2021年12月6日
病児保育
子育てをしながら働いていると、子どもが体調を崩した時の対応には本当に苦労しますよね。風邪はしょっちゅうひくし、アデノウイルスやRSウイルス、インフルエンザなど一年通して本当に子どもはよく病気にかかるものです。子どもが病気になってしまった時、夫婦のどちらが仕事を休んで子ども看病するかという話になりますが、やはりママが休むケースが多いのではないでしょうか。うまく仕事の調整がついて休めるのであれば問題ありませんが、その日は重要な仕事があってどうしても休めない!という場合は非常に困ります。そんなワーキングママのピンチを救ってくれる強い味方が病児保育です。今まで利用したことがないという方も多い病児保育について、その利用方法やメリットについてお伝えしていきます。
病児保育とは、発熱や咳、下痢などの感染症やその他の急性期の病気にかかっている子どもを対象とした保育事業で、保護者の勤務等の都合により家庭で保育を行うことが困難な児童を一時的に預かってくれるサービスです。看護師や保育士の配置が義務付けられているため、病院や保育施設に専用スペースとして付設されていることが多く、病気の子どもを安心して預けることが出来ます。
私が普段利用している小児科に付設してある病児保育の場合、対象児童は生後6か月から小学校6年生までとなっており、未就学児の場合は保育施設等に入所していることが条件です。利用を希望する場合、その日の午前7時半までにまず病児保育専用ダイヤルへ電話をします。留守番電話に繋がるので子どもの名前や診察券番号、何時ごろ診察に行けるかを伝えます。そして、必要な持ち物を用意して午前8時からの診察開始時間に間に合うように小児科へ向かって、受付が終わったら病児保育利用申込書の記入をします。利用申込書に記入する内容は以下の通りです。
①子どもの情報(子どもの名前、診察券番号、生年月日、体重、アレルギーの有無)
②保護者の情報(保護者の名前、緊急連絡先、お迎えの時間)
③子どもの状況(どのような症状があるか、薬の内服の有無、睡眠時間、食欲の有無)
④子どもの世話(食事形態、昼寝の仕方、排泄方法、好きな遊び)
病児保育利用申込書に記入が終わったら、次は医師による診察です。私が利用している小児科では、病児保育利用の子どもは保護者の出勤の関係上、他の子どもより順番を優先して診てくれます。先生に診察してもらって病児保育の利用が妥当だと判断されれば利用決定となり、子どもを預かってもらえます。(利用を希望する人数が定員より多い場合や、異なる病気の子どもを同じ空間で看ることが出来ないことから、部屋が確保出来ない場合には利用を断られることもあります。)
その後は病児保育スタッフの方に専用の部屋へ案内してもらい、病児保育利用申込書を見ながら子どもについていくつか確認したのち、着替え等の持ち物を渡して子どもを預けます。普段通っている保育園はお休みすることになるので、この段階で保育園へお休みの連絡を入れます。
普通の保育施設のように、病児保育スタッフの方が子どもと遊んでくれます。病児なので決して走り回ったりはせず、絵本を読んだり、絵を書いたりと室内で出来る遊びを用意してくれているので、子どもは退屈せずに過ごすことが出来ます。病児保育のメリットとして、保育時間中は看護師による検温と血中酸素濃度の測定が定期的にあり、服薬はもちろんのこと、鼻水の吸引や咳がひどければ吸入、高熱がある場合は座薬を入れてくれるなど、適切な医療ケアを行ってくれます。昼食は主食を米飯・おかゆ・麺から選ぶことが出来、栄養バランスの良い食事を提供してくれます。病児保育を何日か連続で利用する場合があるので、主食が選べるのは嬉しいポイントです。乳児はミルクの対応もしてくれます。アレルギー食の対応も可能なので、アレルギーを持っている場合は病児保育利用申込書に忘れずに記入しましょう。昼食を食べ終わったら午睡をしますが、お昼寝中も小まめに様子を見に来て、何か異常がないかをしっかりチェックしてくれます。慣れない環境でなかなか入眠出来ない場合があるので、子どもの好みの寝入り方を事前に伝えておくと良いと思います。お昼寝後はおやつを食べて、保護者が迎えに来るまで自由に過ごします。
朝、子どもの体調がなんとなく悪いように感じたけれど、発熱がなく朝食を食べられているので子どもを保育園に登園させた日のこと。子どもは心配ではありましたが、仕事があるので出勤したものの、職場に着いても保育園からの急な呼び出しに備えて仕事中もスマホをチラチラ。いつ連絡が来るかと気が気じゃありません。そして、「〇〇ちゃん、熱が出てしまって…お迎えをお願いします。」と先生から連絡が来ると、「やっぱりかー!」と心の中で叫んだ経験が何度もあります。看病のため早退できる日はいいですが、どうしても仕事の都合で抜けられない場合の救世主、それが「送迎サービス」です。私の住んでいる町の病児保育では、保護者から連絡があると、近隣の保育園へ病児を迎えに行ってくれる送迎サービスがあります。保護者は仕事を中抜けする必要がなく、仕事が終わってから病児保育に子どもを迎えに行けば良いので非常に助かります。今まで何度かこういったピンチの時に利用しており、仕事と育児の両立をサポートしてくれるまさに神サービスといえます。送迎サービスを利用する場合は、保育園に病児保育のスタッフが迎えに来る旨を必ず連絡しておく必要があります。
仕事が終わったら、事前に伝えていた時間までに病児保育へ子どものお迎えに行きます。受付で名前を伝えると、受付スタッフの方が子どものいる部屋まで案内してくれるので、我が子と数時間ぶりの再会です。病児保育スタッフの方から子どもがその日一日どのように過ごしていたか説明があり、体温や酸素濃度、昼寝時間、食事内容等を記録した用紙がもらえるのでしっかり内容を確認します。その後は利用料金の支払いを行って終了です。一日ずっと一緒にいて遊んでくれたスタッフの方に子どもはよく懐いていて、帰りの車の中ではどんなことをして遊んだかいっぱい話してくれるので、楽しく過ごしてくれてよかったな~とほっとした気持ちになります。
私が利用している病児保育の一日あたりの利用料は、利用料1,000円+昼食代300円+おやつ代100円の計1,400円です。(利用時間8:00~18:00)半日利用の場合は利用料が半額になり、多子軽減で第2子は半額、第3子は無料となります。しかし、この料金は住んでいる自治体からの補助があるためで、補助がない場合は利用料が7,000円とかなり高額になります。料金は施設によって異なるので、利用する前によく確認することをおすすめします。今後ますます共働き世帯が増えるなかで、親が仕事を休むことなく病気の子どもを預かってくれる病児保育はその重要性を増していくことと思います。子どもの看病のために欠勤する日が少なくなることで職場での信頼感が上がったり、重要な仕事を任せてもらえたりするようになるなど、キャリアアップに繋がるメリットもあります。多少お金がかかったとしても、利用する価値は十分にあるので、ぜひ利用してみてください。