2022年3月9日
育児参加
「イクメン」が叫ばれるようになった最近の日本。
男性の育児参加や産後の育児休業の取得を国をあげて推進しているものの、現状としてそこまで積極的に取られているイメージは残念ながらありません。
育児休暇を取るなら退職や昇進を諦める覚悟で、という古い体質の企業も暗黙の了解で少なからず残っているようです。
その中でふと「公務員の男性は育休を取得しているのだろうか?」と気になりました。
というのも、公務員であれば民間の企業の模範となるように国が推進している男性の育児参加やその為の休暇を積極的に取っているはずではないか?と同時に、公務員=古い組織、制度が残っている印象が強い為、尚更公務員の職員の育休事情が気になり調べてみることにしたんです。
早速調べてみるといきなり驚きの数字が!それは”男性国家公務員の育休取得率は99%”とのこと。ほぼ全員ですよね。私は身近に国家公務員の知人がいない為直接確認することが出来ないのですが、本当に!?とかなり驚きの結果です。
これは2020年の4~6月に子どもが生まれた一般職の男性国家公務員と防衛省の特別職2929人を対象とした統計の結果で、取得日数の平均は50日。なんと取得者の88.8%が1ヶ月以上の休暇を取得していたそうです。
その仕組みはというと、「上司が本人とスケジュールの相談をしながら計画を作る取組を実施し、仕事や人の調整を行うこと。」これが管理職らの人事評価に反映されるようになっているそうです。
内閣人事局では、「女性の活躍の促進、少子化対策のために男性の育休は重要だ」としており、国家公務員はこの指針をダイレクトに実行しているのでしょう。
一方で地方公務員の場合はどうかというと、まず掲げられている目標が「令和7年までに育休取得率を30%にする」なんです。国家公務員とは大きな差がありますね…。
地方公務員の場合やはり場所ごとに地域性もあります。保守的な地域や田舎ではまだまだ男性が育児の為に休暇を取ることにマイナスイメージが残っている事が多いようです。
形としては子が3歳になるまで育休の取得は可能とされているようですが、やはりネックになっているのは政府が目指しているような長期の休暇を取得した場合の「収入」ではないでしょうか。これは配偶者としても夫の育休により助かる反面、不安にもなってしまいます。調べてみると地方職員共済組合という共済から育児休業の手当が支給されるそうですが、子どもが1歳になるまで、という条件付きです。これは民間企業とほぼ同様ですね。つまり助成金や補助金が利用できる産後1年間が一般的には休暇の限度でしょう。
地方公務員が出産、育児に関連する休暇で有給のものを検索して調べて一覧で集めてみると、
・育児参加休暇(産後8週間までの間の5日以内の範囲。小学生未満の子がいる場合は産前8週間から)
・配偶者出産休暇(出産の前後3日以内)
・育児時間休暇(満1歳までの子を養育する場合に1日最大2回、各30分まで)
・子の看護休暇(小学生未満の子の負傷、疾病、予防接種等の際に5日。2人以上の子がいる場合は10日)
というものがありました。勤務時間の間に一時的に取得できるものもあるんですね。日数や時間的にはどれも短いですが、短時間であるからこそどのように過ごすかが重要になってきます。
育児休暇を取得はしっかりと目的を持つことが大切です。たまに育休を勘違いして自分が休んでばかりという男性もいるようで…。
そこで大分県の県職員による子育て支援ページという素晴らしいサイトを見つけました。ここには男性職員の子育てのために取得できる休暇の概要や申請の方法等の情報が紹介されており、実際に例として取得した際の体験談も掲載されています。
体験談には取得のきっかけや準備(班での調整等)、休暇中の過ごし方(家事や育児の補助、休暇に伴う周りの反応やフォロー、妻との関係や心の変化、休暇後の様子等が楽しく作成されており、個人情報がある為詳細はここで出せませんが「こんな考えや過ごし方があるのか」と、自分と家族の幸せの為にどう過ごすのか参考になるものばかりです。
総務やこども未来課等、所属も役職もバラバラなので、大分では県庁全体で男性の育休を取得しやすい環境づくりを行っているんだなと感じ感動しました。
下記にホームページを載せますので、ぜひリンク先で本文をご覧下さい。