなか進んで食べたいとは思いません。味になれるという意味は素材の味を知るほかにも、舌を育てるという意味もあるのだなと解釈しました。
離乳食中期頃になると、食べれるものが増え子供の好みの味つけや好きな食材が分かりはじめ作るのにも慣れてきました。
そして市販のものも上手く使えるようになってやっと育児本やインターネットで載っているような美味しそうで可愛らしい離乳食も作れるようになりました。

最初こそ味を付けないでも食べていましたが、どんどん食べ物の味を覚えていくと急に食べていたものを食べなくなってくるタイミングがありました。
その時はとても悩みましたが、乳児用の野菜スープの素や、コンソメ、赤ちゃん用のお醤油を少し入れて味に変化をつけると美味しそうにまたパクパクと食べるようになりました。
赤ちゃんもやはり美味しいものが好きなようで、ホワイトソースとトマトピューレー、ひき肉を使ってラザニア風のものを作ってみたり、卵の白身にアレルギーが無いと分かったら小さいシリコン製のカップでミニ茶碗蒸しを作ってみたりしました。
ゆで卵をつぶすときにハンドブレンダーを使うとフワフワな卵が完成することもわかり、トマト味のブロッコリーと鶏のひき肉のおかゆに、ブレンダーで潰したふわふわ卵をのせて、トマトピューレーを少しのせてオムライスの完成です。

その後、離乳食後期あたりになったときに出産のときに出会った戦友たちと遊ぶ機会があり、離乳食でノイローゼになった一連の話をしました。
私含めほとんどが共働き家庭でしたが、その中の一人の友人は自営業を営んでいました。その方は「うちは、育児休暇はあってないようなもので本当に時間が無い上に高齢出産だったからか体力がなくなってしまって産後は本当に起き上がれなかったよ。とてもアクティブなタイプの子だから体力が持たなくて、離乳食を作ったのは最初の一か月だし。後はお手伝いさんを頼んで離乳食と夕飯は作ってもらっていた。それに掃除もやってくれたし。今でも市販の離乳食が大半だけど、パンが好きみたいでごはんを作ってもあまり食べないからもう諦めた。」と話していました。
また、「うちは、夕飯の支度もお願いしたかったからお手伝いさん頼んだけど、自治体でサポートしてくれるところはたくさんあるから体や心に負担がかかるくらいなら頼んだほうがいい。というか、実家に頼れないお母さんがたくさんいるのだからそういうのが当たり前になっていければいいと思っているよ。」と実際に体験した事を話してくれました。

他の友人は「うちは私自身が体が弱いタイプだから、子供の健康も考えて食事は絶対に気を付けようと考えていた。最初は凄く頑張っていたからこのままできれば理想の食育が出来ると思っていたよ。でも旦那があまり家事とか育児とかやってくれないし、子供が動き始めるようになったらそっちに手が離せなくなって、これまで作っていたような手の込んだ離乳食を作り続けるのも難しくなって、親を召喚したこともあった。
でもそれも一時的な解決にしかならなくなって、調子が良くないときや疲れてしまったら、ふりかけとか、酢飯作るときの【すしのこ】使うようになった。こんなのでいいのか悩んだこともあったけど一週間通してバランス良く食事していればもういいやと思った。」と誰もが「この子の食育凄い、お手本にしたい」と思っていた友人さえも、程よく力を抜くようになっていました。

その他にも、私のようにブレンダーを購入した友人もいました。やはり私と同じように市販の初心者セットを購入して失敗したパターンだったそうです。
その友人はブレンダーを購入してからすぐに、その方の友人(先輩ママ)と会う事があったそうです。その時に離乳食を始める話をしたようで「日中一人で育児しているなら、ブレンダーが無いと離乳食作れないよ。それぐらい必要だから。」と教えてもらったと話していました。
初心者セットを購入したし、育児本をみてもそこまで難しい感じはしなかったからと作り始めたところ、「柔らかく煮る」の簡単そうに記載された内容でも実は「柔らかく30分ほど煮込む」という事や「すりつぶす」という簡単な工程にも「すりつぶす(必要参考時間20分~)」といった現実に気付いたそうです。
作る工程は単純で簡単であっても、この時期は時間を確保することはとても難しいのだから、そんなに簡単に記載しないでほしいと怒っていました。
やはり、必要な道具欄に「ハンドブレンダー」を記載しておくべきだと改めて感じました。

旦那さんの趣味が料理という友人は、土日の旦那さんの仕事がお休みの時に1週間分の離乳食を作ってもらいすべてタッパーに入れて冷凍保存をしておいてもらったそうです。
友人自身は、離乳食の呪縛から解き放された為ゆとりが持てたそうで料理以外の家事を全力で頑張ったそうです。ゆとりが出来た為ワイシャツのアイロンかけをする時間が取れたので旦那さんも喜んでいたそうです。

うちはというとブレンダーを購入して旦那がいろいろな出汁を買ってきてくれた後から、離乳食作りが楽しくなってしまい、洗濯や掃除は完全に旦那に丸投げするようになっていました。少しでも効率化やガス台節約を図るために、仕切り鍋を使って一気にいろいろな食材に火を通したり、一気に色々な出汁を作っている話をしたところ、離乳食を作り始めてからガス台が上がったからもっと早くに知りたかったと言っていました。

もう一人の友人は味を変えても何をしても、なかなか食べなくてその時もすごく悩んでいました。しかしよく話を聞くと、実際はどの子よりもたくさん食べていることが判明しました。一日の必要なエネルギーが計算し多くの食材を与えないとと考えすぎて、沢山作り過ぎていたのです。

食べる量の個人差やミルクよりもご飯が好きという赤ちゃんもいるので一概にコレという事は言えないのかもしれませんが、食べなくて悩んでいるお母さん達は作っても残してしまったという結果を体験して悩んだり落ち込んだりしている方が大半なのではないでしょうか。
赤ちゃんの胃袋事情は本当に個人差があるため分からず、自分は量を作りすぎていないか、量は適正だけど純粋に食べる量が少ないのかと相当悩みました。
成長曲線のようなグラフで、離乳食の量の曲線(グラムは計っていられないので、わかりやすくカレースプーン何杯分のように)も母子手帳に記載されていてもいいのではないのかと思っています。
食べないのは硬さがあっていないのではないかとも考えました。舌で押しつぶせる位、歯茎で噛めるくらいと言われてもピンと来ず分からなかったです。
手のひらに置いて小指で簡単につぶれる硬さ、親指ですりつぶすようにすれば崩れる硬さなど実際に作っている工程の中で行うことが出来る具体的な描写が欲しかったです。
私自身決して料理が嫌いな訳では無かったのですが、失敗は出来ないと完璧を求め過ぎていた事と、掲載されている参考のイメージが付きにくく常に離乳食に対してストレスがありました。
離乳食を開始する前に「離乳食で重要なのは食べる量では無い。味に慣れさせるために極論スプーンでなめる位でも大丈夫。そもそも離乳食初期の本来の役目は、今後ご飯を食べる為に口や舌を動かす練習の為であってお腹いっぱいご飯を食べなくても良い。栄養は100パーセントミルクという認識で良い。食べる量は半年もすれば自然に増えてくる。」と説明がほしかったです。

これまでは、母親は苦労してなんぼという考えが多くあったように思いますが、母になったとしても自ら進んで苦労をする必要はないのです。頼れるところは頼って、肩の力を抜いて穏やかに過ごすほうが赤ちゃんも幸せです。
今悩んでいるお母さん、これから離乳食を控えているお母さんに伝えたいのは、必要なのは無理をせず離乳食が作れる環境、心のバランスが崩れたらいっそ作らなくてもいいかという心構え、パンクする前に誰かに頼ってしまえという強さです。
頑張って離乳食を作るのはとても良い事ですが、頑張りすぎて無理をしてしまうのはやめてください。心にゆとりが出来なくなって無理をしていることは、【お母さんが人生ですべて】の赤ちゃんには伝わってしまいます。
赤ちゃんと楽しいご飯の時間を過ごすことが出来ますように。

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