2021年12月8日
絵本読み聞かせ
子育てをしていく上でどんな絵本とめぐり合うかは、とても大切なことだと思います。
世の中にはたくさんの絵本が溢れています。
子どもが幼少期、絵本に癒されたことや助けられた場面が多くありました。
絵本がサポートしてくれたとも言えます。
うちの子どもは1歳前から、絵本に興味をもちだしました。
初めはパラパラとページをめくったり、両手で持って床にどんどんと叩きつけたり。
読み聞かせる機会を増やすと、表紙を触って開いて閉じるを繰り返したり、絵を指さして声を出したり、反応に変化が出てきました。
絵本に触れるとその世界へ入り込むことができて、不思議と楽しい気持ちになれるという感覚が、内容がわからないこの時期からきちんと備わっているのでしょう。
この頃から絵本と触れ合うことは、とても大事なことだと思います。
我が家では寝る前10分間絵本タイムとしています。
以前子どもが寝つきが悪かったために、寝かしつける際とても苦労した時期がありました。
そこでスムーズに眠りにつけるように何かいい案はないかと、照明や音楽、匂い、マッサージなどいろいろリサーチし、実践してみました。
その中で一番効果があったのが、絵本の読み聞かせでした。
今日はその中のおススメ絵本5選をご紹介いたします。
「おやすみロジャー」は寝かしつけで読む本として有名です。
うちの子どもは毎回読み始めて5分くらいで眠っていました。
ロジャーの世界観が気に入っていて、頻繁に寝る前に読んでいました。
小さなうさぎロジャーが眠りにつく前に出掛け、仲間と会話をし、眠くてヘトヘトな状態で家に帰り眠りにつくというストーリー。
この絵本には他の絵本と少し違うところがあります。
言葉や文を強調して読む、ゆっくり静かな声で読む、あくびをする、文章に子どもの名前を入れながら進める、というような読み方の指示があります。
私もこの指示に従って読んでいましたが、効果は抜群で自分まで眠くなってしまうことがありました。
あくびおじさんのところへ行くまでの道のりや、途中で会うかたつむりやフクロウなどとのやりとりは、平和で穏やか。
ゆっくり静かに時間が流れているような感覚になります。
寝る前に読む絵本であっても、子どもの好奇心をもきちんと大事にしながら展開が広がります。
「おやすみロジャー」は文章が多く絵のページは少なめなので、子どもが見る絵本というよりも朗読して子どもが聞き入る絵本です。
この絵本の特徴はダイナミックさにあります。
絵本を開いた状態2ページにわたり、大きく生き物の絵が描かれています。
そこにタイトルの「くまさんくまさんなにみてるの?」というフレーズが書かれ「あかいとりをみているの」と言葉が続きます。
次のページにいくとまた2ページにわたり、大きな赤い鳥が描かれています。
また「とりさんとりさん、あかいとりさん、なにみてるの?」という問いかけがあり「きいろいあひるをみているの」と答えるのはとりです。
このようなやりとりを、きいろいあひる、あおいうま、みどりいろのかえるなどが続けます。
言葉は少ないながら生き物と鮮やかな色彩で、大胆に描かれています。
最後には母親が大好きな子どもたちを見ていて、その後出てきた全ての生き物をおさらいします。
「こんな風に続いていたんだ」という納得感と、大きな安心感をもたらします。
この安心感が子どもが眠りにつきやすくなるポイントです。
このフレーズを気に入って、布団に入ってから「くまさんくまさんなにみてるの?」とつぶやきながら眠ったこともありました。
家族で遊びに出掛けたり友人と食事に行った日など、子どもが興奮気味でちょっと寝つきが悪い時に大活躍なのが「つまさきさん、おやすみ!」です。
「そろそろねるじかんよ」という母親に主人公の女の子フィオナは「まだねむくないんだもん!」と答え、女の子はベッドに入り母親と一緒に今日あった出来事を思い出します。
海に行って浜辺で砂遊びやおいかけっこをしたこと、おばあちゃんといちごを食べたこと、ビーチボールで遊んだこと。
一日の出来事を振り返りながら体の部分ひとつひとつに、丁寧に「おやすみ」と伝えていきます。
例えば「つまさきさん、おやすみ」フィオナはつまさきに意識を向け、ビーチサンダルで海に行ったことを振り返ります。
「せなかさん、おやすみ」ここでは日焼けをいっぱいしたことを振り返ります。
私はこの絵本の中の出来事を振り返るシーンで、実際その日の出来事に置き換えて話すこともありました。
その日たくさん楽しんで心地よい疲れを感じ、自分とフィオナを照らし合わせて体に声をかけていくのです。
そばで見ていても実感できるほど、ゆっくりじっくりリラックスモードに切り替わっていき、子どもの寝つきはよくなりました。
子どもにとって体感した出来事を振り返りその日を締めくくることは、自分にとって特別な絵本を読んでもらっている感覚があるのでしょう。
この絵本の特徴はズバリ絵と文のユーモアさです。
ある一人の子どもが布団に入る前に、しきぶとんさん、かけぶとんさん、まくらさんにそれぞれ頼み事をします。
例えばしきぶとんさんには、夜中におもらしをしないですみますようにと頼みます。
すると「まかせろ まかせろ おれにまかせろ」と、しきぶとんさんがおもらしをしないようにサポートしてくれる内容が描かれています。
素朴なタッチで描かれているところにとても親しみを感じます。
子どもは初め「布団がしゃべるの?」と驚く様子を見せました。
最後まで読んで、布団も枕も味方でいてくれる、そんな中眠るのだということを伝えるととても安心していました。
この絵本では、表紙で子どもが大きく伸びをし、あくびをしている様子が描かれています。
表紙の色はグレーで、手に取るだけでリラックスモードへスイッチが入る感覚が生まれます。
読む前に、この絵本を抱きかかえて先に子どもが寝てしまうこともありました。
何とも不思議な効果です。
絵本の中では夜いろいろな生き物が眠りにつく頃のことが、描かれています。
大きな文字で書かれていて、丁寧に伝わる印象があります。
表紙同様中身の色使いも全体的にグレーで展開していきます。
クマ、ガ、あざらしなどの様子が描かれ、最後は子どもたちが眠りにつく様子へと続きます。
静かに深くじっくり進む展開は、ページを進めるごとに眠りの世界へ引き込むような独特の感覚があります。
大人がそばにいるとしても、子どもは寝るという作業を自分ひとりでやります。
その日のことが頭に浮かんで興奮状態であったり、なんとなく気になることが浮かんで不安になったり、センチメンタルな気分になることもあります。
絵本の世界は大きく包み込むような安心感を与えてくれます。
そしてそれは幸福感へとつながり、心と体のスイッチがひとつずつゆっくり切れ、感謝して満足して眠りにつくことができます。
私はこの5冊の絵本にはそのような効果を感じています。