季節を感じる絵本・『10冊』

2021年11月5日

絵本読み聞かせ

日本には、「春」「夏」「秋」「冬」の四季があります。それぞれの季節には特色があり、日本の風景を美しく彩り、楽しませてくれます。

四季の移ろいを感じながら、五感で楽しみ、情緒豊かに過ごすことができるのは日本ならではですね。

絵本の世界にも四季があるのです。四季の特色や色がさまざまな形で表現されています。

絵本の良いところは、「いつでも好きな季節を楽しむことができる」こと。

春に冬の題材・雪だるまの絵本を、夏に春の題材・桜の絵本を…好きな時に好きな季節を楽しむことができます。

今回は、訪問先のお子様と楽しんだ絵本の中から、『季節を感じる絵本』をご紹介したいと思います。

◎春・夏・秋・冬 季節を感じる絵本・10冊

・『おおきくなるっていうことは』 (中川ひろたか:作/村上康成:絵)

おおきくなるっていることは、どういうことなのか。

リズムのある心地良い文章と、かわいい絵で「おおきくなるっていうことはとても素敵なことなのだな」と心に深く響くお話です。とても分かりやすい文章なので、子どもにも分かりやすく、あたたかい気持ちがたくさんつまった絵本です。

えんちょうせんせいが、「おおきくなるっていることは」とお話してくれるのを、お子様はじっと見つめて聞いています。

「おおきくなるっていうことは じぶんより ちいさなひとが おおきくなるってこと」

「おおきくなるっていうことは ちいさなひとに やさしくなれるってこと」

あたたかい言葉がじわじわと心に響き、大きくなるっていることは、なんて素敵なことなのだろう…と幸せな気持ちになります。

進級や卒業のシーズンはもちろんのこと、お誕生日の1冊としてもおすすめです。

・『そらいろのたね』 (なかがわりえこ:作/おおむらゆりこ:絵)

ゆうじが宝物の模型飛行機で遊んでいると、きつねがやってきます。そして、宝物の模型飛行機ときつねの宝物の「そらいろのたね」ととりかえるところからお話がはじまります。

そらいろのたねを植えて水をかけて育てると…「そらいろのいえ」が咲く。
とても夢のあるお話で、見ているお子様もとても嬉しそうにワクワクした気持ちで見ています。

おひさまをあびて、どんどんどんどん大きくなっていくそらいろのいえ。そして、「おしろのようなりっぱないえ」になると、動物さんやお友だち、たくさん遊びにきます。

絵本全体がとても楽しそうで、読んでいるこちらも笑顔になります。

よく見てみると、どこかで見覚えのあるあの2人が??!
こっそり登場している見覚えのあるひとを探しながら読むのもとても楽しいです。

最後はきつねが独り占めしてしまい、そのままそらいろのいえはなくなってしまいます。

夢からあっという間に覚めてしまうような、不思議な感覚になるシーンです。

お子様が、「ひとりじめはだめだよね……」と、とても残念そうにお話してくれたのがとても印象的なお話です。

・『たなばたプールびらき』 (中川ひろたか:作/村上康成:絵)

今日はたなばた。おりひめとひこぼしが、子どもたちの様子をながめています。

子どもたちの願い事は、「あまのがわでおよいでみたい」。

そこで、おりひめとひこぼしが、天の川に招待してくれることになったのです。

ユーモアいっぱいの、夢のような不思議なお話で、お子様はもちろんのこと、読んでいるこちらもとても楽しい気持ちになります。

ながれぼしがお迎えに来てくれるシーンは、お子様にとても人気があります。夢のような場面に心がワクワクしているお子様の姿がとてもかわいらしいです。

天の川のプールびらきの前の準備体操はしっかりと。見開きいっぱいに体操する姿は、なんだかとても面白くて、思わず一緒に体操するお子様もいるくらいです。

最初から最後まで、笑顔があふれている幸せいっぱいの楽しい絵本です。

・『ノンタンおよぐのだいすき』 (キヨノサチコ:作・絵)

「とってん とってん とってん」

とても不思議な個性的な「音」からはじまるノンタンのお話。

海であそんでいたノンタンたちは、迷子のかめさんに出会います。みんなで一緒に、かめさんのママを探すことになりました。

さまざまな海の生き物が登場しますが、どの生き物も「音」の表現がとても楽しいです。一緒にまねっこしながらお話を聞いてくれるお子様もいます。

大きな魚に追いかけられて…絶体絶命の大ピンチ!

そして絶妙なタイミングで助けてくれるのが、かめさんのママでした。歯がかけてしまった魚の姿が面白く、このシーンは子どもたちのお気に入りです。

ラストはみんなでバイバイしているのですが、たこさんが長い足をフリフリしている姿がとても可愛らしく、最後まで楽しいノンタンの世界です。

・『くだものだもの』 (石津ちひろ:作/山村浩二:絵)

真夏の海水浴場。くだものたちが遊びにやってきます。

擬人化されたくだものたちは、それぞれのキャラクターがピッタリと合っていて、とても可愛らしいです。くだものの名前を使った楽しい言葉あそびの連続で、テンポよくお話が進んでいきます。

最初に、個性的なキャラクターのスイカさんが登場しますが、その魅力的な絵はとても愛らしく最初からインパクトがあります。

そこからお子様たちの心はしっかりとつかまれており、楽しくて楽しくて笑い声がいっぱいです。

「びっくりした クリ めを くりくり」

お子様に人気のあるくりさん。一緒に真似っこして読みながら、笑顔いっぱいに見てくれています。

最後にまたまたスイカさん、とても良い味だしていますのでお楽しみに。

子どもはもちろんのこと、大人も、くだものたちのユーモアいっぱいの世界をたっぷりと楽しむことができる絵本です。

・『おおきなかぶ』 (A・トルストイ 再話/内田莉莎子:訳/佐藤忠良:画)

おじいさんがかぶを植えるところからお話がはじまります。

「うんとこしょ どっこいしょ」

子どもたちにとっては、テンポの良い楽しいリズミカルな言葉。大人にとっては、どこかで聞いたことがある耳馴染みのある言葉。

一緒に声を揃えて、力を合わせて…「うんとこしょ どっこいしょ」

皆で一緒に絵本の世界に入り込んでいる感覚がとても楽しいお話です。

おじいさんが育てたかぶは、それはそれは立派な大きなかぶになりました。おじいさん一人ではぬけず、おばあさんを呼んできます。おばあさんと一緒でもぬけず、孫を呼んできて3人で抜きますが、全くぬけません。孫は犬を呼び、犬は猫を呼び、猫はねずみを呼んできて…

「うんとこしょ どっこいしょ」

とてもテンポの良い繰り返しでお話がリズミカルに進んでいきます。おじいさんから、どんどん背中につながっていく様子は、お子様にとってとにかく面白く楽しい場面のようです。

「うんとこしょ どっこいしょ」と一緒に掛け声をかけながら、お子様も力が入ります。

最後に登場する「おおきなおおきなかぶ」はインパクトがあり、迫力があるシーンです。

絵の迫力が素晴らしく、読み終わった時に達成感を感じます。

この絵本のあとは、「うんとこしょ どっこいしょ」と「おおきなかぶごっこ」が始まります。

・『14ひきのかぼちゃ』 (いわむらかずお:作)

「おとうさん おかあさん おじいさん おばあさん そして きょうだい 10ぴき。
ぼくらは みんなで 14ひき かぞく。」

とても可愛らしい紹介からはじまる14ひきシリーズの「かぼちゃ」のお話です。

この絵本は、表紙と裏表紙がとても鮮やかで美しく、お話に入る前から世界観をたっぷりと楽しむことができます。ここを見ながら、お子様といろいろお話する時間もとても楽しいです。

14ひきのかぞくは、かぼちゃの種をまき、育てます。かぼちゃの種から芽が出て、花が咲き、実になるまでの過程をとても美しい絵と文章で丁寧に分かりやすく表現しています。

大きなかぼちゃに成長するまでを見守る姿は、皆真剣です。自然と触れ合い、苦労を重ねながら大事に育てたからこそ、収穫の喜びは大きなものになります。

自然の恵みの中で、命のつながりがとてもあたたかく描かれているのがこの絵本の大きな魅力です。

絵本いっぱいに描かれる14ひきのかぞくの世界は、とても美しく、幸せにあふれています。絵本から伝わる温度があたたかく、心が穏やかになります。

お子様はじっと絵本を見つめ、その世界観を楽しんでいるようです。

おじいさんが「いのちの粒だよ」とおはなししてくれるところからはじまる「かぼちゃ」のおはなし。

読み終わった時、「いのちの粒」という言葉が心に深く響き、しっかりと残ります。

・『クリスマスパンツ』 (きとうひろえ:作・絵)

「パンツ」だなんて、ちょっと下品な絵本なのかしら?…と思う方もいるかもしれません。
お子様が好きな言葉、「パンツ」。絵本を開いてみると、良い意味で裏切られます。

とてもきれいで可愛い絵が、心を和ませてくれるお話です。

「クリスマスにはくとねがいがかなうというクリスマスパンツ」。
とても魅力的な言葉です。

どんどん読み進めていくと、実はこのクリスマスパンツは、ただのパンツだということが分かります。

これを見たお子様が「勇気のパンツ」と名付けてくれました。とても良い素敵なネーミングで、このお話にもピッタリだと感じました。お子様の感性は素晴らしいと改めて感じた瞬間です。

お話のラストは、サンタクロースさんと秘密のお約束をします。

しっかりと「ひみつ」を心の中にしまっているお子様の姿にとても癒されます。

ただのパンツなのに、なぜこのパンツをはくと願いが叶うのか。

読み終わった時、「たいせつなこと」に気付くはずです。

・『ぐりとぐらのおきゃくさま』(なかがわりえこ:作/やまわきゆりこ:絵)

雪の中で大きなあしあとを見つけたぐりとぐら。ふたりがあとを追ってみると、そこはぐりとぐらのお家でした。

ドアをあけると、長靴・マント・帽子・手袋…全てが大きくて、驚きながら部屋に入っていきます。

ページをめくるごとに、ぐりとぐらのおうちにやってきた謎のお客様のヒントが次々にあらわれます。ドキドキワクワクがどんどん大きくなっていくぐりとぐら。その姿を見ているこちらもドキドキワクワク。とても楽しい時間が続きます。

そこに登場するのは、期待通りのあのひと。見ているお子様は、「やっぱり」という感じで、喜びと嬉しさで笑顔があふれています。

最後のシーンはみんなが集まってとても幸せな空間で、あたたかい空気が伝わってきます。

クリスマスの時期にピッタリの素敵なおなはしです。

・『ねずみくんとゆきだるま』 (なかえよしを:作/上野紀子:絵)

可愛くて表情豊かなねずみくんの「ゆきあそび」のお話です。

シンプルな色合いの絵の中で、ねずみくんが雪の世界を思いっきり楽しんで遊んでいる様子がとても伝わります。大きな歓声をあげながら遊んでいる姿は、子どもそのものでとても可愛らしいです。

ゆきがっせんをするけれど、ねずみくんの力ではとてもかなわないので、今度はゆきだるまづくり。可愛いゆきだるまができたけれど、もっともっと大きなゆきだるまをつくった仲間たち。

そこで今度は、スキーにチャレンジすることにしたねずみくんは大変なことになります。

ねずみくんが転がっていく姿はとにかく楽しくて面白くて、お子様の笑い声があがるシーンです。

最後に大きなゆきだるまで喜ぶねずみくんの姿がとても可愛らしいです。

お子様は小さなねずみくんのゆきだるまを見つけて教えてくれます。

最後まで、愛情いっぱいのねずみくんの世界を是非お子様と一緒に楽しんでください。

ベビーシッター派遣のハニークローバーは、保育中にお子様に絵本を読み聞かせることも喜んでさせていただきます。一回の訪問で10冊以上読んで差し上げることもございます。お気軽にご用命下さい。

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