2021年12月27日
子育て
昔は保育園や託児所で働く人を「保母さん」と呼んでいましたが、最近は「保育士さん」と呼ぶようになりました。
これは保育をする男性職員も増え、性別に縛られない呼称になったこと、そして2003年の児童福祉法の改正により「保育士」が国家資格になったことが主な理由です。
ここでは保母さんと保育士との意味の違い、また現在子どもを預けるサービスを検討している方に向けて、どのような視点で保育園や保育所を選んでいけばよいかをご紹介していきます。
保母さんは試験に合格し「保母資格証明書」を持っていた人のことです。昔はこの資格証があれば児童福祉施設で働くことができました。
その後2003年の児童福祉法の改正により、「保育士」という名称に変わってからは「保母資格証明書」を持っていても「保育士登録」をしなくては働けなくなりました。
「保育士」への資格切り替えの手続きは事務的なもので、保母資格が消滅することはありません。
かつて「保母さん」「保父さん」と言われていた人が、現在では保育士と呼ばれています。
保育士は国家資格で、保育士養成の大学・短大等を卒業するか、保育士試験に合格してから各都道府県単位での保育士登録をし、保育士として働くことができるようになります。
保育士資格があれば保育所で働くことができ、児童養護施設、知的障害児施設などといった幅広い施設での就労も可能です。
子どもを預けるサービスにはいくつか種類があります。
ここでは、保護者が子どもの世話ができないときに代わりに保育をしてくれる主なサービスを解説していきましょう。
大きく分けて、保育園、認定こども園、小規模保育園、ベビーシッター、一時預かりという種類があります。
保育園は、保護者が仕事や病気などの理由で子どもの世話ができない時間、家庭に代わり子どもの世話をしてくれる施設です。
幼稚園は文部科学省の管轄で、教育することが目的の施設であるのに対し、保育園は厚生労働省の管轄で、家庭に代わる保育の役割を担う「児童福祉施設」です。
職員や食事、保育環境等の条件を満たし、国の認可を受けた施設がいわゆる「認可保育園」といわれます。
一方、国の認可は受けていないものの、各都道府県知事の認可を受けている保育園は「認可外保育園(無認可保育園)」で、独自の保育料やサービスが設定されています。
認定こども園は都道府県から認定を受けた施設で、幼稚園と保育園のハイブリッド型といえます。
地域や保護者のニーズにより、幼稚園型や保育園型、幼保連携型などさまざまな形態がありますが、主に幼稚園教諭と保育士資格の両方を持つ職員が教育、保育を実施します。
保育のみならず教育もしてくれるというメリットがあるため人気があり、施設によっては希望してもなかなか入園できない場合もあるようです。
小規模保育園は、0~2歳を保育する認可施設で、定員は6~19人と少人数なのが特徴です。
一般的な保育園では0~2歳児の受け入れ人数が少ないため、入園ができないと保護者が職場復帰できなくなります。
待機児童問題の解消のために認可されたのが小規模保育園です。ビルの中など狭いスペースでも保育園として認められるため、園庭がなく外遊びは近くの公園を利用するケースもあります。
ベビーシッターは利用者の自宅に出向いて在宅保育をする人のことです。
保育園だと子どもを預けるのに「保護者の就労や病気等」という理由が必要ですが、ベビーシッターは映画やショッピング、冠婚葬祭など理由は問わず預けられる利点があります。
ベビーシッターになるのに資格は必要ないため、子どもを預けたり留守宅を任せられるかなど、信頼できる人であるかが重要なポイントになります。
保育所に入所していない就学前の子どもが対象で、保護者の短時間のパート就労や冠婚葬祭、習い事やリフレッシュ、育児負担軽減のために、保護者の保育を代わって行ってくれる施設です。
自治体の運営の場合は利用料金は低めですが、利用期間が限られたり、施設によっては人気で予約が取りにくかったりする場合もあります。
民間託児所の一時預かりの場合は、料金が自治体より高い分、予約は取りやすいといえます。
託児所というのは、大事な子どもを親の代わりに世話してもらうサービスです。そのため、利用前にきちんとそれぞれの託児施設のサービス内容を確認したほうがよいでしょう。
施設の場所や保育スペースの様子、託児所の雰囲気や利用料金など、自分の子どもを預けても安心かをチェックしながら、託児施設を選んでいくことをおすすめします。
気になる託児所について、まずHPなどでサービス内容を調べることから始めましょう。
自治体がやっている保育園であれば、園によってサービスに違いは少ないと思われますが、特に民間施設の場合は、延長保育や給食の有無、施設の売りや特徴などは確認しておきましょう。
給食がない場合は都度お弁当を持たせることになりますので、預ける場合の親の作業負担も併せて把握しておく必要があります。
託児所によっては事前面談が必要なく、すぐに預けられる施設もありますが、事前面談を求められるケースも多々あります。
保護者としても、事前にどのような施設か把握し、様子を見学する意味でも気負わず面談に行くといいでしょう。
その際、家庭での子どもの様子をきちんと施設側にも伝えられるように準備しておきましょう。施設からよく聞かれる質問は以下のとおりです。
・発達、発育の様子
・家庭での様子
・お昼寝の時間や食事の好き嫌い、離乳食の進み具合など
・好きな遊びやおもちゃ
・本人の性格や癖
・アレルギーの有無
・親の就労形態や仕事の時間、託児予定時間など
認可保育園は、自治体ごとに料金が異なります。また世帯所得や預ける子どもの年齢によっても変わりますので事前にお住まいの自治体の料金を調べましょう。
民間の託児施設の場合、料金は施設ごとに異なりますので注意が必要です。預ける時間の長さによって料金も異なります。
また入会金や年会費、施設費や予約料など、直接の保育料以外にかかる場合もありますので、きちんとチェックすることをおすすめします。
勤めている会社によっては保育料を軽減できるような福利厚生のクーポンなどを利用できる場合もありますので、クーポンが使えるかどうかも確認しましょう。
子どもが社会性を身につけるという意味でも、子どもを預けるサービスの利用は決してマイナスではありません。
親の側も、子どもと四六時中一緒にいて精神的に疲れるより、適度に託児サービスを利用して仕事をしたり、リフレッシュすることで気持ちに余裕ができ、子どもに優しく接することができるようになるものです。
まずは納得いく施設かどうか、安心して子どもを預けられるかどうか、保育料金は家庭にとって適切かどうかを主眼に保育サービスを選び、親自体も「子どもを他人に預ける」ことに慣れていくことが大事です。
突発的な依頼の場合は、定員のある施設だと託児をお断りされるケースがあります。また病児保育に消極的な施設も少なくありません。
そんなときのために、ハニークローバーのような信頼できるシッター派遣のサービスを事前に選択肢のひとつに加えておくと安心です。
核家族で共働き世帯が増えたことにより、さまざまな保育サービスが世の中に増えています。
職場復帰しても保育料が高くて大変という話も耳にしますが、誰にも頼れず子どもを見ることの精神的な負担を少しでも軽減し、親自身も自分の世界を持つことはきっとプラスになります。
託児施設の選定、慣らし保育の間は、この施設で本当にいいか、子どもが泣いたり行くのを嫌がったりして本当に大丈夫かと不安になることもあると思いますが、保育士資格を持つ保育士さんならきっと子どもを社会生活に慣れさせてくれるでしょう。
上手に子どもを預けるサービスを利用して、親だけが子育ての負担のすべてを抱え込まないようにすることが大事です。