2021年12月13日
食育
私の子どもは、アレルギーを持っています。
発覚したのは生後5か月の時でした。離乳食を始めた頃に、試しに挙げたパン粥で全身に発疹が出て、救急車で運ばれ点滴を打つことになりました。病院で手に針を刺されて苦しそうに泣く我が子の姿は今でも忘れられません。
入院中に血液検査をした結果、小麦と卵のアレルギーがあることが発覚しました。
どちらかならまだしも、小麦と卵両方のアレルギーがあると、成長するにつれ食べられるものがかなり限定されてしまいます。毎日の離乳食のメニューがマンネリ化し、悩む日々が続きました。
特に困ったのが、9か月頃から始まった手づかみ食べのメニューです。
食パンや蒸しパン、パンケーキなど、パンをあげるのが一番簡単でつかみやすいのです。
それらがあげられない中、手づかみ食べの練習をさせるにはどうすればいいだろう。
自分が管理栄養士の仕事をしていることもあり、栄養も考えつつ息子が食べられる食材でメニューを考えることにしました。
いろいろと試した中で、特に息子のお気に入りになったのが以下の3つのメニューです。
~材料~(20枚分)
オートミール 50g
牛乳 200㏄
ツナ 30g
油 適量
1.オートミールと牛乳を耐熱皿に入れ、レンジで1,2分加熱し、その後数分置いてふやかす。
2.1にツナを混ぜる。
3.フライパンに油を薄くしき、2㎝程度のパンケーキのような平べったい楕円になるように2を焼く。
片面1分程度で焼き目が付いたら裏返し、更に1分程度焼く。
4.両方きつね色になったら完成。
オートミールは麦ですが、燕麦という小麦と違う成分の食品です。そのためアレルギー反応は起こらず、息子も食べられたので重宝しています。
ホットケーキミックスが使えなくても、パンケーキを食べさせてあげたいと思い、オートミールを使って作ってみました。
大人のパンケーキのように大きく焼いて切ってもよいのですが、生地が柔らかいため、小さい円でいくつも作るほうがうまくいきました。
これを初めて息子に食べさせた時、眼を見開いて喜んでくれました。
食べ終わってももっともっとと要求され、一度に10個も食べて驚きました。
ツナ以外にも、みじん切りの魚肉ソーセージ、きなこ、ニンジン、コーンなど、色々な食材を入れてアレンジしています。
いくつかの種類を焼いて冷凍しておき、時間のない朝などにレンジで温めて出すと、手軽で栄養のあるご飯になって助かっています。
~材料~(20個分)
豚ひき肉 100g
塩 1振り
豆腐 50g
片栗粉 大さじ1
トマトペースト 20g
ケチャップ 小さじ1
1.豚ひき肉と豆腐に塩を振り、片栗粉を入れ、しっかりと混ぜる。
2.2㎝程度の円形に整形し、鍋に入れゆでる。
3.肉だんごが浮き上がり、中までしっかり火が通っていることが確認したら、ゆで汁を鍋に少量
残して捨てる。
4.残ったゆで汁にトマトペーストとケチャップを入れて肉だんごに絡ませ、しっかり馴染んだら完成。
卵やパン粉を入れると柔らかくておいしい肉だんごですが、それらが使えないのでどうしても硬くなり困っていました。そこで豆腐を混ぜてみたら、柔らかくふわっと仕上がり、奥歯がまだ生えていない息子もパクパク食べてくれました。
はじめは片栗粉なしで作っていたのですが、ぼろぼろと崩れて食べづらかったみたいなので、つなぎのために片栗粉を加えるようにするといい感じになりました。
日によって、きのこや野菜のみじん切りを混ぜ込んだり、粉チーズを適量入れたりと変化を付けています。
たくさん作りすぎてしまったときには、肉だんごをつぶしてご飯にかけ、粉チーズをのせて焼いてドリア風にしたり、米粉のパスタを使ってミートソーススパゲッティにしたりします。
また、トマトソースで味を付けずに、肉だんごとして出したり、おつゆに入れたり、平べったく整形して焼いてハンバーグにしてみたりと、どんなアレンジでも息子は大喜びのお気に入りメニューです。最初はフォーク練習のために作ったのですが、早く食べたくてまどろっこしいのか、手づかみで食べるようになってしまいました。ミートソースの後片付けは大変ですが、口いっぱいにほおばってソースを顔につけた息子を見ると幸せな気持ちになります。
のどを詰まらせるのが怖いので、小さめに作ったうえで、四等分に切ってあげるようにしています。
~材料~(12個分)
さつまいも 150g
フォローアップミルク 20㏄
きなこ 小さじ1
バター 10g
(下準備として、バターはレンジで溶かしておく)
1.さつまいもは皮を剥き1㎝程度に切る。
2.鍋でゆで、柔らかくなったらざるにあげる。
3.2に水または湯で汁で溶かしたフォローアップミルクを混ぜ、しっかりつぶす。
4.丸めてクッキングシートを敷いたオーブン板にのせ、上から溶かしたバターを薄く塗る。
5.250℃に温めたオーブンで5分ほど焼き、焼き目が付いたら完成。
おいもが大好きな息子は、これを出すと食べきるまで他のメニューには手を出してくれません。
次から次へと口に入れ、口いっぱいにほおばるので、のどを詰まらせないかとハラハラしながら注意して見守っています。
お弁当をもって公園へ出かけることがよくあるのですが、その際のおやつにも重宝しています。
バターはなくても良いのですが、表面の艶出しに卵黄が使えないため、焼き色が付きやすいように塗るようになりました。
さつまいもにきなこを混ぜることで、たんぱく質や鉄分などを補強しています。
フォローアップミルクもその役割の一つですが、代わりに牛乳や豆乳で作ることもよくあります。
その日の気分で野菜のパウダーを混ぜ込むこともよくあります。おいもの甘みが勝つのか、ほうれん草パウダーなど少し苦みのあるものでも嫌がられたことはありません。
また、甘くないさつまいもだった場合は、メープルシロップを少し生地へ垂らすのもおいしいです。
余談ですが、手づかみ食べのメニューというほどでもないのですが、息子はニンジンスティックが大好きです。
始めは鍋でゆでていたのですが、ちょうどよい硬さにゆでるのが難しく、わざわざ鍋を使うのが面倒になり、炊飯器を使う技を編み出しました。
いつも通りご飯を炊く際に、アルミホイルでスティック状に切ったにんじんを包み、洗った米の上に置いて一緒に炊飯します。
わざわざ鍋を使う必要がなく、また、硬すぎず柔らかすぎず、ちょうどつかみやすい柔らかさになるのでとても便利です。
ニンジンの他、大根やさつまいも、ブロッコリーなどでもよく作ります。どれも冷凍しておいても食感があまり変わらないため、ご飯を炊く際にはついでに野菜スティックをつくるようになりました。
卵と小麦のアレルギーのある息子ですが、食欲は人一倍旺盛で、どんな料理を出してもパクパク完食してくれます。そんな息子の姿を見るのが嬉しく、アレルギーがある中でもいろんなメニューを作って食べさせてあげたいと考えています。卵や小麦を使うレシピを見たら、これを代用することはできるかな、と試行錯誤するようになりました。
もちろん卵と小麦を食べられるようになったらいいなあと思う反面、それらが食べられなくてもいいやと思えるくらい、たくさんの美味しいものを作って食べてほしいです。いっぱい食べてすくすく育ってくれるのを祈っています。