2022年5月23日
子育て
赤ちゃんが成長すると、母乳や育児用ミルクなどの乳汁だけではエネルギーや栄養素が不足するようになります。
そのため、飲む乳汁から噛んで食べる幼児食へ移行するためには食べ物に少しずつ慣れていくことが大切であり、その過程を「離乳」と言います。
そして、なめらかにすりつぶした食べ物を「離乳食」と言い、成長に応じてエネルギーや栄養を補うために離乳の期間に赤ちゃんに離乳食を与え、食べることに慣れてもらい、食べる欲を育むことが大切なのです。
赤ちゃんが食べる最初の離乳食は、すりつぶして滑らかなポタージュ状にするのが理想的ですが、このすりつぶす行為がとても手間がかかり面倒ですよね。
ただでさえ離乳食を作るのは大変なのに赤ちゃんが食べてくれないとなると一生懸命作った甲斐が無いだけでなく、ママの心が折れそうにもなりますよね。
実は、離乳食を始める時期には最適な時期があり、しっかりとした見極め方があるのをご存じですか?
離乳食を始める時期について、多くのママが生後5か月からと考えている人がいますが、それらは目安であり、赤ちゃんの成長具合によっても異なります。
一般的に離乳食を始める時期が生後5か月と言われているのには理由があり、生後5か月を過ぎると、母乳やミルクだけではどうしてもエネルギーや栄養が不足しがちになり、噛む力を発達させるためには歯が生える直前ぐらいから離乳食を進めるべきという主張があります。
しかし、赤ちゃんによっては生後4か月から離乳食を始める子もいれば、生後5か月から始めたものの食べないので一旦中止にして生後7か月から再開した赤ちゃんもいて、さまざまなのです。
赤ちゃんが離乳食を嫌がっている場合や、赤ちゃんの離乳食を始める時期に迷っている場合は、しっかりと赤ちゃんの様子を確認して、始める時期を見極める必要があります。
そこで、赤ちゃんの離乳食を始める際の最適な時期と見極め方をご紹介いたします。
【赤ちゃんの離乳食を始める時期と見極め方】
赤ちゃんが離乳食を始める目安は生後5か月から6か月頃を目安にしましょう。
生後5か月から6か月ころは消化器官がある程度発達し、哺乳反射が消えるなど、食べ物を食べるための体の準備が整ってくる時期です。
また、この時期になると
① 大人が食事をしている様子に興味が出る
大人が食べている口元を見つめたり、自分も口を動かす、よだれを垂らすなどの様子が見られたら興味を示している証拠です。
② 唾液の量が増える
唾液の量が増えたことは、食事への興味の現れです。
③ 首がしっかりとすわっていて、寝返りも出来る
縦抱きをする際に首に手を添えなくても、自分で頭を支えられるようになっていれば離乳食を始めるサインの一つとなります。
④ 大人の手やクッションなどで支えてあげると短時間座っていることが出来る
支えてあげることでお座りが出来れば、上半身がしっかりしてきた証拠です。
⑤ 離乳食用のスプーンを嫌がらない
下唇にスプーンの先を乗せていやがるうちはまだ赤ちゃんの準備が整っていない証拠です。
そのため、離乳食をあげる際にいきなりスプーンを口に入れるのではなく、毎日スプーンを下唇に当てて練習を行いましょう。
上記のような様子が見られるようになり、赤ちゃんの機嫌が良い際には離乳食を始めるベストなタイミングとなるので、離乳食を開始しましょう。
また、離乳食を始める生後5か月から6か月ごろは、赤ちゃんが食べることに慣れることが重要であり、成長に必要な栄養のほとんどは母乳やミルクからとっているため、この時期はまだ離乳食からとる栄養量を気にする必要はありません。
そのため、離乳食と授乳のバランスは、授乳時間の1回を離乳食と授乳として、時間は午前中に離乳食を始めることをおすすめします。
授乳間隔は3時間から4時間ほど空くことが理想的ですが、赤ちゃんによってさまざまなので、赤ちゃんの様子を確認しながら行いましょう。
離乳食を与える量は小さじ1程度から始め、赤ちゃんに離乳食に慣れてもらうためにも一旦離乳食を始めたら毎日同じ時間に食べさせるようにして下さい。
離乳食後の授乳は欲しがるだけ授乳してあげ、ミルクの場合は1回あたりの規定量を守りましょう。
その後は離乳食の量や回数を増やし、授乳を減らしていきます。
離乳食を始める際の授乳は必ず離乳食を食べた後にし、授乳でお腹いっぱいにしてから離乳食をあげることはやめて下さい。
【離乳食を与える際の注意点】
また、離乳食を与える際にはさまざまな注意点があります。
① 初めての食材は病院が空いている時間にあげる
初めての食材を与える場合は、ごく少量から始め、食物アレルギーの症状が出ないかどうかを慎重に見極めることが重要です。
その際、その食材に反応したのか判断しやすいように、初めての食材は1種類ずつ与え、万が一なにかしらの症状が出た場合は早急に病院を受診しましょう。
② 勝手な判断はせず、食物アレルギーが気になる場合は医師に相談する
離乳食で気になる食物アレルギーのなかでも、卵、牛乳、小麦が三大アレルゲンとして有名ですが、肉類や魚類、ナッツ類など、ほとんどの食材でアレルギーを起こす可能性があります。
特定アレルギーとしては、卵、小麦、えび、かに、そば、落花生、乳、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイ、牛肉、くるみ、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、松茸、桃、山芋、りんご、ゼラチンの27種類となります。
ただ食物アレルギーを起こしやすいと言われる食材そのものに危険があるわけでは無く、アレルギー体質の子が食物アレルギーになりやすいのです。
また、心配だからといって自己判断で離乳食の開始時期を遅らせたり、特定の食材を除去したりすることは栄養面や生長面に影響が生じ、その行為が食物アレルギーの発症につながる可能性もあります。
アレルギー症状は赤ちゃんによって異なりますが、発疹やかゆみ、目の腫れ、下痢や嘔吐、くしゃみや咳、動悸が激しくなるなど、さまざまな症状があります。
食べさせてすぐに症状が出る赤ちゃんもいれば、何時間か経過してから症状が発症する赤ちゃんもいるので注意しましょう。
また、急速に全身にアレルギー症状が出てショック状態となるアナフィラキシーショックの場合はすぐに対応が必要です。
呼吸困難や、血圧低下、意識障害などの症状が出てぐったりとしているようであれば早急に救急車を呼んで下さい。
アレルギー問題はとても難しく、専門的知識が必要な場合もあります。
そのため、家族に食物アレルギーの人がいたり、少しでも心配なことがある場合は必ず医師に相談してから離乳食を始めましょう。
③ 衛生面
赤ちゃんの内臓はまだまだ未熟であり、衛生面には気を付ける必要があります。
基本的に1歳までは食材を必ず加熱しましょう。
食材によっては十分加熱するものもあれば、熱湯をくぐらせて調理する場合もあり、加熱調理の仕方はさまざまです。
また、食材は新鮮なものを使い、調理器具も出来るだけ清潔にしましょう。
④ お粥から徐々にステップアップする
離乳食初期のころはあくまでも食事に慣れるための移行期間であり、基本的な栄養は母乳やミルクから摂取しているので食材を気にする必要はそれほどありません。
食べること自体に慣れてきたら色々な食材にトライしていくこととなり、長い目で見た場合には、エネルギーとなる炭水化物、体を作る元となるタンパク質、体の調子を整えるビタミンミネラル、この3つが上手く入った食事を心がけます。
基本的に消化の良いお粥から始め、徐々に野菜や果物のすりつぶし、タンパク質へとステップアップしていくことが大切です。
「赤ちゃんが離乳食を食べてくれない」「最初は食べてくれたのに徐々に食べなくなった」などといった悩みを持つママは多く、赤ちゃんの離乳食に試行錯誤しているママやパパはたくさんいます。
赤ちゃんが離乳食を食べてくれない理由はさまざまですが、今まで母乳や育児用ミルクしか飲んでいなかった赤ちゃんにとって、スプーンなどの得体のしれないものが口に入ってくるのは苦痛であり、驚きの連続となります。
また、赤ちゃんが離乳食を食べない理由は月齢によっても異なり、さまざまです。
そこで、赤ちゃんが離乳食を食べてくれない際の理由を月齢別にご紹介いたします。
【生後5か月から6か月】
生後5か月から6か月の赤ちゃんはゴックン期と呼ばれる時期であり、母乳やミルクから離乳食へと移行する時期と言われています。
そのため、まだ離乳食に慣れていないので、食べてくれないということもよくあります。
① まだ離乳食を食べる発達段階ではない
離乳食を始める時期は生後5か月を経過してからと言われており、ママやパパの食事の様子を見て興味を示したり、目で追ったり、よだれを出したり、口をもぐもぐ動かしたりしていたら始め時です。
また、寝返りがうてる、お座りが出来るという発達状態も大切であり、5か月を過ぎても首がすわっていなかったり、寝返りが全く出来ていない場合は保健師に相談してみて下さい。
② お腹が空いていない
離乳食のタイミングによっては、赤ちゃんが離乳食を食べてくれないこともあります。
母乳やミルクを飲む少し前の時間に離乳食をあげるのが基本ですが、先に母乳やミルクを飲んだ後だとお腹がいっぱいで離乳食を食べてくれません。
逆にお腹が空きすぎていても大泣きしてしまって離乳食を食べてくれないこともあります。
③ 舌触りや味を嫌がっている
離乳食は、母乳やミルクとは感触も味も全く違います。
離乳食を始めたばかりの頃は舌触りがざらざらしている、味が嫌という理由で食べないこともあり、一口目には顔をしかめて気持ち悪がる赤ちゃんもいます。
そのため、赤ちゃんが嫌がっている場合にはトロトロのポタージュ状になるまで裏ごししたり、離乳食に母乳やミルクを少し足したりして何時も慣れている舌触りや味に近づけてあげる必要があります。
また、この時期は味付けをしなくても、米や野菜の素材の味だけで十分です。
④ 押し出し反射で吐き出す
押し出し反射とは、赤ちゃんが吸えないものが口の中に入ってきたときに、反射的に口の外に押し出してしまう現象のことを言います。
生後5か月くらいで離乳食を始めた時にはこの押し出し反射によって吐き出してしまうことが多く見かけられます。
押し出し反射を防ぐためにはスプーンを赤ちゃんの口に入れ過ぎず、下唇に軽く乗せて上唇がおりてきたらスプーンを引き抜いて食べ物をはさみとらせるのがポイントです。
【生後7か月から8か月】
生後7か月から8か月の時期はモグモグ期と言われていて、離乳食の中だるみの時期です。
口や味覚がだんだんと発達してくるので離乳食にも工夫が必要になってくる時期とも言われています。
① 食べ物の硬さが合っていない
生後5、6か月の時は順調に離乳食を食べてくれていたのに、ある時から急に食べなくなることがよくあります。
口腔機能が発達してきて、舌も良く動くようになり、舌と上あごでつぶしながら食べるようになるので、今まで食べていたトロトロ状の離乳食を嫌がるようになります。
また、逆に今までトロトロ状の物を食べていたのに急に硬さが増したことで赤ちゃんが嫌がって食べない場合もあります。
② 味のバリエーションが少ない
生後7か月頃からは味覚が発達し、これまでの単調な味を嫌がって離乳食を食べなくなることもあります。
その際は、調味料は必要ないのでお豆腐にサツマイモを加える、おかゆに魚やしらすを加えるなどと食材の味でバリエーションを増やすようにしましょう。
③ 好き嫌いが出てきた
赤ちゃんはさまざまな味を知ることで好き嫌いがはっきり出てくるものであり、この時期は特に好き嫌いがはっきりしてくると言われています。
そして、この時期はヨーグルト、チーズなどの乳製品をはじめ、赤身魚や鳥ささみ、納豆などの幅広い食材が試せる時期でもあるので、いろいろ試してみて下さい。
【生後9か月から10か月】
生後9か月から10か月の赤ちゃんはカミカミ期と言われ、前歯が生え始め、歯ぐきで食べ物をつぶす力が付き、いろいろなものを前歯で嚙みちぎって食べたがる時期です。
① 硬さが適していない
カミカミ期は、モンキーバナナ状やミニハンバーグ上の硬さで前歯でかじり取って、歯ぐきでつぶしやすい食べ物が適しています。
また、柔らかすぎたり、硬すぎたりすると嫌がって食べてくれないことも多々あります。
② お腹がいっぱいになっている
いつも離乳食を残してしまう場合は、食べないのではなく、お腹がいっぱいになっている可能性が高いです。
育児本などには赤ちゃんの離乳食の目安量が書いてありますが、目安量と赤ちゃんにとっての最適な量は異なります。
そのため、育児本は参考までにし赤ちゃんの最適な量を知ることが大切であり、無理に完食させようとすると食べ過ぎとなってしまう、将来的な肥満にも繋がってしまいます。
③ 手づかみ食べが出来ない
生後9か月以降の赤ちゃんは手づかみ食べをしたがる時期であり、手に取って食べやすいものを用意すると食べる意欲を高めることが出来ます。
赤ちゃんは手づかみで食べることによって自分の一口量を学習していきます。
大人と同じように満腹になると自分の手では食べなくなり、その時は無理に食べさせる必要はありません。
食べる適量を赤ちゃん自身が学べるように手づかみ食べの意欲を育ててあげることが大切です。
赤ちゃんが離乳食を食べてくれないとママやパパは心配になり、発育に問題がないのかと不安になりますよね。
そんな時は、赤ちゃんの様子をしっかりと確認してあげることが重要なのです。
●体重が毎月増えていて、機嫌が良い
赤ちゃんがなかなか離乳食を食べてくれない場合は、月齢ごとに体重をチェックしてみて下さい。
母子手帳に載っている発育曲線の身長と体重のバランスを見て、成長曲線に沿って順調に体重が増えていれば多少離乳食を食べなくても問題はありません。
しかし、体重が成長曲線に沿って増えていなかったり、体重が減ってしまっている場合は何かしらの問題が隠れている可能性も考えられるので、小児科の先生や保健師さんに相談するようにしましょう。
●母乳やミルクを飲む量が少しずつ減っている
生後5か月から6か月の赤ちゃんは離乳食の割合が10%から20%、9か月では60%程度と徐々に離乳食からのエネルギーや栄養素の割合が高くなるのが一般的です。
また、生後9か月になったら3回食にして、離乳食からしっかりと栄養を摂れるようにすることが大切です。
しかし、機嫌が悪く、離乳食を嫌がって食べない日があってもそれほど気にする必要はありません。
朝食を食べ過ぎたからお昼は食べない、3日間全く食べなかったけど4日目はいっぱい食べたということは多々あり、赤ちゃんも大人と同様に食べたくない日もあります。
そのため、目安としては1週間単位で赤ちゃんの食べ方を観察することが重要であり、1週間を通して栄養が摂れていれば問題はありません。
体重が順調に増えていて、赤ちゃんの機嫌がよければまず問題なく、少し長い目で見守ることが大切なのです。
赤ちゃんが成長すると、母乳やミルクから幼児食へと移行するため離乳食が始まりますが、全ての赤ちゃんが離乳食を嫌がらず食べてくれるわけではありません。
ママが一生懸命離乳食を作っても嫌がって食べないことは日常茶飯事であり、ママやパパはイライラしてしまいますよね。
赤ちゃんが離乳食を食べない理由は発達段階ごとに異なり、赤ちゃんの発達具合によって離乳食を進める必要があります。
離乳食の進み具合は時期や赤ちゃんの月齢よりも個性によって進み具合が変わり、育児本やネットなどの情報は参考程度にしかなりません。
そのため、離乳食を嫌がる場合は赤ちゃんの様子をしっかりと確認し、赤ちゃんの発育に合わせた離乳食作りを心がけ、赤ちゃんに合った対応を心がけましょう。
【離乳食初期の対策方法】
離乳食初期とは生後5か月から6か月ごろであり、赤ちゃんの首がすわり、食べ物に興味を示しだす時期です。
離乳食初期の赤ちゃんが食べない場合の対策は4つあります。
① 飲み込みやすいように、出来る限りなめらかにすりつぶす
② おかゆの上澄みだけをあげて様子を見る
③ 熱すぎないか、ミルクと同じ人肌程度になっているか確認する
④ どうしても食べない場合は中断しても良い
この時期の赤ちゃんはまだ離乳食自体に慣れていないので、食材を出来る限りなめらかにすりつぶしたり、とろとろのポタージュ状になるようにしてあげましょう。
はじめは消化の良い10倍がゆを小さじ1程度から始め、その後、徐々に野菜や果物を取り入れるようにします。
丁寧にすりつぶして赤ちゃんが飲み込みやすくし、ある程度食べられるようになったら少しずつ荒めにすりつぶして食感に慣れさせてあげましょう。
食べてくれない時はおかゆの上澄みだけをあげて、少しずつミルク以外の味に慣れさせてあげることから始めてみて下さい。
また、離乳食をあげる際に注意して欲しいのが「温度」です。
温度が高すぎたり、低すぎたりすると離乳食を食べない原因の場合もあるため、母乳やミルクと同じくらいの温度にしてあげましょう。
基本的に離乳食をあげるタイミングはミルクの前が理想的ですが、赤ちゃんがお腹が空いて食べてくれない可能性もあります。
そのため、赤ちゃんが泣いて離乳食を食べてくれない場合はミルクを離乳食前に少し与えるようにし、赤ちゃんの様子を見ながら離乳食を与えてあげましょう。
また、離乳初期から離乳食中期へと移行するのは月齢だけでなく、赤ちゃんの様子もしっかりと確認してあげましょう。
離乳食開始から1か月を目安に1回食から2回食へと回数を増やし、少しずつステップアップすることが大切です。
【離乳食中期の対策方法】
離乳食中期とは生後7か月から8か月ごろであり、モグモグ期と呼ばれています。
モグモグ期に入った場合には、大きさや食感などを食べやすく調理することがポイントとなります。
また、スプーンを赤ちゃんの下の真ん中より奥に入れてしまうと、赤ちゃんはご飯を飲み込むことが出来ずにとても危険です。
そのため、スプーンの使い方も工夫が必要です。
離乳食中期に食べない時の対策を6つあります。
① 食べなれた食材をあげる
② 食材は大きすぎないように出来るだけ細かくする
③ 豆腐くらいの硬さが理想
④ 食材の繊維は細かく刻む
⑤ 片栗粉でとろみをつけて食べやすいようにする
⑥ 赤ちゃんのペースで口に運ぶ
離乳食中期に突入したら、無理に色々な食材を与えようとせずに、5倍がゆやにんじんなど離乳食初期に食べなれた食材から始めることが基本です。
中期は食材を固まりで揚げることが大切なのですが、食材は出来るだけ細かくし、大きくし過ぎないように注意しましょう。
また、繊維が残りやすいほうれん草やわかめなどは軟らかく煮てから細かく刻むなど食べやすく工夫してあげましょう。
食べにくそうな食材は片栗粉などでとろみをつけて食感をなめらかにするのもおすすめです。
赤ちゃんが食材を食べてモグモグし、口の中が空になったのを確認してから次の分をあげるようにしましょう。
ママやパパは「たくさん食べて欲しい」という気持ちから次から次へと食材を口に運んでしまいがちですが、しっかりと赤ちゃんのペースに合わせて離乳食を与えましょう。
【離乳食後期の対策方法】
離乳食後期とは9か月から11か月ごろを言い、カミカミ期と呼ばれています。
離乳食後期になると離乳食の回数も1日3回となり、食事のリズムが整ってきます。
また、離乳食後期は舌だけでなく歯ぐきで食べ物を噛むようになる時期であり、物を噛む練習を始めるタイミングとなります。
また、味覚が発達する時期でもあるので、さまざまな食材を取り入れてさまざまな食材や味に慣れさせていきましょう。
特に離乳食後期は鉄分が不足しがちになるので、レバーや赤身の魚など鉄分を多く含む食材を取り入れましょう。
離乳食後期に食べないときの対策は4つあります。
① 食材の硬さを見直す
② 慣れない味で嫌がるならいったん戻す
③ お腹が空いていない時はやめる
④ つかみ食べをさせる
離乳食後期は噛むことを練習する時期ですが、食材が固すぎると赤ちゃんは上手に食べることが出来ません。
そのため、食材の硬さは歯ぐきでも噛みやすいようにバナナくらいの硬さにしてあげることが大切です。
また、離乳食後期はパンを食べることも出来、トーストにしてあげたり、ミルクに浸してミルクパンがゆにしてみるのもおすすめです。
新しい食材は積極的に試したい時期でもありますが、赤ちゃんが嫌がって食べない場合は一旦食べなれた食材に戻してあげるなどの工夫をしてあげましょう。
また、2回食から3回食になると、お腹が空きにくくなり食べてくれなくなることもあり、あまり動かなかった日や授乳が多かった日はお腹が空かず食べてくれない場合もあります。
そして、離乳食後期になったら手づかみ食べをしやすいメニューを考えてあげることも重要です。
茹でた野菜スティックや小さめのおにぎり、掴みやすいミニハンバーグなど赤ちゃんが手に取って食べやすいサイズになるように工夫しましょう。
赤ちゃんが自分で手づかみ食べを始めたら、どの様に食べるのか、どれほど食べるのかを確認し、様子を見守りましょう。
赤ちゃんが遊び食べを行うとママやパパはついついイライラしてしまいがちですが、手を使って食べることはスプーンやフォークの使い方の基礎にもなります。
食べこぼしが気になる、汚れるのが嫌な場合はあらかじめ新聞紙をひいたり、食器を倒れにくい吸盤付きの物にするなどと工夫し、赤ちゃんの自分で食べたい意欲に応えてあげるようにしましょう。
離乳食の食べない時の対策方法は赤ちゃんの月齢によって異なりますが、赤ちゃんの様子によっても変えていく必要があります。
また、赤ちゃんが暴れて離乳食があげられない、母乳やミルクしか受け付けないなどの理由で離乳食作りが嫌になってしあう場合もありますが、離乳食を与えないと赤ちゃんにさまざまな影響が及ぶのです。
① 内臓の成長に影響が出る
離乳食は内臓の訓練にもなり、さまざまな栄養素を摂ることで内臓がさまざまな消化酵素を出せるようになり、さまざまな食材を食べられるようになります。
また、胃の筋肉はゴム状になっていて、食べ物を入れることで胃が大きくなります。
胃が小さいままだと食べられる食事の量も増えず、身長や体重も増えにくくなり幼児期に小食になる可能性があります。
② 骨格に与える影響
離乳食を食べることで赤ちゃんは咀嚼することを覚え、顎の成長を促します。
しかし、離乳食を食べない赤ちゃんは顎の発達が遅れてしまい、顎が十分に発達せず、歯並びが悪くなる可能性が出てきます。
③ 食品アレルギーの可能性が高くなる
赤ちゃんの体が大きくなってからアレルギーの心配のある食材を与えるとアレルギー予防になるという噂もありますが、それは間違いです。
実は、離乳食でさまざまな食材を与えている方がアレルギーのリスクは低くなるという研究結果が出ており、アレルギーの心配がある食材は月齢に合わせて与えることが推奨されています。
そのため、ママやパパが重度のアレルギーを持っていたり、赤ちゃんにひどい湿疹やアトピーがある場合を除き、積極的に赤ちゃんにさまざまな食材を食べさせてあげましょう。
赤ちゃんが離乳食を食べなくて困っているママやパパは多く存在しますが、実はその逆で、赤ちゃんが離乳食を食べ過ぎて困っているママやパパも少なくありません。
赤ちゃんが離乳食をたくさん食べてくれることはとても嬉しいことであり、作り甲斐がありますよね。
しかし、あまりにもたくさん食べてくれるので「赤ちゃんが欲しがるだけあげてもいいのか」「食べ過ぎなのではないか」「食べ過ぎってどの程度なのか」といった悩みが出てきてしまうこともあります。
また、育児本に記載されている規定量よりも食べていると、ミルクはどれだけ与えたらいいのかも気になりますよね。
離乳食を食べ過ぎと感じるのはママやパパによってもばらつきがあり、価値観によっても異なります。
そのため、赤ちゃんが離乳食を食べ過ぎていると感じた場合には「離乳食の目安量と体重」をしっかりと確認することが重要です。
① 離乳食の目安
離乳食は赤ちゃんが欲しがるだけ与えていいわけでは無く、赤ちゃんの成長とともに少しずつ量を増やしていくことが大切です。
離乳食は生後5、6か月の頃に開始することがすすめられていて、離乳食を始めるときはまだ栄養のほとんどを母乳やミルクから摂取していきます。
そのため、まずは1日1回1さじから始め、徐々に増やしていくことが大切です。
また、離乳食を開始してから1か月後の分量の目安は約70g前後であり、メニューはつぶし粥と野菜のペースト、豆腐などの柔らかいものを与えるようにしましょう。
生後8か月頃には離乳食の回数を2回に増やし、分量は約150g前後となります。
生後10か月頃には離乳食の回数も3回に増え、分量も170g前後となり、硬さも少しずつ固形となるように調整していきます。
② 体重を確認する
離乳食は少しくらい食べ過ぎていても栄養バランスのいいメニューにしておけば赤ちゃんが肥満となることはないと言われています。
しかし、食事の時間をしっかりと定めず赤ちゃんが食べ物を欲しがるたびに与えていたり、ご飯やパンなどの炭水化物ばかりを与えていては栄養バランスに偏りが出てきてしまい、健康に影響が出ることも考えられます。
そこで、赤ちゃんが離乳食を食べ過ぎているのかどうかを確認するのは「体重をはかる」ことです。
赤ちゃんが離乳食を食べ過ぎて心配という人は毎日体重をはかることがおすすめです。
母子手帳には赤ちゃんの月齢別に平均体重と平均身長が記載されており、そのグラフを参考にすることで平均よりも痩せているのか、太っているのかが瞬時に分かります。
そして、赤ちゃんが離乳食を食べ過ぎた後に起こりがちなのが「嘔吐」です。
実は赤ちゃんが離乳食を食べ過ぎて嘔吐してしまうことはよくあることなのであり、赤ちゃんが離乳食を食べて嘔吐してしまう原因は、胃腸が発達途中で未熟だからです。
赤ちゃんは胃腸が未発達であるため、咳やゲップなどの多少の刺激だけでも食べた物や飲んだ物が出てきてしまうことがあります。
そのため、赤ちゃんが離乳食を食べ過ぎると胃腸に負担がかかり吐いてしまうのです。
そして、吐いた後にまた泣き出してしまい、離乳食を欲しがってしまうのですが、この場合は離乳食を与えても大丈夫です。
吐いてしまったことで栄養が十分に摂れていないことの方が問題であり、赤ちゃんが離乳食を欲しがるのであれば与えましょう。
また、吐いた後に離乳食を嫌がる場合は、離乳食を与えることはやめて、母乳かミルクを与えるようにして下さい。
次に、赤ちゃんが離乳食を食べ過ぎてしまう場合の対応方法をご紹介していきます。
① 汁物や野菜を増やす
赤ちゃんが離乳食を食べ過ぎている場合、離乳食の量を減らしてしまうと満腹感が得られずもっと欲しがってしまいます。
そこで、大人のダイエット方法と同じで汁物の量を増やしたり、炭水化物ではなく野菜を増やしたりすることでカロリーを抑えることが出来ます。
また、離乳食を与えるときは与える順番も重要です。
汁物から先に食べさせると満腹感が得やすく食べ過ぎ防止になり、その後に野菜、ご飯やお肉という順番で食べさせてあげましょう。
さらに汁物や野菜の味付けが濃いとカロリーが高いので、薄味にしたり、野菜の甘味のみで調理することもおすすめです。
② 離乳食の硬さや大きさを変える
離乳食の硬さや大きさを工夫してみることも、離乳食の食べ過ぎ防止に役立ちます。
離乳食が柔らかすぎると噛まずに飲み込むことが出来るので、赤ちゃんもどんどん食べてしまいます。
そんな時は、離乳食を少し硬めにしてモグモグと噛まないと飲み込めないようにしてみましょう。
そうすることで、赤ちゃんは一口を食べる時間が長くなり満腹感を得られるようになります。
また、離乳食を与える際の一口を少し小さくすることで、離乳食を食べ終える為に何口も食べなくてはいけなくなるので満腹になりやすいのですが、あまりにも小さくし過ぎると噛まずに飲み込んでしまう可能性があるので注意が必要です。
③ ゆっくり食べさせる
離乳食を食べ過ぎてしまう場合は、与えるスピードをゆっくりにしてみましょう。
赤ちゃんの口の中にまだ離乳食が入っているのに、次々とスプーンを口元に持って行ってしまうと赤ちゃんも急いで飲み込んでしまいます。
食べるスピードが速いと満腹感もそれほど得られず、もっと欲しがってしまう赤ちゃんが多いので、赤ちゃんが飲み込んだのを確認してから与えるようにしましょう。
赤ちゃんが離乳食を食べ過ぎてしまうとさまざまな悩みが出てきて、不安になります。
そこで、赤ちゃんが離乳食を食べ過ぎてしまう際のよくある悩みと、その解決法をご紹介いたします。
① 赤ちゃんが離乳食を食べたがって泣く
赤ちゃんが食べ過ぎた場合の対処法を試しても、なかなか泣き止まず「もっと食べたい!」となってしまう赤ちゃんも少なからず存在します。
赤ちゃんが離乳食を食べたくて泣いていると、赤ちゃんが可愛そうに思えてしまい、離乳食を与えてしまうママやパパは多いのですが、それを繰り返していると赤ちゃんが食べ過ぎによる肥満になる可能性が高く、健康状態も心配になります。
そのため、赤ちゃんが離乳食を食べた後でも泣いて欲しがってしまう場合は、赤ちゃんの気分を変えてあげるように工夫してあげましょう。
日中であれば散歩に行ったり、絵本が好きであれば絵本を読んであげたりと、赤ちゃんが離乳食以外に興味が行くように気分転換をしてあげると、意外とすんなりと泣き止んでくれる場合があります。
② 離乳食後の母乳やミルクの量
離乳食後の授乳の仕方は月齢によって異なり、ミルクの場合はミルク缶に記載されています。
離乳食を始めた生後5か月から6か月は栄養のほとんどを母乳やミルクから摂っているので離乳食後はいつも通りの量を与えるようにしましょう。
また、離乳食中期の生後7か月から8か月頃はまだまだ授乳やミルクが必要な時期であり、離乳食後に赤ちゃんが母乳やミルクを欲しがれば欲しがるだけあげても問題ありません。
離乳食後期になると、3回食となり授乳の回数も徐々に減っていきます。
離乳食をしっかりと食べているのに母乳やミルクを欲しがる場合は、ミルクの分量を減らして調節してあげて下さい。
③ 離乳食を食べ過ぎて吐いてしまう
離乳食を食べ過ぎてしまうと、食べた後に吐いてしまう赤ちゃんはとても多いです。
しかし、赤ちゃんの胃腸はまだまだ未熟であるため、吐いてしまうことは普通であり、そこまで心配することではありません。
もし赤ちゃんが食べ過ぎて吐いてしまった場合は、少しゆっくりと落ち着かせてあげて様子を見ましょう。
また、離乳食後の授乳やミルクも時間を空けて与えるようにして下さい。
赤ちゃんが頻繁に離乳食後に吐いてしまっている場合は、離乳食の量が多い可能性があるので離乳食の分量を減らして赤ちゃんの様子を見ましょう。
吐いた後でも離乳食を欲しがる場合は、お茶などの水分を与えるようにすると食べ過ぎを防止することが出来ます。
赤ちゃんは大人のように自分で食べる量を調整することが出来ないので、ママやパパが赤ちゃんの様子を見ながら調整することが重要です。
作った離乳食を美味しそうにいっぱい食べてくれる姿は嬉しいですが、食べ過ぎると赤ちゃんが肥満になる恐れがあり、健康が心配になります。
そのため、離乳食を食べ過ぎる場合は味を薄くしたり大きさや硬さを調整して赤ちゃんが満腹になる方法を見つけ出しましょう。
離乳食を食べないあかちゃんも食べ過ぎる赤ちゃんも、ママやパパの工夫次第でしっかりと変えてあげることが出来るので、ぜひこの文章を参考にしてみて下さい。